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 日本を母港とする米空母キティホークの艦載機部隊の陸上拠点の全面移転は「ありえない」との見方が出ている。神奈川県の厚木基地から山口県の岩国基地への移転が計画されているのは、キティホークの艦載機FA18戦闘攻撃機など五十七機。海上自衛隊のP3C哨戒機などは残るものの、移転が実現すれば、厚木基地周辺の騒音公害は激減すると見られていた。

 だが、米軍筋によれば、「R116、R599と名付けられた米軍の訓練空域は相模灘沖と八丈島沖上空にある。厚木からは目と鼻の先だが、岩国からでは七百キロも遠くなる。移転後は岩国を離陸した戦闘機が厚木で燃料補給して訓練空域に向かうルートが想定される」。同筋は「厚木の滑走路を空母甲板に見立てるタッチ・アンド・ゴーまではやらないだろう」というが、訓練と騒音が続くとなれば地元のショックと反発は大きくなる。

 厚木基地司令官のクーパー大佐は「岩国移転後も厚木の重要性は変わらない」とし、厚木の兵舎や格納庫、整備場について「十年は必要だ」との見方を示す。結局、米軍は空母艦載機が利用できる基地を厚木と岩国の二カ所に持つことになりそうだ。しかも岩国は米軍が空母の準母港化を検討している九州の佐世保基地に近く、佐世保と横須賀に空母が同時入港した場合、岩国と厚木がそろって受け皿となる可能性が高い。

 それでも米側は艦載機部隊の岩国への移転費用を日本側に求め、日本政府も了承済み。金額は概算で一千億円とされる。

(フォーサイト2006年4月号)

 郵政民営化法の成立で、日本郵政公社の動きに注目が集まっている。十月末、オランダのTNTポストとの提携を発表。両社は来年四月をめどに合弁会社を設立し、国際宅配便サービスでのシェア拡大を目指す。この分野では陸海空一貫態勢を築いている海外勢の優位が明らかだが、郵政公社はアジア市場参入に出遅れていたTNTと手を組んで巻き返しを図る構え。

 ただ、関係者の間では「郵政公社はこれだけでは満足しない」との見方が支配的だ。郵政公社は先に、全日本空輸と共同で貨物機運航会社を設立することも決めた。全日空の貨物機で中国・北米向け定期便を飛ばし、海外勢に対抗しうる一貫態勢構築に動いた格好だ。

 もっとも、焦点は国内市場。「組むならやはり国内大手。日の丸物流会社として存在感を示したい」(郵政公社幹部)というのが公社の“野望”で、宅配便やメール便で提携済みの日本通運と「水面下で話し合いを持っている」(別の郵政公社幹部)という。日通にとって郵政公社はライバルだが、国際物流分野において、郵政公社経由で全日空と組めるメリットは大きい。

 郵政公社は生田正治総裁の出身母体である商船三井にも触手を伸ばしている様子。「空・海の輸送手段を確保した上でライバルを自陣に引き込む」(関係者)戦略だというが……。

(フォーサイト2005年12月号)

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こんどは楽天・TBSが「大騒動」になりました。『フォーサイト』は今年5月21日発行の6月号で、「なぜTBSは狙われるのか」をはやばやとレポートしています。その後、TBSは増資や自社株放出など敵対的買収への対抗手段をとりましたが、「なぜ狙われるのか」の部分は、いまでもこのレポートがいちばん詳しいと思っています。ぜひ読んでみてください。

次に狙われるのは「お買い得のTBS」なのか

視聴率低迷に悩むTBSだが、保有する優良資産は垂涎の的。昔日の「民放の雄」は買収防衛策をいちおう整えはしたが――

神谷二郎(ジャーナリスト)

