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しんぶん赤旗 農水省がまとめた2008年の農家個別経営統計によると、水田に稲や大豆、麦を作付ける「水田作経営」の農家の年間所得は、米価の回復により前年比5・6%増となったものの、平均39万円にとどまりました。兼業農家が多い都府県は33万円、専業農家が多い北海道は386万円。 農家数の1割にも満たない、5ヘクタール以上を経営する層でようやく300万円を超える程度です。専業におこなう20ヘクタール以上規模の所得は1174万円になりますが、1人当たりでは410万円でした。 0・5ヘクタール未満の兼業農家は赤字です。農外所得によって水田を維持する形となっています。 (中略) 農民運動全国連合会の笹渡義夫事務局長の話 生産者米価は09年の春以降に大暴落となり、08年時点よりさらに下がっている。鳩山内閣は、今年産から米の「戸別所得補償」だというが、補てん金を見込んで大手業者を中心に買いたたきが行われる可能性がある。 戸別所得補償の補てん水準は低く、全国一律のため多くの産地で生産費割れとなる。さらに政府は外国産米を従来どおり輸入し、国産米の買い支えをしない方針だ。米価下落のなかで農家は減り、補てんの財源ばかりふくらみ、所得補償制度も破たんするのではないか。それを農協も農家もみんな心配している。 えさ高、輸入自由化のなかで畜産もひん死の状況だ。民主党のマニフェスト(政権公約)では畑作・果樹や畜産なども戸別所得補償するというが、民主党内から“なじまない”という声がすでにでている。食料主権のもと、野放しの輸入を規制し、再生産できる価格・所得政策が必要だ。要は農業ではやっていけない農家が多いと言うことです。 笹渡事務局長は輸入規制と価格・所得政策をしろと言っていますが、それは問題解決にはならないでしょう。 解決につながるヒントは、記事の中にハッキリと書いています。 >農家数の1割にも満たない、5ヘクタール以上を経営する層でようやく300万円を超える程度です。専業におこなう20ヘクタール以上規模の所得は1174万円になりますが、1人当たりでは410万円でした。 つまり一戸当たりの耕作面積が狭いために生産に限界があり、農業所得が増えないと言うことです。 逆を考えれば、農家一戸の耕作地を増やしていくことが脱出口の一つと言えるのです。 記事にもありますが、専業の多い北海道は都府県より多くの所得を得ています。 これは北海道の一個あたりの平均耕作地面積が都府県よりはるかに大きいからで、故に専業も可能になるのです。 都府県は一戸当たりの面積が狭く、兼業をしなければ食べていくことができません。 赤旗は「兼業が多い都府県、専業が多い北海道」といった書き方をしていますが、「兼業でなければ暮らしていけない都府県、専業でもやっていける北海道」と表したほうが正確です。 では北海道の農家は都府県とどの程度の差があるのか、具体的にデータを引用していきます。 まずは農林水産省の農林水産基本データ集から。 販売農家一戸当たりの経営耕地販売農家一戸当たりの経営耕地 北海道 20.50ha 平成21年 (平成16年は 17.18ha) 都府県 1.41ha 平成21年 (平成16年は 1.24ha)北海道と都府県では、14倍ほどの開きがあります。 5年前と比べると北海道、都府県ともに耕作地は増えていますが、北海道が3ha以上増えているのに対し都府県は0.2ha。 増加分だけでも10倍以上も差があります。 もちろん都府県にも大きな耕作地を有する農家はいるはずですから、平均値から察するにかなり小規模な農家が多いと言えるでしょう。 次に国土交通省北海道開発局が紹介している北海道農業の概要(北海道農林水産統計年報)から、北海道と都府県では農家の収入にどのくらい差があるのかを紹介します。 販売農家一戸当たりの生産農業所得北海道 594万1000円 全国 107万7000円生産農業所得とは、農産生産品を販売した売り上げから肥料や燃料、種などの経費を指し敷いたもので、農業だけで得た所得のことです。 赤旗の数字よりずいぶん大きな数字が出ていますが、これは酪農や畑作も含んだ数字だからです。 これを見ても、全国平均と北海道平均とはずいぶん差があることが分かります。 統計から北海道の一戸当たりの耕地が広いことがわかり、一戸当たりの所得も大きいことがわかりました。 そんな北海道の農家と耕作地は、全国に対してどの程度の割合を占めているのでしょうか。 北海道の農家及び農業人口と耕作地の、全国に対する割合農家人口 2.5% 農業就業人口 4.0% 総耕地面積 25%農家は2.5%、就業者は4.0%なのに、耕地面積は25%もある。 圧倒的少数の農家と農民が25%を耕し、9割以上の農家・農民が75%を耕す。 これが一戸あたりの面積、一戸当たりの所得に影響しているということです。 さて、そんな北海道の農家ですが、これらは飽くまで北海道全体を平均したもの。 実際には耕作地や作物の違いから、所得には大きな違いが見られます。 今度は北海道の農業そのものをもう少し細かく見ていきます。 農林水産省北海道農政事務所のサイトで見られる北海道農業の概要からご紹介します。 農業所得水田作 343万円 (時給1493円) 畑作 801万8000円 (時給2121円) 酪農 624万7000円 (時給875円) 経営規模別農業所得〜5ha 150万円 〜10ha 294万円 〜15ha 564万円 〜20ha 696万円 〜25ha 895万円 〜30ha 855万円 〜40ha 1000万円 〜50ha 1036万円 50ha〜 798万円 経営規模別農家割合〜5ha 28% 〜10ha 18% 〜20ha 21% 〜30ha 12% 〜50ha 12% 50ha〜 9% 地域別の特徴道南 野菜と畑作が多く、他は米、乳牛、その他畜産など 道央 米と野菜が多く、他は畑作や乳牛など 十勝・網走 畑作と乳牛が多く、他は野菜やその他畜産 宗谷・釧路・根室 乳牛が9割を占めるこのように見てみると、北海道でもやはり5haを下回ると所得は厳しいことが分かります。 