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 厚生労働省から「体細胞クローン技術で生産した牛と豚を原料とする食品の安全性」を評価するよう求められた食品安全委員会は「虚しい作業」にとりかかる。安全かどうか以前に、クローン家畜を普通の家畜と区別する科学的な技術はないからだ。

 一世代前の技術である「受精卵クローン」は野放し状態。農林水産省が確認しているだけで、一九九三年以降、日本では三百頭以上のクローン牛が食肉として処理され市場に流通した。北米では受精卵クローンの家畜に関して流通上の規制はなく、もちろん表示義務もない。輸入牛肉の中にクローン牛が混じっていたかどうか、だれもわからない。一方、日本では受精卵クローン牛を「Cビーフ」と表示することが「推奨」されたが、まったく普及しなかった。任意表示なのに、わざわざ消費者が敬遠するようなシールを貼る業者はいない。

 その後、クローン技術は、「受精卵」より大量にクローンを作り出せ、かつ遺伝子組み換え技術の応用もできる「体細胞」に移った。いま各国はこの最先端技術で鎬(しのぎ)を削っており、特にクローン牛の分野で日本の技術はトップクラスだ。

 今のところ、体細胞クローン家畜を原料とする食品は、日本だけでなく、欧州、米国、韓国、豪州でも出荷が「自粛」されている。しかし欧州食品安全機関(EFSA)が一月に牛と豚について「食品の安全性に問題がない」とする報告書を発表。続いて米国食品医薬品局(FDA)が、牛、豚、山羊について「危険でない」と宣言した。欧州連合(EU)が主導する「食の安全」の国際標準づくりで外堀を埋められた日本の食品安全委員会に「問題なし」という評価を出す以外の選択肢はない。

 体細胞クローンの家畜には、胎児が育ちすぎる「過大子」が多く死産率も高いなど未解明なことがまだまだ多いが、食品流通はなし崩しに容認されかねない。いや、すでに流通しているのかもしれない。

(フォーサイト2008年5月号)

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