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東京・某区内の神社の境内、一角に「赤米」の稲を栽培している神田がある。
♥助手アべナ:「何だかさあぁ、この稲って背丈がたがく(高く)ね?さえ、『赤米』って札がある。『赤米』って何だべにし(なんなのよ)?」
♦安濃スクラ氏:「古代のイネだべさ。縄文末期、日本に伝来しただばこの手の『赤米』だったらしい。野生種のイネだえさ、いってみれば。‥‥おがると(成長すると)背丈は190センチにもなるらしい」
♥助手アべナ:「やあ、ほんだのがあ。米粒がアガイの(へぇ、そうなんだ。米粒が赤い訳)?」
♦安濃スクラ氏:「いやさ、精米するとふつうの白米だえさ。糠の部分がアガイというか赤褐色だえさ。古代はほれっ、玄米のまま煮炊きしていたがら。糠の部分に含まれている『カテコールタンニン』こらんどば(こいつらは)抗酸化作用があるものなんだども、アゲぇ色素があるらし。だして、炊くとアゲぇ(赤い)飯になる訳さ」
♥助手アべナ:「いやさ、ほんだのがぁ」
♦安濃スクラ氏:「今でも、対馬、岡山、種子島などの神社だば、祭祀用として赤米が栽培されてら。興味深ケのは、九州・中国地方のタネは丸っごく短けぇ温帯ジャポニカ種だのに対し、種子島産だば、細なげぇ熱帯ジャポニカ種だそうだど。石垣島では、篤農家が今でも作ってらとさるごどらしい。同じ赤米でも種類が違うだば。このごどは稲作渡来の華南説、大陸・半島経由説、南方説を考える時の(お)もしろい物的証拠だべさ」
♥助手アべナ:「なして、なしてさぁ、米は渡来したってさるごどが解るの?」
♦安濃スクラ氏:「稲は熱帯の植物だしてさ、もどもど日本には自生しねぇ」
♥助手アべナ:「なるほどね。して、赤米めぇの(美味しいの)?」
♦安濃スクラ氏:「いやさ、そいほどめぐね(美味くない)し、ぱさぱさしてら。そいがら、草丈がある分、反当たりの収穫もよぐね。だたって、野生種だして、強えぇ」
♥助手アべナ:「安濃さんはまんだおんべはがせだしなぁ(物知りだね)」
♦安濃スクラ氏:「ところで、ベナッチは今回なして下北弁なるの? な、まんだごわがししてらべ(おふざけで言ってンのかい)?」
♥助手アべナ:「これも、わしィの下北研究の一環だば、許してけろ」
♦安濃スクラ氏:「そうだべか、研究だべか。‥‥ほで、任次郎氏はどごさいった??」
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