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 サイクロンによる未曾有の被害を受けながら、軍事政権が国際社会の支援を頑なに拒否し続けた結果、孤立感をいっそう深めているミャンマーで、軍政の“テロ部隊”を狙った爆弾テロが起きていたことがわかった。

 六月二十七日未明、中心都市ヤンゴンの北部郊外のシェピタ地区にある地方政府が入る建物で爆弾が爆発した。

 負傷者はなかったが、爆弾の置かれていたのが地方政府ビル内の軍政系団体の事務所がある場所だっただけに、この団体を狙ったテロとみて、治安当局は必死の捜査を続けているという。

 テロの標的とされたこの団体「連帯組合と開発連盟」は、表向きは社会福祉団体だが、中心人物は軍政トップのタン・シュエ議長とされ、二〇一〇年に予定される総選挙では政党として活動すると目される。この団体は、五年前に地方遊説中の民主化運動の指導者で国民民主連盟(NLD)の書記長、アウン・サン・スー・チー氏の車列を襲撃した組織ともいわれる。また、今年六月十九日にスー・チー氏の誕生日を祝う支持者を襲撃したグループだともされ、軍政・治安当局の“テロ別働隊”とも呼ぶべき団体なのだ。

 それだけに、今回の爆弾テロは、警戒の厳しい軍政関連施設を避けて、関連団体を狙った「反軍政テロ」との見方が強い。軍政は総力を挙げて犯行グループの特定を急いでいるが、サイクロン被害からの復興が遅々として進まないことから、国民の不満は高まっており、こうした動きと連動することもありうる。

(フォーサイト2008年8月号)

 国民会議派を中心とするインドの連立与党を支えてきた左翼四政党が七月九日、政府が米国との原子力協力協定締結へと歩を進めたことに抗議し、閣外協力を解消した。与党は一部野党の取り込みにめどを付け、左翼なしでも下院での過半数維持がとりあえず可能と判断。左翼の反対で長らく宙に浮いていた米印協力の実現に向け、賭けに出た格好だ。

 協定はインドの民生用原子炉を国際原子力機関(IAEA)の査察下に置くことを条件に、米国からの核技術や燃料の供給を可能にするもの。二〇〇五年にシン首相とブッシュ米大統領が基本合意したが、左派共産党を中核とする左翼ブロックが「協定はインドの核政策や外交政策を縛りかねない」と猛反発。協定の前提となるIAEAの査察受け入れへと動けば、閣外協力を解消すると警告していた。

 そうなると連立与党は過半数割れし、下院解散、総選挙の前倒しへとつながる。インフレ率が二桁に乗り、物価が上がっている現状では早期総選挙は連立与党に不利だ。特に国民会議派への支持はこのところ低調で、地方の州議会選では負け続き。「早期総選挙は何としても避けたい」――。これが米印協定を事実上の「凍結状態」に追い込んでいた最大の理由だった。

 米印協定をブッシュ大統領の任期中に発効させるには、今が「ぎりぎりのタイミング」(印政府筋)といわれる。しかし、ブッシュ政権との合意を反古にするリスクを冒してまで決断を先送りした割には、会議派の支持低下に歯止めをかけることはできなかったようだ。

(フォーサイト2008年8月号)

 インド洋の島国、スリランカの南海岸の小さな港町ハンバントタで、中国輸出入銀行から十億ドルの融資を受けて港湾整備が行なわれることになり、隣国のインド政府が神経を尖らせている。中国は他にも、スリランカ北部マナー地方で石油の掘削を始めたり、武器や軍事訓練の提供を申し出るなど、スリランカへの関与の度合いを強めている。

 さらにインドを慌てさせているのは、パキスタンやイラン、サウジアラビアまでもが、スリランカとの関係を深めようとしていることだ。

 こうした各国の動きを受け、六月後半、ナラヤナン国家安全保障顧問の率いるインド政府代表団が突如スリランカを訪問したことで、インドもスリランカに対する武器供給を増やすのではないかとの憶測を招いている。

 そしてインドは、アフリカのモザンビークとマダガスカルに中国艦艇の動きを監視するための通信傍受施設を置いたり、中国と国境を接するカシミール地方に空軍基地を再開するなど、「中国包囲網」とも見える動きを活性化させている。インドは中国の北のモンゴルに宇宙観測施設を、西北のカザフスタンには空軍基地を持っている。今後十年のうちに、空母と原子力潜水艦を就航させる計画もある。

 こうした各国の動きは、エネルギー輸送ルートとしてのインド洋の重要性に鑑みてのことであり、今後もスリランカをめぐる駆け引きは続くに違いない。

(フォーサイト2008年8月号)

 スーダン南部で展開中の国連平和維持活動(PKO)に続いて、アフガニスタンへも自衛隊派遣問題が浮上した。防衛省幹部は「アフガンへの陸上自衛隊派遣が取り沙汰されるのはテロ特別措置法による補給艦のインド洋派遣以来のこと。当時、できないと結論づけた話を今なぜ進めるのか」と、自衛隊派遣で外交のポイントを稼ぎたい外務省に冷やかな目を向ける。

 政府は六月八日、自衛隊制服組を含む政府調査団をアフガンに派遣したが、防衛省幹部は「北海道洞爺湖サミットで自衛隊派遣をアピールしたい官邸と外務省が防衛省抜きで調査団派遣を決めた。防衛省は後手に回っている」と舞台裏を明かす。

 米英軍によるアフガン攻撃後、現地の治安情勢は悪化する一方だ。前出の防衛省幹部は「今年一月、補給艦をインド洋に再派遣した根拠法の補給支援特別措置法は活動を洋上補給に限定しており、アフガニスタンへの自衛隊派遣は認めていない。派遣には新法が必要になるが、ねじれ国会が続く限り、成立はまず無理」とみる。

 結局、高い確率で実現しそうなのは、スーダンPKOの司令部に数人の自衛隊幹部を派遣することぐらいだ。

(フォーサイト2008年7月号)

 五月二日・三日にミャンマーを直撃したサイクロン「ナルギス」は、死者・行方不明者十三万人、被災者二百五十万人という大被害をもたらした。同二十五日に旧首都ヤンゴンで開かれたミャンマー支援国会議(国連・東南アジア諸国連合の共催)で、ミャンマー軍事政権は復興支援予算に百六億七千万ドルを要請したが、国連の試算額は二億百万ドルにとどまった。要請の五十分の一以下である。冷たい反応にも見えるが、ここには外貨レートのマジックがある。

 現地通貨チャットは、政府レートが一米ドル=約六チャットなのに対して、市場レートは現在、千百三十五チャット。政府は市場レートの二百倍という法外なレートを設定している。これは、一本一円のバナナが政府レートだと二百円になる勘定だ。当然、国連筋はこの二重レートを念頭に、軍政を牽制しつつ、相手のメンツも少しは立てて、実勢よりやや割り増しした金額を提示したとみてよい。

 そもそも、軍政の要請額は復興支援にかかる費用をきちんと積算したものではない。緊急人道援助すら拒む軍政に、復興支援の発想はもとよりない。周辺国の誰かが、軍政トップに知恵をつけたと考えるのが自然だ。この金額は、IMF(国際通貨基金)などがミャンマーのGDP(国内総生産)を試算した数字に近い。軍政はGDPの近似値を国連側にぶつけてきたのだ。

 ダメモトで要請し、首尾よく復興予算が懐に入れば使い道を考えようというのが軍政である。日本も復興に関わるなら、こうした軍政の手口をしっかり見抜いた上で支援することだ。

(フォーサイト2008年7月号)

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