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ロシア

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 ロシア大統領選挙の前哨戦として十二月に実施される下院選挙に向け、与党議員やプーチン政権幹部が、性的嗜好を暴露される「アウティング」の脅威にさらされている。

 価値観の多様化が進むロシアでも、同性愛は「邪悪」(ルシコフ・モスクワ市長)として、まだ強い差別の対象。だが、実はクレムリンや各省庁、与党議員の中にも同性愛者は存在するとみられており、政治スキャンダルの種となりそうだ。

 ロシアの著名な同性愛活動家であるアレクセーエフ氏は、このほどテレビの生中継番組で、与党「公正なロシア」幹部で同性愛違法化運動に熱心なチュエフ議員が実は同性愛者だと発言し、同議員から名誉毀損で告訴された。アレクセーエフ氏は「政府が公式に権利を認めた同性愛が、なぜ名誉毀損に当たるのか」と公開論争を挑む意気込みで、法廷で次に何が飛び出すか注目を集めている。

 ロシアの同性愛組織の背後には、プーチン大統領の政敵で英国亡命中の政商ベレゾフスキー氏の影もちらつく。同氏の手元には、エリツィン時代、政権中枢にいた時に作成した同性愛有力者の秘密リストがあるという情報や、同性愛組織に一億ドルの資金援助をするという噂が流れている。

(フォーサイト2007年9月号)

 二〇一四年冬季五輪がロシアの保養地ソチでの開催に決まったことで、早くも隣国グルジアとの軋轢が浮上、祭典の「政治化」は避けられそうにない。

 カフカス山脈の麓、黒海に面するソチの目と鼻の先には、グルジアからの独立運動が続くアブハジア自治共和国がある。北大西洋条約機構(NATO)加盟を目指すグルジアへの圧力として、ロシアがアブハジア独立派を支援していることは公然の秘密。

 グルジアのブルジャナゼ国会議長は七月末、ソチ五輪決定を受け「ロシアは五輪を隠れ蓑にアブハジアに投資してはならない。さもないとソチ五輪は、ソ連のアフガニスタン介入で西側にボイコットされた一九八〇年モスクワ五輪の二の舞だ」と警告した。

 これに対しロシアは、八月六日、戦闘機二機がグルジアの首都トビリシから六十キロまで領空侵犯して、不発のミサイルを地上に撃ち込むという荒っぽい反応を見せた。

 一方、ソチは、北カフカスにイスラム国家樹立を目指す過激派の温床ともされるロシアのカラチャエボ・チェルケシア共和国にも近いため、テロ攻撃を受ける危険性が指摘されている。このためロシア国内では、「困難な五輪はプーチンでなければ成功させられない」と、来年春で辞任する意向を表明しているプーチン大統領の“復権”にソチ五輪を絡める議論も出始めている。

(フォーサイト2007年9月号)

 東欧への米国のミサイル防衛(MD)配備に猛反発するロシアが、日米が共同開発・配備を進めるMDについては沈黙。対応の違いが顕著になっている。

 日米のMDは、今春、地上配備迎撃ミサイルが埼玉県の航空自衛隊入間基地に配備されるなど着々と進んでいるが、ロシア外務省高官は「北朝鮮のミサイルの脅威が現実にあり、防衛策を考えるのは当然のこと」と容認。露国防省筋は「システムの矛先が変わるなら対応を検討する」としながら、日露防衛交流を通じて協議したいとソフトだ。

 チェコやポーランドへの配備計画には「新たな軍拡競争を招くだけだ」(プーチン大統領)と反発し、欧州に再び自国の中短距離ミサイルの照準を合わせると警告したのとは対照的だ。

 日米関係筋は「日米のMDは、方角的にもロシアの米国向け弾道ミサイルを想定していない。既に決定がなされており、計画段階の東欧配備とは違う」と分析する。一方、容認は対日接近の布石とする見方も。日露貿易は昨年往復で約一兆六千億円と過去最高で、今年も更新は確実。二月のフラトコフ首相の来日など政治対話も拡大した。欧米との関係悪化で孤立するロシアが、対日アプローチを強めているとの見立てだ。ロシアは年内に東京で日露防衛トップ会談の開催を希望しているという。

(フォーサイト2007年9月号)

 成果の乏しかった七月一、二両日の米露首脳会談は、ロシア側が、黒海に面したリゾート地ソチへの冬季五輪誘致に向けて周到に画策した外交工作の可能性が強まっている。

 外交筋によれば、今回の米露首脳会談は、ロシアのプーチン大統領が五月中旬に訪露したライス米国務長官に「米国での開催」を提案。米側はロシアの積極姿勢からミサイル防衛(MD)問題での一定の譲歩があり得るとみて、北東部メーン州ケネバンクポートにあるブッシュ元大統領(父)の別荘にプーチン大統領を招待。名物のロブスターなど海の幸を振る舞った。

