ここから本文です
fpdの「映画スクラップ帖」 (名作に進路を取れ!)
★「9月1日から「はてな」ブログに移りました。https://fpd.hatenablog.com/

書庫全体表示

イメージ 1

岡本喜八監督の「座頭市と用心棒」(1970)を見た。
勝プロダクション製作で、大映が配給。脚本は、岡本喜八と吉田哲郎。
撮影は、名手・宮川一夫、音楽は、伊福部昭が担当した。

出演は、勝新太郎、三船敏郎の2大スターのほか、米倉斉加年、岸田森、神山繁、細川俊之、嵐寛寿郎、寺田農、草野大悟、常田富士男、五味龍太郎、木村元、砂塚秀夫、田中浩、木村博人、浜田雄史、新関順司郎、熱田洋子、黒木現、滝沢修、若尾文子などの豪華キャスト。

・・・
猛吹雪と大雨の中、子供の泣き声が響き、大人たちが刀で殺されていく。
座頭市(勝新太郎)が斬り殺した相手から、周りの者が銭、着物などをはいでいく。
「(血まみれになった手をみながら)また手を汚しちまった。地獄には飽きた。雨はやだ。風も。そよ風、せせらぎ・・・そんな夢のあるある里があったっけ。もう、3年、2年になるかな」。

そんな市の独白の後、「座頭市と用心棒」というタイトルが現れる。
かつていたことのある里にもどってきた市は、「梅の匂い。せせらぎ。そよ風。来た、きたぞ。ここが里の入口だ。」

こんなオープニングで始まる映画だが、勝新太郎にとっては「座頭市」シリーズの20作品目で、黒澤明の名作「用心棒」の三船敏郎の用心棒のキャラクターをシリーズに登場させたわけで、この二人の個性がどのようにぶつかり合うのかが興味を引くところ。

イメージ 2

・・・
すっかり心が荒んだ市は、3年前に訪れた夢のような里に、骨休めにもどってきたが、状況は大きく変わっていた。

里は政五郎(米倉斉加年)一家に支配されており、政五郎一家は政五郎の父である絹問屋の烏帽子屋弥助(滝沢修)と対立していた。

2年前の凶作で飢饉になり、わずかばかりの蓄えがあった里に近隣の住民が押し寄せてきて、それから里を守るために長の兵六爺(嵐寛寿郎)が政五郎を雇い、住民たちを惨殺させたのだ。その数130人。兵六爺は長から下ろされ、今では亡くなった
130名を弔うため地蔵を130体彫り続けている。

政五郎一家には用心棒(三船敏郎)がおり、市と対立することになる。
用心棒は市をバケモノと呼び、そんな用心棒を市はケダモノと呼ぶ。

そこに絡んでくる大量の金の隠し場所。烏帽子屋弥助から200両を借りて身体を売るようになってしまった梅乃(若尾文子)などか関わってくる。

勝新太郎と三船敏郎の大物同士の共演だったが、三船敏郎主演作を何本もとっている岡本喜八だからこそ実現できた作品かも知れない。

物語の基本は、2大勢力が対立している里という構図は「用心棒」(1961)を彷彿とさせる。いつの時代も、人間の金銭欲は変わらないもので、この当時も、弥助が金の延べ棒を隠し持っているということを、息子二人が嗅ぎつけて、狙うことになる。

一方、市は、銭金というよりも、里が穏やかな平和を取り戻すことだった。用心棒も、金目当ての腕利き浪人というわけでもない。三船敏郎はどのシーンもセリフも堂々としている。その存在感は、勝新太郎を食っているといってもいい。

酒好きで梅乃に惚れているのだが、実は泣き上戸というのも微笑ましい。
今では差別用語として、現在は使うことには抵抗があるが、市に対して「めくら」「どめくら」と何度も言うので、「どめくらですか。一度は良いです。二度目も良いです。しかし三度となると・・・」と返すと「どめくら、どめくら、どめくら」と何度も繰り返す子供っぽさもある。

