ここから本文です
fpdの「映画スクラップ帖」 (名作に進路を取れ!)
★「9月1日から「はてな」ブログに移りました。https://fpd.hatenablog.com/

書庫▶洋画1970〜00年代

映画スクラップ帖の中心的な時代、1970年代のリアルタイムで見た映画を取り上げています。ほとんど1970年代当時に見ただけの映画が多く、多くは、簡単メモをベースに、周辺情報を追加で紹介。

一番気合が入っている時代ではあります(笑)。
記事検索
検索
イメージ 1

ダンサー・イン・ザ・ダーク」(原題:Dancer in the Dark2000を見た。想像していたミュージカルとは違ってかなり重い映画だった。デンマーク映画。2時間21分。

”暗闇の中のダンサー”というのは、失明してしまう主人公が不遇な環境の中で、空想で明るく踊る、といった意味だ。

会話の主の方にカメラが左右に動く手持ち撮影中心のカメラワークやセピア調のような色合いの画面展開が印象的だ。

2000年の第53回カンヌ国際映画祭では最高賞パルム・ドールを受賞
アイスランドの人気女性歌手ビョークは映画主演2作目で主演女優賞を獲得。
音楽もビョークが担当トム・ヨークレディオヘッド)とデュエットした主題歌I've seen it allゴールデングローブ賞アカデミー賞の歌曲部門にノミネートされた。

・・・
オープニングの画面は、うす暗いぼやけた画面音楽のみ流れる。盲目の世界を暗示しているものだ。
イメージ 4
故郷・チェコからアメリカに渡ってきた若い女性・セルマビョークは、昼間は工場で働きながら、女手ひとつで12歳の息子・ジーンを育てていた。夜は内職もしている

警官のビルデヴィッド・モースとその妻・リンダカーラ・シーモア夫妻の家の敷地内にあるトレーラーハウスを借りて暮らすセルマの暮らしは楽ではない

セルマは遺伝性の目の病気を持っており、現在は弱視で、もうすぐ失明すると言われてい。セルマの目の病気は息子・ジーンヴラディカ・コスティックにも遺伝していた。しかし主治医の言葉によると、手術をすれば失明から逃れられ

セルマは表向きは「故郷・チェコにいる父に送金するため」と偽り、息子・ジーンの手術のために、必死で貯金していた。13歳になればジーンは手術でき。貯金も手術の金額に達するところまで、あと少しだった

セルマは仕事を増やしてでも、金を稼ごうとした。
そんなセルマの楽しみは、ミュージカルの舞台で歌いながら踊ることだった。舞台の稽古も必死でおこなっていた。セルマの目の障害を知る周囲の友人は、優しく接してくれ
イメージ 2
同じ工場に勤務し、同じ舞台に立つ親友の中年女性・キャシーカトリーヌ・ドヌーブは、常にセルマによりそい、手助けし
 
工場に提出するセルマの健康診断の視力検査の際には、書かれている文字を大きく書いてセルマに暗記させ、検査をパスさせ。眼科医もセルマが暗記したのを知りながら見て見ぬふりをする

セルマは大切な友人・キャシーのことを「クヴァルダ」と呼びかけ。セルマが考える、キャシーの別の名前。隣人にあたるビルとリンダ夫妻は、トレーラーハウスを格安でセルマに貸していた

同じ街に住むジェフピーター・ストーメアという男性はセルマが好きで、積極的にアタックするが、セルマは断。ジェフが嫌いというわけではないが、夫にするならジェフしかいないと思ってい

セルマの最優先課題は「息子・ジーンに手術を受けさせ、失明をまぬかれさせること」で、自分の幸福は二の次だった

舞台稽古ではMy Favorite Thingsを歌いながら踊るが、手渡されるヤカンの位置も分からないほど。大好きなミュージカルの舞台も、そろそろ限界に来ていた。 
 
仕事でも、鉄板の位置が分かりづらく、誤って2枚プレスしそうにな。これはキャシーが気づいて、止めてくれた。

息子のジーンは学校の悪い仲間と付き合おうとするが、セルマは「学校の勉強は大事」と言い聞かせ。12歳のジーンが自転車を欲しが。クラスで持っていないのはジーンだけだった

