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fpdの「映画スクラップ帖」 (名作に進路を取れ!)
★「9月1日から「はてな」ブログに移りました。https://fpd.hatenablog.com/

書庫▶邦画2010〜17年

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映画「エイプリルフールズ( 2015)を見た。
人気コメディドラマ「リーガルハイ」の脚本と演出を手がけた古沢良太石川淳一のコンビが完全オリジナルストーリーで再びタッグを組んだ初映画作品。「寄生獣」や「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズで知られる古沢良太の脚本は「キサラギ」以来のオリジナル脚本。そして石川淳一は今作が初めての映画監督。
今作は様々な嘘が折り重なりあい先の読めない展開と抱腹絶倒のコメディそれでいてホロリとする超エンタテイメント作品。4月1日に起きた複数の事件が、同時並行的に進んでいく物語だが、様々な物語のなかで嘘が発覚したり、他の事件とつながったりしながら最後の結末まで何度もどんでん返しが起こってい
映画でメインに描かれている物語は「レストラン立てこもり事件」「ロイヤル老夫婦の休日」「少女誘拐事件」の3つ。さらに怪しげな霊能力老婆」「宇宙人からのメッセージを受信した引きこもり少年といったエピソード、サブストーリーも展開されるので、とにかく入り組んでいる
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整理すると、以下のようなエピソードが同時に進んでいく。
レストラン                                             若き天才医師・牧野亘 (松坂桃李)と、病院で知り合ったCA・麗子(菜々緒)はイタリアンレストランで食事をしていた。そこに飛び込んできたのは「牧野亘の子供を身ごもった」と自称する元清掃員の妊婦・新田あゆみ(戸田恵梨香子供を認知しないという亘に激怒したあゆみはカバンから取り出した拳銃を発砲。レストランの客を巻き込んだ立てこもり事件に発展する。
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ロイヤル老夫婦                                         宮内庁に関わりがある高貴な身分の老夫婦・櫻小路佑麻呂(里見浩太朗)と櫻小路文子(富司純子2人はリムジンの運転手(滝藤賢一)を引き連れてお忍びで休日を過ごしていた。まるで、正体を隠した「ローマの休日」のアン王女の気分で。
少女誘拐事件                                          ヤクザの若頭・宇田川勇司(寺島進)と舎弟(高橋努)は少女・江藤理香を誘拐。身代金目的かと思われたが、どうも若頭の様子がおかしい・・・
宇宙人少年                                            物語冒頭、いじめられて引きこもっていた少年・野沢遥人は宇宙人からのメールを受信する。どうやら自分は宇宙人であるようだ・・・
霊能力ばあさん                                          怪しげなことを言って、除霊のために10万円を請求していた自称霊能力者の老婆(リリィ)。そこに刑事が踏み込んできて署に連行されてしまう。
奇跡の生還                                            4月1日の朝の情報番組。42年ぶりに奇跡的に生還した男と、捜索を続け奇跡的に生還させた女が特集されていた。
これらには、それぞれ嘘が隠されていて、最後にひっくり返る・・・のだが、さらにそれがどんでん返しになるという結末。一見ドタバタコメディ的な群像劇だが、それぞれに思わぬ展開(嘘)がちりばめられ、「4月1日」が終わるという話。出演は、ほかに岡田将生、りりィ、ユースケ・サンタマリア、生瀬勝久、高嶋政信、山口紗弥加など。
☆☆☆
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嫌な女」(2016年)を見た。
今年6月に公開されたが、10億円の製作費で、女優・黒木瞳が初監督デビューということで、公開前は話題になったが、全国52館で公開され、ネットなどによると評価は限りなく低い。公開されたことすら忘れ去られてしまいそうだが、吉田羊の映画初主演作ということでみた木村佳乃主演

ドラマ(NHK BSプレミアム、3月放送)では、黒木瞳が主演を演じ、黒木が光文社と原作者の桂に呼びかけ、映画化が決定。当初は黒木が出演する予定であったが、監督の選考に難航し自身が監督を務めることになった。

失敗作という先入観があったので、期待しなかった分、見どころが多く、予想以上に面白かった。とくに貴重面でやや堅物な弁護士(吉田羊)と従姉(いとこ)で、小さい頃から性格が真逆で、自分勝手なわがまま放題の詐欺師(木村佳乃)のエンドレスのバトルの演技は見ごたえがある。

