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 アフリカ大陸では、日本で盗まれた多数の乗用車が堂々と道を走っている。南アフリカ共和国では最近、セレビ警察長官ら警察幹部の公用車が日本国内で盗まれた車であることが発覚。三年後にサッカーのワールドカップを控え、南ア政府は「世界で一番犯罪が多い国」の汚名返上に躍起だが、国の治安トップの公用車が盗難車という何とも格好の悪い話となった。

 日本警察の捜査によると、一連の犯罪に加担しているのは、日本の暴力団員のほか日本在住の外国人犯罪組織だ。神奈川、静岡の両県警が今年二月に摘発した事件では、日系ブラジル人組織が盗んだ車をナイジェリア人組織に転売していた。

 盗まれた車は分解して「部品」として海外へ輸出されるケースが多い。南アフリカのダーバン港などに到着した「部品」は組み立て直され、南アのナンバープレートをつけた中古車として販売される。車の購入者が、元は盗難車であることを知るのは難しい。セレビ長官のケースも南アの地元新聞の調査報道でようやく発覚した。

 日本発の盗難車ビジネスには、パキスタン人や中東出身の犯罪者が多数関与しているとみられる。警察庁は盗難車ビジネスの利益の一部が国際テロ組織アル・カエダの資金源となっている可能性があるとみて、今年三月、捜査員を密かに南アへ派遣して情報収集した。我が家の駐車場から消えた車が、遠いアフリカで乗り回され、取引で生じた利益がアル・カエダの懐に入る……。グローバリズムの負の側面を象徴するような話だ。

(フォーサイト2007年7月号)

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