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暖かくなりかけた春の日差しが影を潜め、再び寒波が到来した2005年3月12日、 土曜日、特急しらさぎに乗って富山に車を引き取りに。 事前にメールで引き取りに行く旨を連絡し、前日に電話で確認をしたものの、 胸によぎる一抹の不安をぬぐいきることは出来ませんでした。まだ見ぬ車と、 初めて会う出品者。期待と不安を胸に私は特急しらさぎの窓から強風にあおら れる雪を漫然と眺めながら富山へと向かいました。 そして、富山駅に降り立ち、少し遅れるという出品者を待つ間、もう後戻り できないところに来てしまった自分を感じていました。 ほどなく出品者が現れ、駅のロータリーの脇に車を停めて軽くチェック。 内装にこそ年式相当のやれがあるものの、外装は比較的綺麗で、ぱっと 見では122,000円では申し訳ないなぁという気にさせる一品でした。 落札者としてはもっと慎重にチェックをするべきなのでしょうが、交通費 を払って遠くまで来ているので、ここまで来たら車を持って帰らないと、 という気分になっていたのでしょう。 ワイパーゴムが切れていることと、サーモスタットが悪いのか水温が上がら ないという不具合の説明を聞き、出品者の自宅まで出品者の運転で試乗。 (助手席じゃ試乗にならないけど、代金支払い前なので、運転させろとも 言えず私は大人しく助手席に。) 出品者の自宅の駐車場に車を止めて、代金+名義変更までの預け金を支払い、 書類と車を受け取り、出品者に別れを告げました。 ワイパーゴムを買うため、出品者から場所を聞いておいたオートバックス に行き、ワイパーを購入。交換ゴムは合うものが無く、ちょっと高いけど アッセンブリーを奢っておきました。オートバックスの駐車場でエンジン オイルなどをチェック。続いてガソリンスタンドで給油とタイヤの空気圧 をチェック。ちなみに土地柄かタイヤはスタッドレスを履いていて、雪の 帰路も安心だ、と少し得した気分でした。 富山は昔、仕事でよく来たのですが、なにせ15年以上前のこと故、記憶は あいまいで、また街の様子はすっかり変わっていて迷いながらやっと北陸道 のインターへたどり着きました。 聞いていた水温が上がらない症状は高速走行では顕著で、オーバークールの まま一路西を目指しました。 少し不具合を抱えてのドライブでしたが、高速走行の安定感はやはり最高で、 2.3リッターの4気筒も常識的なスピードでは充分、100キロ前後の軽快な加速感 は充分以上のものでした。帰路の高速ドライブは私をこの車に引き付けておく のに充分なW124の魅力を私の記憶の中に残しました。この記憶が今の私を支えて いるといっても過言ではないでしょう。 その後、次々と明らかになる重大な不具合、それでも捨てることが出来ないのは、 きっと、この記憶のせいだと思います。 .
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プロローグ
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明けて、2005年3月6日の日曜日、夜。最後の5分の攻防でした。 何度と無く自動延長で終了時間が延び、じわじわと上がる入札価格。 7万、9万、10万、11万。。。 私を含めて最終3人が競っていました。 最終的に私は上限を15万に決め、一気に15万で入札、あとは成り行きを 見守ることにしました。あとの2人が2〜3回、微妙に1000円単位の 入札価格の積み上げを試みたが、私の自動入札が上を行くので、諦めたのか 終了時間がカウントダウンされていく。 30秒、20秒、10秒、5秒、4、3、2、1、終了! 落札価格:122,000円。私は苦悩の道のりへの切符を手にしてしまいました。 今から思えば、他の2人が気前よく151,000円を付けていてくれたら、とも 思いますが。でも少なくとも私がこの切符を手に入れたことで、あの2人の うちのどちらか1人の善良な市民が不幸の道へ進むことを阻止できたのです から、良しとしておきましょう。 そのときの私の心境は、今の状況はまだ想定外でしたので、素直に落札できた ことを喜んでいました。「やったね!これで俺もベンツのオーナーやね!」 ヤフオクの「おめでとうございます! あなたが落札しました。」の文字が 恨めしいです。全然、おめでたく無いよ。。。 .