キャシーやジェフ、ビルとリンダ夫妻がジーンに自転車をプレゼントした。高価なプレゼントは駄目といながら、セルマは喜ぶジーンの姿を見て受け取る。
 
隣家のビルとリンダ夫妻は、一見裕福な暮らしをしているようだった。妻・リンダはよくセルマに「ビルは遺産が入ったから」金持ちだという発言をする

しかしある夜、ビルがリンダにぼや。実は想像以上にリンダが浪費家で、遺産はとうに食い潰してしまっており、銀行が家を差し押さえている状態だった。

セルマはビルを慰め、ビルも弱音を吐いたことを恥じた。
セルマは「私も秘密を言っていい?」と、今年中に失明することと、息子の手術のことを話す。それまで誰にも言わなかったことだった

チェコからアメリカに渡ってきたのは、アメリカでならジーンに手術ができるからだった。セルマは自分が失明するのはショックではない、目の病気が遺伝すると知っていて生んだ息子・ジーンの目は助けたいと考えていた。

父への送金も嘘で、手術の費用ももうすぐ貯まるとビルに告げ。セルマが貯金していることを、ビルは知った

・・・
運命のいたずらというのか。
警官のビルがひどい。セルマがコツコツと貯めたお金を奪ってしまうとは。
しかも、セルマを悪人に仕立ててしまうのだ。ビルに金を返してほしいと告げセルマは、ビルと口論に。
 イメージ 3
ビルは、なんと銃を持ち出してセルマを脅
ビルとセルマは揉み合いになり、ビルに弾が当たった。ビル決意を決めたことは「死んでも自分と妻・リンダを守、そのためにはセルマを悪者に仕立てあげ」と。あまりにも自己チュー。
 
ビルは、1階にいたリンダに通報しろと言って被害者を装い、リンダがいなくなった隙に、セルマに自分を撃てと強要。撃たないと金を渡さないと言われ、セルマは無我夢中で撃

ビルからやっと金を取り戻しセルマは友人・ジェフと待ち合わせしている場所に行。その足で眼科医に手術代を払いに行ったセルマは2056ドルと10セントを渡す。

セルマは、警官に逮捕され裁判では「最も残忍で用意周到に計画していた」「障害を隠れ蓑に周囲を欺いていた」「冷酷無比」と言われ、世間には残忍な行為に映った。セルマに第一級殺人罪として絞首刑が言い渡された。

イメージ 5セルマは絞首台まで踊りながら移動する空想をする死刑執行の直前、キャシーが息子・ジーンの眼鏡を握らた。これは息子・ジーンが手術を受け、眼鏡が必要でないことを示すものだった。
 
セルマは、未練がなくなり、「最後から2番目の歌を思いながら、死刑執行を受けた。
 
・・・
裁判の厳しさの中で、セルマが空想で踊りだしたり、陪審員も傍聴席の人もみな一斉に動き出したり、というのはミュージカル・ファンは納得だが、ミュージカルが苦手な人には「?」と映るかも知れない。

ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」の劇のリハーサルのシーンも多く「私のお気に入り」「すべての山を上れ」などが登場する。
 
ラストシーンは、残酷で悲劇的な結末。裁判をやり直していたら、別の結果になったのでは、これでいいのか、という疑問は残る。大女優カトリーヌ・ドヌーブがこの役柄で出演している必然性もあまり感じられない。

・・・
監督・脚本・カメラオペレーター:ラース・フォン・トリアー
製作:ペーター・オールベック・ヤンセン
音楽:ビョーク
出演:ビョーク、カトリーヌ・ドヌーブ、デヴィッド・モース、カーラ・シーモア、ピーター・ストーメアほか
 
☆☆☆


↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
「にほん映画村」に参加しています:ついでにクリック・ポン♪。
イメージ 1

イメージ 2

アラン・ドロン主演の「リスボン特急」(原題:Un flic=刑事(デカ),1972)を見た。
公開当時は、アラン・ドロンとカトリーヌ・ドヌーブの共演ということでまさに美男・美女の出演が話題になっていた。ドロン作品の中では、目立たない部類の作品だが、フランスを代表する2大スターを見るという点では貴重な作品。

