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「散歩する侵略者」(2017)を見た。
「トウキョウソナタ」「岸辺の旅」「クリーピー 偽りの隣人」などの黒沢清監督作品。出演者が長澤まさみ、松田龍平、高杉真宙、恒松祐里、長谷川博己、前田敦子、満島真之介、児嶋一哉、光石研、東出昌大、小泉今日子、笹野高史とかなり豪華。
全く予備知識なく見たので、まさか宇宙人が地球にきて、地球人に身を借りて侵略が目的というという展開のSFっぽい話だとは予想もしなかった。若い女性一人と20歳と30歳くらいの男の3人が、それぞれ地球での言葉の「概念」を奪うためにパートナーとして「ガイド」を探し、やがて通信機を製作して、宇宙と通信して、地球を戦略し、人類を滅亡させるという奇想天外な話だった。人類よ目を覚ませという警告と見れば納得。
黒沢清監督の作品の傾向などを理解しないと、その世界に入り込むのは難しいように思われる。シリアスさの中にも、滑稽さ、バカバカしさがあり、政府関係者が機関銃をぶっぱなしたりというありえない設定もあり、さらに夫が妻に「俺は本当は宇宙人なんだ」と語るなど、どこまでが真実なのか、おふざけなのか、見ている側は戸惑う。
・・・
(こんな話)
数日間の行方不明の後、不仲だった夫・真治(松田龍平)がまるで別人のようになって帰ってきた。急に穏やかで優しくなった夫に戸惑う加瀬鳴海(長澤まさみ)。
夫・真治は会社を辞め、毎日散歩に出かけていく。一体何をしているのか…?その頃、町では一家惨殺事件が発生。奇妙な現象が続出。
週刊誌記者の桜井(長谷川博己)は取材中に、天野(高杉真宙)という謎の若者に出会い、二人は事件の鍵を握る女子高校生・立花あきら(恒松祐里)の行方を探し始める。
当たり前の日常がある日突然終わりを告げる。3人の宇宙人は、人類から様々な「概念」を奪い取り、人類がどのような考えを持って生活しているのか調査するのが目的だったのだ。
その後に通信機で仲間と連絡を取り、地球を侵略しにやってくる。
侵略の話を聞いた鳴海は、真治と共にこの街を出ていくことを決意。
そこに桜井が現れて、この3人を絶対に会わせてはならないと鳴海に警告する。
しかし、家を出て車に乗ったところで、天野と立花あきらがやって来た。
一瞬の間で3人の会話が成立し、地球は侵略されることが決まったのだった。
…
真治は、様々な概念を奪ってきたが、奪われた人間はみな、陽気になったり、破壊的になったり、性格が変わってしまう。
真治は、「愛」とはなにか、鳴海から愛の概念を得ようとして、鳴海からそれを奪うが、その複雑さに驚き、一方の鳴海はまるでもぬけの殻のようになってしまうのだった。
…
宇宙人から概念を奪われた者はそのことを全く理解できなくなってしまう。
家族の概念を奪われた者は家族に対して激しい拒絶を見せ、所有の概念を奪われた者は逆に人生がイキイキとしだすという皮肉。この設定は面白い。
宇宙からの侵略者は、地球人である記者・桜井の質問「共存は可能か?」に対して、サンプルとして数人は生かしておける、などという。地球上で病人が溢れるが、宇宙人との関連かはわからないが、新種のウイルスだという。
宇宙人の侵略は中止されることになったが、タイミングは良かったと安堵する政府関係者など。人類が色々と問題を抱えているが、改めて考えるきっかけになったというのだ。
最後にチョイ役だが、黒沢組の小泉今日子(「トウキョウソナタ」「贖罪」ほか)が出てきたのは驚いた。光石研、笹野高史といった名バイプレーヤーはさすが。「シン・ゴジラ」ではお堅い役人だった長谷川博己が、髭を生やして記者を演じている。
★★(やや残念)
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ありがとうございました

