ヘ短調作品34

ルブランの回想録の link 先はゲストブックを御覧ください。

20世紀の英語詩人

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劇作家オニールの珍しい詩があった。偶数行で韻を踏んでいる。


To Winter

"Blow, blow, thou winter wind."
Away from here,
And I shall greet thy passing breath
Without a tear.

I do not love thy snow and sleet
Or icy flows;
When I must jump or stamp to warm
My freezing toes.

For why should I be happy or
E'en be merry,
In weather only fitted for
Cook or Peary.

My eyes are red, my lips are blue
My ears frost bitt'n;
Thy numbing kiss doth e'en extend
Thro' my mitten.

I am cold, no matter how I warm
Or clothe me;
O Winter, greater bards have sung
I loathe thee!

Eugene O'Neill (1888-1953)


冬へ

「おお寒、おお寒、冬の風」
 お前が出て行ったら
涙を一滴もこぼさずに
僕はお前を送るぞ。

僕はお前の雪やミゾレや
 凍った川が大嫌い。
僕はピョンピョン飛び跳ねて
 やっとつま先を暖める。

向いているのはクックと
ピアリだけ、この季節
どうして嬉しいものか
 面白いものか。

僕の目は赤く、唇は青い
 耳は赤くはれる。
お前のしびれるキスは
 手袋も透す。

寒い、どれだけ暖めても
 厚着しても
冬よ、偉大なる詩人も歌った
 汝が憎い!

ユージン・オニール(1888-1953)

最初の引用はシェークスピアの「お気に召すまま」の「おお寒、おお寒、http://blogs.yahoo.co.jp/fminorop34/58613626.html冬の風」である。

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古戦場で草を眺めたら、詩人ならずとも感慨は共通しているはずである。カール・サンドバーグも英雄たちの野望の空しさを感じたであろう。気を取り直した彼は自分に出来る墓掘りを始める。無力感を裏返したような素っ気ない表現。


Grass

PILE the bodies high at Austerlitz and Waterloo.
Shovel them under and let me work--
I am the grass; I cover all.

And pile them high at Gettysburg
And pile them high at and Verdun.
Shovel them under and let me work.
Two years, ten years, and the passengers ask the conductor:
What place is this?
Where are we now?

I am the grass.
Let me work.

Carl Sandburg (1878-1967)




死体を高く積みあげろ、アウステルリッツ、ワーテルロー
死体を放り込め、俺にやらせろ――
      俺は草、全部隠す。

死体を高く積みあげろ、ゲティスバーグ
死体を高く積みあげろ、イーペル、ヴェルダン
死体を放り込め、俺にやらせろ――
二年、十年、観光客が案内人にきく:
      ここは何処?
      何処にいるの?

      俺は草。
      俺にやらせろ。

カール・サンドバーグ(1878-1967)



詩中の地名は過去に大会戦があった所である。


上の写真はヴェルダンの戦場の跡である。

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Representative Poetry Online に選ばれているハルムの詩はこの詩と「エンバンクメント」だけである。第一次世界大戦が彼の経歴を断たれたこともあろうが、彼は理論家だったのかもしれない。今日の詩もイマジストの詩である。

Autumn

A touch of cold in the Autumn night --
I walked abroad,
And saw the ruddy moon lean over a hedge
Like a red-faced farmer.
I did not stop to speak, but nodded,
And round about were the wistful stars
With white faces like town children.

Thomas Ernest Hulme (1883-1917)




肌寒い秋の夜――
僕は外を散歩し、見かけた
生垣にもたれる赤い月
赤ら顔の農夫のよう。

僕は会釈して通りすぎるが
まわりには貧相な星
白い顔の都会の子供のよう。

トマス・ホワイト・ハルム(1883-1917)

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イギリスのイマジスト、トマス・ホワイト・ハルムThomas Ernest Hulme ENはエズラ・パウンドと親交のあった人らしい。第一次世界大戦で戦死している。

エンバンクメントとはテムズ川沿いの舗装道路だそうである。都会生活の享楽に倦んだ話者は詩に和むということだろうか。いつまでも前衛を気取るのは疲れるだろうが、まだそんな歳でもないのに。

The Embankment

(The fantasia of a fallen gentleman on a cold, bitter night.)

Once, in finesse of fiddles found I ecstasy,
In the flash of gold heels on the hard pavement.
Now see I
That warmth's the very stuff of poesy.
Oh, God, make small
The old star-eaten blanket of the sky,
That I may fold it round me and in comfort lie.