イメージ 7
 
イメージ 8

監督・脚本・台詞・編集は「サムライ」「仁義」のジャン・ピエール・メルヴィル
ドロンが演じるのが、クールな殺し屋などギャングではなく、犯罪を取り締まる警察署長という役柄だった。やはりドロンは、陰影を帯びた表情は悪の匂いのほうが似合う。役柄としては、表向きはパリのナイトクラブの経営者実はギャングという裏の顔を持つ顔役(リチャード・クレンナが演じた)の方が良かったかも。
 
フランス映画では、かたい友情の絆で結ばれながらも、やがて対決の運命に向っていくというストーリーがよく見られるが、この映画も、パリ警察の鬼刑事と、夜のパリに君臨する顔役の二人の男と、その蔭で生きる哀しい女の運命を描いている。登場する人物の過去の関係性などは省かれている。撮影はワルター・ウォティッツ、音楽はミシェル・コロンビエ
 
出演はアラン・ドロンカトリーヌ・ドヌーヴリチャード・クレンナのほかリカルド・クッチョーラマイケル・コンラッド、ポール・クローシェ、アンドレ・プス、シモーヌ・ヴァレール、ジャン・ドザイなど。
 
・・・
ギャングであり、表の顔はパリのナイトクラブの経営者として夜のパリを牛耳る男シモン(リチャード・クレンナ)は、仲間のルイ、マルク、ポールと大西洋に臨むある小さな町の銀行を襲撃、大金を強奪する。しかし、隙をつかれてマルクが撃たれ、負傷してしまう。

一方、パリ警視庁のエドゥアール・コールマン刑事(警察署長、アラン・ドロンは、ある組織が税関とグルになって麻薬をリスボン行きの特急で運び出すという情報をキャッチする。そして午後7時59分、特急は運び屋を乗せてパリを出発した。シモンら3人はヘリコプターを使った作戦でその麻薬を横取りした。

数日後、マルクの死体が発見される。シモンらに口封じされたのだ。コールマンはマルクの身元から犯人を割り出し、主犯がシモンであるとにらむ。仲間を次々と検挙したコールマンは、ついにシモンと対峙する。だが2人はかつて、堅い友情で結ばれた戦友同士だったのだが・・・これが単純なストーリー。

・・・
リスボン特急を追ってヘリコプターが近づき、ヘリから列車に乗り移り、車内の麻薬を盗んで、再びヘリに乗って逃げるというシーンだが、この急行列車とヘリコプターが、どう見てもミニチュアと分かり、チャチ(笑)。

簡単にスイスイと事が運ぶのも出来すぎ。
45年も前の映画で、CG技術もなかったのでやむを得ないが、最近の「オリエント急行殺人事件」などと比べると雲泥の差がある。ただ、列車の中で、ヘリコプターから列車に乗り込んだシモンが着替えをするシーンや、麻薬を隠し持つ運び屋の部屋の鍵を開けるための”道具”など見るべきシーンも多い。

イメージ 31960年代〜70年代の映画では、タバコを吸うシーンが多いが「リスボン特急」では、ほぼ全員がタバコをプカプカ。ドロンもくわえタバコで、ピアノまでひいてしまう。

強盗の一味の一人を捕まえて手錠をかけているが、警察署長(ドロン)が犯人にタバコを差し出し、マッチで火まイメージ 6でつける。

・・・
パリの町に夜のとばりが降りると、それを待っていたかのようにパトカーの赤いランプが廻りだす。そしてエドアール・コールマン刑事(アラン・ドロン)の一日が始まる。
 
一台のダッジが海岸にうち寄せる波しぶきをかぶりながら疾走する。
車の中では、四人の男が終始おし黙ったままだった。ハンドルを握るルイ(マイケル・コンラッド)。その隣りに首領株のシモン(リチャード・クレンナ)。後部にマルク(アンドレ・プス)と、ポール(リカルド・クッチョーラ)。
 
四人は大西洋に臨むある小さな町の銀行襲撃のために、パリから車を走らせてきたのだった。閉店まぎわの銀行に客を装って入るシモン。右手にはコルト45が握られている。続いてマルクが自動小銃を構え、行内へ入る。
 
