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 中央アジアのウズベキスタンで、イスラム・カリモフ大統領の任期が一月に切れたが、なぜか選挙もなく、そのまま元首の座に居座っている。法治主義とは程遠い権威主義体制が存続する中央アジア各国の中でも前代未聞の事態だ。欧州連合(EU)は、ウズベキスタンの豊富な資源がロシアに奪われることを懸念して関係改善に前向きだが、さすがに糸口を探りあぐねている。

 旧ソ連時代の八九年からウズベキスタンの実権を握り独裁体制を敷いたカリモフ大統領は、これまで支配下の議会を使った任期延長など、強引とは言え、形式的には「合法性」を主張できる形で政権を維持してきた。だが、今年一月二十二日の任期切れには何の措置も講ぜず、大統領の法的地位は宙に浮いたままとなっている。

 議会は二〇〇二年に、〇七年十二月の大統領選挙実施を決定したことになっているが、憲法の規定ではカリモフ大統領に出馬の権利はない。

 しかし、旧ソ連でも有数の警察国家を築いた大統領は、投獄や国外追放で政敵を徹底弾圧する一方、後継者も育成しなかった。ビジネス界を牛耳る娘のグリナラも、政治家としては大きな疑問符がつく。年末の大統領選の実現自体を危ぶむ声が出ている。

(フォーサイト2007年4月号)

 旧反政府組織である共産党毛沢東主義派(マオイスト)の武装解除を監視する国連ネパール支援団に、自衛官を派遣することを日本政府が検討しているネパールで、イスラム過激派が勢力を伸ばしている。

 ネパールでは一月十五日に、すべての政治的権限を国王から剥奪し首相に与える暫定憲法が発布され、マオイストを含む暫定議会が成立した。こうした中、少数派のイスラム過激主義者が自治権とイスラム法の施行を求めて動き出した。率先するのは、マドラサ・イスラム協会代表のマウラナ・アブドゥル・ジャバール・マンジャリで、暫定政権にイスラム少数派の声が反映されていないと批判する。

 ネパールではヒンズー教徒と仏教徒、イスラム教徒の間での宗教対立はなかったが、昨年九月ごろからイスラム過激主義の伸張が目につくようになった。

 ネパール当局がとりわけ懸念を深めるのは、サウジアラビア発のイスラム過激主義ワッハービズム(南アジアではモウドゥディズムと呼ばれる)が国内に広がりつつあることだ。モウドゥディズムはバングラデシュで急速に広まり、ネパールのスンサリ地区にはバングラデシュからの不法移民が多く滞在している。ある集会では、バングラデシュ人銀行家が、ネパールのイスラム社会の「進歩」のために資金援助を約束したという。同地区のイスラム組織は、公務員を一定数イスラム教徒に割り振ることや、公立学校でウルドゥ語(パキスタンの国語)を教えることも政府に要求している。

(フォーサイト2007年3月号)

 北朝鮮の平壌で一月十二日午前、多数の戦車が緊急出動する騒ぎがあり、日本の防衛省は「米国による日本と韓国へのステルス機配備に対抗して、北朝鮮が国内の引き締めを図った」と分析している。韓国軍や中国軍も同様の分析をしているもようだ。

 騒ぎは、平壌市内に戦車が出動し、軍が慌ただしく交信する様子を米韓情報当局が把握した。金正日総書記周辺でも緊迫した様子が観測され、韓国は一時「軍事クーデターか」と緊張。だが、それ以上の混乱は確認できず、韓国は訓練と判断した。

 平壌近郊に戦車が進出する訓練が行なわれた例はあるが、市の中心部まで出動したのは極めて異例。しかも虎の子の燃料を大量に消費する戦車を大量動員した理由について、防衛省の情報担当筋は「前日の十一日、米軍のF117ステルス戦闘攻撃機一個大隊が韓国南西部の群山基地に到着したことに対抗する狙いがあった」と解説する。

 だが、同基地にF117が派遣されたのは四回目で、そう珍しくない。同筋はこう続ける。
「沖縄の嘉手納基地に二月十日、FA22ステルス戦闘攻撃機十二機が一時配備されることが発表されていた。日本と韓国に配備した二機種のステルス機があれば、北朝鮮のレーダー網をかいくぐって平壌攻撃が可能になる。過去にこれほど北朝鮮が航空攻撃の脅威にさらされたことはなく、市民に緊急事態を知らしめる必要があったのだろう」

 水鳥の音に驚いて逃げた平家もかくやのびくびくぶりだ。

(フォーサイト2007年3月号)

 ミャンマー、パキスタン、スリランカ、およびアフリカ諸国との関係を深める中国が、いつこれを「インド包囲網」に転じるかわからないとして、インドの港湾整備事業を中国企業に請け負わせることに、インド海軍の司令官が強く反対している。

 中国への警戒感を表明したのは、海軍司令官のスリーシュ・メタ提督。背景には、連立与党統一進歩連合(UPA)の一員で、三つの州で大きな政治力を持つインド左派共産党が、南西岸ケララ州の二つの港湾整備事業を中国企業が受注できるよう政府に働きかけをしているという事実がある。事業は州都トリバンドラム近くのビジンジャム港と、コチ近くのバラルパドム港で計画されている。

 すでにミャンマーと長年の関係を築き、スリランカにも興味を示す中国が、隣国パキスタンと戦略的な同盟関係を結んでいることに提督はとりわけ神経を尖らせる。「港湾整備事業に携われば、中国企業はインド近海の海底の地形や水深を含む海洋データを手に入れることができる」とし、「これは沿岸地域で進路を決める時など、潜水艦の運用上きわめて重要なデータとなる」というのだ。

 中国とパキスタンが緊密で、かつパキスタンが最近バングラデシュに古い潜水艦を譲渡したという情報もある以上、中国にこうしたデータを渡してはならないというのが提督の主張だ。

(フォーサイト2007年2月号)

 タイの首都バンコクで年末年始に発生し死傷者を出した八連続爆弾テロは、当局も犯人像を絞れないまま捜査が難航、タイ経済や社会生活への影響が深刻化している。

 タイ南部ではイスラム組織による爆弾テロが頻発しており、危険だとの共通認識があったが、首都バンコクは国民の崇敬の対象である国王のお膝元だけにこれまでテロの発生はなく、世界中からの観光客も安心しきっていた。それだけに、衝撃の余波は続いている。

 米・独企業が対タイ投資計画を白紙化したのをはじめ、外国人観光客が減り、市内主要ショッピングセンターでの買い物客も減少した。首都での住宅販売も当初予想の二〇%減の見込みで、テロ保険料の掛け金も三〇から五〇%程度引き上げられる見通しだ。韓国アイドル「RAIN」が二月に予定していたバンコク公演も六月に延期されるなど各分野で影響がでている。

 こうした中、捜査当局は、テロは南部でテロ活動を続けるイスラム組織か、あるいはタクシン前政権関係者ないし支持者のいずれかの犯行とみている。一方、東南アジア諸国連合(ASEAN)治安関係者の間では、イスラム組織は無関係で、タクシン前政権となんらかの関係がある政治的テロとの見方が有力となっており、タイ枢密院のプレム議長も「悪意のある者が私利私欲のため政府を攻撃した。標的が政府なのは明白」と、暗に前政権関係者を非難している。

(フォーサイト2007年2月号)


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