Thomas Ernest Hulme (1883-1917)


エンバンクメント

(酷寒の夜に倒れた紳士の幻想)

弓さばきに酔い、舗装道路上
金色に輝くヒールに痴れた。
今の僕には
詩の素材こそが温もり
神よ、縮めたまえ
大空の古い星食い毛布
包んでかけ布団にしたい。

トマス・アーネスト・ハルム(1883-1917)

star-eaten blanket は worm-eaten blanket(虫喰い毛布)をしゃれたのだろう。「星喰い毛布」としたが、洒落が直訳で通じることはほとんどないが。

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俊足の牡鹿

サヤがはじけるエニシダ、緑のエニシダ
リンゴの肌は黄色くなり
我らは修道院の谷で牡鹿を嗅ぎ付け
我らは牡鹿の跡を嗅ぎまわった、風上へ、風上へ
我らは牡鹿の跡を嗅ぎまわった、風上へ――
正真正銘の牡鹿、牡鹿、牡鹿
俊足の牡鹿、王者の枝角
ブラウ、ベイ、トレイ、サーロイヤル
牡鹿、俊足の牡鹿。

漁師の角笛が鳴りキャン、キャン、キャン
我らは見張り役の「フォワード」の声を聞く。
だが、ブナのやぶのすき間から
出てきたのは若い牡鹿一頭、やぶから
追い出し、角で突き出したのは
正真正銘の強い牡鹿、牡鹿
俊足の牡鹿、王者の誇りで
角の幹や枝をつけて眠りたい
牡鹿、俊足の牡鹿は立っていた。

そこでティンカーマンズ・パップとベル・オブ・サ・ノースを連れ
我らは隠れ処を午後まで探した。
漁師は不機嫌、犬は喧嘩しだすが
ついに我らは牡鹿を突き止めた。
ついに我らは牡鹿を突き止めた。
本物の牡鹿、老獪な牡鹿
俊足の牡鹿、王者の枝角を生やし
ブラウ、ベイ、トレイ、サーロイヤル
牡鹿の王者、俊足の牡鹿。

ベル・オブ・サ・ノースとティンカーマンズ・パップが
臭いを追い、雑木林を狩り立てた。
「タリホー!タリホー!」狩の始まり
頭が鞭を打ち、全員がかかる
全員が断固かかる
正真正銘の牡鹿はついに逃げる
俊足の牡鹿、その鹿だ、その鹿だ
牡鹿の蹄は燃え、角は炎のよう
牡鹿、俊足の牡鹿。

駄馬は放っておく。叱ったり、手綱を
締めると、すぐに躓き、狩からはぐれる。
300人の紳士が騎乗する
先頭に立つのに慣れた狩猟馬
先頭に立つのに慣れた狩猟馬
追跡する、俊足の牡鹿、牡鹿を
俊足の牡鹿、王者の枝角を生やし
ブラウ、ベイ、トレイ、サーロイヤル
牡鹿、俊足の牡鹿。

険しい谷の危険な小道
ヒース、岩、川床の脇を
足は速くなる、臭いはよく残り
俊足の牡鹿は真っ直ぐに進む
獲物は真っ直ぐに進む――
前へ、前へ、速く、遠く。
牡鹿の角の生やした頭、牡鹿の割れた蹄
ブラウ、ベイ、トレイ、サーロイヤル
牡鹿、俊足の牡鹿。

20マイル以上もあるだろうか
濃い生垣と高い塀のそばを通り
まごつく雄牛の群れをくぐる
猟師と猟犬と全員の伝承
猟師と猟犬と全員の伝承
正真正銘の牡鹿、老獪な牡鹿
20マイル、さらに5マイル、さらに5マイル
牡鹿は走り、生け捕りにならない
この牡鹿、この俊足の牡鹿。

待ち受けられ、引き返す草深い暗闇
小川が深くなったエメラルドの暗闇
牡鹿は遠くに大波の響きを聞き
のどかな眠りの夢を見る
すばらしい眠りの夢を見る
正真正銘の牡鹿、牡鹿、牡鹿
俊足の牡鹿は宝石の床の中
大洋の底、死の避難所
牡鹿、俊足の牡鹿。

運命を決める希望で牡鹿の目は輝き
鼻の孔をもう一度広く開き
枝角を高く揺さぶり
チャーロックの谷へと急ぐ
こだまする谷へと急ぐ
さらに5マイル、牡鹿、牡鹿
20マイル、さらに5マイル。さらに5マイル
生きるも死ぬも、捕まるものか
牡鹿、俊足の牡鹿。

300人の騎乗した紳士たち
300頭の勇敢な馬が見つめる
夜の潮に乗って逃走し
彼方のセバンの海に沈む牡鹿。
牡鹿、浮いている牡鹿、牡鹿
ついに宝石の床で眠った
広がる大洋の底、死の避難所
牡鹿、俊足の牡鹿。

ジョン・デヴィッドソン(1857–1909),

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