イメージ 3

大映の中心的な女優であった梅乃役の若尾文子がお色気たっぷり。
用心棒に反発しているようで実はこちらも内心惚れている。
ラストの二人の対決の鍵を握っており、用心棒に「市さんとは戦わないで」と頼んでいたのだが、重傷を負って死にそうになったため、用心棒は市との対決に臨む。

さて、どちらが生き残るのか!? と思っていたら留吉が「若尾文子さんは生きてるだよ」と割って入る。梅乃(若尾文子)の元に駆けつける二人。対決は終了!

イメージ 4

ラストシーンで、立ち去っていく市に、用心棒は「どうもわからない。市はどうして1文(もん)にもならない仕事をするのか」」というと、「銭金で働く人じゃねえ」とある人物が言う。しかし、その後のシーンで里外れに積まれていた金粉の山に一目散で走り寄る市がおかしい。そこへ用心棒が現れる。「お前さんも(金目当てだったの)か?」「おめえもか?」と言うセリフが笑わせる。

しかし、金粉の山は風で飛ばされてしまっている。地面を探ってもちょっと手に付くだけで、ほとんど残っていない。残ったのは死体の山だけ。風に飛ばされてしまった金粉。用心棒と梅乃が結ばれたのがせめてもの救いとなっているようだ。

☆☆☆

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
 「にほん映画村」に参加しています:ついでにクリック・ポン♪。

  • 顔アイコン

    CSのNECOでご覧になったのでしょうか。これは大映が配給したのですが、今は東宝が版権を持っているみたいで、複雑です。三船敏郎は特別出演のつもりが重要な役どころになってしまって、計算違いだったみたいです。そのために東宝の営業関係から、他社で三十郎のような役柄で出演したことを責められたのだそうです。若尾文子とその他の脇役は明らかに大映京都の人たちです。新劇から御大の滝沢修と同じ民藝の米倉斉加年が出ていますし、神山繁や岸田森、細川俊之も新劇畑ですね。それから往年の時代劇スターアラカンまで出演ですから、凄い配役です。ただ、通常のシリーズとはやや肌合いが違います。岡本監督作品だからでしょうし、出演者の顔触れも影響しているのかもしれません。東宝映画の要素がかなり入っているからかもです。TBさせてください。

    [ SL-Mania ]

    2015/10/13(火) 午後 9:18

  • 顔アイコン

    > SL-Maniaさん>DVD(東宝)を入手したので見ました。

    三船は、ゲスト的な役柄と思ったら「座頭市と用心棒」のタイトルでまず驚いたようですね。配役は当時の日本の映画界では最高峰ですね。

    確かに、大映の映画に、「東宝」三十郎のスタイルで出演してはクレームが出るでしょうね。

    fpd

    2015/10/13(火) 午後 9:31

  • 顔アイコン

    期待を裏切らぬ作品でしたか^^
    キャストはスゴイ面子が揃ってますね。

    それにしても若尾文子さん、おキレイですね(^◇^)

    Gena

    2015/10/13(火) 午後 10:47

  • 顔アイコン

    > Genaさん>三船は、どの映画も重量級の演技と殺陣がすごいですね。若尾文子は、若い時は特にキレイですね。

    fpd

    2015/10/13(火) 午後 11:38

  • 顔アイコン

    存在感のあるお二人の共演ですね。座頭市は何本か観てますが、これは観てない気がします。おもしろそう〜♪

    ゆうちゃん

    2015/10/14(水) 午前 0:28

  • 勝プロの制作ですから三船敏郎は大切なゲスト。

    勝新は三船をかなり立てていましたね(笑)

    対決は勝負無しだけど用心棒がやや強く見えました♪

    ギドラキュラ

    2015/10/14(水) 午前 1:34

  • 勝新太郎と三船敏郎の共演というのがびっくりです。
    当時、話題になった作品なんでしょうね・・・。

    [ 熊本ミノル ]