・・・
石田徹子吉田羊は一流大学を卒業し、ストレートで司法試験に合格した優秀な弁護士だった。仕事に恵まれ、結婚し家庭も手に入れたが、なぜか心は満たされない。むしろ誰かと過ごすことで自分がより一人ぼっちだと感じるような、言いようのない孤独を抱えて生きていた。気が付けば、仕事はできるが温かみのない堅物弁護士になっていた。

ある嵐の日、長いこと疎遠だった徹子の従姉・小谷夏子木村佳乃が弁護を頼みたいと訪ねてくる。徹子は昔からこの夏子が苦手だった。「人と同じなんて絶対に嫌!死んでも嫌!」が口癖の派手で目立ちたがり屋の女。その夏子が婚約破棄で慰謝料を請求されているという。

気乗りしないまま徹子は相手の男に会って話を聞くと、夏子が男名義のマンションを自分名義に変えさせようとしたが、それが叶わないとなった途端に婚約破棄を言いだしたらしい。

結婚詐欺パチンコ台の前でパチンコに興じながら携帯電話で、その時夏子は徹子にこう言い放った。「私が本気だったと言えばそれまでよ。心の中なんて誰にもバレないでしょ?」だった。

なんとか男に訴えを取り下げさせたが、夏子は弁護料も支払わずに徹子の前から姿を消してしまう。それ以来、徹子はプライベートでは離婚を切り出され、仕事では失敗続き、いつの間にか順風満帆だった人生もどこへやら・・・。

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再び徹子の前に夏子が現れ、図々しくまたトラブルの処理を頼んでくるのだった。
今回の依頼はゴッホの絵画「ひまわり」を200万で売ったが、絵を売った男から贋作だから返金をして欲しいと訴えてきたという。やっぱり夏子は夏子だった。
 
次から次へとトラブルの種をまいては、徹子に後始末をさせていく夏子。
徹子も、ついにはキレる。「私はあんたの尻ぬぐいのために弁護士になったんじゃない!」と。

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                    夏子(木村佳乃)に振り回される弁護士・徹子(吉田羊、左)。
・・・
女詐欺師・夏子を演じる木村佳乃は、手が付けられないほどの悪女、嫌な女。
しかし、相手の懐に飛び込み、相手を思いやる気持ちは深い。

その夏子から「アンタもだんだん嫌な女になってきたね」といわれる徹子(吉田羊)。タイトルの嫌な女とは、どちらのことなのか、両方なのか・・・?。
 
弁護士という職業も大変だ。
家を勝手に出て行った母親の弁護をする弁護士に対して、そこの息子から「弁護士って、お金になれば誰の弁護もするんだね」は強烈。弁護士事務所では、所長(ラサール石井)から、従姉が弁護の報酬を踏み倒していることに対して「仕事は報酬をいただいて初めて終わるんだ」と叱責され、徹子が立て替えるのだ。
 
一方では、堅物で、常に他人と距離を置く徹子の心境の変化(成長)を描く物語でもあったようだ。事務所のベテラン女性事務員のアドバイスや、夏子の存在が、今までに自分でも思わなかった他人への共感や思いやりを気づかせていたのだった。
 
夏子と関係を持ち、高額の絵を売りつけたチャラ男・太田古川雄大が、資産家の娘・神谷真里菜(佐々木希)がまさに結婚式を挙げている最中に、夏子は「ぶち壊してやる」と乗り込むが、会場には入れてもらえない。しかし、チャラ男をぎゃふんといわせたのは、ほかならぬ弁護士・徹子だった。

古田との面会で徹子は、夏子の訴訟関係で、古田の発言を撮影していたのだ。
その時の発言は、「オレ、いま結婚しようとしているの。資産家の令嬢で、”カネの成る木”を見つけたの。つきまとわないでくれれる」などが収められていた。

この映像が、結婚式で流されたのだ。
どうなったかは明らかだ。いくら花婿が弁解しようが、理解を得られるはずはなく、
花嫁(佐々木希)は、新郎に近づき、”股間ゲリ”をお見舞い(笑)。

