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 北京市の中心に位置する人民大会堂は、五年に一度の共産党大会や毎年三月の全国人民代表大会(全人代)が開かれ、まさに中国の顔。そこに、ある日本製品が隅々まで入り込んでいる。

 全人代では全国から三千人もの代表が押し寄せる。エレベーターの設置台数も半端ではなく、その数なんと四十基。うち三十八基を三菱電機製が占めている。残り二基は中国企業製だが、設置から約半世紀を経て、近く取り換えられる可能性は高い。

 三菱電機関係者は残り二基の商談について「具体的な話はまだない」としているが、状況を考えれば同社製エレベーターが大会堂を“完全制覇”する日は遠くないと思われる。

 同社は他社に先駆けて一九八五年に中国市場に参入。一時期は「北京の主要な通りに面する大きなビルの八割で当社製エレベーターが稼働していた」というほどの人気を博した。これがブランド力を生み、人民大会堂での大量採用へつながった。

 全人代の閉会中などに、政府は大会堂を民間企業へ貸し出す。三菱電機は六月、民族系企業との合弁会社の開業式典を大会
堂で開いた。中国では開業式典の盛況ぶりが会社の格式を見定める指標の一つとされる。勢いを中国でも見せつけた形だ。

(フォーサイト2007年10月号)

 業績絶好調の全日本空輸(ANA)が、中国などアジアの航空会社と合弁で格安航空会社を設立することを検討している。

 米国をはじめ海外では、サービスをぎりぎりまで切り詰めることで航空運賃を抑えた「ローコストキャリア(LCC)」と呼ばれる格安航空会社が既存の大手航空会社を押しのけ勢力を拡大しており、米デルタ航空はそのあおりを受け、破産法適用の憂き目を見た。

 ANAがLCC設立に意欲を見せるのは、欧米を中心に巻き起こる「オープンスカイ(航空自由化)」の波がある。これまで国をまたぐ路線開設には二国間の政府協定が必要だったが、この三月に米国と欧州連合(EU)の間で結ばれた新航空協定では「路線開設は原則自由化され、外資規制も撤廃の方向で議論が進んでいる」(ANA幹部)という。

 日本もいずれこの波に巻き込まれるのは必至で、航空各社としても早めに手を打つ必要がある。

 アジアでもLCC会社がいくつも台頭してきており、「羽田空港の国際化論議や羽田・成田の滑走路新設・拡張などで増える発着枠をにらんで海外のLCCが日本に参入してくる」(同)との危機感は強い。そこでANAは海外の航空会社と組むことで人件費を安く抑えることに加え、相互乗り入れをしやすくし、本格的に到来する航空ビッグバンを乗り切る構えだ。

(フォーサイト2007年6月号)

 大丸と松坂屋の経営統合で再編ムードが一気に高まる百貨店業界。小売業界ではイオンがダイエーを吸収、セブン&アイもミレニアムグループと統合するなど、流通業界は生き残りをかけ規模の追求に一気に舵を取り始めた。そのなかで次に注目されているのが伊勢丹だ。

 伊勢丹は旗艦店である新宿店が一店舗あたりの売上げで業界トップを走るが、「品質の良い商品を安く仕入れるには、どうしても規模の大きさに伴う購買力の強化が不可欠」(大手証券アナリスト)だ。その伊勢丹が目をつけるのが松屋だ。伊勢丹は松屋の株式を四・一%保有するほか、店のイメージも似通っており、相性がいい。

 しかし、この二社は店舗が首都圏に偏っており規模を追求するという点では条件が悪い。そこで、この両社に高島屋も合流する可能性が出てきた。三社のメーンバンクはいずれも三菱東京UFJだ。「大阪、名古屋を基盤にした大丸、松坂屋の統合は合理的。首都圏に両社が打って出てくるのは脅威」(高島屋幹部)で、「松屋の大株主でもある東武鉄道も巻き込んで、グループの東武百貨店も合流すれば一気に力は強まる」(同)。少子化の影響などで今後、国内小売業の市場規模は先細りに向かう。大丸・松坂屋連合に対抗して新たな勢力ができるかどうか、関係者は注目している。

(フォーサイト2007年5月号)

 南回帰線に近いインド洋に浮かぶ人口百二十万人の小さな島国モーリシャスが、インドへの“迂回投資”の増加に頭を悩ませている。リゾート地として知られ、欧米からの観光客が多いモーリシャスだが、一九九〇年代初頭にインドとの間で二重課税を避けるための租税条約を結んだことがその悩みのタネ。キャピタルゲイン税が免除となる制度を利用して、モーリシャスを経由してインドに投資するファンドが増えているのだ。

 租税条約により、モーリシャス籍を許可された機関投資家はインド国内でキャピタルゲインに課税されない。一方で、モーリシャスはタックスヘイブン(避税地)であり、ここに置かれる資金には税金がかからない。したがって、モーリシャスを経由して迂回投資すれば、まったく課税されることなくインドに投資することができる。これによって、インドに流入する海外からの投資の実に三割がモーリシャス経由になった。

 モーリシャスの金融界を監督する同国金融サービス委員会代表のミラン・ミーターバン氏は、インドとの租税条約を悪用して資金洗浄が行なわれないよう警戒するかたわら、海外からの資金がモーリシャスに流入するのを妨げることもないよう頭を悩ませているという。

「モーリシャスとインドの間で頻繁に資金を動かすことを難しくする規制はすでに導入しており、こうした措置によって、インドへの迂回投資は減ったと考えています。さらに迂回投資を減らすべく、この二カ月間、インド政府の担当者と綿密な協議を重ねています」とミーターバン氏は言うが、資金の流れを完全に捕捉することはできていない。

(フォーサイト2007年4月号)

 石油業界は、二〇一〇年に年間三十六万キロリットルのバイオエタノールをブラジルから輸入し、ガソリン添加剤(ETBE)の原料として使う計画。しかし同業界は、輸入ルートをめぐって、経済産業省OB色が強いエタノール輸入会社への不信感を強めている。

 その輸入会社は、日本アルコール販売とブラジル国営石油公社ペトロブラスが折半で今年三月に設立した「日伯エタノール」。三人の日本人幹部すべてが旧通産省OBだ。社長の雨貝二郎・日本アルコール販売社長は一九六八年入省で、ダイエー会長も務めた。取締役総務部長は経産省通商交渉官だった掛林誠氏、監査役は〇二年に退官し弁護士に転身した玉木昭久氏。

 ペトロブラス社は七〇年代半ばからガソリン混合用にエタノールを使っているが、直接の生産者ではなく、日本への輸出の際は単なる中間業者。自前の生産地を持たないブラジルの会社と組む意味はないと、石油業界では別の輸入会社を設立し、ブラジルのサトウキビ生産者やエタノール生産者団体から直接買い付けを模索する動きもある。

「エタノールは割高なのに、ペトロブラスと経産省OBが間に入るとさらに割高になる」として、石油業界では「日伯エタノールは使わない」との声が強い。

 エネルギー安保の観点からエタノールの大生産国ブラジルは重要な貿易相手だが、官僚OBの介在が関係を歪めかねない。

(フォーサイト2006年11月号)

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