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「対米関係や対台湾政策は、最も重要な視点だ。ただ、純粋に軍事的な視点もなくしてはならない」と中国軍の幹部は語る。
 中国は、十一月二十二日(感謝祭)に香港へ寄港しようとした米空母キティホークをはじめ、同月中に三回、また正月休暇中の寄港を求めたフリゲート艦にも拒否を通告し、米側の反発を招いた。幹部によると「今後を見据えよ。いつでも簡単に寄港できると思ったら大間違いだ。米国に教訓を与える機会だ」と、一部の軍長老が強硬に主張したという。

「軍事的な視点」とは、退役するキティホークに代わり原子力空母ジョージ・ワシントンが二〇〇八年、横須賀に配備されること。格段に増強される米海軍力を前に、「ひとたび命令が下れば直ちに祖国を統一(台湾を武力併合)できる」と豪語した老将軍らが神経を尖らせている。

 中国外務省は直前に「人道上の見地から受け入れる」と方針を変更し、十一月二十八日にブッシュ大統領と会談した楊潔※外相は「誤解に基づく」と釈明。しかし翌二十九日に中国外務省報道官は一転、台湾への改良型パトリオットミサイル供与や、チベット民主運動の主導者ダライ・ラマ十四世への米議会金メダル授与について米側を非難した。中国側の対応にはチグハグさが目立つ。

 外交当局が軍に振り回されるのはいつものこと。だが今回は、「表立って口にできないが、長老の主張に首を傾げる向きは少なくなかった」と、軍内にも意思不統一の兆しが出ていた。慌てた現役組は、十二月三日にワシントンで開かれた米中国防次官級協議で「今後、お互いにこの問題を持ち出さない」と提案し合意、素早く棚上げへ持ち込んだ。ただ、長老らは「タイミングを選び今後も米国に教訓を」と訴えており、火種は残る。長老に逆らえないのも中国では「純粋に軍事的な視点」なのだ。

※は竹冠に虎

(フォーサイト2008年1月号)

 世にも珍しい「性賄賂」なる刑法上の罪が、中国で法制化される公算が強まっている。現金のみならず、純金製の毛沢東語録や月餅、高級輸入車などあらゆる財貨が党・政府幹部への賄賂となるが、いま最も喜ばれるのは「鍵を握った美女(=愛人つきのマンション)」。胡錦涛指導部は法制化で、党内の腐敗幹部に警告する新たな手段を得る。

 摘発を受けた腐敗官吏の九五%は愛人をもつとの調査結果もあるほど、腐敗と愛人は密接不可分。賄賂として“愛人”を贈る業者も絶えない。ところが、取り締まろうにも使えるのは女性に対する売春罪だけで、それすら、幹部との間に金銭の授受がなく「自分の部屋に招いた男友達がたまたま幹部だった」ならば罪に問えない。一方の幹部側は不適切な男女関係を「生活作風の問題」と定める党規律に反するだけ。江沢民自身が有名歌手らと浮名を流すなど、前指導部時代に有名無実化した規律を正すべく、刑法改正を検討中なのだ。「性関係の事実」と業者および幹部の「利益追求目的」を構成要件とするという。

 ただ、法学者らの反対・慎重論も根強い。財貨でもない非物質的な「性関係」を利益と算定できるか、「自由意思に基づく恋愛」と主張されたら対抗できるのか、どんな基準で量刑を行なうか、一人より十人の愛人を抱えた方が重いのか、百人と一回ずつの性関係と一人と百回の性関係の罪状をいかに量るか……。

 だが最近、全国人民代表大会弁公庁に勤める教え子に請われ、党中央・国務院・全人代幹部らに内部講話した法律系有力大学の老教授はこう語る。「出席者は、法学論争にはほとんど関心がなかった。問題を放置してはならない、何とかならないかといった意見が続出した。胡総書記の意志は堅いと実感した」。

(フォーサイト2008年1月号)

