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「殿、利息でござる!」(2016)を見た。MOVIXさいたま。
日本映画では久しぶりに感動した。最初に実際にあった話であると断りが画面に出る。タイトルからは、コメディっぽい印象があったが、しっかりとした脚本と豪華な演技派俳優などの演技陣によって映画は廃れゆく宿場町に生きる人びとが、将来代々にわたって町を繁栄させるために私欲を捨てて、力を合わせるというストーリーを感動的に描いている。
何度かセリフの重みや予想外の展開に胸を締め付けられるようなシーンもあり、今年の邦画の中では特筆される作品の一つであることは間違いなく、今のところ邦画ベスト3の1本に押したい。
人間はとかく自分の損得、利益だけに執着しがちだが、この映画の原作が磯田道史の「無私の日本人」の中の一編「穀田屋十三郎」であるように、私利私欲を捨てた清冽な日本人が江戸時代にもいたという事実が感動を呼ぶ。
監督・脚本は「アヒルと鴨のコインロッカー」「ゴールデンスランバー」等を手掛けた中村義洋。「アヒル〜」「ゴールデン〜」などで存在感を示した濱田岳がナレーションを担当。”中村組”とも言える阿部サダヲ、瑛太、妻夫木聡、竹内結子などの豪華キャストも注目される。
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「殿、利息でござる!」は江戸中期の仙台藩の小さな宿場町が舞台。
貧乏庶民が殿様にお金を貸し、利息を取って町を救うというストーリー。
藩の重い年貢により困窮する穀田屋・十三郎(阿部サダヲ)ら庶民が、逆転の発想で知恵と無私の精神をもって大金を集め、藩に貸付けて利息を取って町を救うというのだ。
今から250年前の江戸中期。仙台藩・吉岡宿は財政が厳しく、重税にあえぐ百姓や町人たちの破産と夜逃げが後を絶たなかった。小さな宿場町・吉岡藩もすっかり寂れてしまい、造り酒屋の主・穀田屋十三郎(阿部サダヲ)は町の行く末を案じていた。
そんな中、知恵者の菅原屋篤平治(瑛太)がある秘策を打ち出す。
それは、大金を藩に貸し付け、藩から利息を得るというものだった。
目標額は、千両(現在の額で3億円相当)。しかしこれが明るみになれば打ち首は必至。十三郎とその弟・浅野屋甚内(妻夫木聡)、さらに宿場町の仲間たちは、水面下で大金を掻き集めようと知恵を絞り、奔走する(MovieWlaker)。
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町を救うために、まさかという方法を考え、それを大名に提案するのだが、受け入れる代わり、金額を増やせという難題が上乗せされて戻ってくる。さあどうするか・・・。
映画の冒頭、大きな米びつのような容器にせっせとお金(小判)を投げ入れ、溜め込む老人。その老人が、屋敷の二階から通りを眺めていると、荷車に家財道具を積み込んで、夜逃げをしようとする一家をみる。老人はこれを見て、すぐさま下に降りてきて、「あんたにはお金を貸していたな」と呼び止める。一家の長は「お許しを」という。
場面は一転して10数年後に移る。
かつて老人に呼び止められた男は、背中に荷物を背負って、老人が住んでいた屋敷の中に忍び込もうとしたが、これを町人に見つけられ、逃げ惑うが、大勢に取り囲まれて、”泥棒”として取り押さえられてしまう。
この男は、夜逃げをした男で、もちろん町民は皆知っている人間だった。
老人は、ケチで、せっせとお金を貯めて、貸しているお金を厳しく取り立てていたのではないかと思っていた町民たちは、男が老人から呼び止められた時の真実の話を聞き唖然とするのだった。
このあたりも感動的だった。
竹内結子と阿部サダヲは「なくもんか」で夫婦役を演じていたが、今回は、竹内結子演じる「とき」が、自分に好意を寄せている十三郎(阿部サダヲ)に「私をもらってくれる(=結婚してくれる)」と聞くと、十三郎は「それは」と曖昧な態度だった。ナレーションの説明によると、その後二人がどうなったかは定かではないという言葉があった。
高利貸しのような人物が、利息もなく、ただ将来の町(村)の発展のために、殿様に貸すお金の工面をする契機となった言葉の数々が印象的だった。出資した人たちに対する「つつしみの掟」というのがあり、これが大肝煎(おおきもいり)(村の最上位役)の千坂仲内 (千葉雄大)により読みあげられた。
肝煎(きもいり)の幾右衛門(寺脇康文、中央)と大肝煎の仲内 (千葉雄大、右)
一つ、この行いを末代まで決して人様に自慢してはならない。
一つ、お金を出したことは、他人には話してはならない。聞かれても知らぬ存ぜぬで通す。
一つ、席に座るときは、末席に座る。 ・・・といったもの。
★邦画ではおすすめ作品。
”そういうことよ!”(映画の中の竹内結子のセリフから)。
出演: 穀田屋十三郎 - 阿部サダヲ
菅原屋 篤平治 - 瑛太
浅野屋 甚内 - 妻夫木聡
とき - 竹内結子
萱場 杢 - 松田龍平
幾右衛門 - 寺脇康文
千坂仲内 - 千葉雄大
穀田屋 十兵衛 - きたろう
新四郎 - 橋本一郎
善八 - 中本賢
寿内 - 西村雅彦
十三郎の母 - 草笛光子
十三郎の父 - 山崎努
加代 - 岩田華怜
穀田屋 音右衛門 - 重岡大毅
なつ - 山本舞香
伊達重村 - 羽生結弦
予告編
☆☆☆☆
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ありがとうございました


思いの外、感動作品だったでしょう?
