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fpdの「映画スクラップ帖」 (名作に進路を取れ!)
★「9月1日から「はてな」ブログに移りました。https://fpd.hatenablog.com/

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イメージ 1
 
映画「凶悪」(2013)をMOVIXさいたま(シネコン)で見たが、タイトルの通り、”鬼畜の所業”としか思えない残虐なシーンがあるので、気分が悪くなる人も出るかもしれない映画で、スプラッター(体を切り刻む、など)映画が苦手な人にはお勧めできない。
 
fpdも「これは・・・」と思うようなグロいシーンには、目を背けたくなった。
園子音監督の「冷たい熱帯魚」的なシーンがあるという前提で見てください。
 
・・・
実話をもとにしたフィクションということだが、ほとんどが実話の再現のようだ。
ノンフィクションのベストセラー小説「凶悪 -ある死刑囚の告発-」(新潮)を原作とした社会派サスペンス・エンターテインメント映画。
 
 
実際に収監中の死刑執行を言い渡された凶悪殺人犯が、同様の悪業を重ねた仲間だった人間が、のうのうと生きていることに腹が立ち、雑誌記者を使って、その
”センセイ”と呼ばれる人物を刑務所に送り込み極刑をもくろむ復讐劇が一つの柱となっている。
 
・・・
この映画には二人の極悪非道で「凶悪」な人物が登場する。
 
一人は、体中に入れ墨を入れ、見るからに悪党そのものの暴力団の組長(ピエール瀧)。もう一人は、表面的にはいつもニコニコした穏やかなな外見だが、狡猾な不動産ブローカーの”センセイ”と呼ばれる、本質的に凶悪な人物(リリー・フランキー)である。
 
この対照的な人物二人と、手下のような2,3人の人間が、弱みのある家族などをエサにして日常的に恐るべき手口で「錬金術」を重ねる凶悪な所業が、とり付かれたように真相を追求する雑誌記者(山田孝之)によって明かされていく・・・。
 
・・・
山田孝之といえば、最近では「闇金 ウシジマくん」で、冷徹な闇金会社の社長役で凄味を見せていたが、「凶悪」では、がらりと変わって、凶悪犯を執拗に追い、闇に葬られるところだった殺人事件を白日の下にさらしていく藤井という記者を演じている。
 
藤井は雑誌の仕事に熱中するあまり、痴呆症の母親に悩まされ、苦悩する妻(池脇千鶴)を気遣うことがなく、家庭は崩壊の危機。そこで、妻はついにある決断を下す・・・。
イメージ 3
 
・・・
池脇千鶴が素晴らしい。
池脇の映画を初めて見たのは「ジョゼと虎と魚たち」だったが、大胆な演技で注目された。Wowowドラマ「贖罪」でも、数人の女優たちのオムニバスだが、際立っていた。「凶悪」でも、演じているというのではなく、内側からにじみ出るものがあり、なりきりであるところがすごい。
 
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この映画は、主演が山田孝之のようになっているが、ピエール瀧が主役ではないかと思えるほど、存在感があり、本物の暴力団ではないかと思うほどの凄味があり怖い(笑)。「百万円と苦虫女」の人のよさそうな田舎のお兄さんという雰囲気は微塵もない。
 
「凶悪」では死刑判決を言い渡されながら、最高裁に上告中に、あえて自分に不利になるにもかかわらず3件の余罪があることを告白する。それは、裏切った仲間への復讐があったからで、自らは、獄中で信仰に目覚めたといって、最終的に20年の服役に減刑となった。復讐の狙いとともに、したたかな生への欲求があったのかもしれない。全身入れ墨で、そのがっしりしたがたいもすごい。
 
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リリー・フランキーは、この秋、2本の出演作品で注目されている。「そして父になる」と「凶悪」だ。リリー・フランキーは、先日のテレビで語っていた。「2本を見るなら、”そして父になる”を先に見てください」と。「凶悪」を先に見てしまうと、「そして父になる」でも、なにか裏があるのではないかと思われるからだ、と笑わせていた。「そして父になる」か「凶悪」かと迷ったのだが、凶悪にした(笑)。
 
・・・
「凶悪」の白石和彌監督は、助監督を経て、デビュー作「ロスト・パラダイス・イン・トーキョー」(2010)に続く第2作目。映画の内容的には、園子温作品のような印象を受けた。園子温監督作品もかなり追いかけてみたので、エロ・グロ的な要素の強い作品はやや食傷気味だ。
 
・・・
「凶悪」はピエール瀧の映画ではなかったかと思うほどで、それは一見に値するだろう。
 
☆☆☆☆
 
ついでに下記クリック・ポン♪があるとうれしく。     

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    早くも、巷では「今年度ベストワン!」という声がひろがりつつあります。

    ぴくちゃあ

    2013/10/4(金) 午後 8:46

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    ぴくちゃあさん>そんなに高い評価ですか。
    俳優は見ごたえがありました。

    fpd

    2013/10/4(金) 午後 10:07

  • ピエール・瀧さんは静岡県ではバラエティー番組の司会者として有名です!その番組に出演しましたが、本当にやさしい方です!
    劇場に行くかDVDにするか迷っています!

