ヘ短調作品34

ルブランの回想録の link 先はゲストブックを御覧ください。

美術

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この寒いのに、旅行が趣味の友人が仲間とポーランドに出かけ、帰国後に会食した。土産話だけではなく、土産としてポーランドの誇りである芸術家ウィスピアンスキのカレンダーを頂戴した。私は大変気に入ったが、初耳の画家である。調べてみると彼は絵画、舞台装置、家具のみならず、脚本、詩を書いた才人である。以下はドイツ・ウィキペディアの記事である。


スタニスワフ・ウィスピアンスキ Stanisław Wyspiański((1869 ー1907 )は芸術家で「若きポーランド」運動のメンバーであった。クラカウで誕生し、同地で没した。

パリに遊学中アール・ヌーヴォに影響を受け、ポール・ゴーギャンのサークルと知り合った。同時におそらくはエドワルト・ムンクの絵を知ったと思われる。

絵画、挿絵を手がけ、室内装飾、舞台装置、ステンドグラスをデザインした。ステンドグラスの例としてはクラカウのフランチェスコ教会の窓ガラスがある。さらに舞台劇の脚本を書いているが、神話や伝説さらにはポーランドの歴史を題材にしたものである。よく知られた作品としては1901年の„Wesele“「結婚式」がある。この話は彼の友人であるルシアン・リデル Lucjan Rydel がクラコウ近郊の百姓の娘と結婚した実話を基にしており、初演でスキャンダルを巻き起こしたものである。1973年にアンジェイ・ワイダが映画化している。

ウィスピアンスキの作品はポーランドの各地の美術館に展示されているが、クラコウにはウィスピアンスキ美術館がある。

以上

作品に興味のある方はウィスピアンスキをどうぞ。

印象派とドレフュス10

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最後にドレフュス事件での態度表明がはっきりしている人物がいる。ピサロである。ピサロの両親はユダヤ系のフランス人であり、両親が当時デンマーク領であったサン・ドニ島に移り住んで商売をはじめ、そこで生まれた。

したがって彼はユダヤ人に分類されることになる。これで結論は出たようなものである。彼は当然親ドレフュスであった。クイズの問題の答えは出たも同然である。

ただユダヤ人問題を多少とも絵描きの世界に限定して語ろうとしたこのシリーズである。ユダヤ人といってもいろいろであり、ひとくくりにすることは出来ない。ユダヤ人というと金貸しのイメージと結びつきやすい。ドレフュス事件は金融界を支配するユダヤ人からの反発が根底にあった。その犠牲者になったのが金融とは何の縁もない一般のユダヤ人である。

ドガが陰険そうな金融資本家をユダヤ人一般の性格として描いたとされる絵は前回紹介した。ところがユダヤ人であるピサロ自身が、ユダヤの金融資本に強く反発するユダヤ人なのである。ユダヤ人ピサロはユダヤの金融資本家を批判していると思われる戯画を描いている。

ピサロはユダヤ人ということで苦労した。ピサロは印象派の人達の最年長者であり、人柄は温厚で印象派のまとめ役の役割をはたし、仲間の信頼が厚かった。いままで仲が悪くはなかった「フランスの愛国者」ルノアールからは、フランスに帰属意識のないユダヤ人ということで嫌味をいわれた。ドガとは当然うまくいかない。

親ドレフュスは派の人達は、共和制を支持し、軍部やカトリック教会と対立する傾向があったことは確かである。ピサロはその共和制すらも否定するアナーキズムに近かった人とされる。『ルーブルを焼き討ちにせよ』といったのは諸説あるが、温厚なピサロの言葉といわれている。ルーブルががらくたを並べているから新しい芸術が生まれないのだという前衛芸術家のカフェでの気炎として知られている。

だが『前衛芸術家達』は自分の作品がルーブルに飾られることを内心願っているのである。サロンをののしりながら、内心サロンの入選を願っている画家である。ピサロは最後まで『前衛の大義』に殉じて、印象派のグループから脱落することなく、印象派展に出し続けた人物である。

上の絵はピサロの描いた農民の女である。彼の描く女を見れば、ルノアールとはまったく違うことは明らかである。ピサロは川で水浴びしている女を描いてはいない。

最終的にドレフュスの無罪が確定し、軍部とカトリック教会が後退し、共和制が勝利することになり、印象派も認められるようになった。世界からフランスの印象主義の絵画を学ぶ人達がやってきた。そして第一次大戦が勃発すると、それぞれ国に帰り、印象派運動も終焉をむかえることになる。

