飛べない豚

ミリタリーネタ・妄想をつらつらと

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http://togetter.com/li/179048

まぁ要は「実質徴兵制」の「実質」の中身が曖昧なまま、アメリカもイギリスも徴兵制だという人がいて、それに突っ込む人がいるというだけですが。
どうも「貧困層は生活を改善する為に軍隊に志願している、だから実質徴兵制」ということらしいですが。
それでいくと就職氷河期以降の日本では、自衛隊だけでなく国や地方自治体などの官公庁、警察、消防、海上保安庁などでも徴用が行われていることになっちゃいますよね。
「お金が無い」「他に身を立てる方法が無い」「民間企業は不安定だから」と、公務員志向が高まったわけですし。
「実質」ということばは、時に定義の曖昧さを放置したまま主張を続けるのに使われがちです。
「実質」の定義と定義の正しさ、それに続く言葉の定義、ここを明確にしないといけません。
当然ですが、実質的に○○を裏付ける根拠も必要です。


例えとして、「アメリカでは、ミランダ警告は実質的には機能していない、形骸化している」という話をしてみます。
ミランダ警告は皆さんご存知のように、逮捕された被疑者が取調べを受けるにあたり、黙秘権、自己の証言が裁判で不利な証拠になりうることの確認、弁護人を呼ぶ権利、公選弁護人を呼ぶ権利を、警察官が被疑者に対して説明し認識してもらうことです。
ここから上記の形骸化とは、ミランダ警告が形式としては残っているが、実質的には有効に機能していないということになります。

さて、ではこの主張は何らかの裏づけがあるのか。
こちらのブログをお読みください。
こちらでは日本で行われたノースウェスタン大学教授の公演について記されています。
教授によれば、ミランダ警告に記された権利を放棄する人は成人で80%以上、未成年だと100%近い割合であるとのこと。
権利の放棄とは、黙秘もしないし弁護士も呼ばない、ということです。
殆どの人が権利の行使を放棄しているのだから、例え警察官がミランダ警告をしたとしても、その目的は形骸化しているだろうということになります。
放棄する原因、それと冤罪との関係性について上記ブログは説明していますが、そこを細かく話すと主旨とズレるので今は割愛します。
こうすることで「実質的」の意味が明確になります。
逆に言えば、この程度のことは最低限やらないと、「実質的」というものが曖昧さを誤魔化す為の言葉になりかねません。


さて、本題に戻って「実質的徴兵制」とはなんのことなのか。
徴兵とは本人の意思によらず制度として兵役を課す事ですから、完全徴兵制にせよ選抜徴兵制にせよ、当人の意思に関係なく兵隊さんになる制度であれば、それは徴兵制ということは出来ます。
もし実質的徴兵制なるものが実在するなら、制度上は志願制であるが何らかの圧力や強制力によって、実質的には本人の意思に関係なく兵役に就く状況がある、ということになります。
志願の形骸化ともいえます。

兵役ではありませんが、建前上は志願制度になっている消防団が地域の同調圧力で「入らないといけない空気」になったり、入団を拒否すると村八分にされるなどし、一個人において「入団しないという選択肢が存在しない、拒否したら地域住民としての存在を否定される」のであれば、それは実質的には強制入団である、志願の形骸化であると言えるかもしれません。

しかし、件の話は「貧困層の生活改善」という志願動機に実質さを求めています。
これは貧困層が生活の建て直しを考える場合、軍隊が受け皿となっているともいえます。
少なくとも「軍隊に入れ」と強制されているわけではありません。
先ほどの消防団の話のように、軍隊に入らないと地域社会から村八分にされるわけでもないでしょう。
「貧困層にも多様な選択肢を持たせるべきだ、そのために福祉政策が必要だ」という話であればまだ分かりますが、実質的徴兵制と言うには主張の根拠や定義が曖昧だと思います。

この話が通じるなら、貧困層や不況下における受け皿産業は、「実質的な強制徴用」になってしまいます。
例えば、地方都市でタクシー運転手になることが雇用の受け皿となるなら、徴タクシー運転手制度になります。
地元にある大手企業の工場が雇用の受け皿になるなら、徴工員制度になってしまいます。
僕は今までそのような主張は聞いたことがありませんし、これからも聞くことは無いでしょう。
兵役もこれらと同様であると思います。

強いて言うなら。
もし国家権力が兵員を安定的に確保することを目的とし、意図的に貧困層を作り出し、貧困層の人々が軍隊に入るように計画的に誘導しているなら「貧困層の志願は実質的には徴兵制である」となるかもしれません。
しかしそんなことをやっている国があるのでしょうか?またその根拠はなんでしょうか?