ここで、夏子の演説が始まる。「とんでもない男と結婚する前に気付いてよかった。」
 
デジカメで撮影した「ビデオメッセージ」というのがカギとなっており、効果的に生かされた映画だった。それは、病院で、離婚して寂しく死んでいく前に、元妻にビデオ・メッセージを残す老人の言葉も感動的だった。できすぎといえばできすぎで、やや説教クサくないでもないが、元妻がこれを聞く機会もあり、印象的だ。

これほど、生の声で説得力があり、訴えるものは無い。
夏子は、病院の老人に対して毎日通い看護を続けていたのだ。
「これまでの人生で、最も楽しかったことベスト10は?」と聞くなどして・・・。
 
一般の評判などに関係なく、一見の価値ある映画だった。
吉田羊は、年齢非公開としているが、1974年2月3日生まれ(42歳)で、「HERO」(2014年)で一躍人気女優の仲間入り。「嫌な女」では、20代のような驚くべきキュートな表情を見せるシーンがある。年齢非公開の理由は、年齢によって役柄を限定されるのを嫌って、というのを読んだことがある。遅咲きだが、この2-3年で最もブレイクした女優の一人であることは間違いないようだ。
 
キャスト
· 石田徹子(敏腕弁護士) - 吉田羊
· 小谷夏子(女詐欺師) - 木村佳乃
· 磯崎賢(後輩弁護士) - 中村蒼
· 太田俊輔(夏子の詐欺事件関係者) - 古川雄大
· 神谷真里菜(俊輔の婚約者) - 佐々木希
· 橋本敬介(敬一郎の息子) - 袴田吉彦
· 敬介の妻 - 田中麗奈
· 近藤高明(敬一郎の隣床の入院患者) - 織本順吉
· 橋本敬一郎(夏子の内縁の夫) - 寺田農
· 萩原道哉(法律事務所 所長) - ラサール石井
· 大宅みゆき(法律事務所 事務) - 永島暎子
· 吉崎典子 - 高田敏江
· 坂口博之(徹子の元夫) - テット・ワダ
· 近藤高明 ‐ 織本順吉
・近藤公園

黒木瞳(56)は、一時期は、CMなど1位となったことがあったが、風評では、扱いにくい女優として、このところ出演が激減。起死回生を狙った監督デビューということだったようだが、ふたを開けたら、酷評の嵐。映画は大赤字。踏んだり蹴ったりの状況のようだが、女優あるいは監督として再び脚光を浴びることはあるのか・・・。

この映画、最低、と一蹴するには惜しいほど”嫌な映画”ではなかった。


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海よりもまだ深く」を見た監督は是枝裕和。主演は阿部寛
団地を舞台に、売れない小説家の主人公と、団地に一人住まいのその母親、別れた元妻とその息子。こんなはずじゃなかったと今を生きる家族を映したストーリー。

主演の阿部寛は映画歩いても 歩いても(2008)奇跡(2011)ドラマゴーイング マイ ホーム、本作と是枝作品には4度目の出演(主演は3度目)。歩いても 歩いても以来の樹木希林と親子役を演じている。

樹木希林が演じる母・淑子が住んでいる団地は是枝監督が28歳まで実際に住んでいた東京都清瀬市旭が丘団地が使われた。

導入部から引き込まれる。母と娘の会話。母「うちにも1人、大器(晩成)が・・・」娘「まあ、おっきいことはおっきいけどね」という会話の後、電車内の冴えない風貌の主人公・良多(阿部寛)の顔が映し出される。

降車駅は「清瀬駅北口」。タイトルが右わきに小さく「海よりもまだ深く」と縦書きに映し出される。この「大器」という言葉は、後に、良多が母親に向かって「俺はね、大器晩成型なんだよ」というと、母が「時間がかかりすぎでは」というセリフにつながっていく。

「歩いても 歩いても」のタイトルがいしだあゆみの「ブルーライト・ヨコハマ」の歌詞の一部からきているように、「海よりもまだ深く」は、劇中流れるテレサ・テンの曲「別れの予感」(♪海よりもまだ深く 空よりもまだ青く♪)から取られている。

映画は「歩いても 歩いても」と同様、近くでありながらもっともやっかいな家族関係を切り取っているが、この映画でも、母親役の樹木希林の絶妙の自然体の演技にうならされる。