印象派とドレフュス9

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<font size="3">さて今日はドレフュス事件態度がはっきりしている印象派の画家の中で、女流画家メアリー・カサットを取り上げる。印象派の時代に注目すべき現象は自立した女流画家が登場したことである。一番新しい女流画家はカサットの親友ベルテ・モリソであるが、彼女はドレフュス事件が本格化する以前に死亡している。

ここで若干女流画家の地位についてふれておこう。女性は親が絵描きでないかぎり、絵描きになることは難しかった。絵描きは服の汚れる作業であるから、すくなくとも淑女の作業とはされていなかった。

絵描きは神話を題材とする絵が描けなければ一人前ではない。そのためには裸体画を勉強しなければいけない。ところが女が男性のヌード・モデルを見ることは不道徳である。また壁画等の作業をするには足場に上らなければない。当時の女性の服装では考えられないことである。

さらに18世紀の教育改革により、ギルド制のもとではフランス美術発展の障害になるとして王立美術学校ができた。この美術学校の改革の一環として、女性の入学はもちろんのこと、女性が美術学校の周りをうろつくことも禁じる提案がなされた。前途有為の男子学生の修行の妨げになるからである。

この改革はナポレオンによっても修正されることはなかった。そんな中でベルテ・モリソは美術学校の入学を断られ、コローに個人的なレッスンを受け、やがてマネと親しくなり、マネのモデルになり、印象派の画家の一人になった。当時「ならず者一味にはかならず女がいるものだが、印象派という精神病院に送るべき連中の展覧会にも女がいた」と新聞の批評欄で物笑いの種にされた。

そんな頃メアリー・カサットはアメリカでなぜか美術学校に入れた。彼女の父親はアメリカで成功したフランス人の銀行家であった。カサットはレディだったからか、いろいろ親切にされたみたいである。彼女は自立を望み、レディ扱いされても、自分の絵を向上させるになんの役にも立たないし、うっとうしくなり、ヨーロッパに旅立ち、美術館を見て回った。

彼女はピサロに教えてもらった。ピサロは絵の先生として非常に優れた人物であった。セザンヌが自身を「ピサロの弟子セザンヌ」と称したくらいである。カサットはピサロに新しい絵を学んだが、彼の模倣者になることなかった。それはピサロの望むところではなかった。

やがてドガに傾倒した。気むずかしいドガと親しく、ドガとの関係を詮索する人がいる。二人の仲は普通ではないとか、いやドガは生来女嫌いというか女を馬鹿にしていたとか、いろいろと噂好きの美術史家にはネタを提供した。結局二人とも生涯独身だった。彼女はドガ同様に実験精神の持ち主であり、新しい素材や手法の開拓に熱心であった。日本の浮世絵等の趣味などもドガと共通している。

さてドガとカサットのそれ以外の共通点がある。二人とも裕福な家に育った。二人の父親は非ユダヤ系、それもフランス人の銀行家である。フランスでのし上がってくるユダヤ人に対して、カサットの父親がどう思っていたか確たる資料があるわけではないが、脅威を感じていたはずである。

ではカサットのドレフュス事件に対する態度であるが、彼女はドガとは反対に親ドレフュスであった。この結論を聞けば、後から理屈は何とでもつけられる。彼女は女性である。女性はいろいろ差別されることが多いから、差別的な反ユダヤ思想を嫌ったのだとか。たしかに彼女は美術だけではなく、政治的にも進歩的だった。アメリカでの女性の投票権の運動にも参加している。

それでも彼女はレディであるから、レディの一線を踏み外してはいなかった。一枚の例外があったと思われるが、彼女は単独の男性の肖像画は描いていない。女は男と同室できないからである。女性と子供の絵が多い、たまに男性が登場するとしても家庭的な雰囲気をだすために、脇役としての「お父さん」である。上の絵も彼女の典型的な絵である。

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<ハンブルクのフリーダ・カーロ展は期間を延長

ハンブルク

<ハンブルクのブセリウス・クンストフォルムで開催中のメキシコの女流画家フリーダ・カーロ(1907−1854)の展覧会は今まで前例のないことばかりである。約14万人が個人所有の34点の画、素描、アクリル画の展覧会を入場した。

そこで一週間期間を延長し9月24日まで開催される。期間中土曜日と日曜日は夜10時まで開館時間は延長される。メキシコの祝日である9月16日にはホルへ・カストロ・ヴァッレ駐独メキシコ大使が会場を訪ずれる。>

フリーダ・カーロ崇拝者の方はルフト・ハンザでハンブルクまでどうぞ。都合のつかない方は展覧会のサイトを訪問されると展示品の"Selbstbildnis mit ??ffchen"をかいま見られます。小猿と一緒の自画像とでも訳しましょうか。彼女は猿も愛していたのですね。

