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中国

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 膨大な鉱物資源が眠っているとされる北極圏の権益をめぐり、各国の鍔迫り合いが繰り広げられる中、今度は中国もこの争いに加わろうとしている。

 ロンドンの外交筋によれば、中国は今春にも、アイスランドとの間で自由貿易協定(FTA)を締結する可能性がある。協定は、中国がアイスランド側の要求に大幅に譲歩したものになるもようで、その最大の理由は、アイスランドとの関係緊密化を図り、北極圏の権益確保への第一歩を固めるためだという。

 アイスランドは、北極圏の環境・経済・社会の諸問題を協議する「北極評議会」(一九九六年設立)のメンバー国で、米国、ロシア、カナダといった他の有力加盟国と並び、大きな発言権を有している。中国が昨年暮れの同評議会にオブザーバーとして出席した裏には、アイスランドの後押しがあったとされる。

 ニューヨークの国連筋によれば、中国は、安保理常任理事国であるイギリスやフランスもオブザーバーとして北極評議会に参加していることに焦りを感じ、一昨年からアイスランドに強く働きかけていたという。前出の外交筋は「中国はアイスランドに対しFTA締結と引き換えに合弁事業として港湾建設を提案している」と述べている。

 (フォーサイト2008年3月号)

 昨年末の福田首相訪中を経て、四月上旬にも中国の胡錦濤国家主席が来日する方向だ。日本側は、東シナ海の領土領海問題が重要課題と位置づけるが、中国軍筋は「大きなプレゼントを用意している」とし、これまで国内調整で最大の障害だった「軍が一歩譲る」と明言した。

 内容は調整中だが、領有権や境界線の問題は棚上げし、まずは共同開発の枠組みを話し合いの俎上に載せる方針。すでに操業中のガス田は除き、鉱脈が日中中間線をまたぐガス田の共同開発は「ぎりぎりまで柔軟に対応する」。同筋によると、中国外務省は「棚上げは譲歩ではない。日本企業が共同開発に名乗りをあげる可能性もほぼない。残る権益比率の交渉でも優位に立てば、名実ともに中国の勝利だ」と軍を説得したという。

 胡の軍権掌握が進みつつあることが影響している。十一月に初来日した南海艦隊副司令官の肖新年少将は、帰国後の内部報告会などで強調した。「実際に日本軍人と言葉を交わして初めて理解した。かつてわが国を侵略した日本軍と自衛隊と、まるで別物だ。責任ある立場として、海軍に関しては中日両国が干戈(かんか)を交える可能性はなくなったといえる」。「責任ある立場」とは「胡・党中央軍事委員会主席の意を体して」と同義だ。

 両国識者による歴史共同研究委員会も七月上旬をメドに報告書を提出する。中国は八月の北京五輪に向け日中友好を打ち出したい。胡は訪日で正式に「天皇陛下や皇族を開会式に招きたい」と提案する予定。それに先立ち事前準備のため来日予定の唐家〓国務委員が「陛下は無理としても(訪中していない)皇太子はいかがですか」と打診する見込みだ。

(フォーサイト2008年2月号)

「文字通り命懸け、最近は悲壮感さえ漂ってきました」――中国国務院筋は、温家宝首相が“職務に専念”するため張※莉夫人と一昨年秋に離婚していたと明かした。大陸中国人として初めて英国宝石鑑定士資格を取得、北京ダイヤモンド宝石公司トップとして中国宝石協会副主席までキャリアを積み上げてきた張夫人だが、温の首相就任を翌年に控えた二〇〇二年以降、ビジネスから身を引いたと伝えられていた。だが、旺盛な事業意欲を抑え切れなかったようだ。

 温の家族をめぐっては、長男・温雲松、長女・温如春が父の威光を笠に金融企業のトップに就き暴利を貪っているなど、台湾・香港発の報道が絶えない。昨秋にも台湾のテレビ局が「張夫人は前年の宝石展示会で二百万元の宝石を(自分用に)買った」と伝えるなど、真偽不明の情報が飛び交う。

 噂の出所は「すべて南の大都市」(同筋)。上海閥を率いる江沢民前総書記や曾慶紅国家副主席らが陰で糸を引く構図だ。温は「宝石商売は親民を唱える平民宰相のイメージにそぐわない。“彼ら”に口実を与えないよう、離婚を決断した」という。

 温支援を強めるのは胡錦濤総書記。昨年大晦日には〇五年の国慶節休暇に続き異例の天津再訪に踏み切った。天津は温の出身地。胡は「〇八年は故周恩来首相の生誕百十周年。盛大な記念大会など様々な活動を準備している」と呼びかけた。「天津ゆかりの周と温」を並べ、いまも人民に敬愛される周と温のイメージを重ねるのが胡の狙いだ。