 しかし、MD問題でロシアは追加提案したものの、進展はなく、米側を失望させた。

 プーチン大統領はこの後、専用機でグアテマラに飛び、国際オリンピック委員会(IOC)総会に出席。英仏両語で演説してソチ開催を迫り、ロシア初の冬季五輪開催(二〇一四年)決定を達成した。

「ロシアは米露首脳会談を五輪誘致のための国際的アピールに利用した。ロシアの強権政治へのIOCの懸念は、直前の米露首脳会談でやや緩和された」(外交筋)という。

 あるIOC委員は「プーチン大統領が出席しなければ、ソチの逆転勝利はなかった」と述べたが、米露首脳会談開催もソチの勝利に一役買った模様で、ブッシュ大統領はダシに使われた可能性がある。

 一方で、プーチン大統領がグアテマラに乗り込んだ時には、既に事前の票読みで韓国の平《ピヨン》昌《チヤン》に数票差で勝つことが分かっていたともいう。舞台裏で繰り広げられたカネの力による票取り合戦で、世界最大の天然ガス企業であるガスプロムが韓国の巨大企業サムスンを制したことが勝因だったというのだ。

 ソチ招致委員会が使った宣伝費は日本円で三十六億円規模と公表されたが、ガスプロムが水面下で動かした額はこの数倍。同社がIOCの「トップ・スポンサー」になる意向を投票前から伝えていたため、機関決定への政治的、商業的影響を排除する五輪憲章違反との指摘もある。

 ガスプロムは世界最大規模の埋蔵量を誇るが、新規ガス田開発への先行投資は極めて少ない。というのも、政権に莫大な政治資金を提供する役割を担《にな》っているためだ。大統領が来春の任期切れ後、再出馬までの腰掛けとしてガスプロム会長になるとの噂もあり、効率無視の「政治企業」の性格は強化されそうだ。

(フォーサイト2007年8月号)

 中国国務院筋によると、ロシアは北朝鮮へのエネルギー支援を本格化する計画を決定、すでに北当局とも基本合意に達した。エネルギー供給の大半を担ってきた「中国の負担が多少でも減るのは歓迎できる」が、これまで「口先だけで北に介入していたロシアが、資源高騰で得た経済力を背景に、半島への影響力を強化しようとしているのは明白」で、中国にとっては“痛し痒し”だという。ロシアの巻き返しが、北の核開発をめぐる六カ国協議を「さらに複雑化させる」と身構えている。

 中国の関係機関が確認したところでは、ロシアからの原油供給再開と、北に新たな原子力発電所を共同建設するプロジェクトの始動――が柱だという。ロシア大統領府は五月三十日、国連安保理の制裁決議に基づき北に対する武器・軍用機材や贅沢品の輸出を禁止すると発表し国際社会にアピールしてみせたが、「決議が縛る分野の輸出はすでに途絶えており、実質的な効果はない」(中国国務院筋)。

 一方で、当面、六カ国協議の最大の障害であるマカオの金融機関バンコ・デルタ・アジアの北朝鮮資金返還問題に関しても最近、「ロシアの金融機関を経由して送金する可能性を検討する用意」(ロシュコフ外務次官)を打ち出すなど、「半島に対する野心を隠そうともしなくなった」と中国は見る。ロシアはすでに、北と協力して図們江(朝鮮名は豆満江)河口に港を建設することでも合意した。

 また、北方領土を管轄するロシア極東・サハリン州行政府は、北朝鮮との間で建設、林業、水産加工分野での北朝鮮労働者受け入れ拡大に関する協定に調印した。サハリン州全体では既に北朝鮮労働者千二百人が、道路やホテルの建設に従事している。今回の協定により、北の労働者が倍増するとみられる。

 択捉{えとろふ}島と色丹{しこたん}島の水産加工工場「ギドロストロイ」では北朝鮮労働者が既に働いているとの情報があり、国後{くなしり}島では一九九〇年代から北とロシアの水産合弁企業が操業、北朝鮮漁民も入っているようだ。

 北朝鮮はサハリン州当局に対し、サハリン沖で採掘される石油などの精製・化学工場、港湾、石油パイプライン敷設などに進出する意欲も示したとタス通信は伝えており、今後、日本企業も参画する石油・天然ガス開発事業、サハリン1、サハリン2に、北の労働者が参加することもありうる。

(フォーサイト2007年7月号)


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