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物語
良多阿部寛は作家として過去(16年前)に文学賞を受賞した経歴を持つが、その後は鳴かず飛ばずでずっと興信所勤めを続けていた。出版社からは漫画の原作をやらないかと勧められてはいたが、純文学作家のプライドから二の足を踏んでいたのだった。そのくせ競輪などギャンブルには目がなく、少し稼ぎがあればそこにつぎ込むばかりでいつも金欠状態

母親の淑子樹木希林や姉の千奈津小林聡美に金をせびる毎日を送っていた。そんな良多に愛想を尽かした妻の響子真木よう子は離婚して久しく、一人息子の真吾吉澤太陽のための養育費を求めるほかは接触を拒んでいた。だが、そんな良多にも父親としての意地があり、真吾と顔を合わせるときには金を都合してでもプレゼントを用意していた。

台風が日本に接近しているある日、良多は月に一度の息子との接触を持った。響子はもと夫である良多が、響子と恋人との接触を極秘調査していることに呆れ、冷たい態度を崩さない。それでも天気の崩れかたを危ぶみ、親子三人、淑子のアパートで一夜を過ごすこととなった。

父親を心配して調子を合わせる真吾は、眠れずに父と一緒に嵐のなかを外出、公園の滑り台に籠って駄菓子を味わう。戯れに話し込む親子は、将来の夢について言葉を交わす。考え込む良多は、翌日からの自分のことを振り返ってみるのだった。翌日、晴れ渡った空のもと団地を出る親子の姿があった・・・

・・・
どこの家でも、親戚・家族や兄弟でも、必ず一人くらいは、ギャンブルにうつつを抜かしたり、家族の悩みの種となるようなダメ人間がいるもの。それが良多。

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                         ギャンブル(競輪)に興じる良多

良多は、元々は地方公務員になりたかったと息子の真吾に語る場面があるが、現実は、その日暮らしのような生活で、母親、姉、さらには、興信所の若手社員・町田池松壮亮にまでお金を借りまくる始末。

また、家の中にへそくりがないか箪笥をあちこち探しまわる。
姉・千奈津小林聡美)は、そんな良多の裏をかいて、ストッキングの中にお金でも隠してあるように見せかけて、開けてみると、ダンボールの切れ端が入っていて、「残念でした!姉より」というメモがあった。

どうやら亡くなった父親譲りのようで、良多が質屋にカメラを質入れに行くと、親父さんもよく来ていた、というのだった。月一回、別れた息子に面会するが、息子からも「お金、大丈夫?」と心配されるのだ。

良多は、そのくせ、母親には、いい顔をしたくて、借金した1万円を渡して、CDでも買いなよと渡す。母親は「いい物件があるけどマンションでも買って」というと「甲斐性なしの息子ですみませんね」と言い返すのが精いっぱいだ。

母親が「ずっと寝たきりで生きている」のがいいか「ぽっくり死んで、毎日夢に出てくる」のとどっちがいいと聞いてきたときに、どっちも嫌だが「ずっと寝たきり」というと「ファイナル・アンサー?」と母親。

皆集まったところで、母親が「コーヒーを淹れるけど、違いがわかる人だと困っちゃうけどね」と「違いがわかる男」というCMの有名セリフなどもさりげなく使っている。

良多が息子のために運動靴を買ってやるというのだが、息子が気を使って安い靴を手にする。良多は「遠慮するな。ミズノにしろ」と高い靴を手に取るのはいいが、わざと階段で靴に汚れをつけて、店員に値段を負けさせるというのは、情けないというかみみっちい(笑)。興信所の探偵の傍ら、高校生をゆすってお金を巻き上げたりするが、所長(リリー・フランキー)にばれて、叱責されるのだ。

とにかく、最初から最期まで、ことばの伏線や味わいのあるセリフが多いのもこの映画の見どころ。
キャスト
· 良多(作家で興信所勤務):阿部寛
· 響子(良多の元妻):真木よう子
· 千奈津(良多の姉):小林聡美
· 山辺(山辺興信所・所長):リリー・フランキー
· 町田(山辺興信所社員):池松壮亮
· 真悟(良多・響子の息子):吉澤太陽
· 福住(響子の新恋人):小澤征悦
· 仁井田:橋爪功
· 淑子(良多の母):樹木希林

