ヘ短調作品34

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TSエリオット

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イメージ 1

J.アルフレッド・プルフロックのラブ・ソング

出かけよう、僕と君
夕暮れは空に広がり
麻酔かけられた手術台の患者。
出かけよう、さびれた街を通り
ブツブツいいながら避難する忙しい夜
安い連れこみ宿
カキの三流食堂:
街は続く
良からぬ企みの
退屈な話し合い
君は疑問に圧倒される...
「なんなの?」と言っちゃいけない。

行って見ようよ。
部屋では女たちが行き来し
ミケランジェロの話をしている。

窓ガラスに背をこする黄色い霧
窓ガラスに鼻をこする黄色い煙
夕暮れの片隅を舌でなめまわし
排水溝の水たまりをうろつき
煙突から落ちるススを背負い
ススはテラスをこっそり進み、突然跳びあがり
優しい十月の夜と知り
家に巻きつき、眠りについた。

たしかに時間がある
街を通り抜け、窓ガラスに
背中をこする黄色い煙にも。
時間がある、時間がある
顔を調えて顔と向きあう
時間がある、時間がある。
つぶす時間とつくる時間がある
君の皿の問題を取り上げる
仕事と日々の手作業の時間がある。
僕の時間と君の時間。
トーストとお茶を取るのにも
百のためらいの時間と
百の計画と修正の時間がある。

部屋では女たちが行き来し
ミケランジェロの話をしている。

たしかに考え込む時間はあるはず
「やってみようか」、「やってみようか」
階段をおりて引き返す時間も
僕の頭のてっぺんにはげがある――
(髪がうすくなった、といわれそう)
僕のモーニングの上着、僕の顎にぴったりのカラー
僕の高価で地味なネクタイ、だが気取らないピンに主張が――
(手足が細くなった、といわれそう)
全世界をかく乱して
驚かしてみようか。
一分間で時間は充分
一分間で決定と改定がひっくり返る。

僕は何もかも知っている、知り尽くしている。
夜も朝も午後も知っているから
僕はスプーンで僕の命を計測してきた。
僕は遠くの部屋の音楽を聴きながら
たそがれの秋とともにかすれていく声を知っている。
どうやってみよう?

僕は目を知っている、知り尽くしている――
君を公式的に見詰める目
僕が公式化され、ピンで貼り付けられたら
僕が壁面に貼り付けられ、のたうっていたら
僕はどうやって
僕の日々と道程の吸い殻を吐きすてよう?
 そしてどうやろう?

僕は腕を知っている、知り尽くしている――
腕輪をはめたむき出しの腕
(ランプの下では腕と茶色の髪は下がっている)
僕がずれているのは
服の香水のせいかな?
食卓の上にある腕、ショールに巻きつく腕。
 そしてどうやろう?
 そしてどうやって始める?
 
言っておくが、僕は夕暮れに出かけ、細道を通り
ワイシャツ姿の孤独な男が窓にもたれ
くゆらすパイプから上る煙を見詰めていた。

僕はギザギザの二本のはさみ
静かな海底を走り回ったのだ。

  • * * *

午後は、夜は安らかに眠っている
長い指にほぐされ
眠って ... 疲れて... 仮病装って
僕と君のよこで寝そべっている。
お茶とケーキとアイスの後で
この瞬間を危機に導く力が僕にあるだろうか?
僕は泣いて断食し、泣いて祈ったことがあるが
皿に盛った僕の頭(少し禿げている)を見たことがあるが
僕は預言者ではない――ここには偉大なものはないのだ。
僕は僕の偉大なる瞬間を見たことがあるし
永遠の従者が僕の上着を持っているのを見たことがある、そして笑ってしまう
ようするに僕は怖いのだ。

結局それなりの価値はあったろう:
カップ、マーマレード、ティーをすまして
ポーセリンの食卓で君と僕が会話する。
する価値もあったろう:
笑って困難をかみ砕き
宇宙を握りつぶし、丸めて
何か途方もない問題に向けて転がし
「我はラゾロ、死者からよみがえり
すべてを語らんとして戻るなり、すべてを語らん」――
もし彼女の頭に枕を整えて
 言ったとしよう「本気で言ったのではない
 まったく違う」