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そう、それは、今はまだ苦悩への第一歩としか評価できない一歩でした。 ヤフオク > 自動車、オートバイ > 自動車車体 > メルセデス・ベンツ > Eクラス http://list1.auctions.yahoo.co.jp/jp/2084045772-category-leaf.html で見つけてしまいました。2005年3月5日土曜日、その時点ではまだ5万を少し 超えた入札価格のW124 230E、シルバー、車検1年と少し付き、ディーラー車。 Q&Aによるとエアコンとオートマは大丈夫とのこと。富山からの出品。 最低落札価格無し。 「ご、ご、5万?」、5万でベンツが買えるの? きっと230Eだし、人気が無くてあまり入札入らないのだろう。 でも逆に230Eならそれほど無茶な乗り方もされてないだろうし。 富山なら電車に乗って取に行けるし。 良いかも。。。 思わずウォッチリストに追加。終了は明日、日曜日の夜。 15万ぐらいまでで落札できたら、目標の20万以下を十分クリアーする。 それぐらいの金額なら最悪すぐ壊れても諦められる。(後日、諦められない ことが判明。。。) 行方を見守ろう。 .
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ここはひとつ冷静に車の値段を決めるものが何かを分析 しておこう。通常、物の値段は需要と供給のバランスで決まる と思うのですが、車の場合は? 車の場合は耐用年数が6年で、6年落ちの車はタダになるという のが昔は基本でした。というか、ディーラーの営業マンとかが そう言って、古い車の下取りを渋っていました。 新車の車検が3年になって、6年落ちの車はその時点で車検が 1年ある。「えっ、車検がまだ1年もあるのに下取りタダかよ!」 車の品質がどんどん良くなって6年落ちで、走行6万キロそこそこ の車なんてまだまだ乗れる!ましてや3年落ちの車なんて新車同様! 10万キロを超えていてもロシアや東南アジアでは大人気! そんなところに、目ざといガリバーみたいないわゆる買い取り業者 が台頭してきたわけですな。それまで中古車のビジネスといえば 中古車屋が表舞台で活躍していたのですが、いまや買い取り業者 も表舞台で大活躍。 ディーラーが下取り価格ではつけないような値段をつけて車を 買い取って速攻で業者オークションに流す。中古車屋は業者オー クションで商品(中古車)を仕入れる。業者オークションへの 出品と落札後の搬送では陸送業者が大活躍! つまり、中古車の価格には、買い取り業者のマージンと中古車屋の マージンと、そしてその間を取り持つオークション会場を運営して いる会社のマージンと陸送業者のマージンがのっている訳です。 100万の中古車を買おうとしている貴方、その100万には買い取り業者 のマージン20万、陸送業者の手数料5万、オークション会場の出品・落札 手数料5万、中古車屋のマージン20万、合計50万がのっているんですよ! 元は50万の車に50万のマージンで100万です。チーン! 間違っていたらごめんなさい、業界の皆様 それでも貴方は業者から車を買いますか?直接買えば50万で買える かもしれない車を。 個人売買で買いましょう!車を!必ず安く買えることを保障します! もちろん、100%自己責任も保障します! .
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ディーラーに車を見に行きました。 中古車屋さんも見に行きました。 中古車の雑誌も見ました。 ガリバーにも聞いてみました。 そういえば、そのころYahoo!自動車をよく見ていました。 http://autos.yahoo.co.jp/ Yahoo!自動車は古い車の情報もあるし、条件指定で検索 出来るし、なかなか優れものです。 そやっ!ヤフオクで車を落札するという手もあるぞ! そう、Yahoo!自動車からYahooつながりでヤフオクです。 ヤフオクは出品・落札ともそれなりに利用していましたが 流石に車を落札するというのは今まで経験が無く、ちょっと ビビりましたが、、、 若いときは車は個人売買で買うのが常識で、最初に乗った B110サニーから4台は個人売買でした。そう、昔は個人売買 なんて常識でした。 近県からの出品で落札後に代金を持って引き取りに行って 現車と書類を確認すれば詐欺とかに引っかかることもないし かえって普通のヤフオク取引より安全! 調べると陸送代が5万とか平気でかかるみたいで、高っ! そうゆう意味でも引き取りに行ける近県からの出品が対象。 しかも、業者出品は業者さんがマージンを取っているので 割高だから個人出品を狙う。 もちろん、車検が1年以上ある車。そしてなるべく燃費の良さ そうな車。 「くっ、くっ、くっ、これしかない!」 妄想は具体的な戦略へと発展し、私はヤフオクの自動車車体 カテゴリーを開いたのでした。 http://list1.auctions.yahoo.co.jp/jp/26360-category.html?alocale=0jp それが、喜びと苦悩の交錯する日々の始まりとも知らず。。。 .
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