札束を手ぎわよくケースにつめ込むポール。
一瞬、出納係が隙を見て床の赤いボタンめがけて札束を投げつけた。
けたたましく非常ベルがなり、三人の注意がそがれた隙に出納係はピストルを取りだすとマルクを狙い撃った。
 
マルクの自動小銃が火を吹き、出納係は倒れたが彼の腕から血がしたたり落ちていた。現金奪取に成功した四人はパリへ戻ったが、負傷したマルクは病院へかつぎこまれた。
 
その夜、現金はひとまず空地に埋められた。
その頃コールマンは警察のいぬであるギャビーから、ある組織が税関とグルになって、麻薬をリスボン特急で運ぶという情報をキャッチした。

夕刊の第一面はトップで銀行襲撃事件を報じていた。
シモンがその夕刊を手に、彼の経営するナイト・クラブに姿を見せたのは、夕方だった。
 
人気のないホールでコールマンが弾くピアノを、片隅で静かに聞き入るブロンドの美女がいた。カティ(カトリーヌ・ドヌーブ)といい、シモンの情婦である。マルクをいつまでも病院におくのは危険だった。

イメージ 4
              フランス2大俳優の絵になるツーショットだが・・・。

警察は病院から病院へと、しらみつぶしに捜査を続けている。
シモン、ポール、ルイの三人は看護人に変装して、マルクを病院から連れだそうとしたが、うまくいかず、非常手段として看護婦になりすましたカティが昏睡状態のマルクを注射で絶命させた。
 
やがて、ギャビーの通報どうり、午後59分、リスボン特急は運び屋マチュを乗せて定刻にパリのオーステルリッツ駅をでた。同じ頃、シモンら三人を乗せたベンツが夜の間をぬってボルドーに向っていた。
 
麻薬の横取りにはヘリコプター作戦が用いられた。
ヘリ作戦は見事功をした。パリでは死亡したマルクの身元から犯人を割りだしたコールマンは、仕事を終えてパリに戻っていたルイを逮捕した。
 
再びナイト・クラブで再会したコールマンとシモン。
しかし、二人はお互いの心中を察したかのように多くは語らなかった。
クラブをでたコールマンはポールのアパルトマンに向かった。
 
もはや、高飛びする時間はなかった。ポールは観念したようにピストルをこめかみに当てた。残るはシモン一人。翌朝、エトール広場の前のホテルの入口に立つシモンを乗せるために、カティの運転する車が近づいてきた。
 イメージ 5
シモンが歩みだした瞬間、コールマンの声が沈黙を引き裂いた。「動くなシモン!」スーツケースを下したシモンは、微笑をたたえてコールマンに近づき、手をふところにすべらした。
 
次の瞬間、コールマンのピストルが火を吹き、シモンの体が折れるようにくずれた。呆然と立ちすくむカティ。シモンは拳銃を持っていなかった。「死ぬ気だったのか・・・
 
・・・
映画の原題Un flicが刑事(デカ)というタイトルだが、イタリア映画の「刑事」などほかにも似たようなタイトルが多いので、麻薬運びにたまたまリスボン特急が使われていることからタイトルになったようで、ストーリーとはあまり関係はしていない。
 
この作品で、メルヴィル監督は、すでに「サムライ」「仁義」でコンビを組んできたドロンに対して、刑事役、犯罪者役(シモン)のどちらを選んでもよいとドロンに伝えたという。ドロンは脚本を読み、犯罪者役はこれまで何度も演じてきたので、あえて刑事役を希望したといわれる。刑事像も、たんなる正義感の強い善人ではなく、ドロン流に我の強い刑事像を打ち出しているというところはあった。

映画はフイルム・ノワールとして期待されたが、後年ドロンは「この映画は中途半端で失敗だった」と語っていたというが「サムライ」「仁義」と比べると雰囲気がやや違っていた。

この映画はメルヴィル監督の遺作となった。
 
★★ (ドロン映画としては、やや物足りなさがあり)



↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
「にほん映画村」に参加しています:ついでにクリック・ポン♪。
イメージ 1

アラン・ドロン主演の「高校教師」(原題:La Prima Notte di Quiete=静かな最初の夜、1972)を見た。イタリア映画。監督は「鞄を持った女」「国境は燃えている」などのヴァレリオ・ズルリーニ