結局それなりの価値はあったろう:
する価値もあったろう:
夕日、前庭、散水済みの街の後では――

これで終わり、もっとだって?
僕の気持ちを話すのは不可能だよ!
だが魔法のランプが神経組織をスクリーンに写すなら:
する価値はあったろう:
もしも枕を整えるかショールを脱がせ
窓の方を向いていったとしよう:
「これは違うよ
これは本気じゃないよ」

違う!僕はハムレットではないし、そのつもりもなかった。
行列を膨らます家来にすぎない。
一場面か二場面の出だしに登場し
王子に助言する。明らかに御しやすい手先
いんぎんで、よろこんでお役に立つ
分別あり、注意深く、気配りがある。
弁舌は格調高いが鋭くはない。
時としてはこっけいであり――
時としては道化師も同然。

僕は歳をとっていく... 歳をとっていく...
僕の折り返しのあるズボンをはくべきだ。

僕は髪を後ろで分けようか? 若い娘を食べちゃおうか?
白いフラノのズボンをはいて浜辺を歩こう。
僕は人魚が歌いあっているのを聞いたことがある。

人魚が僕に歌いかけるとは思わない。

僕は波に乗り海に向かう人魚を見た
風が吹いて水面を白と黒にするとき
波の白い髪を逆巻きながら行く。
茶色い海草の冠つけた海の乙女にさそわれ
僕たちは海の寝室でぐずぐずしている
人間の声を聞き、僕たちは溺れている。

TSエリオット(1888-1965)

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* * * *

And the afternoon, the evening, sleeps so peacefully!
Smoothed by long fingers,
Asleep ... tired ... or it malingers,
Stretched on the floor, here beside you and me.
Should I, after tea and cakes and ices,
Have the strength to force the moment to its crisis?
But though I have wept and fasted, wept and prayed,
Though I have seen my head (grown slightly bald) brought in upon a platter,
I am no prophet -- and here's no great matter;
I have seen the moment of my greatness flicker,
And I have seen the eternal Footman hold my coat, and snicker,
And in short, I was afraid.

And would it have been worth it, after all,
After the cups, the marmalade, the tea,
Among the porcelain, among some talk of you and me,
Would it have been worth while,
To have bitten off the matter with a smile,
To have squeezed the universe into a ball
To roll it towards some overwhelming question,
To say: "I am Lazarus, come from the dead,
Come back to tell you all, I shall tell you all" --
If one, settling a pillow by her head
Should say: "That is not what I meant at all;
That is not it, at all."

And would it have been worth it, after all,
Would it have been worth while,
After the sunsets and the dooryards and the sprinkled streets,
After the novels, after the teacups, after the skirts that trail along the floor –

And this, and so much more?--
It is impossible to say just what I mean!
But as if a magic lantern threw the nerves in patterns on a screen:
Would it have been worth while
If one, settling a pillow or throwing off a shawl,
And turning toward the window, should say:
"That is not it at all,
That is not what I meant, at all."

No! I am not Prince Hamlet, nor was meant to be;
Am an attendant lord, one that will do
To swell a progress, start a scene or two,
Advise the prince; no doubt, an easy tool,
Deferential, glad to be of use,
Politic, cautious, and meticulous;
Full of high sentence, but a bit obtuse;
At times, indeed, almost ridiculous--
Almost, at times, the Fool.

I grow old ... I grow old ...
I shall wear the bottoms of my trousers rolled.

Shall I part my hair behind? Do I dare to eat a peach?
I shall wear white flannel trousers, and walk upon the beach.
I have heard the mermaids singing, each to each.

I do not think that they will sing to me.

I have seen them riding seaward on the waves
Combing the white hair of the waves blown back
When the wind blows the water white and black.
We have lingered in the chambers of the sea
By sea-girls wreathed with seaweed red and brown
Till human voices wake us, and we drown.

