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「春を背負って」(2014)は、日本映画界きっての名カメラマン、木村大作が「劔岳 点の記」に続いて手がけた監督第2作となるヒューマンドラマ。ちょうど1年前に劇場公開され、監督はこの映画公開のPRに全国を駆け巡っていたようだが、ようやく見ることができた。
笹本稜平の同名小説を基に、立山連峰にある山小屋で暮らす親子の愛と山に生きる人々の姿が描かれる。主人公役の松山ケンイチをはじめ、主要キャストが60日間にわたる立山連峰での山岳ロケに挑み、リアリティあふれる映像に仕上がっている。
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名カメラマンの監督した映画ということで、どのシーンも「絵」になるほど見応えがあった。特に山小屋の全景、屋根、部屋の中の木のぬくもり、椅子、食卓テーブル、窓、入口などの構図、雪山、絶壁など風景描写や色彩が素晴らしい。
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長嶺亨(松山ケンイチ)のもとに、雄大な自然が広がる富山県立山連峰で山小屋「菫(すみれ)小屋」を営む父・長嶺勇夫(小林薫)が亡くなったとの知らせが入る。
亨は厳しい父から遠ざかるかのように東京で金融会社に勤めていた。
帰郷すると、気丈に振る舞う母・長嶺菫(すみれ)や沈痛な面持ちの山の仲間たちに交じって、一人見慣れない女性がいた。その女性は高澤愛(蒼井優)といって、遭難しかかっていたところを父に助けられたことがあった。
父の思いを知り、一流会社を辞めて、亨は「菫(すみれ)小屋」を継ぐことを決心する。山での営業は想像以上に難しく四苦八苦していたところ、父の友人という多田悟郎(愛称:ゴロさん)(豊川悦司)が現れる。世界を旅してきたゴロさんの自然に向かうスタンスや愛の屈託のない笑顔に触れながら、亨は自分の新たな道と向き合う・・・(MovieWalker)。
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「劔岳(つるぎだけ) 点の記」を見たときは、山岳の猛吹雪の映画で、不覚にも半分くらい居眠りをしながら見てしまったので、印象が薄かったが「春を背負って」も同じように単調で淡々と描かれていくが、人とのふれあい、機微が丁寧に描かれていてじわりとくるものがあった。ゴロさん(豊川悦司)が、脳梗塞で倒れて入院し、ベッドに寝ているときに「人間は、人と人とのふれあいによって成り立っている」ということを感じたと言うセリフがあったが、まさにその通りだ。
ゴロさんを演じた豊川悦司が一番のもうけ役っだたかもしれない。
「山登りは、慣れてきた頃が一番危ない」など、突然サラリーマンから山小屋の主になった享に様々なアドバイスをするのである。享にしてみれば、ゴロさんは、亡くなった父親の代わりになって、教えてくれる”センセイ”だ。
倒れたゴロさんが、自分を背負ってくれて救助隊のところまで運んでくれる享に向かって「山でこのまま死ねれば本望。無理するな」」というのだが、新米の享にとっては、ゴロさんを救うことが、父親からの教えのようでもあったので必死に、タイトル の ”春”でなく、”80キロの巨漢”を背負ったのだが・・・。
ラストシーンが、説明的でなく、映像で享(松山ケンイチ)と愛(蒼井優)の会話と反応、喜びなどを見せているのがよかった。遠くで二人の様子を見守るゴロさんが、享の母・菫(すみれ)(檀ふみ)と享の友人・聡史(新井浩文)につぶやく「(二人が将来を共にすることになるのは)決まりだね」と言うセリフがいい。
亨(松山ケンイチ)は偶然その姿を目撃しドギマギするのだが、見ている側も思わずドキリとするエロチシズム?がある。
フランス映画のブリジット・バルドーが、無邪気に燦々と降り注ぐ太陽の下で、裸で髪をドライヤーで乾かしているような場面に匹敵するほどだ。
2階から1階の屋根の布団に蒼井優が飛び降りるシーンは感動もの。
それと、ゴロちゃん(豊川悦司)が1年ぶりくらいに山小屋を訪ねてきたのを見た愛(蒼井優)が、屋根で布団を干していたのだが、嬉しさを爆発させるように、下の一階の屋根の布団まで、無邪気にジャンプするスローモーションのシーンだ。
これは、マリリン・モンローの「七年目の浮気」の地下鉄の通気口でスカートがめくれてしまうシーンに似て、蒼井優のスカートが”落下傘”のようにひらひらと舞うシーン。監督によると「あれはこの映画の象徴的な場面だ」という。
料理も得意で、ハツラツとした蒼井優が作品に恵まれ、久しぶりに良かった。
蒼井優と松山ケンイチは、「人のセックスを笑うな」以来の共演。享の友人役の新井浩文と安藤サクラの夫婦役だが、このふたりは「百円の恋」でも共演していた。
出演:
長嶺亨 - 松山ケンイチ
高澤愛 - 蒼井優
多田悟郎 - 豊川悦司
長嶺菫 - 檀ふみ
長嶺勇夫 - 小林薫
中川聡史 - 新井浩文
工藤肇 - 吉田栄作
中川ユリ - 安藤サクラ
須永幸一 - 池松壮亮
朝倉隆史 - 仲村トオル
高野かね - 市毛良枝
文治 - 井川比佐志
野沢久雄 - 石橋蓮司
西村太一 - 駿河太郎
☆☆☆
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ありがとうございました




お〜、、これは見ないといけませんね、、。早速ウィッシュリストへ一年前に公開されているとなればそろそろ見れるかな??
