恋 やわらかな光の様に

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男性歌手が唄う
映画の主題歌に成っているその歌

やさしい気持ちの歌を
美穂は聞いていた


♪ そばにいたいよ 君のために出来ることが 僕にあるかな ♪


そのフレーズを聞く度に
豪は、云ってくれるだろうか
こんなに、優しい言葉を

と、思う
そして、唄い出しのフレーズ

♪ どうして 君が泣くの まだ 僕も〜 ♪

自分も、先に泣いてしまいそうに思う
その時が、来るかわからないけれど



美穂は、母親や友達からも

「あなたは、男に生まれた方が良かったかもね…」

「さっぱりして、男前の性格だよね〜」

等と、いつも云われる


確かに、自分でもそう思うし
それで良いと思って生きて来た

でも、でも

何故、豪の前では
そう出来ないのだろう

ただ、ただ、逆らう様に反対のことを言ったり
肝心な事を云えなくなってしまう

豪の眼を見ると
真剣に聞いてくれている、のがわかるだけに
本当の事を、云えなくなってしまう

好きだから?

これが恋の始まり?


自分の心の中で、大きく広がる
豪への思いを、しまってある抽き出し

他の抽き出しが、無くなってしまいそうに思える程
抽き出しは、大きく成って行く



そんなある日
豪から突然云われた

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豪は、美穂のはっきりとした物の言い方に
驚きと同時に、しっかりした子なのかな?

と、違う想いで考える様にも成っていた。

豪が、最近よく見ている、MV(ミュージック・ヴィデオ)

あるグループの女性が歌う

♪いつも手帳の中に ふたり取った写真
   笑顔がそこにある… ♪


その歌詞で、ふと想いを馳せる

美穂はiPad miniを持っていたけど
二人の写真なんて入っているかな?

撮った記憶が無いから
入っている筈が無いのだけれど
豪は、想像をして見る


もし、二人で撮りたいと云われたら
自分は、何と応えるだろうか

美穂は撮った写真を
どのような気持ちで見るのだろうか

でも、あれだけはっきりとした子だから
撮りたければ、今迄に云っていただろうし
それ程、自分のことなど、思っていないだろうな

豪は、自分の時間の中に日毎に長く居る
美穂への想いと同時に
独り善がりへの不安も強く感じていた

考えるだけで、嬉しくなると同時に
もし…への不安

恋は、始まるのだろうか?

不安と期待が、糾える縄の様に
浮かんでは消える事を、繰り返していた


その頃、美穂は
男性歌手の新作をを聞いていた

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「えっ!? お金を払ったの?」
「知らない人に、自分のお金を!?」

「そうだよ。だって、モタモタしているから…」

「でも、買い方を教えてあげれば済むじゃない!!」
「オバアさんの財布から、お金を出して買ってあげれば…」

「だって、モタモタしているオバアさんの財布を取ったら、
 誤解されて、騒がれるだろう…」

「そんな事無いよ!!」
「何処に行くのか聞いて、いくらか調べて、オバアさんに、何円出して!!」
「そう云えば、済む事じゃない」




「そりゃ〜そうだろうけど」
「面倒くさいじゃないかよ!!」


「そお云う事じゃないでしょ!!」
「知らない人に、お金を出したんでしょ」
「只であげたんでしょ!!」
「これから、絶対に会う事のない人に!!」



「そりゃあ、そうだけど」
「そんな問題じゃね〜んだよ!!」



豪が、ちょっと声を荒げたのを聞いて
美穂は、一瞬にして、後悔した。

又やってしまった。
外では、なるべく自分の感情を抑えて、
皆の後から発言したり、自分の意見をしない様にしようと…。

でも、母や弟、そして兄、父など
自分の家族の中では、いつだって

今の様に、感情的になってしまう

絶対に、注意していたのに

外では、他人との線を意識して、忘れた事は無いのに…



何故だか、豪に対して

それを忘れてしまった自分に気がついて
美穂は、後悔した


おへその当たりから、力が抜けて
立っている事さえ、辛い程に
でも、顔には出さずに、
豪の身体を透かして、5メートル程先を虚ろに見ていた


「おばあちゃん!!また、失敗したよ」
「教えてくれた、お臍の下に力が入らないよ」

美穂は、泣きたい気持ちをこらえて、遠くを見ていた



豪が、傍に居る事が、嬉しいのか辛いのか、わからなくなっていた。

豪は、何を言い出すだろう


やさしいけど、自分を曲げない
豪の性格を考えると、辛い結論を考えなければ行けないのか?

美穂は、自分の失敗を、強く感じていた

豪は、次に何を言い出すのだろうか?

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銀座の交差点の真下
地下鉄の切符売り場の出来事

前で切符を買おうとしているオバアさんが
モタモタして、何度もお金を自販機に入れたり
財布の中を、ゴソゴソ探したりしているのを見て

「オバアさん、どこ迄行きたいの?」

と、豪は声をかけて
オバアさんから聞いた駅名を確認し
自分の財布から、お札を取り出し
駅迄の金額を押す

「はい。これで入りな」

そう云って、切符を渡した

オバアさんは
「スイマセン、スイマセン」と云いながら
改札口に入って行った

豪は、ちょっと笑って見送っただけで
自分の目的駅の切符を買った

それだけの事

豪は、モタモタしているオバアさんが可哀想
と、云うより、
忙しい都会で、独りのオバアさんの所為で
自分がイライラする事が嫌で、
切符を買って、渡した。

切符売り場の流れよりも
自分が待たされる事が嫌だったから

ただ、それだけ



後日
皆で飲み会に行く途中で
切符売り場が混んでいたとき
豪はその事を思い出して
電車を待つホームでその話をした

ところが
その時の美穂の反応は
豪の想像以外の言葉だった

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JRの品川
京浜急行に乗ると、下りの最初の駅が
「北品川」

品川から南に下っているのに
何故?北品川?

美穂がよく乗る京浜急行だけれど、
自分が知っているのは、横浜近辺から三浦半島方面

疑問に思った美穂は
ネット等で色々歴史を調べてみる

本来「品川」と呼ばれていた地区より
駅の位置が「北」に在った事が…
歴史を調べているうちに
「旧東海道」が線路の近くだと知る

何百年も前に
この道を歩いていた人
一度も出会う事もないし
誰かも特定出来ない沢山の人々

その中の架空の人を、美穂は想う
何か用事が有ったのだろうか?
何処を見て歩いていたのだろうか?
幸せだったのだろうか?

長い歴史の中で
ずっと利用されていた道
色々な人が利用した道

そして
美穂は同じ場所に自分が居る事を想うと
心が温かくなる

そして…

心が温かくなると

最近は必ず
豪の事を思い出すのに最近気がついた

何故だろう?

嬉しい事が有ると
豪を思い出す



その事に気がついたのは

関東地方が、梅雨明け宣言をして
間もない頃だった

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