|
「四十九日のレシピ」は、ドラマ化されたこともあるというが、昨年タナダユキ監督が映画化した、なかなかの感動的な作品である。今から選べば、昨年の邦画ベスト10の中に加えたい。
「凶悪」「舟を編む」「そして父になる」「さよなら渓谷」などが話題になった昨年の邦画のなかでは地味な作品だが、母の死からの四十九日まで、家族やまわりの人たちのかかわりや、再生への道を歩み始める家族の姿を描いて、ずしりとくる見ごたえのある映画だ。
・・・
主演の永作博美をはじめ、父親役の石橋蓮司、若手女優の注目株で、その演技力が光る二階堂ふみ(大物女優になること間違いなし!)、日系ブラジル人の若者を演じる岡田将生、口うるさい嫌味な性格の叔母で存在感を見せた淡路恵子(この映画が遺作となった)など芸達者な俳優が見どころ。
人生の晩年を迎えて突然、妻・乙美の死によって独り残された熱田良平(石橋蓮司)は、この先どうしたらよいのか見当もつかず、畳の上に呆然と寝転がっていた。そこへ、派手なファッションの女の子、井本(二階堂ふみ)が訪ねてくる。
快活なキャラの二階堂ふみはすごい!
自ら“イモ”と名乗る彼女は、ズカズカと上がり込むと、乙美が生前に作っていた“暮らしのレシピ”カードを取り出し、“これ、やろう!”と告げる。開いたそのページには、“四十九日のレシピ”の文字があった。
帰宅したら、知らない若い女が風呂場で父親の背中を流していた・・・。デリヘルかょ? 一方、判を押した離婚届と結婚指輪を残して、自宅を出る百合子(永作博美)。
気持ちが沈んだまま実家に着いた彼女は、父・良平とイモが一緒にいる様子を見て面喰う。だが、彼女は依存症の少女たちの更生施設でボランティアをしていた乙美の元生徒だった。
乙美から、自分が死んだら良平と百合子を手伝って、みんなが楽しく飲み食いする“四十九日の大宴会”をしてほしいと頼まれていたと言うのだ。百合子は、離婚を考えていると父に打ち明けるが、その気持ちは揺れる。
愛人(内田慈)との間に子どもまで作った夫の浩之(原田泰造)も、“どちらかを選べない”と逃げていた。イモとともに訪れた朝市で、浩之の好物イワナを見つけた良平は、それを届けて一緒に話をしようと思い立つ。
だが、愛人とその子と一緒にいる浩之の姿を目の当たりにして、声をかけられないまま戻ってくるのだった。“やるぞ、四十九日の大宴会!”百合子と自分自身を励ますように宣言する良平。イモは、助っ人に日系ブラジル人のハル(岡田将生)を連れてくる。
全員がブラジルの国旗のシャツを着ている(笑)。
乙美がパートをしていた自動車工場で働いていた青年だ。
こうして、乙美のレシピ通りに家を整理して準備を始めたものの、大宴会で何をしたらいいのかわからない。
百合子は乙美の“人生の年表”を作って貼り出すことを提案。
だが、出来た年表は空白だらけ。四十九日まであと少し。
良平と百合子は、乙美の人生を辿り始める・・・。
・・・
百合子(永作博美)にとって、71歳で生涯を閉じた母親・乙美は、父の後妻であり、実の母ではなかった。乙美は、百合子(38歳)と同じように、子供がいなかったので、
年表を埋めようにも、子供の成長などの記録はなく、空白だった。しかし、乙美の遺言でもある「四十九日のレシピ」の絵ノートの最後のページには、「四十九日には、大宴会を開いて」と書いてあった。乙美は、ボランティア施設で、依存症などの若者を社会復帰させる活動をしていた。
年表なんか張り出して、何を考えているのかと非難までするのだった。百合子は、母親の気持ちは理解しにくいが、子供がいないことで経験できることもあり、これからいろいろと学んでいきたいと語る。
珠子は、さっさとその場を引き上げてしまうが、実は、あとで踊りのできる友人仲間たちを大勢連れてきて、良平に、「四十九日で故人を送るには、にぎやかがいい」と、大勢で、フラダンスなどを踊りだしたのだ。ちゃんと考えていたのだった。
また「四十九日の大宴会のお知らせ」という案内を地域の掲示板に貼りだしていたことから、近所や、施設で乙美の世話になったという若者男女が駆けつけ、年表を見つけるや、「自分にも書かせてくれ」と70年の生涯の年表が一気に埋まってしまうのだった。
百合子は、年表を見て、しみじみとつぶやく。
「どこもかしこも埋まってしまった。空白なんてない!」と。
・・・
施設は「テイクオフ・ボード」だという。テイクオフ・ボードというのは、跳び箱の踏み台のことで、踏み台をきっかけにして、社会に羽ばたいていかせるものだという。
この映画では、夫婦間の問題、不妊、夫の不倫、親子関係、その他様々な家族の問題を扱っており、再生に向かって動き出す姿が描かれている。生きていくうえで抱えている様々な家族の問題、避けて通れない死の問題など、誰にでもある共通のテーマであり、考えさせられる映画でもあった。
☆☆☆☆
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
「にほん映画村」に参加しています:
ついでにクリック・ポン♪。
|