2015/6/29(月) 午後 3:21
> guch63さん>これはもうDVDのレンタルもありますから、セルもあるでしょう。
2015/6/29(月) 午後 6:23
結局、蒼井ちゃんのプロモみたいな映画でしたね。
TBします。
[ ひろちゃん2001 ]
2015/6/29(月) 午後 6:38
> ひろちゃん>蒼井優も、しばらく作品に恵まれなかったですが、この映画では、いいところが出ていました。
2015/6/29(月) 午後 6:45
立山連峰が美しかったですね^^
この映画のトヨエツと蒼井優は、イメージに合いましたね。
2015/6/29(月) 午後 10:05
> Genaさん>トヨエツが主役以上に目立っていました。
蒼井優も、この映画では健気で生き生きしていました。
2015/6/29(月) 午後 10:13
名カメラマン、木村大作さんの映画。
写真を見ただけで、その素晴らしさが伝わります。
ロケ地も見事。撮影も大変だったことでしょう。
シャンプーシーン、カワイイです。
2015/6/30(火) 午前 0:03
> alf's momさん>ドラマチックな展開はないですが、ほのぼのとした人間模様が描かれていました。
2015/6/30(火) 午前 7:35
木村監督は、細かい造作をあまりしない、やっぱり根っからのカメラマンですね。そしてこういう自然の情景、撮りどころが素晴らしいですね。
前作に比べ、今回は素朴な人間ドラマにしたのは正解だったと思います。
こちらからもTBお願いします。
2015/6/30(火) 午前 8:48
> atts1964さん>自然の風景はやはり名カメラマンならではでした。素朴な人間ドラマを淡々と描いていて、味わいがありました。
2015/6/30(火) 午前 8:56
*゚+゜.;:おはよぉ・・☆彡ヾ(´∀`●)ノ=з =з
この映画は景色が素晴らしいでしょうね〜〜〜
それだけでも見る価値が有りそうです!!
☆オールポチ☆
2015/6/30(火) 午前 9:10
> レイさん>自然の美しさを見るだけでも価値がありましたね。
☆オールポチ☆感謝。
2015/6/30(火) 午前 9:15
映像の綺麗な作品は劇場で見たいですね♪
2015/7/1(水) 午後 2:26
MARUMAさん>これは大画面の映画館でみたいですね。
2015/7/1(水) 午後 3:15
この作品は映像はさすが木村監督と言えるほどの山の大自然がカメラに収められてましたが、
ストーリーの方は今ひとつ。豪華なキャストがもったいない感じでした。
やはりシナリオは大事ですね。丁寧さとひねりがなかった感じです♪。
2015/7/5(日) 午前 2:24
ふぁろうさん>映像は見るべきものがありましたが、ストーリーが弱かったですね。出演者は、豪華でしたが、必ずしも生かしきれなかったのが残念でした。
2015/7/5(日) 午前 5:20
木村大作さんの青年っぽいところが出ていてよかったと思います。]
TBお返しします。
2015/8/8(土) 午前 9:16
> ぴくちゃあさん>力が入っていましたね。
「剱岳 点の記」はあまり良くわからなかったです。
TB、ナイス感謝。
2015/8/8(土) 午前 9:20