「そして父になる」「海街Diary」と今年の「海よりもまだ深く」と是枝ワールドの映画は、日本映画界では、貴重な存在だ。

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海賊とよばれた男」を見た。MOVIXさいたまにて。
冒頭、英語で、事実に基づくという字幕が出る。

明治、大正、昭和という激動の時代を舞台に、大胆な発想や行動力で大事業を成し遂げていく男の姿を描いた、実話ベースの百田尚樹の小説を岡田准一主演で映画化した人間ドラマ。ALWAYS 三丁目の夕日シリーズや「永遠の0」山崎貴監督が、焼け野原の東京を再現したVFXを駆使した映像で、の時代をリアルに映し出し物語を盛り上げている。
 
永遠の0」で日本アカデミー賞では最優秀作品賞、監督賞、主演男優賞(岡田准一)など主要部門を独占したが、今回も賞レースに絡んでくるのは間違いなさそうだ。特に主演の岡田准一は主人公の国岡鐵(モデルは出光興産創業者の出光佐三)の20代から90代までを声、風貌、演技とまったく違和感がなく演じて、驚きだ。

30代(34歳)でこの大役を務めることになる岡田准一は、三船敏郎やレオナルド・ディカプリオら名優の演技を参考にし、監督とのカメラテストを何度も行ったとい。そのかいがあ、周囲からも60代にしか見えないと評価される演技を完成させた。

・・・
1945年。B29の群れが東京上空を覆いつくし無数の焼夷弾(しょういだん)が落下。
燃え盛る東京をバックに離陸していく戦闘機「月光」だったが、機数も少なく上昇力も弱いためあえなく敵に迎撃されてしまう。その地獄のような光景を国岡鐡造(岡田准一)はただ見つめているしかなかった・・・
 
玉音放送が響く中、銀座歌舞伎座裏に奇跡的に焼け残った国岡商店ビルから聞こえる鐡造の声。「愚痴をやめよ、戦争に負けてすべてを失おうとも日本人がいる限りこの国は再び立ち上がる。日本は石油を求め、石油をめぐる戦いに敗れた。今後この国が復活するためには石油が必要になる。だからこそ我々が働かなければならない」
 
主要燃料が石炭だった時代から、石油の将来性を予感して石油業に邁進してきた鐡造は、戦後、石油の販売ができない時にも誰一人クビにすることなく、ラジオ修理などあらゆる業種に仕事を見出しながら店員たちを鼓舞。
 
GHQや官僚的な石油公団にも屈することなく独自の経営哲学とその行動力により、石油販売網を拡大していくのだった。だが、やがてアメリカ石油資本のメジャーは鐡造を警戒し敵視するようになり、その圧倒的な包囲網で国岡商店の石油輸入ルートはすべて封鎖されてしまう。
 
そんな八方塞がりの状況の中、鐡造は国岡商店の至宝である「日承丸」をイランに送ろうとしていた。しかし、イラン石油を輸入することは英国を完全に敵に回すことでもあった。
 
英国の圧力により貧困にあえぐイランと自らを重ね合わせ、既得権益にあぐらをかく米英らメジャーとの本当の意味での戦いに突入する国岡商店。果たして、日承丸は英国艦隊の目をかいくぐり無事に日本に帰還することができるのかMovieWalker)

・・・
国岡鐡造は、店員(従業員)からは、社長でなく「店主」と呼ばれる。
GHQの占領下の元、政府・官僚は、国策として、石油なども米国メジャーなど大手しか相手にせず、商店のようなちっぽけな業者は門前払いだった。国岡商店の店主・鐡造は、持ち前のプラス思考で一歩も引かず、メジャーが相手にしないのなら、とイランへ出向き石油の買い付けに打って出る。
 
店内では、唯一のタンカー「日承丸」が万一英国軍に捕獲されたら、今後仕事ができなくなり、リスクが大きすぎる博打(ばくち)に等しいという声が上がった。鐡造は「イラン行きが博打というならこれまでの仕事のすべてが博打のようなものだ」と決断は揺るがない。
 
店内には、鐡造以下の意気込み、気概を示す力強い言葉が歌のようにこだまする。
 
          「国岡(くにおか)のもんや、石油持ってきたけ!」

鐡造の最初の妻となったユキ(綾瀬はるか)が、なぜ家を出てしまったのか、置手紙で明らかになるが、数十年の時を経て、ユキが亡くなって残した遺留品の中に鐡造に関連したものがあると届けに来た若い女性(黒木華)から見せられたものとは・・・。ユキは女性にとって大祖母(おおおばだという。死期が迫った90歳代になった鐡造が、ユキが残したものを見て嗚咽するラストシーンも見どころだった。