Thomas Stearns Eliot (1888-1965)


J.アルフレッド・プルフロックのラブ・ソング II


午後は、夜は安らかに眠っている
長い指にほぐされ
眠って ... 疲れて... 仮病装って
僕と君のよこで寝そべっている。
お茶とケーキとアイスの後で
この瞬間を危機に導く力が僕にあるだろうか?
僕は泣いて断食し、泣いて祈ったことがあるが
皿に盛った僕の頭(少し禿げている)を見たことがあるが
僕は預言者ではない――ここには偉大なものはないのだ。
僕は僕の偉大なる瞬間を見たことがあるし
永遠の従者が僕の上着を持っているのを見たことがある、そして笑ってしまう
ようするに僕は怖いのだ。

結局それなりの価値はあったろう:
カップ、マーマレード、ティーをすまして
ポーセリンの食卓で君と僕が会話する。
する価値もあったろう:
笑って困難をかみ砕き
宇宙を握りつぶし、丸めて
何か途方もない問題に向けて転がし
「我はラゾロ、死者からよみがえり
すべてを語らんとして戻るなり、すべてを語らん」――
もし彼女の頭に枕を整えて
 言ったとしよう「本気で言ったのではない
 まったく違う」

結局それなりの価値はあったろう:
する価値もあったろう:
夕日、前庭、散水済みの街の後では――

これで終わり、もっとだって?
僕の気持ちを話すのは不可能だよ!
だが魔法のランプが神経組織をスクリーンに写すなら:
する価値はあったろう:
もしも枕を整えるかショールを脱がせ
窓の方を向いていったとしよう:
「これは違うよ
これは本気じゃないよ」

違う!僕はハムレットではないし、そのつもりもなかった。
行列を膨らます家来にすぎない。
一場面か二場面の出だしに登場し
王子に助言する。明らかに御しやすい手先
いんぎんで、よろこんでお役に立つ
分別あり、注意深く、気配りがある。
弁舌は格調高いが鋭くはない。
時としてはこっけいであり――
時としては道化師も同然。

僕は歳をとっていく... 歳をとっていく...
僕の折り返しのあるズボンをはくべきだ。

僕は髪を後ろで分けようか? 若い娘を食べちゃおうか?
白いフラノのズボンをはいて浜辺を歩こう。
僕は人魚が歌いあっているのを聞いたことがある。

人魚が僕に歌いかけるとは思わない。

僕は波に乗り海に向かう人魚を見た
風が吹いて水面を白と黒にするとき
波の白い髪を逆巻きながら行く。
茶色い海草の冠つけた海の乙女にさそわれ
僕たちは海の寝室でぐずぐずしている
人間の声を聞き、僕たちは溺れている。

TSエリオット(1888-1965)

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エリオットの「J.アルフレッド・プルフロックのラブ・ソング(The Love Song of J. Alfred Prufrock)」を訳してみた。モダニストの描写はキビキビして退屈しない。主人公の心理もよく分かるが、最後の落ちは何とかならないものか?最後に来て、アレッと思い、ずっと誤解してなかったのだろうかと心配になってきた。それでもノートに書き留めたからには、ここらで投稿してみよう。一度に投稿するとソフトの制約に掛かるので、原詩に準じて二回に分けて投稿することにした。


The Love Song of J. Alfred Prufrock


Let us go then, you and I,
When the evening is spread out against the sky
Like a patient etherized upon a table;
Let us go, through certain half-deserted streets,
The muttering retreats
Of restless nights in one-night cheap hotels
And sawdust restaurants with oyster-shells:
Streets that follow like a tedious argument
Of insidious intent
To lead you to an overwhelming question ...
Oh, do not ask, "What is it?"

Let us go and make our visit.
In the room the women come and go
Talking of Michelangelo.

The yellow fog that rubs its back upon the window-panes,
The yellow smoke that rubs its muzzle on the window-panes,
Licked its tongue into the corners of the evening,
Lingered upon the pools that stand in drains,
Let fall upon its back the soot that falls from chimneys,
Slipped by the terrace, made a sudden leap,
And seeing that it was a soft October night,
Curled once about the house, and fell asleep.

And indeed there will be time
For the yellow smoke that slides along the street,
Rubbing its back upon the window-panes;
There will be time, there will be time
To prepare a face to meet the faces that you meet;
There will be time to murder and create,
And time for all the works and days of hands
That lift and drop a question on your plate;
Time for you and time for me,
And time yet for a hundred indecisions,
And for a hundred visions and revisions,
Before the taking of a toast and tea.

In the room the women come and go
Talking of Michelangelo.

And indeed there will be time
To wonder, "Do I dare?" and, "Do I dare?"
Time to turn back and descend the stair,
With a bald spot in the middle of my hair --
My morning coat, my collar mounting firmly to the chin,
My necktie rich and modest, but asserted by a simple pin --
Do I dare
Disturb the universe?
In a minute there is time
For decisions and revisions which a minute will reverse.