 三月五日に開幕予定の全国人民代表大会で温政府の二期目が始まるのを前に、二月下旬には幹部人事や国務院機構改革案などを最終調整する第十七期党中央委員会第二回総会が開かれる。食料品の物価高騰など経済失策を“彼ら”が攻撃するのは確実で、経済を主管する温は矢面に立たされる。温の秘書グループは緊張を和らげようと、学校参観やスポーツ試合観戦など「子供や若者と接する機会を増やそう」と相談中だという。

※は草かんむりに倍

(フォーサイト2008年2月号)

「対米関係や対台湾政策は、最も重要な視点だ。ただ、純粋に軍事的な視点もなくしてはならない」と中国軍の幹部は語る。
 中国は、十一月二十二日(感謝祭)に香港へ寄港しようとした米空母キティホークをはじめ、同月中に三回、また正月休暇中の寄港を求めたフリゲート艦にも拒否を通告し、米側の反発を招いた。幹部によると「今後を見据えよ。いつでも簡単に寄港できると思ったら大間違いだ。米国に教訓を与える機会だ」と、一部の軍長老が強硬に主張したという。

「軍事的な視点」とは、退役するキティホークに代わり原子力空母ジョージ・ワシントンが二〇〇八年、横須賀に配備されること。格段に増強される米海軍力を前に、「ひとたび命令が下れば直ちに祖国を統一(台湾を武力併合)できる」と豪語した老将軍らが神経を尖らせている。

 中国外務省は直前に「人道上の見地から受け入れる」と方針を変更し、十一月二十八日にブッシュ大統領と会談した楊潔※外相は「誤解に基づく」と釈明。しかし翌二十九日に中国外務省報道官は一転、台湾への改良型パトリオットミサイル供与や、チベット民主運動の主導者ダライ・ラマ十四世への米議会金メダル授与について米側を非難した。中国側の対応にはチグハグさが目立つ。

 外交当局が軍に振り回されるのはいつものこと。だが今回は、「表立って口にできないが、長老の主張に首を傾げる向きは少なくなかった」と、軍内にも意思不統一の兆しが出ていた。慌てた現役組は、十二月三日にワシントンで開かれた米中国防次官級協議で「今後、お互いにこの問題を持ち出さない」と提案し合意、素早く棚上げへ持ち込んだ。ただ、長老らは「タイミングを選び今後も米国に教訓を」と訴えており、火種は残る。長老に逆らえないのも中国では「純粋に軍事的な視点」なのだ。

※は竹冠に虎

(フォーサイト2008年1月号)

 世にも珍しい「性賄賂」なる刑法上の罪が、中国で法制化される公算が強まっている。現金のみならず、純金製の毛沢東語録や月餅、高級輸入車などあらゆる財貨が党・政府幹部への賄賂となるが、いま最も喜ばれるのは「鍵を握った美女(=愛人つきのマンション)」。胡錦涛指導部は法制化で、党内の腐敗幹部に警告する新たな手段を得る。

 摘発を受けた腐敗官吏の九五%は愛人をもつとの調査結果もあるほど、腐敗と愛人は密接不可分。賄賂として“愛人”を贈る業者も絶えない。ところが、取り締まろうにも使えるのは女性に対する売春罪だけで、それすら、幹部との間に金銭の授受がなく「自分の部屋に招いた男友達がたまたま幹部だった」ならば罪に問えない。一方の幹部側は不適切な男女関係を「生活作風の問題」と定める党規律に反するだけ。江沢民自身が有名歌手らと浮名を流すなど、前指導部時代に有名無実化した規律を正すべく、刑法改正を検討中なのだ。「性関係の事実」と業者および幹部の「利益追求目的」を構成要件とするという。

 ただ、法学者らの反対・慎重論も根強い。財貨でもない非物質的な「性関係」を利益と算定できるか、「自由意思に基づく恋愛」と主張されたら対抗できるのか、どんな基準で量刑を行なうか、一人より十人の愛人を抱えた方が重いのか、百人と一回ずつの性関係と一人と百回の性関係の罪状をいかに量るか……。

 だが最近、全国人民代表大会弁公庁に勤める教え子に請われ、党中央・国務院・全人代幹部らに内部講話した法律系有力大学の老教授はこう語る。「出席者は、法学論争にはほとんど関心がなかった。問題を放置してはならない、何とかならないかといった意見が続出した。胡総書記の意志は堅いと実感した」。

(フォーサイト2008年1月号)


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