「DESTINY 鎌倉ものがたり」(2017)を見た。
「ALWAYS 三丁目の夕日」「永遠の0」「海賊とよばれた男」などのヒットメーカー、山崎貴監督の作品。全く予備知識ゼロで見たので、妖怪や魔物が登場する映画とは思わなかった。
西岸良平の人気漫画を基に人間と魔物たちが仲良く暮らす不思議な街・鎌倉に住むミステリー作家の一色正和(堺雅人)と妻の亜紀子(高畑充希)が、数々の怪事件に巻き込まれるさまを描くファンタジー映画。
幽霊や死神、妖怪などが住み着いた鎌倉を舞台にし、現実に生きている人、既に亡くなっている人などが登場する不思議な雰囲気の映画。
江ノ電が空中を走るなど、SFX技術を駆使した世界観などは山崎監督の得意とするところ。
出演は「三丁目の夕日」「海賊と呼ばれた男」などの山崎監督の常連、堤真一の他、安藤サクラ、田中泯、中村玉緒、市川実日子、ムロツヨシ、要潤、大倉孝二、國村隼、薬師丸ひろ子ら豪華俳優が集結。
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ミステリー作家・一色正和(堺雅人)と新婚の妻・亜紀子(高畑充希)が生活をスタートするために車で鎌倉にやって来る。「この街はゆったりしている感じ」と亜紀子が言うと「鎌倉は東京と違って、時間の進み方が違うよ。そのうちなれるよ。」と答える正和。ここでタイトル「DESTINY 鎌倉ものがたり」とでる。
二人が古い家に入ろうとすると、その前を、小さなカッパが素早く通り過ぎる。亜紀子が驚くと、ただのカッパだよ、と妖気の存在が当たり前のようにいう正和。
正和が朝出かけるときに、亜紀子に対して、納戸(なんど)だけは絶対に入らないようにと念を押す。「絶対に入るな」と言われていたが、亜紀子は納戸を開けて入ってしまう、すると、そこには鉄道模型、古書や人形、骨董品、甲滝五四朗の未発表原稿などが雑然と収められていた。
そして、そこには推定130歳を超えるであろう一色家に仕える家政婦キン(中村玉緒)もいた。正和が帰ってきたが、買い物袋を持っていたが、亜紀子が取り上げると、鉄道プラモデルだった。「いくら」と聞くと「このクオリティで、9・・・」と言いかけると「9,000円もしたの」「いや」と人差し指を示して「9万円」だった。
結婚する前に知らなかった、鉄道模型オタクであること、執筆活動の傍ら、鎌倉署の顧問としても活躍していることなど、初めて正和の意外な面に接しては驚く亜紀子だった・・・。
最初は魔物たちを怖がっていた亜紀子だったが、次第に持ち前の天真爛漫さで、「黄泉(よみ)の国」へ向かう幻の駅を見たり、自宅へ押しかけた貧乏神と仲良くしたり、次第に鎌倉での生活に順応し始める。
しかし、亜紀子は、通称「夜市」で購入した「魔界まつたけ」で作った味噌汁をうっかり飲んでしまい、魂が抜けやすい状況になってしまうのだった。気をつけていた亜紀子だったが、正和のいきつけの小料理屋「静」に向かう途中、悪意ある魔物に体を奪われ、魂だけの存在となってしまった。
帰るべき体を失った亜紀子は、正和に迷惑をかけないため、死神とともに黄泉の国へと旅立っていった。失意の正和は、亜紀子を取り戻すため、甲滝五四朗の残した未完の原稿からヒントを得て、魔物に囚われた亜紀子を取り戻しに、黄泉の国へと旅立つことを決意するのだったー。
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妖気が強い鎌倉では、人間は死んでも幽霊となって実体化しやすい環境にある。
そのため鎌倉で亡くなった人間は、管轄の「死神局」に幽霊となって活動するための「幽霊申請」をすれば「死神局」から生命エネルギーを供給してもらうことで、幽霊になれるというのだ。
映画では、吉行和子扮する瀬戸優子が、寝たきりの旦那を残してあの世に行くのが心残りだったため、この「幽霊申請」を通して、旦那が死ぬまで幽霊として寄り添い、人間さながらの生活を続けていたりしていた。
通常、死神は死者にしか認識できない存在だが、正和、亜紀子には安藤サクラ扮する死神の姿や、丑の刻、黄泉へ向かう電車に乗り込む死者達の姿が見えた。
彼らにだけ特別死神や死者が見えた理由は、ともに、夜市で購入した「魔界まつたけ」を食べたことで、幽体離脱をしたことがきっかけだった。どうやら死んでいなくても「幽体離脱」を一度でもすると「死んだこと」になるようだ。
正和が怪物に襲われ、絶体絶命のピンチに陥ったりするが、土壇場で亜紀子が貧乏神からもらった茶碗が、孫悟空の筋斗雲のように巨大化し、二人は無事に逃げ出すことに成功。貧乏神が、自らの分身でもある茶碗を介して、亜紀子に味方してくれたのだ。
安藤サクラ(写真右)が金髪でチャキチャキの江戸っ子のような茶目っ気たっぷりな死神を見事に演じて、脇役の中では、演技力・存在感が光っていた。
映像的には見るべきシーンが多かったが、登場人物の多さ、様々な妖怪が登場し、それらの一つ一つがどういう意味があるのかの説明不足で、ややわかりにくかった。現実離れしているので、好みが分かれそうだ。
小ネタでは結構笑わせる。
神様が一色家に客として現れる。
亜紀子のセリフ:
「お客様は神様です」(言わずと知れた、三波春夫の有名なセリフ)。
「黄泉の駅」(幻の駅で次に生まれ変わるまでの途中の休憩駅)の駅員のセリフ:
「この駅から、もどることはできません。覆水盆に返らず。あ、お盆には帰るか」
亜希子が茶碗を持っていると:
「キレイな茶碗だ」(正和)
「百円ショップの安物よ」(亜紀子)