For I have known them all already, known them all:
Have known the evenings, mornings, afternoons,
I have measured out my life with coffee spoons;
I know the voices dying with a dying fall
Beneath the music from a farther room.
So how should I presume?

And I have known the eyes already, known them all--
The eyes that fix you in a formulated phrase,
And when I am formulated, sprawling on a pin,
When I am pinned and wriggling on the wall,
Then how should I begin
To spit out all the butt-ends of my days and ways?
And how should I presume?

And I have known the arms already, known them all--
Arms that are braceleted and white and bare
(But in the lamplight, downed with light brown hair!)
Is it perfume from a dress
That makes me so digress?
Arms that lie along a table, or wrap about a shawl.
And should I then presume?
And how should I begin?

Shall I say, I have gone at dusk through narrow streets
And watched the smoke that rises from the pipes
Of lonely men in shirt-sleeves, leaning out of windows? ...

I should have been a pair of ragged claws
Scuttling across the floors of silent seas.

  • * * *

T.S. Eliot


J.アルフレッド・プルフロックのラブ・ソング I ―― TSエリオット


出かけよう、僕と君
夕暮れは空に広がり
麻酔かけられた手術台の患者。
出かけよう、さびれた街を通り
ブツブツいいながら避難する忙しい夜
安い連れこみ宿
カキの三流食堂:
街は続く
良からぬ企みの
退屈な話し合い
君は疑問に圧倒される...
「なんなの?」と言っちゃいけない。

行って見ようよ。
部屋では女たちが行き来し
ミケランジェロの話をしている。

窓ガラスに背をこする黄色い霧
窓ガラスに鼻をこする黄色い煙
夕暮れの片隅を舌でなめまわし
排水溝の水たまりをうろつき
煙突から落ちるススを背負い
ススはテラスをこっそり進み、突然跳びあがり
優しい十月の夜と知り
家に巻きつき、眠りについた。

たしかに時間がある
街を通り抜け、窓ガラスに
背中をこする黄色い煙にも。
時間がある、時間がある
顔を調えて顔と向きあう
時間がある、時間がある。
つぶす時間とつくる時間がある
君の皿の問題を取り上げる
仕事と日々の手作業の時間がある。
僕の時間と君の時間。
トーストとお茶を取るのにも
百のためらいの時間と
百の計画と修正の時間がある。

部屋では女たちが行き来し
ミケランジェロの話をしている。

たしかに考え込む時間はあるはず
「やってみようか」、「やってみようか」
階段をおりて引き返す時間も
僕の頭のてっぺんにはげがある――
(髪がうすくなった、といわれそう)
僕のモーニングの上着、僕の顎にぴったりのカラー
僕の高価で地味なネクタイ、だが気取らないピンに主張が――
(手足が細くなった、といわれそう)
全世界をかく乱して
驚かしてみようか。
一分間で時間は充分
一分間で決定と改定がひっくり返る。

僕は何もかも知っている、知り尽くしている。
夜も朝も午後も知っているから
僕はスプーンで僕の命を計測してきた。
僕は遠くの部屋の音楽を聴きながら
たそがれの秋とともにかすれていく声を知っている。
どうやってみよう?

僕は目を知っている、知り尽くしている――
君を公式的に見詰める目
僕が公式化され、ピンで貼り付けられたら
僕が壁面に貼り付けられ、のたうっていたら
僕はどうやって
僕の日々と道程の吸い殻を吐きすてよう?
 そしてどうやろう?

僕は腕を知っている、知り尽くしている――
腕輪をはめたむき出しの腕
(ランプの下では腕と茶色の髪は下がっている)
僕がずれているのは
服の香水のせいかな?
食卓の上にある腕、ショールに巻きつく腕。
 そしてどうやろう?
 そしてどうやって始める?
 
