フォーサイトで日本と世界の情報を先取り

どこにも載っていない「最深」情報をお届けします

アジア

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全15ページ

[10] [11] [12] [13] [14] [15]

[ 前のページ | 次のページ ]

 五月下旬に“職務復帰”したタイのタクシン首相による八月二日のミャンマー電撃訪問について様々な憶測が流れている。首相府筋によれば、国内向けには、中国が先行しているとされるベンガル湾沖の天然ガス田の開発権獲得競争への参入という国益重視の姿勢を強調し、対外的には、四月末以来中断していた外国訪問の再開後初の外遊先としてミャンマーの新首都ピンマナに海外首脳では一番乗り。しかも、軍政の最高実力者タン・シュエ議長と会談することで、首相としての存在感をアピールする狙いがあったという。

 タクシン氏は事前に、東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国のフィリピンのアロヨ大統領に電話でミャンマー訪問を通告。帰国後、記者団には「自宅軟禁中の民主化運動指導者アウン・サン・スー・チー氏の即時解放を軍政に強く求めた」と説明した。だが、同行筋によれば、「首相は解放は当面ないと踏んでおり、ASEANの首脳で最初にピンマナでタン・シュエ議長に会った手前、型通りの要請をしただけ」という。

 ただ、ガス田の開発権獲得については、中国に先を越されまいと、軍政を熱心に説得。中国は、タイの域内影響力への脅威になりつつある。最近では中国雲南省当局がタイ北部チェンライ県との工業団地造成計画を白紙化し、ラオス政府と新たな開発用地のリース契約を結ぶということもあった。

 ビジネスとなれば、さすがに一代でアジア有数の通信企業を興したタクシン氏のこと、ガス田開発権の単独獲得を目指す政府系企業タイ石油会社(PTT)からも「抜け目がない」と評価の声が上がっている。

(フォーサイト2006年9月号)

 フィリピン国内で反政府武装闘争を続ける新人民軍に対し、アロヨ大統領は、国軍に掃討作戦を指示、「作戦は最終段階に入った」として今後約二年で新人民軍を完全に壊滅させると宣言した。

 しかし、政府の国家安全保障担当のゴンザレス顧問が「大統領のいう二年では解決できない、五年はかかるだろう」と異論を唱え、政権内部での意思不統一が露呈した。

 フィリピンでは、経済改革の行き詰まりや政治家の腐敗、身びいきによる不公平などに対し国民の不満が高まってきており、マニラ首都圏で最近相次ぐ爆弾騒ぎや、ことあるたびに再燃するクーデターの企ての噂など、アロヨ大統領は四面楚歌の状態にある。

 とはいえ、野党勢力の指導力不足と組織力不足に助けられて、政権の致命傷には至っていない。そこで「起死回生の策」として打ち出されたのが「新人民軍壊滅作戦」で、約十億ペソの予算拠出を表明した。

 しかし、ゴンザレス顧問や軍部の一部から「この予算では不十分、旧式の武器や装備を更新するのが精一杯」との異論が噴出している。

 こうした大統領と政府、国軍の姿勢に、新人民軍はルソン島北部の拠点からマニラ首都圏に新たなゲリラ作戦を準備中との情報も。都市部の貧困層の間で新人民軍への支持が密かに拡大しているとの報告もあり、治安当局は掃討作戦どころではなくマニラ首都圏での警戒強化に追われる事態となっている。

(フォーサイト2006年8月号)

開く トラックバック(31)

 北朝鮮が外貨危機の中で、戦車・装甲車などの燃料となるディーゼル油をロシアから相当量輸入している。ロシアの通関統計によれば、北朝鮮は二〇〇三年に三十二万トン、〇四年に四十四万トン、〇五年に三十二万トンを輸入した。

 〇二年は桁違いに少ない千八百トン。米国が〇二年十一月に米朝核合意違反として年間五十万トンの重油提供を中止したため、ロシアからの輸入に着手したようだ。米国提供の高品質重油をディーゼル油に精製し、軍事転用していた疑惑が浮かび上がる。

 ディーゼル油の購入代金は昨年も一昨年も一億三千八百万ドル(約百五十八億円)程度だが、エネルギー価格高騰により昨年の購入量は減少した。ロシアは北朝鮮が求める“特別価格”を拒否し、市場価格で売却。北朝鮮の外貨事情を逼迫させているという。

 それでも購入を続けるのは、戦車が動かないと軍の士気が落ちるため。今回の弾道ミサイル発射と同様、軍に対する金正日の相当な「配慮」が窺える。

 昨年のロシアからのガソリン輸入は八千トン、重油は五千トンにとどまった。中国は年間推定五十万トンの石油を“友好価格”で提供している模様。中東からの調達を加えても、北朝鮮の石油・石油製品輸入量は年間百万トンに満たない計算だ。

(フォーサイト2006年8月号)

開く トラックバック(66)

 北朝鮮の弾道ミサイル・テポドン2号の発射をめぐり、ワシントンなどの軍事専門家の間で注目されているのが、推進剤として使われる非対称ジメチルヒドラジン(UDMH)だ。

 ミサイルの液体燃料には液体水素、ヒドラジン、ケロシンなどがあるが、テポドン2号の場合、UDMHを使っているとみられる。点火しやすい半面、発癌性を持つなど毒性が強く、安全性に問題があるとされる。

 旧ソ連時代からロシアがロケット打ち上げに使用する、中央アジア・カザフスタンのバイコヌール宇宙基地周辺の住民にホルモン異常などの症状が出たのも、ロケットからヒドラジン系の推進剤が飛散したためとみられている。中国の長征ロケットもこの燃料を使用していた。ある軍事専門家は「イランからの支援を得て、北朝鮮はこの燃料の有毒性を薄めようとしている」とみている。

(フォーサイト2006年8月号)

開く トラックバック(177)

 インドネシアのジャワ島中部で五月末に発生した地震の支援に乗り出した国際社会の善意が、また問題となっている。支援金、支援物資の配分に携わるインドネシア側の地方政府や国軍・警察などによる分配が著しく不公平で、実際に支援を必要としている被災住民に届いていないからだ。

 地震の被害が集中したジョクジャカルタ特別州政府機関は、バントゥール村など被害が深刻な市町村への支援物資の分配や税の免除、復興資金の配分を円滑化するために「被害実態を速やかに報告するように」と要請を出したが、報告の期限はその翌日。この短時間では大半の市町村は被害実態を集計できず、「いい加減に数字を報告したところが得するだけ」と不満の声が高まっている。

 インドネシア政府も地震の犠牲者数を下方修正するなど混乱。支援物資を国軍が横領するケースも報告されるなど、一昨年末のスマトラ沖地震・津波の際に多額の支援金が使途不明になったのと同じ問題が早くも起きている。

 ユドヨノ大統領は、「誰もが傍観しているだけでは駄目だ」と国を挙げての支援を訴えているが、汚職・腐敗・親族重用という長年の悪弊が「伝統」のように残るインドネシアだけに、「地震被害を横目の“火事場泥棒”」「偏った支援による支援太り」状態が蔓延している。

(フォーサイト2006年7月号)

全15ページ

[10] [11] [12] [13] [14] [15]

[ 前のページ | 次のページ ]


よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
実質2000円で特産品がお手元に
11/30までキャンペーン実施中!
ふるさと納税サイト『さとふる』
お米、お肉などの好きなお礼品を選べる
毎日人気ランキング更新中!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事