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 アジア各国でコメの輸出を制限する動きが相次ぎ、コメ価格のいっそうの高騰は避けられない見通しになってきた。

 インド政府は四月はじめ、食糧価格の高騰を抑え、インフレ率のさらなる上昇を防ぐために、高級なバスマティ種をのぞくコメの輸出を全面禁止する緊急措置を発表した。

 年間四百万トンの穀物を輸出する世界第二のコメ輸出国インドが輸出を制限すれば、当然ながら、その影響は日本を含む世界全土に及ぶ。

 インド商工省によると、三月までは五%台だったインフレ率が、食品に加えて鉄鋼製品などの大幅な値上がりで、四月に入って七%となり、三年ぶりの高水準になった。

 輸出が許されるバスマティ種に関しても、最低輸出価格を一トンあたり千二百ドルに引き上げることで輸出の勢いに水を差し、搬出できる港をカンドラ、カーキナーダ、コルカタ、そしてムンバイの四つの港に限定した。

 インドだけでなく、ベトナム、タイ、中国、エジプトといったコメ生産国も、国内消費を優先するため輸出を制限する方向に動いており、すでに輸入国に影響が及んでいる。世界全体のコメの貯蔵量は、過去二十五年間で最も低いレベルに落ち込んでしまった。

 インドから月平均十二万トンのコメを輸入し、コメの総輸入量の五割以上をインドに頼るアラブ首長国連邦は、インドからの輸入が途絶えると備蓄は一週間分もないことに気づいて慌てている。また、世界最大のコメ輸入国フィリピンでは、コメの輸送車が襲われる事件が起きている。

(フォーサイト2008年5月号)

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