「あちこちから、次はTBSが危ないと言われているが、上場している企業は簡単に舵が切れない。フジテレビさんもご苦労されていると思う。株価を上げるとか、資産総額を増やすとか、安定株主を増やすとか方法はいろいろある。我々とすれば、地道に一生懸命いい番組を作って少しでも企業価値を上げて相対的に買収しにくくするというのが一番。遠回りだがそれしかないのかなと思っている」
 三月三十一日、定例会見に臨んだ井上弘社長はあっさりと「ありうべき危機」を口にした。フジテレビとライブドアがにらみ合っている最中のおっとりした物言いは“公家集団”という異名を改めて思い出させた。
 ライブドアによるニッポン放送株買収劇から、「PBR(株価純資産倍率)」という言葉が頻繁に口にされるようになった。企業の株価が保有資産に比べて割安かどうかを示す指標だが、たびたび一倍(株価と一株あたり純資産が同じ)を割り込んでいた割安なニッポン放送株はライブドアから敵対的買収をかけられるハメになった。テレビ界を見ると、民放キー局の中で限りなく一倍に近いPBRで推移しているのがテレビ朝日とTBSである。特にTBSは、その株主構成や資産価値などから、投資家にとって「丸々と太った仔豚」だといえる。

系列局が持つ株が標的に?

 TBSの株主構成は日本テレビやテレビ朝日とは異なり、新聞社が大株主・安定株主として君臨しているわけではない。それだけに買収のターゲットになりやすく、井上社長は専務時代に労働組合との話し合いの席で「テイクオーバー(買収)の可能性もある」と語っているほどだ。毎日新聞社が一九七〇年代にTBS株を集めたことはあったが、毎日自体の経営が悪化して放出。それ以降、毎日新聞にとってTBSは、歴代社長が非常勤役員に就任する「友好会社」にすぎない。
 TBSの上位株主には、日本マスタートラスト信託銀行(一一・三四%)、日本トラスティ・サービス信託銀行(六・九四%)、日本生命保険(四・三四%)など信託銀行や生命保険会社が名を連ね、毎日系の安定株主はいない。かろうじて系列局の毎日放送(大阪)の所有分(一・九%)が目につく程度だ。また、同社の事情に詳しい関係者は「外国人持株比率は増えている。公表された数字は、放送免許取り消し寸前の一九・九九%だが、名義を書き換えていない失念株などは含まれておらず、実際は三〇%前後にのぼっているのではないか」と話す。
 テレ朝の「乗っ取り」に失敗したルパート・マードックの例や、ニッポン放送株の買収劇でライブドアが受けた「攻撃」を考えれば、外資が手を伸ばすことは考えにくいだろう。だが、国内で買収劇が起こらないとは限らない。その場合、地方のTBS系列局が注目される可能性がある。
 民放局の中で初めて全国ニュースネットワーク(JNN)を結成したTBS系列局の特徴は独立色が強いことだ。そもそも朝日、読売、毎日の各紙と広告会社・電通の共同出資で誕生したTBSは特定の新聞社の影響力が薄かったため、地方紙系列の老舗局が系列に参加した経緯がある。特に、東京放送(TBS)、毎日放送(MBS)、中部日本放送(CBC)、アール・ケー・ビー毎日放送(RKB)、北海道放送(HBC)の基幹五局は五社連盟を結成しているが、TBSとの間に人事や資本などの密接な関係はないのが実情だ。ある関係者は「他局ネットのように明確な上下関係がないだけに、系列局が持つTBS株を個別に買い集め一定の株式を確保しやすい」と指摘する。
 TBSが保有する資産は垂涎の的だろう。TBSの時価総額はフジテレビ(約五千八百四十三億円)、日本テレビ(約四千十三億円)に次ぐ約三千四百四十五億円。過去にも何度か優良含み資産株として人気を集めた同社の価値を高めているのが保有株式と不動産である。
 ライブドアはニッポン放送が保有するフジテレビ株に目をつけたが、TBSが保有している他社株にも「旨み」がある。たとえば、半導体・液晶製造装置メーカーとして世界第二位、国内首位の優良企業「東京エレクトロン」がそうだ。TBSが一九六三年に関連会社として設立した同社はTBS放送センター内に本社を構える。TBSは第三位の大株主(五・六%)であり、時価では八百億円の資産価値があるとされる。
 さらに注目すべきは不動産だ。八九年に経理畑出身者として初めて社長に就任した田中和泉は、制作費を締めつけ徹底した財務優先経営を行なって現場から不評を買ったが、バブルが過熱する前からせっせと不動産を買い集めていた。TBSは都心三区(千代田区、中央区、港区)で「不動産会社顔負けの土地持ち」(関係者)とされる。都内だけではない。横浜市の郊外で広大な敷地を開発した緑山スタジオ・シティも、周辺が住宅地として開発されたことで地価が上がった。
 また、放送センター(本社屋)に隣接した旧社屋跡地では、七百億円をかけて一万坪を再開発するプロジェクトが進んでいる。中心は三十九階建て高層タワーで、二十一階建ての住宅棟などの諸施設は二〇〇八年一月に竣工予定。〇四年九月中間期末の貸借対照表に記載された土地は簿価で七百六十五億円だが、「時価評価は二千億円にのぼる」との声もある。こうした土地などの含み資産を考慮すれば、TBS株価のPBRが一倍を上回っていてもなお割安感は否めない。「次はTBSか」と囁かれる所以だ。

