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 昨年末の福田首相訪中を経て、四月上旬にも中国の胡錦濤国家主席が来日する方向だ。日本側は、東シナ海の領土領海問題が重要課題と位置づけるが、中国軍筋は「大きなプレゼントを用意している」とし、これまで国内調整で最大の障害だった「軍が一歩譲る」と明言した。

 内容は調整中だが、領有権や境界線の問題は棚上げし、まずは共同開発の枠組みを話し合いの俎上に載せる方針。すでに操業中のガス田は除き、鉱脈が日中中間線をまたぐガス田の共同開発は「ぎりぎりまで柔軟に対応する」。同筋によると、中国外務省は「棚上げは譲歩ではない。日本企業が共同開発に名乗りをあげる可能性もほぼない。残る権益比率の交渉でも優位に立てば、名実ともに中国の勝利だ」と軍を説得したという。

 胡の軍権掌握が進みつつあることが影響している。十一月に初来日した南海艦隊副司令官の肖新年少将は、帰国後の内部報告会などで強調した。「実際に日本軍人と言葉を交わして初めて理解した。かつてわが国を侵略した日本軍と自衛隊と、まるで別物だ。責任ある立場として、海軍に関しては中日両国が干戈(かんか)を交える可能性はなくなったといえる」。「責任ある立場」とは「胡・党中央軍事委員会主席の意を体して」と同義だ。

 両国識者による歴史共同研究委員会も七月上旬をメドに報告書を提出する。中国は八月の北京五輪に向け日中友好を打ち出したい。胡は訪日で正式に「天皇陛下や皇族を開会式に招きたい」と提案する予定。それに先立ち事前準備のため来日予定の唐家〓国務委員が「陛下は無理としても(訪中していない)皇太子はいかがですか」と打診する見込みだ。

(フォーサイト2008年2月号)

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