|
劇場で見逃していた「イニシエーション・ラブ」(2015)は、見たいと思っていた映画で、ようやく見ることができた。監督は「20世紀少年」シリーズなどの堤幸彦。
出演は、松田翔太、前田敦子のほか、木村文乃、三浦貴大、前野朋哉、山西惇、木梨憲武、手塚里見、片岡鶴太郎など。一方で、映画の中で、メインの人物の一人でありながら、クレジットされない謎のメインキャスト「亜蘭澄司」(アラン・スミシー)とは・・・。
映画の公開時(2015年5月23日公開)のキャッチコピーは「最後の5分 全てが覆る。あなたは必ず2回観る」。一方、原作のキャッチコピーは「最後の2行で全てが覆る」というもの。
推理小説などにみられる「どんでん返しもの」ということが分かり、「アフター・スクール」や「シックス・センス」「ユージュアル・サスペクツ」系の?話だなと期待し、「騙されないぞ」と身構えてみることになる。
といっても、公開されて半年経った今では、情報が入りすぎて、見終わったあとは、やはり、という感想だった。途中の伏線が多く、後から考えれば(あるいは2度見れば)全てがつながってくることが分かるのだが・・・。映画としては、巧妙に張り巡らされたトリック、伏線が、最後に結びつく作りは面白い。
物語の舞台は1980年代後半。
物語前半(side-A)
1980年代後半の静岡が舞台で、主人公の鈴木夕樹(ゆうき)が合コンで成岡繭子(なるおかまゆこ)(前田敦子)に出会う。2人は交際するようになり、成岡繭子は主人公のことを「夕樹」の夕の字は、「カタカナのタ」みたいだから”たっくん”と呼ぶようになり、クリスマスイブに2人でディナーを楽しむ。
物語後半(side-B)
たっくんは就職して、東京に転勤することに。
たっくんと繭子は遠距離恋愛になるが、たっくんは職場で出会った石丸美弥子(木村文乃)とも恋愛関係になり、2股をすることになる。あるとき繭子のことを間違えて「みやこ」と呼んでしまい、2股がバレて破局。いわゆる、主人公鈴木夕樹の2股物語ということだが、原作の最後の2行は、
(以下、ネタバレあります)
石丸美弥子は、両親に鈴木こと「たっくん」を紹介。
両親が、あとから美弥子に、「ところで鈴木さんお名前のほうは?」と聞くと、美弥子は「辰也。鈴木辰也です」というのだ。
主人公の名前は「鈴木夕樹」の「たっくん」のはずが、最後の石丸美弥子の言葉に「辰也」という名前がでてくる! イニシエーションラブは、side-Aとside-Bが時系列でつながっている話と見せかけておいて、実は、side-Aとside-Bは、ほぼ同時に起こっていたのだった。
成岡繭子も2股を掛けており、side-Aでは鈴木夕樹と、side-Bでは鈴木辰也と同時に付き合っていたというわけだ。二人の彼氏を「たっくん」とよぶことで、名前を間違えないようにという成岡繭子の策だった。
予告編
・・・
1980年代の後半(1986年〜1987年)が背景になっており、今では懐かしいアイテムが多数登場する。映画の最後に「80’s図鑑」として映画に登場したものが紹介されていた。
黒電話、公衆電話のテレホンカード、スターレット(車)、エアジョーダン(マイケル・ジョーダンのシューズ)、ハイレグ水着、ルビーの指輪、アラレちゃん、缶コーラなどのプルトップ、話題としては「男女7人秋物語」などだ。
繭子が、辰也が東京に転勤になり、「都会の絵の具に染まらないでね」というが「木綿のハンカチーフ」がヒットしたのは、この時代のさらに10年前(70年代後半)だったが、違和感はない。
タイトルの「イニシエーション・ラブ」というのは、いかにも洗練された都会のOL風の石丸美弥子のセリフにある。「イニシエーションは、子供から大人になる儀式、通過儀礼のようなものなんだって。イニシエーション・ラブは、そのときは、この人しかいないと思う恋愛で、後から、本物の恋愛を知る」と言ったセリフだった。
東京からしばらくぶりに静岡の繭子のもとに帰った辰也が、冷蔵庫をチェックしている繭子に「xxxはある?美弥子」と口を滑らしてしまうシーンで、それを背中越しに聞いた繭子が、「だれ、それ!」で、関係は終止符が打たれた(かに見えたのだが・・・)。
あるとき、辰也がやや朦朧とした状態で美弥子に電話をしようとして、無意識にダイヤルをしたら、「成岡(繭子)です」と電話口の声。間違ったと思い沈黙している辰也に「もしもし、たっくん?」と繭子が聞いてきたので、慌てて受話器を置く辰也。「うっ、まだ俺のことを待っているのか?」と気になる辰也。一方の繭子は、夕樹(たっくん)に「電話した?」「してないよ」という会話。
ラストシーンで、ホテルの前で待つ繭子の前に2人の”たっくん”が現れ、鉢合わせ。
映画で、同じたっくんと観客をミスリードしてきたことが明らかになるというわけ。同一人物が2役を演じているわけではなく、原作はside-Aもside-Bも「私」としか出てこないようだが、映画では、体型もポッチャリ型の夕樹と、スラリとした辰也を同じ人物と思い込ませる映画ならではの方法(トリック)が取られていた。
1980年代の懐かしい曲も多く流れていた。
カーカセット(カセットテープ)というのも時代を感じさせる。
劇中登場する曲は以下のとおり。
side-A
・揺れるまなざし (小椋佳)
・君は1000% (1986オメガトライブ)
・Yes-No (オフコース)
・Lucky Chanceをもう一度 (C-C-B)
・愛のメモリー (松崎しげる)
・君だけに (少年隊)
・木綿のハンカチーフ (太田裕美)
・DANCE (浜田省吾)
・夏をあきらめて (研ナオコ)
・心の色 (中村雅俊)
・ルビーの指環 (寺尾聰)
・SHOW ME (森川由加里)
※追加:宣伝文句のとおり、2回見てしまった。
2015年公開作品
監督;堤 幸彦 脚本;井上テテ 原作;乾くるみ 出演; 松田翔太、前田敦子、木村文乃、森田甘路、三浦貴大、山西 惇、木梨憲武、手塚理美、片岡鶴太郎、前野朋哉、森岡 龍、吉谷彩子。 ☆☆☆
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
「にほん映画村」に参加しています:ついでにクリック・ポン♪。
|