組織再編を繰り返したものの

 放送局を買収から防衛するには、良い番組を作って企業価値を上げるしかない――そんな井上社長の言葉も虚しく、TBSの視聴率低下が止まらない。
 全日(午前六時から翌午前零時)、ゴールデン(十九時から二十二時)、プライム(十九時から二十三時)で業界三位の地位を保ってきたTBSだが、〇四年度の全日ではテレ朝に追い越され業界四位に転落した。八〇年代に視聴率トップの座をフジテレビに奪われるまで「報道のTBS」「ドラマのTBS」と称された“民放の雄”の面影はない。
 二〇〇〇年、TBSは視聴率の低落傾向に歯止めをかけるため、組織再編を行なった。「機動力による番組強化」を図り、「コスト意識の徹底」を掲げ、ラジオ一社、テレビ三社への分社化を断行したのである。
 だが、分社化で結果を出したのは二十一期連続聴取率トップを獲得したラジオ会社だけ。肝心のテレビ三会社は低迷から脱出できなかった。そのため昨年十月にテレビ三社を統合し直し、番組制作会社「TBSテレビ」を設立。持株会社「東京放送」が発注した番組制作を「TBSテレビ」が受注する構造に組織を再再編したのだった。
 持株会社が放送免許事業会社を子会社にした背景には企業防衛策をとりやすくする狙いもあったが、ある民放関係者は「制作分離など組織改編を繰り返したものの、視聴率で苦戦を続けて『不治の病』と皮肉られたフジテレビを彷彿とさせる。フジには若きリーダーの鹿内春雄、編成制作現場を熟知し人望もある村上七郎という『良医』がいたが、TBSには見当たらない」と漏らす。
 再再編には「視聴率改善」「企業防衛」以外に、もうひとつ目的があった。人件費の抑制である。ラジオとテレビに入社する社員の年収は三分の二程度に抑えられるといわれる。来春両社には四十八名の社員が入社することになっているが、両社のプロパー社員が増えるほどに抑制効果は大きくなる。また、企業年金制度にも手をつけ、提訴するOBもいる中で、局からの持ち出しを抑え込む新制度の導入を断行した。
 単独決算の売上高が三期連続で減少し、それにともなって営業利益と経常利益も減り続けているTBSにとって、負担となっているのがプロ野球・横浜ベイスターズの存在だ。
 二〇〇二年一月、TBSはマルハが所有する横浜ベイスターズの株(七十万株)を百四十億円で取得し、筆頭株主となった。だが、親会社となってからは三年連続の最下位。社内には「貧乏くじを引いた」という声もある。ある幹部は「昨秋からうちの上層部とUSEN(有線ブロードネットワークス)幹部が、球団の譲渡をめぐって接触しているようだ。うちが取得した額(百四十億円)よりも安く売ることは考えにくいが、USENがそこまで出すかどうか」と思案顔で囁いた。
「湘南シーレックス」と改名してベイスターズの組織から分離された二軍チームは人件費以外の独立採算を目指している。スポーツ中継はデジタル多チャンネル化時代のコンテンツになりうるが、ベイスターズの保有をめぐってはTBS内でも意見が分かれているようだ。
 TBSの社内には、入社後に税理士の資格を取得した井上社長を、社長就任直後に幹部に貸借対照表の見方を教えたという田中和泉元社長になぞらえる向きもあるという。築きあげた資産を活用できるか、それとも魅力的な資産が思わぬ買収劇を呼び寄せるのか。TBSにとってメディアをめぐる買収劇の余韻は決して終わっていない。(文中敬称略)

