ヘ短調作品34

ルブランの回想録の link 先はゲストブックを御覧ください。

英詩和訳

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バラ賛歌

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前々回の投稿では、伝サッフォー作、ブラウニング夫人訳のバラの歌を紹介したが、エディス・ホールデンの絵日記ではブラウニング夫人の最初の二行を省略してあった。ここに全文を紹介するとともに、イギリスのイタリア研究者であり、おそらくブラウニング夫人より後に英語訳したと思われるサイモンズの訳を見つけたので紹介する。二人が共通するサッフォー作とされる詩を読んだことは間違いない。二人の訳を比較すると面白いので二行追加してブラウニング夫人に再登場願うことにした。

伝サッフォー作は奇数行の詩である。英語は詩には難しい言葉だから、対句が精一杯である。奇数行の詩をどう処理するかだが、ブラウニング夫人の訳は一行韻を踏んでいない。サイモンズは3行同韻にしてある。なお前回投稿のブラウニング夫人訳の和訳を修正しているが、自信があるわけではない。ただサイモンズ訳に影響されたというのが正直なところである。



Song of Rose

If Zeus chose us a king of the flowers in his mirth,
He would call to the Rose and would royally crown it,
For the Rose, ho, the Rose, is the grace of the earth,
Is the light of the plants that are growing upon it.

For the Rose, ho, the Rose, is the eye of the flowers,
Is the blush of the meadows that feel themselves fair--
Is the lightning of beauty that strikes through the bowers
On pale lovers who sit in the glow unaware.

Ho, the Rose breathes of love! Ho, the Rose lifts the cup
To the red lips of Cypris invoked for a guest!
Ho, the Rose, having curled its sweet leaves for the world,
Takes delight in the motion its petals keep up,
As they laugh to the wind as it laughs from the west!

E.B.Browning(1806―61)



バラの歌


ゼウスの神が戯れにわれらに花の女王を選んだとしたら、
バラをよびよせ、冠を授けただろう。
バラは、ああバラは大地の恵み
バラは彼女に惹かれる草花の光。

バラは、ああバラは多くの花にかしずかれ、
容姿に自信のある緑の野原も恥らう。
木陰を通して、知らぬ間に熱る
二人の白き肌を照らす美の光。

ああバラは愛を吸い、バラは祈願され招かれた
アフロディテの赤き唇に杯をささげる。
ああバラはその麗しき葉を巻き、
西風が笑うと西風にこたえて笑うように、
うれしげに花弁をもたげる。

サッフォー

ブラウニング夫人訳



The Praise of Rose

If Zeus had willed it so
That o'er the flowers one flower should reign a queen
I know, ah well I know
The rose, the rose, that royal flower had been!

She is of earth the gem,
Of flowers the diadem;
And with her flush
The meadows blush;

Nay, she is beauty's self that brightens
In Summer, when the warm air lightens!
Her breath's the breath of Love,
Wherewith he lures the dove
Of the fair Cyprian queen;

Her petals are a screen
Of pink and quivering green,
For Cupid when he sleeps,
Or for mild Zephyrus, who laughs and weeps.

J.A. Symonds (1840-1893)



バラ賛歌

ゼウスの神が多くの花の女王として
一つの花を君臨させるとしたら、
わかっている、わかっている
バラこそ、バラこそが花の女王!

バラは大地の宝石
花の冠
バラが輝けば
緑の野は恥じて顔を赤らめる。

夏になり、暖かい大気が輝くとき
バラは輝ける美そのもの!
バラの吐息は愛の吐息、
大気はこの吐息で
美しきキプロスの女王の小鳩をいざなう。

バラの花びらはピンクと
ゆれる緑でおおう、
眠れるキューピッドと
笑い、嘆くおだやかなゼフィルスを。

サイモンズ訳


それにしても韻を意識するとずいぶん訳が違ってくるものである。

バラの歌

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Song Of Rose

For the rose, ho, the rose! is the eye of the flowers,
Is the blush of the meadows that feel themselves fair,
Is the lightning of beauty that strikes through the bowers
On pale lovers that sit in the glow unaware.
Ho, the rose breathes of love! ho, the rose lifts the cup
To the red lips of Cypris invoked for a guest!
Ho, the rose having curled its sweet leaves for the world
Takes delight in the motion its petals keep up,
As they laugh to the wind as it laughs from the west.