 防衛専門商社「山田洋行」からの収賄容疑で逮捕された守屋武昌・防衛省前事務次官が、部下だった河村延樹・前防衛政策課長に投資目的で渡した四千五百万円の行方が謎を呼んでいる。

 防衛省に二人が説明したカネの流れは以下のようだ。「いいもうけ話がありますよ」との河村氏の誘いで、守屋容疑者は一九九七年六月と七月、合計四千五百万円を河村氏に預けた。すぐに投資に失敗し、その年のうちに河村氏は三千万円返済し、残り千五百万円は少しずつ返し、二〇〇二年に千百万円を返して完済したという。

 奇妙なのは河村氏が頑として投資先を明かさないこと。「親の会社の元従業員に預けた」とまではいうが、投資先は「覚えていない」の一点張り。常識では投資先を聞かずに四千五百万円もの大金を預けることなどあり得ない。

 あっという間に消えたとすれば、考えられるのは先物取引だ。大豆などの食品ならともかく、原油となると話は違ってくる。産地の中東情勢は米国からの情報提供によって防衛省はかなり正確に分かる。仮に原油の先物買いに充てていれば、職務上得られる情報を私利私欲のために利用したことになる。

 省内には「実は守屋容疑者は河村にカネを預けてなどいない。返済金の名目で山田洋行からの賄賂を迂回して受け取っていたのではないか」との見方もある。守屋容疑者は同じ九七年に東京・神楽坂の自宅を購入した際、三千五百万円の借金をしている。四千五百万円があれば、借金するはずがない。

 河村氏は更迭されたあと、休暇をとり続けている。課長席にあった書類などは東京地検特捜部の家宅捜索ですべて押収され、机だけが残っている。

(フォーサイト2008年1月号)

 中央アジアの地域大国ウズベキスタンに十七年間君臨してきたカリモフ大統領が、十二月二十三日の選挙で三選禁止の憲法規定を事実上踏みにじり、さらに七年の任期を手中にする。

 治安機関は、既に反体制派を根こそぎ獄に投じ、新聞、テレビも完全に統制下に置いた。さらに、ウクライナやグルジアの民主化でインターネットが重要な役割を果たしたことを教訓に、国営IT(情報技術)企業ウズインフォコムをネット上の秘密警察に再編、サイバー空間の支配にまで乗り出した。

 同社が野党系や海外サイトへのアクセスを妨害するなか、ネットカフェでは閲覧するサイトを事前申請させる制度も導入された。利用客が海外の情報をダウンロードできないよう、USBメモリーの差込口をふさぐ念の入れようだ。以前は、企業向けのプロキシサーバーを使えば野党系サイトにもつながったが、それも困難になった。

 これまでカリモフ大統領は、強引に任期延長するにも、国民投票などの手続きを一応踏んできた。だが、今回はそれさえもなく、情報統制は強まるばかりだ。

(フォーサイト2008年1月号)

 現在、世界の海に就航している外洋船舶は約十万隻。これらが「バラスト水」を重しにして航海することで、毎年百億トンから百二十億トンの水が世界中を移動すると推計されている。

 バラスト水は、積荷のない船舶が代わりに重しとして積み込む海水だ。問題は、それに紛れ込んで、魚介類から細菌まで様様な生物も世界中を“航海”すること。バラスト水は積荷を積む時に排水されるため、紛れ込んでいた生物が本来生息しない水域で排出され、世界各国で生態系を破壊している。

 国際海事機関(IMO)は二〇〇四年にバラスト水の規制・管理のための国際条約を採択したが、発効していなかった。しかし、この七月にIMOがスウェーデンのアルファ・ラバル社が開発した光触媒で生物を処理する装置を承認したことで規制の発効が現実味を帯びてきた。

 条約が発効すると早ければ〇九年から段階的に規制対象が拡大し、一七年以降はバラスト水を使うすべての船舶が規制の対象になる。この場合、現在就航中の船舶の改造需要が約二兆円、今後、新規建造される約三千隻の船舶を対象に毎年一千億円の特需が見込まれている。

(フォーサイト2007年12月号)

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