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「三度目の殺人」「海街diary」の是枝裕和(これえだ・ひろかず)監督の最新作。6月8日に公開がスタートしたが、公開週末3日間で興行収入5億7800万円を記録し、今年公開の実写邦画でナンバーワンとなるロケットスタートを切った作品。
「第71回カンヌ国際映画祭」でパルムドール(最高賞)を受賞したことでも話題となり、1ヶ月後の7月9日の時点で、興行収入は34億円を記録し、是枝作品では過去最高の興行収入を記録した「そして父になる」(主演・福山雅治、32億円)を抜き、トップに躍り出た。
※2位〜8位は、2018年3月時点の資料より。
※1位は、2018年7月第1週の時点の数字。
祖母の年金に頼りつつ、足りない生活費を万引で稼ぐ一家の群像劇で、シニア層から子供まで幅広い世代が劇場に押しかけた。現在まだ公開中のため、さらに興収を伸ばし、日本でも約44億円の大ヒットを記録した米映画「ラ・ラ・ランド」の“アカデミー作品超え”にも期待がかかる。
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再開発が進む東京の下町。周りをビルに囲まれたなか、ポツンと残された古い住宅街に暮らす一家。日雇い労働者の父・治(リリー・フランキー)と息子の祥太(城桧吏:じょうかいり)は、生活のために“親子”ならではの連係プレーで万引きに励んでいた。
その帰り、団地の廊下で凍えている幼い女の子を見つける。思わず家に連れて帰ってきた治に、妻・信代(安藤サクラ)は腹を立てるが、ゆり(佐々木みゆ)の体が傷だらけなことから境遇を察し、面倒を見ることにする。
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カンヌ国際映画祭で、審査委員長のケイト・ブランシェットが、「私が次の映画で泣くシーンがあったとしたら、安藤サクラの真似をしたと思っていい」といったというので、そこを注目してみた(笑)。映画での泣きの演技にもいろいろある。号泣では妻夫木聡の「涙そうそう」や「歌謡曲だよ人生は」などがある。
安藤サクラの泣きはやや違っていた。とにかく何度も目をこする。むしろ泣くのを殺して抑えていたが、そこからほとばしりでる自然の泣きがやはりスゴイ。
安藤サクラは「百円の恋」では、太った体から、ボクシングのために減量してスリムになったが、「万引き家族」では、”肉感的”になるように増量をしたようだ。一糸まとわぬ全裸を見せていたが、重量感にあふれている(笑)。
この映画で、JKリフレという、JKビジネスの発展系のような、あの手この手の風営法の抜け道といってもいいようなシーンには、コミュニケーションの手段(ボードにマジックで言葉を書く)など笑ってしまう。そこでバイトをしている”家族”(同居人)のひとりを演じる松岡茉優(まゆ)がなかなかいい。数年前に「NTT東日本」のCMで見たのが最初だったが、インパクトがあった。
松岡の演じた“亜紀”は当初、“取り柄のない太った女の子”という設定だったという。しかし、松岡の出演作を見た是枝監督がオファーを決め、松岡のイメージに合わせて脚本をすべて書き直したというから入れ込みようが半端ない。
松岡が演じた亜紀は、風俗店でアルバイトをしているという設定であり、NHK「あまちゃん」に出演していた松岡は、オファーを断ってもおかしくない中、“面白いじゃん”と言って快諾したという。そして、風俗嬢役では、エロい役が印象的だった。 子役たちも、「誰も知らない」での柳楽優弥の再来のようなしっかりとした役を演じている。いつもながらの樹木希林の枯れた演技も見所だった。ワンシーンで、あの俳優が出演というのも驚き。
リリー・フランキーのずる賢いダメ人間ぶりも板についている。
”ワーク・シェアリング”という言葉などで国の働き方改革が叫ばれているが、「ワーク・シェアなんていうのは、みんなで貧しくなりましょう」というようなものといった言葉があり、皮肉っている。