原爆が投下されるシーンは、一口に原爆と言っても小さく分散された爆弾が投下され、家屋などが次々に破壊されていくシーンなどは強烈な印象を残す。

日承丸の船長・盛田辰郎(堤真一)は、英国が実質支配している戦場に飛び込むほどのイラン行きとなるが、一度戦争を体験した元復員兵と共に行先をイランに切り替えるのだが、「店主が行けと言うところに行くだけです」という気概と職務に対する男気を見せつける。

実はその前に国岡鐡造(岡田准一)は、盛田辰郎(堤真一)に対して「アバダンに行ってもらえないだろうか」と打診する。盛田は二つ返事で「はい、わかりました」と答える。鐡造は「イランのアバダンだぞ」と念を押す。盛田は「アバダンというところはイラン以外にないでしょう。店主が行けというところに行くのが、私の仕事です」というのだった。その後、アバダンから成果をもって帰国した盛田を出迎えた鐡造は、盛田の肩をたたいて「よくやった」とねぎらうと「行けと言われて、行って帰ってきたまでです。」といった会話だが、信頼関係が感じられた。

GHQの英語の通訳をしていた武知甲太郎(鈴木亮平)も、国岡商店の魅力に取りつかれたのか、商店の一員となる。国岡鐡造が「どうしてうちなんかに?」と聞くと、「どうしてでしょうね」と苦笑いでお茶を濁していたが・・・。鐡造という人物の生き方に惹かれたのではないか。

石油の販売会社でありながら、石油の輸入が途絶えた一時期、畑違いのラジオの修理も手掛けていたという事実も初めて知り興味深かった。

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出演陣は、いわゆる山崎貴(監督)ファミリーといえる俳優たち。
Always三丁目の夕日」の吉岡秀隆、堤真一のほか、染谷将太鈴木亮平野間口徹、ピエール瀧、光石研國村隼小林薫近藤正臣、綾瀬はるか、黒木華など豪華出演陣。製作は「日テレ」ほか。

主な出演者:
国岡鐵造 - 岡田准一
国岡ユキ - 綾瀬はるか
東雲忠司 - 吉岡秀隆
長谷部喜雄 - 染谷将太
武知甲太郎 - 鈴木亮平
柏井耕一 - 野間口徹
藤本壮平 - ピエール瀧
甲賀治作 - 小林薫
国岡万亀男 - 光石研
盛田辰郎 - 堤真一
木田章太郎 - 近藤正臣
鳥川卓巳 - 國村隼
須田邦裕
黒木華
飯田基祐
矢島健一
小林隆
浅野和之。

上映時間:145分 
 
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クリーピー 偽りの隣人」(2016)を見た。
今年の2月にベルリン映画祭で上映された模様がニュースであり、黒沢清監督は上映後「こういう“危なっかしい”映画を上映してくれたベルリン映画祭の勇気に感謝します」とコメントしていた。日本の劇場公開は6月だった。公開が半年も遅れたのは、試写の反応などが芳しくなかったからか(笑)。原作前川裕の第15回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作「クリーピー」
 
黒沢監督自身が”危なっかしい”映画と表現するように、映画のカテゴリーとしては、サスペンス・スリラーで展開はやや「冷たい熱帯魚」や「凶悪」に通じるものがある。

予告編で少女が「あの人はお父さんなんかじゃありません」というセリフが何度も繰り返し紹介されているが、その”隣人”の香川照之の一人舞台と言ってもいいほどの”怪演”のすごさに引き込まれる。”そこだけは”見どころだった。

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黒沢監督といえば、1997年のCUREによって国際的なブレイクを果たし「ドッペルゲンガー」「LOFT ロフト」などがあり、「トウキョウソナタ」(2008、第61回カンヌ国際映画祭ある視点部門」審査員賞受賞)、テレビドラマ贖罪」(2012)などが印象に残る。昨年は、浅野忠信深津絵里主演の岸辺の旅」(第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門監督賞受賞)で、外国の映画祭では常連の一人であり世界に名をはせている。

