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 中国政府の兵器開発部門や中国軍の軍事装備部門の重要ポストに、宇宙技術専門家グループが相次いで就任、宇宙兵器開発に向けた新たな動きとして注目されている。

 中国軍の動きを追っている米情報機関に近い筋によれば、中国国務院(政府)の一部門である国防科学技術工業委員会の主任に、八月末、中国航天科技集団公司(CASC)総経理だった張慶偉氏が任命された。

 同委員会は、中国の航空宇宙計画や兵器生産など軍需産業に関する政策決定や監督に当たる機関。張氏は今年四十六歳の宇宙技術専門家で、同委の主任としてはこれまでで最も若いという。米情報機関筋が注目するのは、張氏が宇宙専門家たちのリーダー格であること。中国軍の装備部門を管理する総装備部にも張氏グループの人間が副部長二人を始め四人おり、張氏を含めたこの五人は「宇宙ギャング五人組」の異名をとる。

 北京の軍事筋は「五人組の抜擢は共産党と中国軍最高指導部の指示によるもので、中国が今後、宇宙兵器開発に本格的に乗り出すことを示している」と指摘する。

 張氏らは中国が今年一月に行なった対衛星兵器実験にも直接関与したといわれる。気象観測衛星を地上から発射した弾道ミサイルで攻撃、 破壊したもので、アメリカなどから強い非難を浴びた。

(フォーサイト2007年11月号)

 海上自衛隊の横須賀基地を訪問した中国の曹剛川国防相に同行した中国報道陣が対岸の米軍基地を撮影し、海自側から注意を受けていたことが分かった。この問題は産経新聞が「横暴な中国報道陣 国防相同行 潜水艦隠し撮り」との見出しで自衛隊の被害として報じたが、実態はさらにひどかったようだ。

 海自関係者によると、曹国防相は海自の最新鋭護衛艦「たかなみ」に乗艦。中国報道陣も同乗し、艦内をつぶさに撮影した。ここまでは海自も了承済だったが、問題はこの後。ビデオカメラを対岸にある米海軍横須賀基地に向け、停泊している巡洋艦や駆逐艦の撮影を始めたのだ。海自側が撮影をやめるよう前に出て両手を広げると、制止を振り切り撮影を続けたという。

 海上自衛隊は、米海軍から提供を受けたイージス護衛艦の極秘情報を流出させたとして米政府から猛烈な抗議を受けたばかり。中国のテレビで米軍基地の映像が流れる事態になれば、日米関係にも影響しかねない。

 この日、曹国防相に同行した中国報道陣は新聞・テレビの五社八人。海自関係者からは「制服を着てビデオを回し続けた中国軍幹部と思われる人物もいた。軍幹部には抗議もできず、この人物はずっと米軍基地を撮影していた」との証言もある。

 高村正彦防衛相と曹氏の会談では、十一月か十二月に中国海軍の艦艇が日本を初訪問することで合意したが、防衛省では、横須賀基地ではなく、東京湾に入港させる案を検討している。

(フォーサイト2007年10月号)

 先々月、先月の本誌で報じてきた中国の最高指導部人事に、さらに進展があった。共産党政治局常務委員会のメンバーは、十月に開かれる第十七回党大会を機に入れ替わるが、これまでの「五退三進」、すなわち「五人引退、三人昇格」の流れが、「六退四進」に加速したのだ。

「五人目は誰か」をめぐり、最大の焦点は、公式序列五位ながら実質ナンバー2の曾慶紅・国家副主席の去就だった。夏前までに引退が「内々定した」とされていたが、八月上旬に河北省北戴河で開かれた政治局ポントウ(※)会議や長老らも出席する民主生活会などを通じ、「曾の引退が内定した」と関係筋は明言した。今年になって発覚した山東省の電力会社の株式取引に関わった一人息子、曾偉のスキャンダルがトドメを刺したという。

 もっとも、上海閥と太子党(高官子弟グループ)双方の代表を兼ね、組織部門担当として人事を牛耳ってきた曾慶紅だけに、北京では党大会一カ月前となったいまでも、引き続き政権の要の座を維持するとの見方が大勢を占める。最後の巻き返しを図っているという情報もあり、どんでん返しもあり得る。

 もう一人、新たに引退が内定したのは、宣伝担当として強権的手法でトラブルばかり引き起こしてきた李長春(序列八位)。これで「六退」となった。

 留任するのは序列一―三位の胡錦濤・総書記、呉邦国・全国人民代表大会常務委員長、温家宝首相。新たにメンバーとなるのは周永康・公安相、張徳江・広東省書記、何勇・党中央規律検査委員会副書記、劉延東・党中央統一戦線工作部部長(女性)で「四進」。総数で二名減だ。