印象派とドレフュス8

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しばらくお休みをいただいた『印象派とドレフュス』、今日はドガについて話すことにしよう。あいかわらず要領をえないが勘弁願いたい。事実関係だけで理論的な話は出来ない。

さてこれまでルノアールが保守的であり、反ユダヤ的感情を持っていたことを述べた。それではこれまでの印象派の画家たちの置かれていた環境や芸術に対する、一般的な予想を立てられるだろうか。

ルノアールは前衛的な画家であるようにみえたが、本質的には18世紀のブルボン朝の画家と同じような美学を持っていたといった。

すなわち裸体画を描いている。現実にはわれわれは裸の女を見ることが出来ない。見ることが出来ないものは描かないというリアリズムの精神からかけ離れている。その意味で裸体画を描く画家はリアリストではない。

ドガは裸体画を描いている。ドガは裕福な家系のでであり、他の印象派の連中と異なり、ちゃんとイタリアに行き、本格的な修行をした人物である。ラファエロを研究しており、そのラファエロの19世紀版であるアングルを尊敬していた。その点でもルノアールと共通している。

それではドガをルノアール同様の保守的な趣味の18世紀的な画家といえるであろうか。ルノアールは川で無邪気に水浴する18世紀のフラゴナールを思わせる女を描いた。

http://cgfa.sunsite.dk/renoir/p-renoir45.htm

ドガは川で水浴する女を描いていない。それは彼のリアリズムの理念に反している。そうではなく、室内で入浴する女を描いている。彼は鍵穴から覗かれた女を描いてみせるといったが、まさにドガの裸婦は不用意に覗かれてしまった女である。われわれが裸の女を見る機会はまさにこのような機会に限られる。

http://cgfa.sunsite.dk/degas/p-degas27.htm

また入浴する女についで肌を露出させているのが、洗濯女である。彼女は季節を問わずにアイロンがけをしなければいけない。どうしても薄着になり、風を入れるために窓を開けて仕事をする。薄着の女をのぞきに来る男を承知の上で仕事する女を描いている。この意味でルノアールとはちがう。

http://www.abcgallery.com/D/degas/degas42.html

それ以外にも動きのあるバレリーナやサーカスの女たちを描いている。そして覗かれ、欲望の対象となる女たちを表面に出しながら、実は画面に登場しない男を描いたという点できわめて斬新である。彼は近代的なリアリストである。

http://www.abcgallery.com/D/degas/degas24.html

また彼はアブサンを飲む隣り合わせの男女を描いている。この二人の間には何の会話もなければ、互いに通い合う心もない。ただ二人は別々の事を考えている。都会の孤独を描いている。リアリズムの傑作である。

http://www.abcgallery.com/D/degas/degas17.html

この絵はゾラのリアリズム小説の傑作「居酒屋」のペンギン・クラシックの表紙画になっている。まさに適切な表紙である。女主人公ジェルベーズはアルコールに溺れて転落していき、最後にはのたれ死にしている。

あるいはペンギンの版によっては、ジェルベーズが洗濯女だったことからアイロンがけをしている女が表紙になっているのもある。

ドガとゾラという二人のリアリスト、現在の出版者の編集ではきわめて親密な関係にあるように見える。これは大いなる皮肉であり、事実に反している。

ドガは裕福な人であり、裕福なユダヤ人に親しくしていた家族があった。ドレフュス事件がそれを一変させた。家族とは一切口をきかなくなった。ゾラがドレフュスを擁護しだすと、ますます頑なな反ドレフュス、反ユダヤ主義者になった。

あるエピソードによれば、ドガがモデルを描いていた。モデルが何かの拍子にドレフュスの有罪はおかしいといったところ、ドガは「とっとと出て行け、この売女め!」とさけんで追い出したという。

私がよんだ美術史の本では、ドガの反ユダヤ主義を、ユダヤ人の社会的・経済的地位の上昇対する自己の社会的転落の被害妄想で説明しようとしていたが、どうも説得的ではなかった。

なおこの稿を書く前にウェッブを見直してみたが、気になることがあった。彼の一族は銀行業を営んでおり、この銀行がつぶれたとしている。銀行家であるのは確かだが、この時期に倒産したというのは初耳である。

私の知識、記憶は不確かであるが、私が読んだ美術史の本にはふれていなかったと思う。そうであればまことに単純な話であり、あれこれ議論するまでもない。ドガの反ユダヤ主義を説明しようとして、勇み足をしたのではないかと思う。インターネットの影響力は美術史の本とは比べもものにならないので、一度調べ直してみよう。


上の絵はドガがパリの証券市場を描いた絵である。彼の公然たる反ユダヤ主義からしばしば取り上げられる絵である。策謀をめぐらし、フランスの国益など眼中にない陰険なユダヤ人を意識的に描いた絵とされる。


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