    MARUMA

    2013/10/5(土) 午前 6:55

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    MARUMAさん>ピエール瀧の優しいイメージは、「凶悪」で完全に覆されるでしょう(笑)。そこが、演技のすごさというわけですが。

    fpd

    2013/10/5(土) 午前 7:12

  • あまちゃんで あの寿司屋のピエール大将がおヤクザ風に久慈の町に現れるあたりは おぉぉ!でしたが、この映画のピエールさんは ほんまもんの迫力を体中に魅せて 御主やるのォ役者やのォと。
    そしてフランキーさんの普通っぽくも世紀末風の死神様、プロ俳優さんだったら多分ここまでは・・。
    今年のベスト(^^♪
    そして 映画の醍醐味って確かに凶悪そのものかも。

    個人的には次に 園子作品「地獄でなぜ悪い」を。

    たんたん

    2013/10/5(土) 午後 9:53

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    たんたんさん>人懐っこい優しいイメージのピエール瀧ですが、この映画では、容赦ない悪党ぶりでした。裏切ったと思った舎弟も問答無用で殺してしまうすさまじさ。

    おお、ベストですか。

    園子温監督も、相変らず、過激なバイオレンス作品のような・・・。

    fpd

    2013/10/6(日) 午前 8:01

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    過激な作品でしたね。ピエール瀧、リリー・フランキーともに、
    悪役は初めてではないでしょうか。ハマリ役でしたね。
    池脇千鶴はどんな役柄でも素晴らしいです♪。

    ffa**77

    2013/10/7(月) 午前 0:18

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    ふぁろうさん>悪役でもすごいピエール瀧でした。フランキーもニタニタですが逆に怖いですね。池脇は、いいですね。

    fpd

    2013/10/7(月) 午前 6:13

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    実は池脇千鶴役の妻が、ぎりぎりでしたね。一歩間違うとあっちの世界に、瀧さんやリリーさんの世界に行ってもおかしくない感じでした。こちらからもTBお願いします。

    atts1964

    2013/10/8(火) 午前 8:55

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    atts1964さん>そうですね、かなり「プッツン」状態で憤っていましたから・・・。

    TBありがとうございます。

    fpd

    2013/10/8(火) 午後 9:40

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    fpdさん、遅ればせながらやっとこちらで上映されましたよ。
    ピエール瀧さんやリリーさんが、極悪非道でしたね。
    そして、九十九一さんを久しぶりに見ましたわ。
    老健ホームには、金になる老人が沢山いるのですね(@_@;)
    空恐ろしくなりました。
    TB返し致します(^o^)丿

    Gena

    2014/1/25(土) 午後 1:47

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    ジーナさん>ピエール瀧、リリーの極悪ぶりはすごいですね。

    最近は、テレビ「三匹のおっさん」でも老人、年金受給者を食い物にするセールスが取り上げられていましたが、特に孤独な単身の年寄りは騙されやすいでしょうね。

    fpd

    2014/1/25(土) 午後 3:04

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    ぴくちゃあさんとこからきました。この映画は凄かったですね。あまちゃんの時と違ってピエール瀧は恐ろしかった。「人なんて簡単に死にますから、気にすることないですよ」みたいなことをセンセーに言うシーンはほんと怖かった。池脇千鶴の受賞も納得です。TBさせてくださいね。

    シーラカンス

    2014/3/2(日) 午前 9:51

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    シーラカンスさん>この映画は、インパクトがありました。

    センセイも淡々と年寄りを殺してお金を巻上げる凄みですが、ピエール瀧には驚きました。あの刺青と、ガタイのすごさは、なりきりですね(笑)。

    池脇千鶴も、なかなか静かな中にも、恐ろしいほどの強さがありました。

    fpd

    2014/3/2(日) 午前 10:00

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    トラバお返しします(笑)
    ピエール瀧は極刑の死刑がほぼ確定しているのですから、追加の20年というのは屋上屋を重ねているだけですネ。減刑じゃありません。
    アメリカでよく言う「判決300年」みたいなものではないでしょうか。ただ、新しい犯罪を裁判にかけてもらうための延命として、彼はこの事件を記者に打ち明けて少しでも延命しようと企んだ・・といったところでしょう。もちろん先生を道連れにして復讐しようとしたのでしょうが。
    池脇千鶴よかったですね。「必死剣鳥刺し」の演技もよかったです。
    ありがとうございました。

    瀧野川日録

    2014/4/4(金) 午後 6:09

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    トリックスターさん>コメ遅れました。

    池脇千鶴は、滲み出るような演技で良かったですね。

    りりー・フランキーも、へらへらと、殺人をビジネスにして、凄みがあります。

    fpd

    2014/10/25(土) 午後 2:57

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    凶暴なる見た目の「凶暴」を描きながら、最後に、遺族、ジャーナリスト、一般読者、
    主人公の中にいる「凶悪」の心を描ききった本作の原作をも「踏み台」にするテーマの信念性に感服しました。
    TBします。

    [ ひろちゃん2001 ]

    2014/10/25(土) 午後 4:48

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    ひろちゃん>この映画は、主役である記者の山田孝之よりも、むしろ、”先生”やピエール瀧などが目立ちましたね。

    fpd

    2014/10/25(土) 午後 5:46

  • 顔アイコン

    池脇千鶴の追加TBさせてもらいました。

    ぴくちゃあ

    2016/11/24(木) 午前 2:40

  • 顔アイコン

    ぴくちゃあさん>TB、ありがとうございます♪。

    fpd

    2016/11/24(木) 午前 5:53

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