幼馴染の京子(山本美月)と真治(溝端淳平)は、進がお坊さんになることを期待してか、進のことをずっと“和尚”と呼び続けている。しかし、肝心の進は、未だにその決心がつかずにいた。
母の真智子(松田美由紀)と父の一郎(有薗芳記)、そして祖母の宣子(松金よね子)は、進の気持ちを尊重してくれている。
そんなある日のこと、栄福寺の住職である進の祖父、瑞円(品川徹)が病に臥せ、寺に住職がいなくなってしまった。幼い頃、進は祖父に尋ねたことがある。
「人間って、死んだらなーんもなくなっちゃうの?」それを聞いたじいちゃんは「そういうことが気になるんか。そしたら坊さんになれ」と言ってくれた。じいちゃんのその言葉を思い出した進は、ついに坊さんになる決心をするのだった。
光円という僧名はじいちゃんが考えてくれた。進の決意を見届けるかのように、瑞円はその翌日に遷化(せんげ:高僧が亡くなること)した。「起きるを生と名付け、帰るを死と称す」それがじいちゃんの最後の言葉だった。
進は、光円として、24歳にして、栄福寺の新しい住職となったのだが・・・。
・・・
いつも身近にあると思っていたお寺の世界は、光円が思っていたよりもずっと奥深い世界だった。見たこともない坊さん専用のグッズに、みんな丸坊主なのに個性的な僧侶たち。知らないことだらけで恥もかいた。前途多難な住職生活が始まる。
お寺の世界に入って、光円にはわからないことだらけだった。
数珠が40万円だという。「高い!」と思ったが、業者からは「MVPは何回でも獲れますが、”新人王”は一度だけ。最初が肝心ですよ」などといわれる。
坊さんによる野球チームもあった。チーム名は「南無STARS」だった。
試合相手は、農家チーム「FARM OF DREAMS」だ。どこかで聞いたことがある(「フィールド・オブ・ドリーム」)名前だ。
寺の檀家の人たちと集まって総代会という会合が行われた。
会を取り仕切っている長老の新居田 明(イッセー尾形)が、「”タッシン”をどうしようか。”タッシン”を先にお渡しするというのも・・・」などと話し合っていた。この総代会では、“噠噺(たっしん)”の意味がわからず、「タッシンってなんですか?」と聞くなど恥をかいてしまった。
噠噺は、葬儀に参列してくれたお坊さんに渡すお布施のこと。大学でも教わらなかったし、現場で学ぶべきことなのだが、光円にはこれまでその機会がなかったのだ。
そんなある日、光円は京子に誘われ、真治が働くバーに飲みにいくことに。
すると、2人に話があるという京子が、なんと突然の結婚宣言。相手は職場の同僚のトラック運転手だという。京子に頼まれ、結婚式を執り行う光円。そう、お寺は結婚式も執り行うのだ。
つまづきながらも少しずつ住職としての経験を積み、成長していく光円。
お寺のことを第一に考え、さまざまアイデアを出して実行していく。しかし、栄福寺の檀家(だんか:お寺と関わりの深い家)の長老・新居田(イッセー尾形)は、「近くして、見難きは、我が心」という弘法大師空海の言葉を光円に伝える。
それは「場所よりも、まずは自分の心を整えろ」というメッセージ。
自分なりに一生懸命やっているつもりだった光円は、思わぬ叱咤に落ち込んでしまう。そんな光円を励ましてくれていたのは、お腹が大きくなった京子だった。
そんな光円のもとに、悪い知らせが届く。京子がお産の最中に脳内出血をおこしたらしい。赤ちゃんは無事に生まれたものの、母親は重態で意識不明のまま。医者はこのままずっと目覚めないかもしれないという。
その話を聞いた京子の夫は、京子と離婚してしまった。光円は、何か自分にできることはないのかと悩んでいた。そんな光円の姿を見て、新居田は初めて光円に心を開いた。
新居田と話をしたことをきっかけに、光円は引き取り手のない京子の赤ちゃんを預かることを決意した。
一方、真治は「俺たちにとって京子は本当に生きていると言えるのか?」と葛藤する気持ちを光円にぶつける。光円は、密教の教えを説き、「京子との関係は、今までと何も変わっていないと思える」と答えるが、真治に本心を問われ何も答えることができなかった・・・。
改めて自分の無力さに打ちのめされた光円は、ついに心が折れて倒れ込んでしまう。そんな光円の元へ飛び込んできた知らせは長老の訃報だった――。