ズルリーニ監督は、ルキノ・ヴィスコンティ監督の門下生でもあり友人。主演には、当初マルチェロ・マストロヤンニを予定していたが、スケジュールの都合から、ヴィスコンティの作品(「山猫」など)に出演していたドロンに脚本を見せたところ、ドロンとしても、それまでのフイルムノワールの型にはまった役から、深みのある演技派への脱皮から、即答で決まったようだ。

うらぶれた生活のワケあり不良教師アラン・ドロンが美貌の女子高生ソニア・ペトローヴァと禁じられた恋へとまっしぐら。当然のごとく悲劇的結末になるというストーリー。
 
・・・
映画はヨットのシーンから始まる。
一見、”太陽がいっぱい”を連想させるが、舞台は、ジュネーブに近い北イタリアのリミニという小都市。雰囲気が全体として荒涼として、テーマ曲のトランペットの音色と海辺の静かな風景が何度も登場するのが印象的。
 
ダニエレ・ドミニチ(アラン・ドロン妻モニカ(レア・マッサリとともに、この地にやってきたのは、「初めてのところだから」と臨時教師として赴任してきた高校の校長に語るシーンがある

イメージ 3
 
彼が、町での初めての夜、姿を現わしたのはバクチ場だった。
田舎者まるだしのマルチェロ(レナート・サルバトーリ)や、皮肉屋スパイダー(ジャンカルロ・ジャンニーニ)を相手にダニエレは馴れた手つきでカードをめくった。
 
夜もふけた頃、家に帰ったダニエレはモニカが電話で話しているのを聞いた。その声は男がいる事を匂わせるがダニエレにはとがめる気力もない。十年前、モニカを夫の手から奪い取ったのは愛の情熱だったのか。
 
ダニエレの授業は生徒たちを戸惑わせ、その放任ぶりに校長(サルヴォ・ランド)は非難の眼を向けたが、彼は平然と受け流していた。その教室の中に冷やかな視線があった。清らかに澄んだ瞳に不似合な、成熟した女を感じさせる娘バニーナ・アバーティ(ソニア・ペトローヴァ)の視線は、ダニエレを突き放しながらも妖しくからんでくる。
 
出席簿には、2年間の休学が記されてあった。
理由を尋ねるダニエレに、バニーナに代ってクラスの全員が嘲(あざ)けりの薄笑いをさらした時、ダニエレは後めたいものを感じた。彼は、バニーナが学校の帰りに、迎えにきた男の真紅のスポーツカーに乗り込むのを目撃した。
 
翌日、ダニエレは、バニーナを助手席に誘って郊外へでかけた。
そして昨日のスポーツカーの男ジュラルド(アダルベルト・マリア・メルリ)の事を尋ねずにはいられなかった。彼とは結婚しない、愛してもいないとバニーナはいう。どこか投げやりな口調の中に、ダニエレはこの美しい娘の不幸をのそき見たような気がしたのだった・・・
 
・・・
アラン・ドロンが無精ひげで崩れた教師役を演じている。
役が変わってもタバコを離さないのは変わらないが。授業はかなりいい加減で、規則で禁じられているタバコも生徒には自由に吸わせている。課題を与えると担当授業中に、自分は新聞スタンドに新聞と雑誌を買いに行ってしまう。
 
イメージ 220歳そこそこの若い陰のある女子高生の虜になっていく姿が破滅的に描かれる。ソニア・ペトローヴァ写真という女優が、大きな瞳で、落ち着きのある正統派美人。

ダニエレ(アラン・ドロン妻モニカ(レア・マッサリとは冷え切っていて、妻にも浮気相手から電話がかかってくる始末で、妻もダニエレが外で何をしようがお構いなし。それでいて、ダニエレが別れを告げると、「ガス自殺する」と脅したりする。

薄幸(10代半ばで母親から娼婦をさせられていた)人生を送ってきた娘バニーナ(ソニア・ペトローヴァとこれから人生をともにしようとした矢先に、大事故で命を落とすダニエレ。ドロンの最後は大抵、死が待っている。
 
