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一連の事業仕分けに関する論じられ方を見ていると、「今まで不透明だったムダや予算の問題が見えてきた」という意見が多くあります。 主計局の中で主計官と各省庁の間でやっていたことが表に出ていたことで、「今まで見えにくかった部分が見えてきた」部分を評価しているのでしょう。 ただ僕はこの事業仕分けで改めて決定的に不透明な部分が顕著になったと思いました。 つまり、予算編成に到る政権の目標や予算の枠組み、そして各部門の役割と責任といったものです。 事業仕分けの判断基準が不透明なのは、様々なメディアで既に指摘されているところです。 なぜかここが大きく掘り下げられませんが、実は非常に重要なところなのです。 民主党は「政治主導」を掲げていますから、そうであればその主導する政治家による仕分けにおいて、どのような事業評価を行うかを明確にしていなければ公平性は担保されないでしょう。 基準が分かるからこそ、その評価が適正かどうかも分かるわけです。 ここが現状では不透明なのに、バッサバッサと斬りこむだけで「ムダを省いている」「透明化した」とは言えません。 現状では今まで行われて連日報道されたのは、ただの公開政治リンチの域を出ないと考えます。 さらに「予算の方針を決める」といわれた国家戦略室と菅氏がどう関わっているのか、そもそも鳩山首相が予算編成についてどういう考えを持っているのかがさっぱり分かりません。 実はこの件に関して新聞社に問い合わせてみたのですが、予算の方針や先述の仕分けの判断基準について、記者が質問しても誰も何も教えてくれないそうです。 仕分けも含めて予算の組み方や方針が不透明なままで、公開政治リンチをやって何が透明化と言えるのかは非常に疑問です。 国民が本来必要としているのは劣化主計官モドキによる政治リンチではなく、政府が予算を組むにあたってのプロセスを明らかにすることと、事業や政策をどのように評価するか、優先順位のつけかたをどうするかが透明になることです。 またその編成に当たって関わる人々の責任が明確になることです。 来年度予算を編成する責任を負っているのは鳩山政権です。 事業仕分けの位置づけがイマイチ分かりづらいですが、少なくともこれが編成の全体ではなく一端であるのは間違いないでしょう。 鳩山政権がやるべきは、この自分たちの責任について透明化すべきことであり、「自民党を叩く」という意気込みで政治リンチをすることではありません。 未だに根性が野党どまりなのでしょうが。 ここで比較対象として橋下大阪府知事をあげます。 彼もあちらこちらの予算を切りまくって、府下自治体から高校生、障害者団体などから厳しい批判を受けたのはご存知の通りです。 この点では鳩山政権と似ています。 但し決定的に違うのは、橋下大阪府知事は明確な方針がありました。 財政再建という大目標を掲げた上で「単年度黒字を達成すること」を目標とし、2008年度で1100億円を削減するという具体的な方針を示し、この削減を行うことを優先順位の上位にしたのです。 橋下府政もバッサバッサと切ったわけですが、それを通じて何をやりたいかは具体的に分かっていました。 勿論彼のやり方には異論があると思います。 実際に切られたことで不満を持つ人もいるでしょう。 ただ少なくとも予算の削減を行うという予算方針の責任がどこにあるのか、誰がその指示をしているのか、知事本人が世間に対して自分の口で説明することで明確になっていたのです。 同じように切っているようでも、鳩山政権と橋下府政は全く異なります。
本来あるべきは後者のようなものであり、前者のような一部だけ目立ってその実不透明な部分が多い、というようなものではないと考えます。 |
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