>
- エンターテインメント
>
- 映画
>
- 映画レビュー

ありがとうございました






最後の一手で変わる、、ナンてオセロみたいな映画じゃないですか??読まずにスルーしましたが何の先入観もなしにこれは買い、ですか??
2015/12/21(月) 午前 10:22
この映画に出てくる洋食店は清水の知人の家の前の店で撮影されました。
2015/12/21(月) 午前 10:47
> guch63さん>推理好きのguchさんにはオススメです。
必ずしもおっさん向けでないこともないですよ(笑)。
2015/12/21(月) 午前 10:48
> MARUMAさん>おお、そうですか。静岡が舞台というのは知っていましたが・・・。親近感が湧きますね。
2015/12/21(月) 午前 10:49
面白いミステリー?でしたが、オチも良かった。ただあまりの劇場でのCMが鬱陶しかったですが。
わっぱろ人気者を使うとあそこまで盛り上げざるを得ないんでしょうね。それが無ければもっと良かったのに。
TBお願いします。
2015/12/21(月) 午前 11:17
この映画はみました。最後が⁇と思いましたが、面白かったです。
1回しかみてません。
懐かしい曲が流れると当時を思い出していいですね。
特に「木綿のハンカチーフ」と「ルビーの指環」は思い出の曲です。
[ 熊本ミノル ]
2015/12/21(月) 午後 0:20
> atts1964さん>あれだけ宣伝されると観ないわけにはいきませんね。
2015/12/21(月) 午後 0:25
> 熊本ミノルさん>面白かったですね。
「ビリギャル」には及びませんが(笑)。
2015/12/21(月) 午後 0:26
この手の映画は、情報を仕入れてはいけません。
私は、見事に騙されました(笑)。
でも、fpdさんの記事を読んだ人は、内容を知ってしまったので、見る必要はないかも、、、。
ナイス&村クリック!
2015/12/21(月) 午後 4:14
小説はあとがきを読んでから冒頭に入る私としては、これは観たい映画ですわ。
どん出ん返しが待っているのですね^^
2015/12/21(月) 午後 9:55
> ぴくちゃあさん>これから見る人もいるでしょうから、(ネタバレあります)と追加しました(笑)。
ナイス&村クリック!
2015/12/21(月) 午後 11:26
> Genaさん>これは、期待していましたが、裏切らなかったですね。
2015/12/21(月) 午後 11:29
80年代は思い出の深い時代です。
この映画を見たら思い出しそうですね〜〜〜
☆彡オールポチ☆彡
2015/12/22(火) 午前 9:52
> レイさん>聞こえてくる音楽は80年代ばかりです。
☆オールポチ☆感謝。
2015/12/22(火) 午後 11:32
曲目うれしいです、サントラあったら買っちゃいたい。
そんでカセットテープでききたい(そこは今は贅沢だなww)
って気分になりました。
二回みますよね、私は時間がなかったので1.5回(二回目倍速&一時停止)でみました
TBよろしくです
2016/5/13(金) 午前 9:14
> 恋愛映画さん>実は3回見ました。
おそらくもう一度くらい見るでしょう(笑)。
2016/5/13(金) 午前 9:33