アラン・ドロンの映画では異色な部類の映画だが、見応えがあった。
ワンカットしか登場しないが、バニーナの母親役で登場するアリダ・ヴァリ(「かくも長き不在」「第三の男」)の凄まじい形相!ダニエレの妻役のレア・マッサリ(「情事」「国境は燃えている」)といった演技派女優の他、レナート・サルヴァトーリ(「若者のすべて」「Z」)、ジャン・カルロ・ジャンニーニ(「ジェラシー」)などが共演している。
 
☆☆☆
 
  
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
「にほん映画村」に参加しています:ついでにクリック・ポン♪。

開くトラックバック(1)

イメージ 1

ジャッカル」(原題: The Jackal、1997)を見始めて、途中で「あれ、前に見たことがあるかな」と気がつき見始めたが、最後まで見て、やはりラストシーンで、確かに一度見ていると確信した(笑)。記事検索をしたら、4年前に見ていた。すっかり忘れていた。


・・・
ジャッカルの日」のりリメイクということだが、前作では現実の時間と合わせたジャッカルの動きなどで緊迫感があったが、「ジャッカル」では、残忍さが増幅し、様々な銃器が登場するところが見どころだった。

イメージ 2
         なんといってもこれ! ズームでターゲットの位置を確実にとらえる。
イメージ 3
依頼した設計図を基に「台座」を作ったおっさん(ジャック・ブラック、左)がまさか
動くターゲットの実験台にされるとは・・・。
イメージ 4
             殺されると思ったが、「タバコ」がターゲットと知って・・・。
イメージ 5
            結果、片腕を吹っ飛ばされてしまう。 「3ミリずれた」はないぜ。

映画の中で、ジャッカル(ブルース・ウィリス)が、自分を追うスナイパー(リチャード・ギア)に何度も語る言葉「女も助けられないのか」の意味は、来るべき大統領夫人の暗殺をほのめかしている言葉だった。

何度も変装を繰り返し、FBIや警察の追ってをかわし、警察官に成りすまして、遠隔操作可能な重機関銃をミニバンに設置し、大統領夫人にパソコン操作で照準を合わせるジャッカル。

イメージ 6
                  2,000ミリ望遠レンズ搭載の重機関銃

ジャッカルの素顔を知っているとして、服役中のスナイパーのデクラン・マルクィーンリチャード・ギア)の銃もなかなかかっこいい。

イメージ 7

ラストで、ジャッカルとデクランの闘いが見どころ。

イメージ 8

ラストシーンは、味わいがある。
デクランは、10,000ドルと偽造パスポートを持っていることを知っているFBI副長官(シドニー・ポワチエ)は、ジャッカルの射殺に協力したデクランに「30分、食事してくるから、自分の好きなようにしろ」と、知らないふりをするというのだ。ポワチエは、屋台の
ホットドッグを食べて後ろは振り返らない。デクランは、ゆっくりと歩きながら遠くへ消えていく。

一度見た映画も、数年ぶりに見ると新たな発見もある。
ジャック・ブラックなど、この当時はチンピラの役だった(笑)。



↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
「にほん映画村」に参加しています:ついでにクリック・ポン♪。

イメージ 1

白い記憶の女」(原題:The  Girl in a Swing, 1988)という映画を見た。
「白いドレスの女」は、キャスリーン・ターナーの魅力が全開だったが「白い記憶の女」でヒロインを演じるのは「アグネス」のメグ・ティリーという女優だが、正直なところ魅力が感じられない(笑)。

映画は、リチャード・アダムズの長編小説を基に、惹かれ合う男女の数奇な運命を描くエロティック・ミステリー。

ストーリー自体が、不思議な内容で、理解しにくい映画だった。
骨董品のディーラーのイギリス人が出張先のコペンハーゲンでで知り合った女性に惹かれ、その相手のことをほとんど知らずに、たった2週間ほどで結婚すると次々に不可解なことが起こるというもの。神霊や亡霊が出たり、変な鳴き声が聞こえてきたり、ヒロインがキリスト教会に関して拒否反応を示したり、隠された過去が次第に明かされるのだが・・・。

・・・
主人主人公アラン(ルパート・フレイザー)は裕福な家庭に育ち、マイセンなどの陶磁器の骨董商を営むイギリス人。ある日、仕事でデンマーク・コペンハーゲンに出張に出かける。数日滞在する予定の彼は地元のエージェントに誰かドイツ語の翻訳をしてくれる人はないか経ずれる。

