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ドイツ空軍(Luftwaffe)

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やっと「始まりと終わり」を読み終えました。資料の部分が多いので分量はそうでもないなと思ったのですが、活字慣れしていないせいか、意外と読むのに時間がかかりました。

読み終えた感想として一番感じるのは、組織を動かすトップのマネジメント能力がいかに重要か、それが組織において不足している場合いかに不幸なことが起こるか、ということです。ドイツ空軍で言えば国家元帥ヘルマン・ゲーリングの無能さもそうですが、全ドイツを統率する独裁者である総統アドルフ・ヒトラーにも同様のことが言えます。

ゲーリングは空軍に対してはトップであり、空軍と総統の間では中間管理職のような役割も果たします。このゲーリングが、その大口の割りに実績を残せなかったせいもあるのでしょうが、ヒトラーの信頼を段々に失い発言力・影響力がなくなりました。彼の助言は彼個人の思い付きではなく、空軍の将軍や高級士官らと吟味し、空軍指導部の総意として進言したものもあるのですが、いずれにしても上司の信頼がなかったが為に作戦指導を修正するにはいたりませんでした。また彼自身の権限で空軍を指導する能力にも欠け、下級士官などからもバカにされるくらいであり、ヒトラーの部下としても空軍の統括責任者としても能力が欠けていたようです。

一方でヒトラーも細かいことに口出しして空軍を翻弄する割りに、大戦略については曖昧な点もあり、その作戦指導に決定力を欠くところもあったようです。重箱の隅をつつく割に木を見て森を見ず…たしかにそういう人は私達の身近にもいそうです。あるいは自分かも!?

そう、ヒトラーとゲーリングのやっていることは普遍的な要素だけ汲み取れば、案外私達の身近にあるものです。戦争が企業や行政などの活動になり、空軍が自分の会社やその部署になるだけのことです。その中でおこる曖昧な方針、細かいことに干渉、上司と部下の双方から信頼がない、大言壮語する、現場の意見を尊重しない、新しい考えについていけない、失敗をすべて現場に責任転嫁するなど。マネジメントの重要性は僕が今更言うようなことでもないのでしょうが、今回は歴史的出来事に関わった人物の自叙伝から、それがまた感じられたということですね。

勿論、どの自叙伝もそうですが、そこに書かれる内容は著者の意見や立場に大いに反映されます。ガーランドは著書の中でいくつか自分の力の至らぬこと、自分の見識が及ばないことについて率直に認めていますが、安直に彼の意見を基準にすることもまた危険かもしれません。ただ彼の述べていることは、第二次大戦について書かれた様々な書物も言及することであり、当事者の具体的意見として大いに参考になるものです。

あともう少しで…

あともう少しでガーランドの自叙伝を読み終えます。

当たり前ですが、戦争末期になるほど絶望感が高まりますね。特に合成石油を作る精製所が破壊されたりすると。一方で、航空機の補充は続けられていますが、いかんせん搭乗員の経験不足が…。後で読み終えてから感想をまとめようと思いますが、この本を読んであらためてマネジメントの重要性を感じさせられています。

元ドイツ国防軍空軍中将アドルフ・ガーラントが書いた「始まりと終わり」を図書館から借りてきました。日本では1972年にフジ出版社から日本語版が出版されたのですが、図書館にあったのはその初版本です。本のカバーはところどころ破れ、本からはかび臭いような臭いがする、35年の月日を感じさせる本です。これは閉架書庫にあり、殆ど誰も借りていないようですね。本の末尾にある貸出カードを見ると、最初に貸し出されたのは昭和48年で、最後に貸し出されたのは昭和55年です。僕の町では2年ほど前に貸し出しシステムを新しくし、今は貸出カードを使わずにバーコードを使った電子処理になっているので、今のシステムになってから誰かが借りても貸出カードに記録されることはなく、昭和55年に借りた人と僕の間に誰も借りなかったかどうかは分かりませんが。あまり人気のある本ではないのは確かです。

本の内容はガーラントの回想録で、第二次世界大戦が始まったポーランド直後あたりからはじまります。まだブリテンの戦いあたりまでしか読んでいませんが、映画「空軍大戦略」で描かれたような話が述べられています。政府首脳部の方針のあいまいさ、急降下爆撃に固執した故のハードウェアの不足、戦闘機の長所を殺し戦術を制限する空軍上層部の判断の誤り、戦闘機の航続距離が不足するがゆえの制限の多さ、それと関連してイギリス本土の奥へ爆撃を行えない不満、戦闘機部隊への責任転嫁、そもそも戦闘機が足りないなどなど、不満がつらつらと書かれています。イギリス空軍の行動能力を削ぎ落とし、制空権を確保してイギリス本土上陸作戦を実施するには、ハードウェアも戦略も戦術も、要するに必要なものは殆どなかったというドイツ空軍の実情を、ガーラントは具体的に述べています。当時の主力戦闘機であったMe109は空戦能力は十分で、ガーラントはイギリス空軍のハリケーンには優位であり、スピットに対しても燃料噴射など優位点があると述べていますが、敵本土上空まで出向いて戦うには航続距離の短さはいかんともし難かったようで。このあたりはMe109関連の書籍で述べられている通りのようです。

またこの頃はドイツ本土は戦火が及んでいないので、ガーラントは前線と後方との落差に憤懣やるかたない思いを抱いていたようです。いつ自分が死ぬとも限らない、今日自分が生き残ったのは今日戦死したものより死ぬ機会が遅くやってくるだけだという苦戦を味わっているのに、後方へ赴けば人々は生活を楽しんでいる。彼らの戦争への無関心さと楽観さは、自分を助けることはないだろうと、当時のガーラントは感じていたようです。そして実際にそうだったのでしょう。
政府や空軍上層部は、自分達の選択ミスや考えの甘さを棚に上げ、爆撃機が多数落とされればその責任を戦闘機部隊に全て負わせる。戦闘機部隊は毎日死ぬ思いをしているのに、ドイツ本国では娯楽が満ち溢れて人々はそれを楽しんでいる。まだ本格的に負けがこんでくる前ですが、読んでいるだけで気持ちが沈んできます。というより、正面にいる敵よりも、後方にいる味方のほうが腐っているようにガーラントは感じていた、と思えなくもないですね。
むしろ彼は戦後に英米軍の戦闘機パイロットと話した内容について、爆撃機と戦闘機の共同行動については米英軍のパイロットもドイツ空軍と同じような悩みを持っていたと書いており、そのあたりの記述からは相互に共感を抱いていたかのような印象を受けます。爆撃機の性能については連合国の方が優れていたのですが、それでも連合国爆撃部隊の損耗は激しかったわけですし、海を越えて相手国に攻め込む時にはやはり共通の悩みがあったということでしょうか。

ブリテンの戦いに関する記述を呼んでいると、ガーラントはイギリスの優れた部分と味方の愚かな部分を対比させて、その狭間に自分達戦闘機部隊を置いているかのような印象を受けます。その後の戦いについては本を読み進めないとガーラントの認識、心情は分かりませんが、彼にとって味方の範疇に納まる人々は、ドイツとか空軍といった範囲よりずっと狭かったのでしょうか。

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