10haを下回ってもかなり厳しいのですが、10ha以上になると所得が増えていきます。 これらからも、一戸当たりの耕作面積が広いことが重要であると言うのが分かるでしょう。 ここまでは一戸当たりの耕作面積を広げることが重要である、ということについて述べました。 そうであれば、ではどうすれば良いのでしょうか? これ以上農地を広げるといっても、これ以上日本のどこに土地があるのかということになります。 僕の考えとしては、今後は農家戸数の整理が一つの方法ではないかと考えています。 要は農家のリストラと合理化を行い、今ある耕地をより少ない農家や農業法人が所有すると言うことです。 最初のほうにも書きましたが、日本は75%の農地を9割以上の農家と農民が分け合って耕している状態です。 これは農家が多いことが原因で、その為にそれぞれが割に合わない仕事をしています。 故に子供が農業を継承することもできず、所得も低いことから経営が難しい農家も増える。 これが家の裏でおばあちゃんが小さな畑で、手作業で大根や人参を育てているような農家ならリストラする必要もないのですが、手作業で行うには広い面積があるために機械化はさけられず、安くないトラクターやコンバインや作業機を買い、それの購入や維持コストがバカにならない為に所得が低くなり先細り。 そうであるならば、将来が不安で後継者もいない、田畑が荒れそう、という農家はいっそ離農しやすくしたほうが良いと思います。 そしてこういう農家から有償で田畑を引き取り、それらを集めて権利上まとめてしまう。 このまとまった田畑を別の農家や農業法人に売却。 売却された田畑は小分け転売や転用を法律で罰則付きで禁止した上で、税制上の優遇措置をとり、機械の大型化のお金が無い場合は補助金を出す。 こうして農業全体を合理化して言ってはどうかと考えています。 ただしこの考えにも大きく分けて二つの問題があります。 一つは農家が休耕地あるいは耕作放棄地になりそうとは言え、そう簡単に農地を手放すかと言うこと。 農家には「代々の土地を守ってきた」と強い思い入れのある人が多いですから、勘定より感情を優先し、転売に同意しないひともいるでしょう。 だからといって公共事業のように強制収用をかけると言うのは、憲法の財産権を考えると疑問。 では公共事業として国営営農団をやるかと言えば、親方日の丸で農業版の国鉄や日航になるのは目に見えていますからありえません。 もう一つの問題は、日本の田畑の配置にあります。 田畑は必ずしも隣接して、一定の地域に纏まって存在しているわけではなく、例えば狭い市町村道と住宅に囲まれた小さな土地に点在している場合もあります。 もしこういう小さな田畑をまとめて手に入れてしまったら、それは非効率な農地が増えるだけということに。 仮に10haの農地を手に入れたとしても、それが小さく分散しているのでは、大型の機械を入れようにも田畑に到着する前に手前の電柱に引っかかるのが関の山。 結果として小さな機械で分散した狭い田畑を耕すことになり、労働負担や経済効率が悪くなります。 このように方法論で問題はあるのですが、基本的な方針として農家戸数の整理が必要と言うのは、僕の中で概ね固まっている意見です。 しかしこれは既存政党にはまず言えない事でしょう。 ソースはしんぶん赤旗、つまり共産党ですが、彼らだけでなく自民、民主、社民、公明、国民などはまず言えません。 言った途端に農業票を失い、あるいは「国民の生活を支えます」という主張と相反すると指摘されてしまいます。 だからといって戸別保障をやり続けても、当面の経済問題はどうにかなるでしょうが根本解決にはならず、長く続ければ財政を圧迫します。 小さな田畑で得られる生産物に、平均所得に近いぐらいの所得を得られる価格をつけるとなれば、それは消費者の懐を直撃します。 消費者と生産者の間で買い取り価格と販売価格の差を補填すれば、所得保障と同じようなものですからやはり財政を圧迫することに。 農家戸数を減らさず所得を増やすとなると、今まで述べたように生産力自体が小さい以上は、どうしてもどこかに無理が生じるのは避けられません。 付加価値の高く、狭い土地でも生産性の高い作物を作るのであれば、話は別なのですが。 今後政治が農業政策をどうしていくのか、よくよく見ていかなければならないでしょう。
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AGCOグループのドイツの農機メーカーFendt(フェント)が発表した新800系トラクター。 同社のトラクターにおいてはフラッグシップの900型に次ぐもので、出力は200馬力台です。 フェントは油圧機械式無段変速機「Vario」を採用していますが、この新800系にも当然ながら搭載されています。 特徴としては200馬力台としては異例の最高速60km/hを達成したこと。
上級の900系は既に60km/hを達成していますが、大抵のメーカーは300馬力台でも50km/hなのを考えればかなり速いですね。 日本にいるとそこまで速くなくても良いと思う人が多いでしょうが、大陸の国だと1000haを超える農地もあるわけですから、作業時間の短縮を考えても最高速は高いに越したことは無いのでしょう。 作業機の設定などを行うタッチスクリーンのパネルは、標準モデルのPowerには7インチが、中級モデルと上級モデルのProfi及びProfi Plusには10.4インチが注文又は標準装備されており、特に10.4インチモデルは異なる圃場のデータを接続操作なしに自動的に読み込む「Vario Doc」というシステムが付いているそうです。 尿素を使ってNOx処理を行う装置も搭載し、低排出ガス化に対応。 車両重量は旧800系に比べて2tほど重い9.3tになっています。 |
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