「銃、武器、軍事、警察、その他」書庫の記事一覧

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前にも似たような議論があったので簡単に計算してみたことがあるけど、
例えば「軍隊は貧困層で成り立っている」が『真』であるならば軍隊における
非白人の比率がえらいことになるという結果が出てきて……
そうつっこんだら「新しい『貧困層』が出てきているんだ」というワケワカメな返答が。

下段の「貧困層を意図的に創り出して人員確保」にしても、ねぇ……
“軍隊に入って何かしらできるだけの能力を持つ人物”を“意図的に貧困層へ追いやる”には
どれだけの予算・施策・労力が必要になるのやら。
(“後方支援等の軍隊の中でも特別な労力を必要としない分野で働かせられている”というなら、
それはむしろ「比較的安全な場所で働かせてもらえる」ということで受け皿的に喜ばしいような)

2011/8/27(土) 午後 9:52 RYO

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RYOさん
アメリカでは「プアホワイト」と呼ばれる貧困層の白人もいますが、やはり貧困層を主として攻勢しているのは日中韓系などのアジア系を除く有色人種層ですよね。
アフリカ系とかヒスパニック系とか。
軍隊のためだけに貧困層を作り出しているとも考えづらいですし。
特殊部隊など、特殊技能を有し且つ特に危険な任務に従事する隊員にも白人は多いわけで。

貧困と兵役の関係は色んな人が指摘してはいるのですが、それは社会福祉分野としては有用な指摘であっても、兵役制度を論じるものではないと思います。
最初に述べたのが誰かは分かりませんが、「実質的な徴兵制度」という言葉が概念も定義も不明確なまま、一人歩きしている感があります。

2011/8/28(日) 午前 1:01 [ fou*_u*d*r_stro*e ]

上段
そうしたら次は「その白人貧困層で軍が成り立っているんだ」とか言われますよ。
どっかの調査でも大部分がそうではない、という事実を無視して。
そして次は「その調査結果は捏造だ」、その次は(以下エンドレスエイト)

下段
たぶん「貧困者が、一人でも、生活のために、軍隊に入ったら実質的徴兵制」
程度の認識なんでしょう。解決策が貧困者をゼロにするか、兵士の待遇を下げるしかない、
そもそもからしていろいろおかしい話ですけどね。



つうか『貧困層』で軍隊を成り立たせられるなら、ぶっちゃけ計算上は
『白人貧困層』だけでも米軍全体の兵員数を満たせそうなんですが、
そんな軍隊が新兵不足でへーこらしてるのはなんでなんでしょーねー(棒読み)。

2011/8/28(日) 午前 2:41 RYO

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RYO
そうでしょうねぇ…多分。
「実質的な徴兵制」という言葉が思いついた段階で、どうやってそれを成立させるかと言うことを念頭にロジックを組むんでしょうし。
ただ結論有り気だからロジックが穴だらけなのであって。

アフリカ系やヒスパニック系など、アメリカにおいて貧困層が多い有色人種が増えているというだけなら、軍隊だけでなく警察もそうなんですよ。
こっちは「人種の壁が取り払われつつある」「資質ある者を公平に採用する」という肯定的な見方をされます。
元々アイルランド系が多い職業なので、今でも白人の警官は多いのですが。

こう考えると「実質的徴兵制」という指摘は、軍隊というものに対する職業蔑視でしかないんだと思います。

2011/8/28(日) 午前 3:07 [ fou*_u*d*r_stro*e ]

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「さん」づけを忘れました
すいません、RYOさん

2011/8/28(日) 午前 4:02 [ fou*_u*d*r_stro*e ]


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