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 恐れられていた事態がついに発生した。欠陥機として悪名高い航空自衛隊のF2支援戦闘機が十月、県営名古屋空港で離陸に失敗して炎上し、乗員二人が重軽傷を負ったのだ。事故機は離陸直後、機首を急激に下げて滑走路に激突しており、エンジンに何らかのトラブルが起きた可能性が指摘されている。

 空自が保有するF15、F4戦闘機がエンジン二基なのに対し、F2支援戦闘機は一基だけ。空自のあるパイロットは「一基しかないエンジンが不調になれば墜落する。だからシングルエンジンは駄目なのです」とF2に対する不満を口にする。

 かつてFSX(次期支援戦闘機)と呼ばれたF2をめぐっては、国内開発を目指した当時の防衛庁と日本の防衛産業に対し、米政府が米国機を購入するよう圧力を強め、最終的に日米は共同開発することで妥協した。空自は墜落の危険性が低いエンジン二基の機体を主張したが、共同開発の基礎となったのはエンジン一基のF16戦闘機だった。

 F2の問題はそれだけではない。開発に三千二百七十四億円もの巨費が投じられ、価格は当初見込んだ一機五十四億円から最後は百二十三億円にも跳ね上がるという詐欺のような話。

 さらに主翼、尾翼など翼と名前がつくすべての部位でひび割れなどの不具合が生じ、防衛庁は予定した百三十機の発注を九十四機に下方修正したが、今回の墜落によって、それでなくても数少ない機体がさらに一機減ったことになる。

 前出の空自パイロットは「F15はエンジンが一基故障しても残る一基で離陸できる。しかもエンジン二基のF15が百億円以下で生産できたのに、同じ三菱重工が造るF2は百二十三億円というのは、どう考えてもおかしいでしょう」と語る。

 開発経費と機体購入費を合わせて一兆五千億円の国費が投下されたF2支援戦闘機。量産化を決定した時の防衛庁航空機課長は、現在の増田好平事務次官だった。防衛省は責任の所在を明確にする義務がある。

(フォーサイト2007年12月号)

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