出演は、黒沢作品に4度目の出演となり元警察で現在は犯罪心理学者として大学で講義を受け持っている主人公役に西島秀俊”隣人”には、「トウキョウソナタ」「贖罪」にも出演している香川照之、主人公の妻役に竹内結子、そのほか、川口春奈、東出昌大、藤野涼子(「ソロモンの偽証」)、笹野高史(刑事役)など。
 
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「クリーピー 偽りの隣人」は、ある夫婦が、”奇妙な隣人”への疑惑と不安から、日常に潜む深い闇へと引きずり込まれていく姿を描く。6年前の未解決の一家失踪事件と、隣人一家の不可解な関係に気付いたとき、衝撃の事実が明らかになっていく。
 
事情があって刑事を辞めて犯罪心理学者となっている高倉(西島秀俊)は、後輩の刑事・野上(東出昌大)から6年前に起きた一家失踪事件の分析を依頼されるが、核心にはたどりつけないでいた。そんな中、高倉は妻・康子(竹内結子とともに新居へ引っ越すが、隣人はどこか奇妙な家族がいた。
 
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6年前の日野市事件と、主人公が引っ越してきた現在の隣人(香川照之)との関連性などや、なりすまし隣人の素性などが明かされず謎の多い終わり方だったのが残念。

6年前の事件で一人だけ取り残された娘・早紀(川口春奈がカギを握る役であるはずだが、途中で消えてしまい、ラストシーンでも登場してこないので、消化不良気味になった。
 
隣人はサイコ男であることがわかってくるが、高倉(西島秀俊)が妻・康子(竹内結子)に「変な隣人など近所付き合いはやめとけ」と注意しているのに「昨日のシチューが残ったので」と持っていくなど吸い込まれるように隣人のもとを訪れ関わるのが理解に苦しむ。

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高倉夫婦が、2,3の隣の家に引っ越しの挨拶に行くが、ある隣人の年配の女性は、「近所づきあいは面倒だから、関わらないことにしている」とダイレクトに言われるが、あるときその女性が、渦中の”隣人・西野”については、「西野は鬼です。人の心を持っていません」と語ったりする。なにか暴言か被害でも受けたのか。

サイコ男・西野のある言葉に関しての過剰反応の言葉が異常だ。
康子が「今度奥様もぜひ・・」というと、「それ、どういう意味ですか」と食って掛かるような反応をする。「いえ、べつに」というが、異常反応に気付いて遠ざからないのか。
家に帰れば、夫には「(西野という人は)感じ悪い人だった。取りつくシマがない」と話し合っているのに。

あるとき、隣人・サイコ男が下心かなにか意図を持ってか「康子さんと呼んでいいですか。御主人と私とどちらがイイですか」とおかしな話し方をするのに、抵抗して逃げ帰らない。

高倉家の愛犬・マックスが逃げてしまい、捜し歩くと公園でサイコ男が「(マックスが)町をうろついていたので保護しておきました」と返してくれるなど「悪い人ではないのではないか」といつの間にかマインドコントロールされているようなのだ。

康子の様子がだんだん少しづつおかしくなっていく。話しを聞いても何も言わず隠れて誰かと電話するまでになっていた。康子は夫のいない間に西野と会うようになっていたのだ。いつしか西野に逆らえなくなっていた康子。その腕にはいくつかの注射の跡がついていた。

・・・
ラスト・シーンもそれで終わりか・・・というエンディングだった。
それぞれの俳優は見どころがあるものの、いろいろな説明の欠如が物語を、表面的なサイコ男の狂気だけを描いているといった印象にしてしまっている。前評判ほどには話題にならなかったのも頷ける。

得体のしれない薬や特殊注射器、拳銃、死体を包んだ大きなビニールの空気を抜く装置などが登場する。このあたりは猟奇的な世界。

・・・
竹内結子は「ストロベリーナイト」で西島秀俊と共演、姫川(竹内結子)率いる”姫川班”の部下を演じ、姫川にほのかな好意を抱いていたが、それ以上の発展はなかったが「クリーピー」では夫婦役。高倉が料理を「最高においしい」というと「そんなことない」と微笑んでかわすシーンなどがいい(笑)。

☆☆☆(竹内結子出演で☆1個プラス)


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