 ポスト胡錦濤の最有力候補として内外から注目されてきた李克強・遼寧省書記は、政治局入りするがトップの常務委員とはならず、党の日常業務を差配する書記局員兼務となる見込み。政治的実績の乏しさが壁になったようだ。だが、「今後五年の任期中に実績を積み重ねれば、必然的にポスト胡に推されるだろう」という。

「火花を散らすような」ぎりぎりの調整が続いてきたが、「六退四進」の方向が固まったことは、江沢民・前総書記派とのバランスを図りながらも政権内最大のライバルである曾慶紅を追い詰めた胡錦濤が、圧倒的な主導権を確保したことを意味する。

※ポン=石偏に並 トウ=頭

(フォーサイト2007年10月号)

 中国外務省の人事が固まりつつある。関係筋は国連駐在の王光亜と日本駐在の王毅の両大使が今秋帰国する予定と語った。後任の国連大使には張業遂次官がほぼ固まり、日本大使には崔天凱次官補が回る見通しだ。

 帰国する二人は、王光亜が陳毅・元外相(元帥)、王毅が銭家棟・元周恩来首相外事担当秘書という著名な老幹部の女婿で、ともに毛並みの良さが売り物。注目は、どちらが外務省党委員会書記を兼ねる戴秉国・筆頭次官を継ぐかだ。いまのところ光亜が一歩リードし、毅は党中央外事弁公室主任に転出する方向。戴次官は来春の全国人民代表大会(全人代)で外相を飛び越し外交担当の国務委員に“特進”する見込みだ。

 一方、四月の李肇星から楊潔〓への外相交代は、当事者を含む外務省高官も直前まで知らない突然の人事だった。公式には「李が引退年齢に達したための正常な交代」としているが、真相は違う。同筋によると、「胡錦濤・総書記は、露骨な大国外交を推進した江沢民・前総書記の色を一掃したいと考えている」。ただ、軟弱外交を批判し派手なジェスチャーや恫喝を含む高圧的な言辞で鳴らした李を支持する勢力は党上層部にも多く、一方で、党中央対外連絡部や商務省など対外関係の部署から外相ポストを狙う動きも高まっていた。春の全人代でも秋の十七回党大会でもない時期の変則人事は、「後任をめぐる党内の論争や猟官運動を封じるための一種の奇襲策だった」という。

 楊潔〓外相は、一九八〇年代から二等書記官、公使、大使と計三度、十年以上にわたり駐米大使館で勤務し、その間に「二度、心臓発作を起こしている」。筆頭次官が、米国通の王光亜か、日本通の王毅になるかは、「楊に万が一の際」の後任外相を占う上でも見逃せない。

(フォーサイト2007年9月号)

 中国・河南電視台(テレビ局)が、山西省洪洞県の複数のレンガ工場に、河南省など各地から「約千人の子供や身体障害者ら」が誘拐・拉致されたり騙されたりして送り込まれ「奴隷のように働かされている」と伝え、全土を震撼させた。六月中旬の国務院常務会議(温家宝首相主宰)は、于幼軍・山西省長を招き事態の説明と謝罪をさせるなど、中央にも波紋を広げた。テレビが最初に取り上げたレンガ工場主の父親は現地の党支部書記で、かねて腐敗の元凶とされる「官商黒(党政府幹部・商売人・黒社会)」結託の最も悪質なケースとして、最高指導部も厳しい対応を迫られた。

 だが中国政府筋は「事件は氷山の一角にすぎない」と断言。「何年も前から、党や国務院の内部文献は、奴隷労働の存在を指摘している」とし、「なぜテレビ局が現地を取材できたのかに注目せよ」と続けた。河南省のトップ、徐光春書記は、新華社上海支局長だった八〇年代半ばに江沢民前総書記との関係を築き、江の昇進につれて着々と出世した“江べったり派”。一方、山西省のトップは胡錦涛総書記を支え江派と対立する共産主義青年団派のホープ、張宝順書記。第一報を伝えた河南電視台の記者は今やネットなどで英雄扱いだが、「肝心なことは口にしていない。たとえば、取材クルーの安全確保のため、徐書記は関係部門の人員まで同行させた」と政府筋は明かし、公安を含む「河南当局の支援がなければ不可能な取材だった」という。

 同筋は、「山西省ばかりか内モンゴル自治区や湖南省、安徽省、さらには当の河南省にも同じような問題がある」と明言。以前から「一国三制度」と揶揄されていたという。社会主義・資本主義の二制度に、奴隷制を加え「三制度」というわけだ。

(フォーサイト2007年8月号)


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