高良健吾や池脇千鶴といった若手と思っていた役者が、警察官として、堂々としていたのも新鮮に映った。
社会の底辺で暮らす模擬家族。安藤サクラが”絆”と安易に口に出していたのは、やや引いてしまうが(笑)。工事現場で日雇いで働く父、クリーニング店で働く母、JK見学店でアルバイトをする母の妹、月6万円ほどの年金を受給する祖母。そしてどこか様々な感覚が麻痺してしまったかのような、時に無邪気な表情を見せる少年と、本当の両親からネグレクトされた少女たちが織り成す人間ドラマ。
映画「万引き家族」(2018年/日本)
原案・監督・脚本・編集:是枝裕和
音楽:細野晴臣(ビクターエンタテインメント)
出演:リリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優、池松壮亮、城桧吏、佐々木みゆ、緒形直人、森口瑤子、山田裕貴、片山萌美、柄本明、高良健吾、池脇千鶴、樹木希林
配給:ギャガ
英題:shoplifters
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ありがとうございました






> MARUMAさん>模擬家族の方が、本当の家族より、生き生きと人間らしかった。あの子供はあれからどうしたのか気になります。
2018/7/28(土) 午前 9:48
> ギドラさん>これまでの監督の実績を見れば、良さが理解されて当然でしょうね。パルムドールは、おまけでしょう。
2018/7/28(土) 午前 9:49
DVも今や深刻ですねー。昔と違い親の暴力はもう親でもない
2018/11/5(月) 午前 0:15
そのわりに、余り映画館でやっていない。
2018/11/5(月) 午前 2:15
> ポニーさん、親の暴力、子供の暴力、DVは最悪・最低ですね♪
2018/11/5(月) 午前 5:05
> 浮遊人さん、有料動画ならありますが・・・。
2018/11/5(月) 午前 5:06
「そして父になる」が32億円のヒットだったとは意外。日本映画で次作が観たい監督は3人、黒沢清、山下敦弘、そして是枝裕和、今度はフランス映画とのこと、また新しい映画が楽しみだ。TBしますね。
2018/12/22(土) 午後 10:43
今、冬休み絶賛公開中。
2018/12/22(土) 午後 10:59
> シーラカンスさん、フランスでも評価が高い是枝監督は、追いかけたいですね♪
2018/12/23(日) 午前 4:21
> 浮遊人さん、是枝監督の知名度は、海外でも大きくなりましたね。
2018/12/23(日) 午前 4:22
ようやく劇場公開となり、見に行くことが出来ました。
とても面白くて、時間の経つのを忘れました。
2018/12/26(水) 午前 1:33
いかにもフランス人が好きそうな、複雑さに満ちた映画です。
2018/12/26(水) 午前 1:37
> 浮遊人さん、ご覧になりましたか。
万引き家族などというテーマで、家族の中では結束していましたね。
2018/12/26(水) 午前 7:23
> 浮遊人さん、フランス人にも通じる内容でしたか。
2018/12/26(水) 午前 7:23
昨日は、これまた冬休み絶賛公開中の「未来のミライ」を見てきました。
日本語の声で、フランス語の字幕です。
日本語の台詞をわざと乱しているのがとても気になりました。
2018/12/28(金) 午前 1:57
何と、おじいさんの声は、役所広治が担当!
でも主役のクンちゃんの声は、全くイメージと違った。
2018/12/28(金) 午前 2:00
> 浮遊人さん、日本では8月に公開されていました。
カンヌ映画祭に出品されていたのでフランスでも公開となったようですね♪ フランスでヒットしているようですね。
2018/12/28(金) 午前 5:59
> 浮遊人さん、役所広司が声優というのは珍しいですね。
2018/12/28(金) 午前 6:00
おはよう(*´▽`*)
トラバお返ししますね〜〜
2019/4/25(木) 午前 8:08
> レイさん、トラバありがとうございます♪
2019/4/25(木) 午前 9:02