(フォーサイト2005年6月号)

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 四―六月期の営業損益が約百億円の赤字に転落した半導体大手のNECエレクトロニクス。売上高は前年同期比で二割減り、最終損益も六十三億円の赤字となった。通期の営業利益も前期比六割減の百三十億円まで下方修正、惨憺たる状況だ。

 こうした中、同社の買収を韓国のサムスン電子が水面下で検討しているという。サムスン電子も四―六月期は純利益が前年同期比四六%減の千六百九十億円と大幅に減少。ライバルメーカーとの販売合戦で製品単価が下落した結果で、「業界の過剰供給体質が改善されない限り、業績の回復は難しい」(大手証券アナリスト)。そこで「ライバルを消すことで過剰供給を解消し、さらに自社にない技術も取り込む」(サムスン関係者)狙いだ。

 NECエレクトロニクスの親会社、NECは業績が伸び悩んでおり支援は難しい。先行きへの懸念が高まっているNECエレクトロニクスは、現在、資本市場での資金調達環境も悪化しているようだ。サムスンは「まずNECエレに資本参加し、いずれ傘下に収める“二段階方式”で買収する」計画だと、ある米系投資銀行幹部は解説する。

(フォーサイト2005年9月号)

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 三井物産によるイトーヨーカ堂、セブンイレブン・ジャパンの株式買い付けに注目が集まっている。約四百五十億円を投じる大きな投資でありながら、「セブンやヨーカ堂の子会社化を目指すといった、明確なポジションを獲得するものではない」(別の商社幹部)として、真意をいぶかる向きもある。だが、流通業界関係者は「物産とヨーカ堂グループの双方にとって大きな前進」と評価する。

両者は二〇〇一年に包括提携し、物産はセブンイレブンが取引する地方食品卸七社に出資。ショッピングセンター開発でも共同出資して新会社を設立したほか、物産のヨーカ堂向け取扱額は「直近で約四千億円」(物産首脳)にまで拡大していた。

 三井物産は若手社員をヨーカ堂に出向させたり、ヨーカ堂グループとの懇親会を槍田松瑩社長主催で定期的に開いたりしてきた。一方、商社の系列色がつくことで経営の自由度が下がることを嫌う鈴木敏文ヨーカ堂会長兼CEO(最高経営責任者)は、「三井物産と提携した覚えはない」と公言してはばからなかった。

 ところが今回、鈴木CEOは物産の株式取得を事前に了承。両者の関係強化に、ヨーカ堂グループ代表でもある鈴木氏からやっと「お墨付き」が出た形となった。

 背景にはヨーカ堂株、セブン株とも物産の取得株割合が一%前後と低く、物産の発言権がそれほど強まらないという事情がある。また、ヨーカ堂グループが、持ち株会社制移行など、ポスト鈴木体制を模索し始める中、「鈴木CEOが、自分の権力基盤が強固なうちに物産に恩を売ったのでは」(業界関係者)との見方も出ている。

(フォーサイト2005年9月号)

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