言っておくが、僕は夕暮れに出かけ、細道を通り
ワイシャツ姿の孤独な男が窓にもたれ
くゆらすパイプから上る煙を見詰めていた。

僕はギザギザの二本のはさみ
静かな海底を走り回ったのだ。

  • * * *

イメージ 1

スイーニー・エレクト ―― TSエリオット

エリオットが登場させたワイルドなキャラクタースイーニー。スイーニーは話者の分身であり、話者の観察の対象である。我々は不可解な話者の意識の流れを追跡することになる。例によって我々にはなじみのない、ギリシャ神話の話題が冒頭から出てきて戸惑う。

解釈に困り、グーグル・ブックを検索してみた。この詩の解釈は曖昧であり、現代詩で飯を食っている人たちの格好の論文ネタになっている。ネイティブの専門家に意見の一致がないのだから、私に分かるはずはない。とりあえずコンピュータになったつもりで英語を日本語に変換した。もちろん誤訳はあると思われるが、とりあえず翻訳ノートとして投稿する。


Sweeney Erect

And the trees about me
Let them be dry and leafless; let the rocks
Groan with continual surges; and behind me
Make all a desolation. Look, look, wenches!

Paint me a cavernous waste shore
Cast in the unstilted Cyclades,
Paint me the bold anfractuous rocks
Faced by the snarled and yelping seas.

Display me Aeolus above
Reviewing the insurgent gales
Which tangle Ariadne's hair
And swell with haste the perjured sails.

Morning stirs the feet and hands
(Nausicaa and Polypheme),
Gesture of orang-outang
Rises from the sheets in steam.

This withered root of knots of hair
Slitted below and gashed with eyes,
This oval O cropped out with teeth:
The sickle motion from the thighs

Jackknifes upward at the knees
Then straightens out from heel to hip
Pushing the framework of the bed
And clawing at the pillow slip.

Sweeney addressed full length to shave
Broadbottomed, pink from nape to base,
Knows the female temperament
And wipes the suds around his face.

(The lengthened shadow of a man
Is history, said Emerson
Who had not seen the silhouette
Of Sweeney straddled in the sun).

Tests the razor on his leg
Waiting until the shriek subsides.
The epileptic on the bed
Curves backward, clutching at her sides.

The ladies of the corridor
Find themselves involved, disgraced,
Call witness to their principles
And deprecate the lack of taste

Observing that hysteria
Might easily be misunderstood;
Mrs. Turner intimates
It does the house no sort of good.

But Doris, towelled from the bath,
Enters padding on broad feet,
Bringing sal volatile
And a glass of brandy neat.

TS Eliot


スウィーニー・エレクト

私のそばにはちゃんと樹を
それも枯れ葉の落ちた樹よ、打ち寄せる
波に岩は呻くのよ。私の後ろには
すべて荒れ果てているの。みんな分かったわね!

ゆったり浮かぶキクラデス島
荒れ果てた洞窟の海辺を描いてくれ
うなってはほえる海に面して
曲がりくねった険しい岩を描いておくれ

アイオロスを上においておくれ。
アリアドネの髪をもつれさせ
嘘の帆を膨らませる
やんちゃな風を見張っている

朝は手と足を刺激する
ナウシカポリュペーモス
オランウータンのジェスチャが
湯気の立つシーツから起き上がる。

もつれ毛のいじけた根元
下に裂け、割れて目がある
歯の生えた、刈り取られた楕円。
刈り取りの腿の動作は

膝のところで折れ
次に踵から腰まで伸び
ベッドの木枠を押して
枕カバーを引っ張る。

首筋から下までピンクの「尻デカ」を
剃ろうと立ち上がっていたスイーニーは
女の性質を心得ていたので
口の周りの泡を拭った。

エマーソンは歴史とは一人の男の
長く伸びた影であると言ったが
彼は白昼またがられているスイーニーの
シルエットを見てはいない)

金切り声が止むのを待ち
剃刀を脚に当て切れ味を試す。
ベッドの癲癇患者は
体をのけぞらし、あたりを握りしめる。

廊下の女性たちは
恥ずかしくて混乱する。
自分たちの方針を明かして
趣味が悪いと非難し

ヒステリーというものは
誤解されやすいと言う。
店にはいいことではないと
ターナー夫人はもらす。

バス・タオルを身につけたドリスが
炭酸アンモニアと
ブランディー一杯を持って
大またで入ってくる。

TSエリオット

注釈
1. エピグラフはフランシス・ボウモン(Francis Beaumont) とジョン・フレッチャー (John Fletcher) の「乙女の悲劇(The Maid's Tragedy)」から。失恋した女主人公が自分の境遇をアリアドネに喩えて、絨毯を織らせたという話である。