イメージ 2

紹介されたのが、そこで秘書として働いている、若く美しいカリン(メグ・ティリー)だった。アランは人目で彼女の虜になってしまう。濡れたような長く黒い髪、優しい笑顔の中にどこか寂しさを秘めながらも、誘惑的で無邪気な黒い瞳。

ほんの数日の滞在ではあったが、アランはなんとか彼女と近づきになろうとする。
仕事が終われば、彼女は「いつものバス」とんでいる、バスに乗って帰ってゆく。

ある日、ピアノのコンサートに彼女を誘うアラン。
カリンはピアニストの弾くベートーベンの「月光」に涙し、そっとアランの手を握り締める。夕食をとり、彼女を送ってゆこうとするアランだったが、カリンはやはり「いつものバス」で帰ると言うのだった。
 
短い滞在期間の中で、出来るだけカリンと会おうとするアラン。
昼間、公園を2人で歩いている時、小さな人だかりを見つける。近づくと、傷ついた鳩が瀕死の状態でいる。ただどうすることもでき見ている人々をよそに、なんの迷いもなくカリンは鳩を優しく拾いあげると、一気にその小さな首を捻るのだった。
 
驚いたアランだが、そんな彼女の優しさと強さに惹かれずにはいられない。
カリンもアランの自分への気持ちを喜んでいるようにも見える。自分の気持ちを打ち明けずにはいられなくなったアランはカリンに告白。カリンは彼女もアランのことが好きだが、自分はコペンハーゲンを離れることは出来ないし、アランは英国へ帰って行く身であることが苦しいと訴える。互いに傷つきあることを避けるために、もう会わないと言うのだ。

滞在期間も終わりに近づき、一度は帰国しようとするアランだったが、遂にカリンを呼び出し求婚する。

イメージ 3

カリンは喜んで彼の申し出を受ける。そしてアランは一度帰国して彼女を迎えに来ると言うのを、カリンは色々と片付けなければならないことがあるから、準備が出来たら自分から英国のアランの元へ行くと言うのだった。

やがて、カリンが英国に到着し、家族や友人に紹介すると、誰もが彼女を人目で気に入り、母親も心からカリンを受け入れるのだった。カリンは聡明で愛らしく美しい大人の女性だった。骨董商での仕事もすぐに覚え、彼女と接する誰もが彼女の魅力を認め、アランのフィアンセとして申し分ないとさえ思った。誰も、彼女の過去やコペンハーゲンでの生活について疑問に思うものなどいなかった。

結婚式を教会であげるという話をカリンにするアラン。
カリンは極端なほど、教会での結婚式を拒む。最初は不思議に思いながらも、友人からも宗派の違いは仕方ないと言われ、教会で式はあげないことにアランも同意する。全てをちゃんとしたいというカリンは同じ家に住みながらも、まだアランとはベッドを共にしていなかった。

2人は結婚し、全てが順調でばら色に見えた。
ある日、骨董商でかかってきた一本の電話にカリンが応える。電話の向こうから聞こえるのは雑音のような音とやがて小さな子供の声が・・・カリンは震えだし、電話を切る。それ以来彼女の周囲でおかしなことが起こり始める。恐怖に震える彼女をなんとか守ろうとするアランだが、彼にはなす術がない。カリンが恐れるものはなんなのか?やがて、彼女の秘密が明らかになる・・・。

・・・
出演俳優ルパート・フレイザー、女優メグ・ティリーに魅力が感じられないと、映画そのものに引き込まれず、見始めて中断しようかと思ったほどだが、どこまで面白くない凡作なのかを見届けようと「名作に進路を取れ」のサブタイトルが、”迷作”に迷い込んだ映画だった。



↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
「にほん映画村」に参加しています:ついでにクリック・ポン♪。
fpd
fpd
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
検索 検索

過去の記事一覧

ブログバナー

最新の画像つき記事一覧

よしもとブログランキング

もっと見る
本文はここまでですこのページの先頭へ

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
11/30まで5周年記念キャンペーン中!
Amazonギフト券1000円分当たる!
話題の新商品が今だけもらえる!
ジュレームアミノ シュープリーム
プレゼントキャンペーン

その他のキャンペーン

みんなの更新記事