Sappho


バラは、ああバラは花の女王
容姿に自信のある緑の野原も恥らう
知らぬ間に熱る恋人の白き肌を
木陰を通して照らす美の光。
ああバラは愛を吸い、バラは祈願され招かれた
アフロディテの赤き唇に杯をささげる。
バラはその麗しき葉を巻き
西風が笑うと西風にこたえて笑うように
うれしげに花弁をもたげる。

サッフォー

ブラウニング夫人訳

厳密に言うと伝サッフォーである。美少女を愛したとされるレスポス島のギリシャの女流詩人。この詩をブラウニング夫人が英訳したものである。

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5月9日に投稿したサンザシの詩の和訳に今年のけりをつけたいと思った。また来年までにチョーサーをすこしかじることにしよう。


http://blogs.yahoo.co.jp/fminorop34/35467122.html


May Flower

Among the many buds proclaiming May
Decking the fields in holiday array,
Striving who shall surpass in braverie;

Marke the faire flowering of the hawthorn tree
Who finely clothed in a robe of white,
Fills full the wanton eye with May’s delight.

attributed to Chaucer


サンザシの花

五月を告ぐる蕾 
祭りの衣で野をかざり
妍をきそわんとするが

うるわしく咲きほこるサンザシの木を見るべし
こはましろき衣をたくみに着こなし
五月のよろこびでうつりぎな人の目をうばう

伝チョーサー


ちょっとふざけて伝チョーサーの英詩を復元したら、こんな感じになるかもしれない。英語の先生にはみせられないが、チョーサー作とされる詩があったとしてこんな調子ではないか。あくまでもお遊びであるが、以下の英単語は一応チョーサーの活躍した時代の英単語としてOEDに保存されているものである。


Mai Flour

Among the many buds proclamynge Mai
Deckynge the feld in haliday araie
stryvyng who schal surpass in bravery

Marke the faire flourynge of the hawethorne treo
Who finliche cloedhed in a robe of whyte
Fill full the wantoun eyhe with Mais delit

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前回と前々回『チョーサーのサンザシの詩』の誤訳等でおさがわせしたことをお詫びすると同時に、ご報告しておかなければいけない事態が生じた。いずれも私の無知と性格的欠点から生じたことである。

エディス・ホールデンの100年前の五月の絵日記には数々の詩が書き込まれている。多くは19世紀に愛好されたロマン派の詩である。彼女自身田舎を散策して、花や鳥を観察し、それを描いていた女性であるから、自然のなかで生活することを理想としていたイギリスのロマン派の詩人の引用が多いのは当然である。一風変わっているのが、今から600年以上も前の今回のチョーサーのサンザシである。

前々回からサンザシ(hawthorn)を讃美した五月の詩。私には和訳が難しかったので、理由にはならないが、てっきり彼女が最後に作者名を書きこんでいるように、チョーサーのオリジナルの詩だと思いこんでいた。

私は友人の助言を得てもっとも現代的なスペルの詩に書き換えた。ここまでは間違ってはいなかった。

エディスの『原詩』

Among the many buds proclaiming May
Decking the fields in holiday array,
Striving who shall surpass in braverie;
Marke the faire flowering of the hawthorne tree
Who finely clothed in a robe of white,
Fills full the wanton eye with May’s delight.

は以下のようになった:

Among the many buds proclaiming May
Decking the fields in holiday array,
Striving who shall surpass in bravery,
Mark the fair flowering of the hawthorne tree
Who finely clothed in a robe of white,
Fills full the wanton eye with May’s delight.

たった3語の修正で1400年に死んだ詩人の詩が読めるのかと思って感激したが、友人にこの「原詩」をメイルで送ったら、これは少なくともチョーサーのオリジナルではない、という返事が来た。braverie と言う単語も彼の時代にはなかったはずだといわれる。

そこで1400年以前という限定を付けて braverie をOEDで調べたが、なしである。これは braverie という言葉がイギリス人に使われたという文献的証拠がないということである。OEDはその名誉にかけて必死になって最初に使われた用例を探す。まずこれを信用していいであろう。この一語だけでもこの詩がオリジナルではないことが証明されたようなものであるが、暇人はこのエディス・ホールデンが引用した詩のうち、1400年以前に使われた文献的証拠をOEDで調べた。

その結果は最初の三行中でもこのテストに合格したのは、among many May くらいのものであった。さすがの暇人も調べるのをやめた。結論はよくて現代語訳である。field は feld であり、holiday は haliday であった。

可能性としては、19世紀末期の人が多少は古風な雰囲気を残すために三語だけスペルを語尾だけ変えた擬古典風の現代語訳にしたのかもしれない。

あるいは現代語訳といしてもかなり歴史のある現代語訳かもしれない。暇人は1600年以前には読めるか調べてみた。すなわちシェークスピアの時代のスペルかどうかである。調査の結果、シェークスピア時代にはこれらのスペルは存在しえた。