2. 注釈によれば、オランウータンはエドガー・アラン・ポーの「モルグ街殺人」 に登場するオランウータンと関係がある。

3.「廊下の女性」とは売春婦のことであろう。

4.注釈によれば、ターナー夫人は売春宿の女主人とのこと

イメージ 1

スイーニーなるキャラクターが登場する。彼は宿屋で眠い朝を迎える。宿の情景描写。その間にもギリシャの古典へと連想が飛ぶ。客以外にも二人の怪しげな女が登場。ナイチンゲールの泣き声が聞こえる。怪しげな女を見てナイチンゲールの鳴き声を聞き、話者は不貞の妻に殺されたアガメムノンの死を連想する。

エリオットの詩は10詩節の四行詩から構成され、偶数行で韻を踏んでいる。

Sweeney among nightingales

Apeneck Sweeney spreads his knees
Letting his arms hang down to laugh,
The zebra stripes along his jaw
Swelling to maculate giraffe.

The circles of the stormy moon
Slide westward toward the River Plate,
Death and the Raven drift above
And Sweeney guards the horned gate.

Gloomy Orion and the Dog
Are veiled; and hushed the shrunken seas;
The person in the Spanish cape
Tries to sit on Sweeney's knees

Slips and pulls the table cloth
Overturns a coffee-cup,
Reorganized upon the floor
She yawns and draws a stocking up;

The silent man in mocha brown
Sprawls at the window-sill and gapes;
The waiter brings in oranges
Bananas figs and hothouse grapes;

The silent vertebrate in brown
Contracts and concentrates, withdraws;
Rachel n醇Pe Rabinovitch
Tears at the grapes with murderous paws;

She and the lady in the cape
Are suspect, thought to be in league;
Therefore the man with heavy eyes
Declines the gambit, shows fatigue,

Leaves the room and reappears
Outside the window, leaning in,
Branches of wisteria
Circumscribe a golden grin;

The host with someone indistinct
Converses at the door apart,
The nightingales are singing near
The Convent of the Sacred Heart,

And sang within the bloody wood
When Agamemnon cried aloud,
And let their liquid droppings fall
To stain the stiff dishonoured shroud.

TS Eliot (1888-1965)


スイーニーとナイチンゲール

アペネク・スイーニーは足を広げ
腕をだらりと下げて笑う
あごのゼブラのしまが
膨れてジラフのまだらになる。

嵐の月の円は
ラプラタ川西方に移動し
死とカラスが上空をさ迷い
スウィーニーは角の門を守る。

陰鬱なオリオンと犬には
ヴェイルが。沈黙する萎縮した海。
スペイン・ケープを着た人物が
スウィーニーの膝に座ろうとし

すべってテーブルクロスを引っ張り
コーヒーカップをひっくり返し
掃除した床の上で欠伸し
ストッキングを引っぱる。

茶色いモカを着た無言の男は
窓際で手足をのばして欠伸する。
ウェイターがオレンジ
バナナと温室ぶどうを持ってくる。

茶色の服を着た脊椎動物が
縮まり、収まり、篭もる。
ラケル旧姓ラビノヴォッチ
どう猛な手でブドウをむさぼる。

この女とケープの女性が
あやしい、グルと思われる。
だからドロンとした目の男は
くたびれた様子で話を断わり

部屋から出ていき
窓の外でもたれる。
フジの枝が
金の笑みを取り囲む。

宿の主人が誰かと
開いたドアで話をしている。
聖心修道院の近くで
ナイチンゲールが歌っている。

アガメムノンが大声で叫んだとき
血にまみれた森で歌った。
糞の汁をたれながして
不名誉な硬い帷子を汚した。

TSエリオット

注釈

1. 第二詩節第四行「スウィーニーは角の門を守る」の「角の門」とは神格化された「夢」が送る夢である。「象牙の門」を出た夢は偽りを、「角の門」を出た夢は真実を伝えるとウィキペディアにある。詳しくはオネイロスを。
2. アガメムノンは妻と情夫に殺されたギリシャの王。詳しくは アガメムノンを。
注釈者によれば、ソフォクレスの「エディプスとコロヌス」では殺人があった森でナイチンゲールが泣いていたそうである。詳しくはこの詩の注釈37 に記述されている。

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