>
- エンターテインメント
>
- 映画
>
- 映画レビュー

ありがとうございました






ジーナさん>これは、女優陣がよかったですね。
二階堂ふみが、秋葉原系のメイドギャルの格好が現代風で抜群です。
永作博美は、うまいです。
嫌なばあさんと思った淡路恵子が、なかなか味わいがありました。遺作となってしまいましたが・・・。
2014/6/18(水) 午後 9:01
ぴくちゃあさん>二階堂ふみは、出演する映画、すべてで驚かされます。どんどん伸びていく女優ですね。
ナイス&クリック感謝。
2014/6/18(水) 午後 9:03
なかなかよさそうですね、興味があります。
アマゾンかな〜!
2014/6/19(木) 午前 5:17
MARUMAさん>面白かったです。現実的な映画で、身につまされるところもあります。
アマゾンでしょう(笑)。
2014/6/19(木) 午前 6:23
これ私ははものすごく良かった!特に井本役の二階堂ふみが際立っていましたね。窓ガラスに書いた、“IMOTO”このシーンが印象的でした。“乙美”がやっぱり乗り移っていたと思っています。
四十九日が終わった後、つきものが落ちたような井本の表情で、私はそれを確信したんですがね(^^)
TBお願いします。
2014/6/19(木) 午前 8:20
これは深い映画だと思いますね〜〜
テレビで放送されたら是非みたいです。
☆オールポチ☆
2014/6/19(木) 午前 8:43
atts1964さん>ガラスに書かれた文字「IMOTO」は、内側から見れば「OTOMI」ですから、このへんもうまいですね。
二階堂ふみからは目が離せないですね。
2014/6/19(木) 午前 8:46
レイさん>これはテレビでも十分感動できますね。
☆オールポチ☆感謝。
2014/6/19(木) 午前 8:47
この作品は私なりに高い評価でしたよ。NHKのドラマでは和久井映見が主役でした。両方観ましたが、和久井も永作博美も良かったですよ。
4話放映されたそうですが、TVがゆったりしていましたね。イモト役は二階堂ふみが目立っていました。オトミとイモトには泣かされましたねσ(^_^;)
2014/6/19(木) 午後 8:54
ノブGさん>二階堂ふみは、「ヒミズ」でみて、すごい女優だなと思いましたが、その後も活躍が続き、「地獄でなぜ悪い」も存在感がありました。
「四十九日のレシピ」もあっけらかんとした役柄がぴったりでした。
オトミ役の女優もよかったですね。
2014/6/19(木) 午後 9:13
「地獄でなぜ悪い」と同じ人だと気がつきませんでした。二階堂ふみは凄いです。きれいごとすぎる気がしますが、十分主人公の思いは伝わってきます。TBさせてくださいね。
2014/6/21(土) 午後 9:38
シーラカンスさん>二階堂ふみは、「ヒミズ」を見た時は、宮崎あおいに似た印象でしたが、二階堂ふみカラーをどんどん出していますね。
2014/6/21(土) 午後 11:44
二階堂ふみは、それぞれの作品で別の顔を見せる演技派ですね。
しっかりと産休をとっての永作も良いですね。
過去のエピソードの積み重ねが抜群の作品でした。
TBお返しします。
[ ひろちゃん2001 ]
2014/10/23(木) 午後 11:49
ひろちゃん>二階堂は、作品ごとにまったく違う顔を見せますね。
この映画はあっけらかんとして良かったです。
2014/10/24(金) 午前 6:41
やっぱり淡路恵子さんの遺作だったのですね。「寅さん」の時と同じような演技で、これはこれでこの人の特徴ですね。
永作、石橋、二階堂みんなよかったです。義母役の女性も優しい母親を好演でした。
2014/11/3(月) 午後 5:40
トリックスターさん>日本映画もこういう地味でも、見ごたえのある人情もの、ドラマは感動がありますね。
出演者が皆良かったです。
2014/11/3(月) 午後 5:47
二階堂ふみの記事、TBさせてもらいました。
2016/9/25(日) 午前 6:14
> ぴくちゃあさん>TBありがとうございます。
2016/9/25(日) 午前 6:19
再度、二階堂ふみの誕生日記事、TBさせてもらいました。
2017/9/23(土) 午前 7:02
> ぴくちゃあさん>こちらにもTBをありがとうございます♪
2017/9/23(土) 午前 9:04