したがってこの詩は、OEDは持ち合わせるが、英語学の講義を受けたこともないし、今後もどこかの大学の授業に聴講しようという気概のない私としては、よくて1600年から1900年までの幅がある現代語訳である。専門家ならもっと幅を限定するであろうが。

現代語訳と言い切るためには、この内容の詩でチョーサーの真作とされる作品が存在しなければいけない。ウェブ上ではグーテンベルグ・プロジェクトのチョウサーの『カンタベリー物語』と若干の詩がある。無知なものによる検索は危険ではあるが、May という単語は非常に多かったが、サンザシの hawthorn に相当するスペルは出てくるものの、この詩に該当するものは見つからなかった。見つからなかったということは存在しないという意味ではない。まだプロジェクトは完成したわけではない。19世紀半ばに彼の真作と断定された作品の全集が出たそうであるから、この作品の真作が存在するかどうかは判定できる。

真作でない場合には二通りの可能性がある。一つは後世のチョーサーの崇拝者が彼の作品を真似て作詩した場合である。チョーサーには多くの崇拝者がいたそうだから、この可能性はある。もう一つは贋作であり、権威ありとされる人物をかついで秘かに愉ぶ不遇な詩人である。

私にはどうでもいいことである。もし興味があれば専門家が調べればよい。私は古い用紙に書かれた「真作」とされる詩を持っているわけではない。サザビーかクリスティーで『真作』を高値で落札した所有者あるいはこの購入を薦めた学芸員にとっては、真作あるいは真筆かどうかはたしかに一大問題である。

問題は真作であろうと、崇拝者作であろうと、贋作であろうと、私には作品の価値は変わらない。この詩は好きである。私のお粗末なブログには上等すぎるし、この五月にあった作品である。

それに五月という月は良い月であり、模倣しかできない詩人でも多少は才能が上向く時期であり、チョーサーなみになる可能性のある季節ではないだろうか。私はそう思いたいし、現段階ではチョーサー作とされるこの『詩』の翻訳を完了してしまいたい。もう五月も半ばである。

サンザシの訳2

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前回投稿した

Among the many buds proclaiming May
Decking the fields in holiday array,
Striving who shall surpass in braverie;
Marke the faire flowering of the hawthorne tree
Who finely clothed in a robe of white,
Fills full the wanton eye with May’s delight.

ですが、どうもスペルが難しいという批判がありました。たしかに。

以前どなたから頂いた旺文社の「英和中辞典」で調べて、そこに載っていない単語は現代スペルに直しました。braverie - bravery と faire - fair の2語です。

いずれもOEDでたしかめました。このスペルは索引項目にはありませんでしたが、bravery の用例を調べたらbraverie がありました。15世紀前後の英語のようでした。また fair の用例には faire がありました。ですからこの2語は絶対間違いないです。

そうなると原文は以下のようになります。

Among the many buds proclaiming May
Decking the fields in holiday array,
Striving who shall surpass in bravery,
Marke the fair flowering of the hawthorne tree
Who finely clothed in a robe of white,
Fills full the wanton eye with May’s delight.


以下は私の勘にすぎません。

のこるのは marke です。これを動詞とみなして調べました。用例は marke の原形ばかりがでてきます。私は mark をなんとなく目立つという自動詞にして訳してしまいました。ただその場合には主語が必要です。古文では主語が三人称単数の場合、たしか marks ではなく、marketh になるのではないかという気はしていました。ただ思い込みの強い私はそんな用例もあるだろうとして強引な訳をしたのです。原形となるとこれは命令形です。マークせよです。

結論に達するまで時間がかかりそうです。英語の先生が論文の中で訳しているかもしれませんが、ウェブ上では本邦初訳です。チョーサーの詩の本がありますが、本の目次をみるかぎり、この詩はのっていないようです。どうも私は気が乗りません。それよりも、

Among the many buds proclaiming May
Decking the fields in holiday array,
Striving who shall surpass in bravery,
Mark the fair flowering of the hawthorne tree
Who finely clothed in a robe of white,
Fills full the wanton eye with May’s delight.

という現代スペルで翻訳に挑戦されてはいかがでしょう。

辞書を引けというご要望には従いますが、いろいろのご意見を聴いてから訳をまとめたいと思います。

追記:marke は現代の mark であることは間違いありません。このことは英語の先生をしている友人から確かめました。したがって前回の私の訳は間違っており、marke は目立つという自動詞ではなく、命令形で、 mark せよというのが、正しいみたいです。では mark はどういう意味かと言われると困ってしまいます。辞書で詩語とか古語とされているのに注目して下さい。

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