    2015/10/14(水) 午前 7:37

  • 顔アイコン

    > ゆうちゃんさん>豪華な共演ですね。

    「座頭市」は勝新の作品はほとんど見ていません。

    たけしの「座頭市」はみましたが・・・。

    fpd

    2015/10/14(水) 午前 7:54

  • 顔アイコン

    > ギドラキュラさん>三船に花を持たせた映画ですね。

    ミフネ用心棒に敵なしでしょう(笑)。

    fpd

    2015/10/14(水) 午前 7:55

  • 顔アイコン

    > 熊本ミノルさん>思い切った配役、作品ですね。

    時代劇の人気が下降ぎみでしたから、巻き返すには思い切った作品でないと・・・ということだったでしょうね。

    fpd

    2015/10/14(水) 午前 7:57

  • いや〜♪面白そうですね♪
    座頭市ってコメディの要素が入っていたから面白かったですね♪

    MARUMA

    2015/10/14(水) 午前 8:47

  • アバター

    出演者の名前を見て圧倒されますね〜〜
    この映画は面白くないはずがないと思わせられます。
    ☆彡オールポチ☆彡

    レイ

    2015/10/14(水) 午前 9:33

  • 顔アイコン

    この映画、唯三船敏郎だけが目立ったのではなく、他の凄い顔ぶれが脇を固めているので凄かったのでしょうね?!
    勝新、よくも是だけの面子を掻き集めましたね!

    [ tatsu ]

    2015/10/14(水) 午後 1:54

  • 顔アイコン

    > MARUMAさん>座頭市は、もっと厳しいきつい性格かと思ったら、案外ユーモアもあり、軽い人間の印象ですね。

    fpd

    2015/10/14(水) 午後 7:29

  • 顔アイコン

    > レイさん>豪華俳優がずらりと登場しましたね。

    嵐寛寿郎までいました(笑)。


    ☆オールポチ☆感謝。

    fpd

    2015/10/14(水) 午後 7:31

  • 顔アイコン

    > tatsuさん>勝新が、代表作「座頭市」の集大成として、三船を登場させて、なおかつ映画界の重鎮を集めたんでしょうね。

    fpd

    2015/10/14(水) 午後 7:32

  • 顔アイコン

    若い頃に観た時は、結局引き分けに、ゴジラ対キングコングと同じだなと思ったものでした笑。2回目は、俳優の駆け引きのエピソードが楽しかったです。若尾文子の艶っぽさも大人でしかわからないでしょうね。ラストは「黄金」へのオマージュなんでしょうね。TBしますね。

    シーラカンス

    2015/10/14(水) 午後 11:41

  • 顔アイコン

    シーラカンスさん>そうですね、最後は決着がつくかと思ったら引き分け・・・「椿三十郎」のような壮絶なラストになるかと思いましたが、やや物足りなかったですね。

    fpd

    2015/10/14(水) 午後 11:43

  • 顔アイコン

    封切の時、見ましたし、その後何回か見ています。
    曖昧な決着であまり評判はよろしくありません。
    勝新は「俺が俺が」というタイプでバート・ランカスターが『ヴェラクレス』を作った時のように、相手に花を持たせることは出来なかったのでしょう。
    残念でした。
    ナイス&村クリック!

    ぴくちゃあ

    2015/10/15(木) 午後 0:25

  • 顔アイコン

    > ぴくちゃあさん>やはり製作を担当している勝プロダクションとしては、相手は自分の引き立て役くらいに思ったのかもしれませんね。


    ナイス&村クリック感謝。

    fpd

    2015/10/15(木) 午後 2:33

開くトラックバック(2)

fpd
fpd
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
検索 検索

過去の記事一覧

ブログバナー

最新の画像つき記事一覧

よしもとブログランキング

もっと見る
本文はここまでですこのページの先頭へ
みんなの更新記事