私も何度か涙しました。
まだ上映されているから、いろんな人に観て欲しいです。
TB返し致します(^o^)丿
2016/6/1(水) 午後 9:00
> Genaさん>「つつしみ」の言葉が良かったですね。
胸をぎゅうぎゅうと締め付けられました(笑)。
2016/6/1(水) 午後 9:08
「今のところ邦画ベスト3の1本に押したい」。
高評価ですね。キャストも豪華。
「セリフの重みや予想外の展開」…
見てみたくなりました!
2016/6/2(木) 午後 6:50
ジーナさんも言っていましたが、感動作なんですね〜!
宣伝はもろにコメディでした!
2016/6/2(木) 午後 7:20
> alf's momさん>1位にしてもいいですが、「64 ロクヨン」前編を見たところで、「64 ロクヨン」後編がまもなく公開で、いい勝負になりそうです。
2016/6/2(木) 午後 8:22
> MARUMAさん>感動に胸が熱くなります(笑)。
2016/6/2(木) 午後 8:23
TBさせてもらいました。
ナイス&村クリック!
2016/6/6(月) 午前 2:33
> ぴくちゃあさん>TB&ナイスありがとうございます♪
2016/6/6(月) 午前 5:21
中村監督作品には、濱田岳は欠かせないですが、ナレーションでも存在感ありましたね。
今も残っている酒屋、実話の重みですね。感動的な小ネタ満載で、なかなかの仕上がりでした。
竹内結子の時代劇もたまにはいいですね♪。
2016/6/7(火) 午前 0:49
ふぁろうさん>この映画は期待以上に面白かったです。
ぐっと迫るものがありました。
2016/6/7(火) 午前 7:16
こんな時代にこういうことを実現できたという事実が素晴らしいですね!
キャスティングもよく見ごたえありました!
TBお願いします。
2016/9/6(火) 午前 7:56
> かずさん>最初タイトルを見た時は、「?」でしたが、中身はずっしりと重く感動的でした。
TBありがとうございます。
2016/9/6(火) 午前 8:08
おはよう〜〜〜
やっと見ました(^^♪
トラバありがとうございます。
お返しに〜
2016/12/2(金) 午前 7:57
> レイさん>期待せずに見た中に、これは面白かった、という映画がありますね。
TB感謝。
2016/12/2(金) 午前 8:17
fpdさん、、ニャンとか見ましたよ。fpdさんにもおススメ頂いてましたしこりゃ見ないとね、、でも事実だったと言うのがスゴいですね、250年前のお話、オーストラリアにはまだカンガルーっきゃいませんでしたよ、、(笑)。さて次はどうするか??
2016/12/7(水) 午前 10:27
guchさん>「そういうことよ!」でした(笑)。
「シン・ゴジラ」は、集大成の佳作?ですから、映画館探しか、最悪DVDでも?
2016/12/7(水) 午前 10:45
千葉雄大の記事をTBさせてもらいました。
2017/3/10(金) 午前 9:13
> ぴくちゃあさん>TBありがとうございます♪
2017/3/10(金) 午前 10:17
濱田岳の誕生日記事、TBさせてもらいました。
よろしくお願いします。
2017/6/29(木) 午後 4:13
> ぴくちゃあさん>TB連打、12個ありがとうございます♪
2017/6/29(木) 午後 5:47