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統一の怖さ 「北朝鮮の急変事態」を望むのは、非現実的な考え方の持ち主か、計算の得意でない人々だろう。最近、ドイツの大学で「中長期統一政策」と題する教本の作成に取り組んでいる統一部(省に相当)職員がこんな話をしていたが、その言葉は正しい。 「それは非常に危険。統制不能の状況は決して望んでいない。韓国国内の懸念事項すら、一つとして満足に解決できない状況なのに、(北の急変に対する)対策などあるだろうか。韓国政府には今、そうした混乱を管理する能力がない」 国家情報院傘下の国家安保戦略研究所は、これを金額面から裏付けた。同研究所によると「急変事態が発生した場合の統一費用は2525兆ウォン(約185兆円)で、昨年の韓国の国内総生産(GDP)の2倍に当たる」という。1人当たり5180万ウォン(約380万円)ずつ統一費用を負担しなければならず、国の債務比率は世界最高水準まで上昇する。つまり、急変事態が発生すれば、南北が共に滅びる可能性があるわけだ。 中東の民主化運動、金正日(キム・ジョンイル)総書記の死と三男・正恩(ジョンウン)氏の世襲、配給が減った人民軍の離脱、市場にどっと押し寄せる住民たち、あるいは宮廷クーデターなどによる急変事態を期待すれば、少しは気分がいいかもしれない。だが、その後には恐ろしく長い現実の悪夢が待っているに違いない。 韓国政府は「予定にない」統一を追われるように成し遂げたドイツから、多くを学んだようだ。統一後、西ドイツは旧東ドイツ地域に毎年100兆ウォン(現在のレートで約7兆3000億円)ずつ援助した。そうして15年以上も休みなく札束の袋を運んだ。自分たちが稼いだ金だけでなく、借金してまで支援した。支援を続けても先が見えないため、旧西ドイツでは、憤慨して独立を主張する州まで現れた。ドイツが経済的に「失った歳月」を過ごしたのは、統一の後遺症のせいだった。 これを教訓に、韓国政府は段階を踏んで統一を進める「軟着陸」のスケジュールを検討している。だが、われわれの思い通りに事は運ばないだろう。予測不能な北朝鮮の動きについては、これ以上述べるまでもない。政府としては、急変事態を防ぐ能力さえあれば、防ぎたいかもしれない。そうした事態が、けもののように生きてきた北朝鮮の同胞たちに自由と解放の喜びを与え、真っ暗な夜空に降り注ぐ祝福の光になったとしてもだ。
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TBさせていただきました。
2012/10/17(水) 午前 9:45