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ロシア

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 ロシアが中東のシリア国内で黒海艦隊の母港となる基地を探しているとの情報がある。

 シリアの首都ダマスカスの消息筋によれば、ロシア海軍関係者から成る調査団が五月にシリア北西部の地中海沿岸タルトゥースやラタキアなどの港を訪れ、水深や水路拡大の可能性を実地調査した。

 調査団の一員ロシア海軍幹部は、旧ソ連以来、クリミア半島のセバストポリを母港とする黒海艦隊を、タルトゥースに移す可能性があることを示唆したという。シリア当局はこれまでも、補給のためのロシア艦艇の立ち寄りを認めている。

 黒海艦隊が常駐するセバストポリはロシアがウクライナとリース契約を結んで使用しているが、この契約は二〇一七年に期限切れになるとされる。

 シリアのアサド大統領は父親の時代に緊密だったシリアと旧ソ連の軍事関係の復活を望んでおり、ロシア海軍への恒久基地提供に積極的といわれる。

 中東の外交筋は「ロシア海軍がシリアに拠点を築けば、ソ連崩壊後初めてロシアが旧ソ連国外に自身の軍事基地を持つことになり、中東での影響力が一気に増大する」と見ている。

(フォーサイト2006年7月号)

 ロシアの元石油王(ユコス元社長)でプーチン大統領と対立して投獄されたミハイル・ホドルコフスキーが、シベリアの刑務所で不当待遇へのハンスト抗議など懸命の獄中闘争を続けている。七月にロシアが初めて主催する主要国首脳会議(サンクトペテルブルク・サミット)を前に、「政治犯」の存在から内外の目をそらしたいクレムリンとの駆け引きも激しさを増しているようだ。

 ロシア一の大富豪だったホドルコフスキーは、脱税の罪などで禁固八年の実刑判決を受け、昨年十月にモスクワと時差六時間の内陸チタ州クラスノカメンスクの刑務所に移送された。他の受刑者とともに雑居房で生活しているが、獄中作業や所持品に関する規則違反などを名目に独房に収監する「不当な懲罰」(弁護士)が頻発。六月にはハンストで体調を崩し入院する事態となった。

 ホドルコフスキー陣営は、ホームページを通じて支援を訴えており、月に数百通の抗議書簡が刑務所に届く。ホドルコフスキー自身は、帝政時代に専制と農奴制の廃止を求めて蜂起し、やはりシベリアに流刑となったデカブリスト(十二月党員=貴族の青年将校ら)に自らをなぞらえている。

 一方、プーチン大統領周辺はホドルコフスキーが「悲劇の人物」として存在感を増すことを警戒、沈黙に追い込む手段を思案中とみられる。

(フォーサイト2006年7月号)

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 冷戦終結のシンボルでもあった米ソ中距離核戦力(INF)全廃条約から撤退し、再度中距離核ミサイルを保有する動きがロシアから出ている。

 イワノフ国防相は先頃、「あらゆる諸国が中距離ミサイルを保有し始めており、持っていないのは米露だけだ。条約は現在の国際安全保障環境に合致していない」と述べた。再配備論は軍幹部や学者の間からも出ている。

 中距離ミサイルは射程五百―五千五百キロのミサイル。一九八七年にレーガン、ゴルバチョフ両首脳の間で調印され、米ソはその後数千基のミサイルを全廃した。ところが冷戦終結後、イラン、インド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮などが次々に中距離ミサイルを保有。中国も続々増強している。

「米国の防衛には長距離の戦略ミサイルだけで十分だが、ロシアは近隣諸国の中距離ミサイルの格好の標的になる」(軍事筋)との危機感がロシアにはある。欧州諸国が最近、エネルギー問題などでロシアに対して高飛車なのも、欧州を射程に収める中距離ミサイルがないため、との狂気じみた認識もある。

 改革派軍事専門家のアレクセイ・アルバトフ氏は「ロシアがINF全廃条約を脱退して再武装すると、北大西洋条約機構(NATO)も再配備し、再び冷戦時代と同じような軍拡競争が始まる危険がある。NATOはバルト三国やポーランドに配備すると考えられるため、脅威は冷戦期より高まる」と警告している。

(フォーサイト2006年6月号)

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 三月二十六日に行なわれたウクライナ議会選では、親ロシアのヤヌコビッチ元首相の野党「地域党」が勝利し、親欧米のユーシェンコ大統領は、反ロシア各党との連立に活路を見出す展開となった。当分は閣内での「東西対立」という不安定な状況が続く見通しだ。そんな中、クレムリンが次期ウクライナ大統領候補として目をつけているのが、ロシア寄りの「進歩社会党」の女性党首ナターリア・ビトレンコ(五四)だ。

 ロシアのプーチン大統領は、ユーシェンコがヤヌコビッチに勝った前回大統領選挙では露骨にヤヌコビッチに肩入れしていた。だが、東部炭鉱地帯の出身で、旧ソ連型の古い政治体質が抜けないヤヌコビッチはカリスマ性に欠け、次の二〇〇九年の大統領選では勝てないというのがクレムリンの判断だ。

 一方、ビトレンコは今回議会選では僅差で議席に届かなかったものの、NATO(北大西洋条約機構)への加盟反対と、WTO(世界貿易機関)加盟よりもロシアとの経済同盟を重視する強硬路線を明確に打ち出して存在感を誇示した。

 ロシアは、反露・急進改革派として人気が高い美貌のティモシェンコ前首相にもビトレンコなら対抗できると、その将来性に着目している。当面は過度に反露感情を煽らない程度に資源供給制限などで与党に揺さぶりをかけながら、経済分野が得意なビトレンコが存在感を高めることのできる環境を作ろうとしている。プーチン大統領の後継者とも目されるメドベージェフ第一副首相が彼女と会談したことも、プーチン後もビトレンコを支援する姿勢のアピールと見られている。

(フォーサイト2006年5月号)

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 三月のベラルーシ大統領選挙では欧米と一線を画し、現職のルカシェンコ大統領の当選を支持したロシアだが、野党の抗議行動の収束を待っていたかのように、天然ガス輸出料金の値上げ圧力を強め始めた。

 ウクライナとは異なり、ベラルーシはEU(欧州連合)制裁下にあるルカシェンコ政権が外交機軸をロシアから欧米に移すという懸念はない。このため、三選を果たした破天荒なルカシェンコを制御するためにも「ネジの締め直し」(ロシア外交筋)をすることにした。

 プーチン大統領側近でガスプロム社長のミレル氏は、三月三十日の声明でベラルーシへガスを輸出する際には来年から欧州市場価格を適用する方針を表明。これに対しベラルーシ側は、ロシアとは連邦国家を形成しているとして、ロシア国内と同じ格安価格の維持を求めている。

 だが、両国の連邦制はロシアのエリツィン前大統領が推進した形式的なもので実体はない。ルカシェンコは酒好きのエリツィンと良好な関係を築いたが、官僚的なプーチンとは全くウマが合わない。ロシアは最後の衛星国を守るためルカシェンコを支持する以外に選択肢はないが、指導部同士の関係は冷えてしまっているのが実情だ。

(フォーサイト2006年5月号)

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