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fpdの「映画スクラップ帖」 (名作に進路を取れ!)
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書庫▶邦画2010〜17年

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グッドモーニングショー」(2016)を見た。MOVIXさいたまにて。
先入観で、コメディ映画かと思ったが、やや違っていた。コメディ要素もあるものの、ワイドショーやテレビそのもののあり方などを問うメッセージのある映画だった。

お気楽映画と思っていたが、意外と骨のある映画だった。
特にキャスターと犯人(立て籠もり犯)の迫真のやり取りなどでは胸が締め付けられる場面もあった。

放送作家、脚本家としてテレビを知り尽くした君塚良一監督(「踊る大捜査線」シリーズ)が最新作の映画の題材に選んだのは、朝の情報番組であるワイドショー。制作はフジテレビジョン、配給は東宝

報道、スポーツ、芸能、さらにファッション、グルメや人気動画まで、視聴者が興味を持つものなら何でもネタにするのがワイドショー。

そのワイドショーの顔であるキャスター澄田真吾(中井貴一)が次から次へと降りかかる災難に翻弄されるワイドショーのキャスターを演じ、その波乱の一日を描くコメディ。同僚女子アナからの告白、番組打ち切りの危機、立てこもり事件の現場取材など、度重なるピンチに挑む男の奮闘をつづる。主人公に迫る勘違い女子アナを長澤まさみ、立てこもり事件の犯人を濱田岳が演じる。

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テレビ・ニュース、報道業界の裏側を描いた作品は、アメリカ映画などには多い。古くは「ブロードキャストニュース」(1987)から最近の「ニュースの真相」(2016)まであるが、日本映画では珍しい。

単なるドタバタコメディにならなかったのは、人質を取り、立てこもり犯に扮した濱田岳の怪演ともいえる一人芝居の演技。立てこもった動機、その目的などが明かされていく。足元に爆弾を準備し、ライフル銃を所持。一触即発の緊迫した状況での濱田岳のセリフや動きは、あの「狼たちの午後」のアル・パチーノをも連想させた。

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澄田真吾(中井貴一)は、朝のワイドショー「グッドモーニングショー」のメインキャスター。かつて報道番組のエースキャスターだったが、ある震災現場からの現場リポートが世間から非難を浴びて番組を降板。(そのシーンの真相が後に明かされる。)

以来、現場からのリポートが怖くてできなくなり、同期入社のプロデューサー石山聡(時任三郎)に拾われ今に至っている。ある日、いつものように深夜3時に起床した澄田は息子と妻・明美(吉田羊)の言い争いに巻き込まれる。

逃げるようにテレビ局に向かう途中、今度はサブキャスターの小川圭子(長澤まさみ)から連絡が入り、二人の交際を今日の生放送で発表しようと迫られる。彼女は澄田と付き合っていると勘違いしているらしい。放送中のタイミングを見て、澄田が発表しないなら、自身で”暴露”をもくろんでいたのだが・・・。

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                           ”放送事故”になりかねないシーン。

さらに石山からは番組の打ち切りが告げられ、新番組への登板もないことも伝えられ、踏んだり蹴ったりの事態に意気消沈するばかり。そんな中、都内(品川区大崎)のカフェに銃を持った男(濱田岳)が人質を取って立てこもっているという速報が飛び込んでくる。

芸能ゴシップや政治汚職、行列スイーツ特集を押しのけ、立てこもり事件をトップのネタに番組はスタートするが、その直後、立てこもった犯人が、澄田を現場に呼べと要求していることが分かる。

現場での過去のトラウマもあり困惑して拒否する澄田だったが、警察からの依頼を受けた石山からの命令、番組視聴率のため、そして圭子の暴露から逃げ出したいために澄田は現場へと向かうのだった。

やがて、防弾チョッキにカメラとマイクを仕込ませたワイドショーのキャスターが、銃と爆弾を持った犯人と向き合うという前代未聞の生放送が始まった・・・。

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前半は、キャスターである主人公が朝の3時に目覚めてから本番までを、ディテール豊かに描いていくが、あさ6時くらいからの報道ニュース番組では、その前の1時間〜1時間半くらいは、報道の順番、V(=VTR)の挿入、テロップの手配、CMの挿入、ニュース原稿の下読み(練習)などてにゃわんやの状況。

テレビ局内部の現場がリアルに再現されていて、カメラの裏側が興味深い。
報道・情報番組などでは、各紙の一面トップページが壁に貼られているシーンがあるが、新聞にはアイロンをかけその日の話題の順番を決めるため無駄のない打ち合わせなどがリアルに映し出される。

出演者が読むカンペの文字サイズ、フォントから出し方、さらにここで”テロップの発注”といった言葉が飛び交う。この映画のワイドショー番組の臨場感が出せせたのは、スタッフがテレビ出身だからであろう。空気感とディテールがすごい。

現場のキャスターと制作担当者の本音である「視聴率を取りたい」というのは、どことなく視聴率競争で敗北を続けるフジテレビの問題点を浮き彫りにしているようだ。

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「踊る大捜査線」では、”事件は現場で起きているんだ”という言葉が流行った。
「グッドモーニングショー」では、”澄田(キャスター)さんは言葉で戦っているんだ」か。

小道具がおもしろい。爆弾、銃弾除けの防弾チョッキ、特殊ヘルメット、☆印の大きなバッジに隠されたあるものなど。犯人が立て籠もった喫茶店に、犯人の要求(キャスター・澄田を連れてくるようにという要求)に応じて警察の責任者・黒岩(松重 豊)が、澄田に「☆のバッジはなんだ?」と聞くと、「勇気のしるしです」(澄田)が笑わせる。

即刻入ってくるニュースの最新情報などは、担当者がホワイトボードに、簡潔に担当者が手書きで書いて、アナウンサーが読んだり、カンペ文字が用意され、女子アナがなどが言葉を追いかけていた。ニュースの画面上にテロップや文字が現われるが、「ここでテロップを発注!」などという言葉が飛んでいた。文字を入力するのはパソコンの担当者。テレビ局内部の、ワイドショーと報道の部門との対立、力関係などにも触れられたていた。報道>ワイド、という意識が社内では支配的なようだ。

かつては報道を担当していた澄田は、現在ワイドショーを担当しているが、「ワイドショーは一時的で、すぐに忘れ去られてしまう。しかしそこに何かを残す」などと語っていた。
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極論すれば、濱田岳の演技に頼った感のある映画だった。
勘違い女を演じたら、なかなか決まっている長澤まさみもよかった。
子役のイメージが付きまとっていた志田未来だが、実年齢23歳で、アシスタントアナを堂々と演じていた。吉田羊は、夫の浮気を疑って睨む表情だけで存在感がありあり。ほかに林遣都、梶原善など。時任三郎中井貴一のツーショットは「ふぞろいの林檎たち」(テレビドラマ:1983年〜)のコンビ。時の流れを感じさせる。

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映画「怒り」(2016)を見た。MOVIXさいたまにて。
監督・李相日と原作・吉田修一という映画「悪人」(2010)のタッグにより、渡辺謙、宮崎あおい、妻夫木聡、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、広瀬すずといった豪華キャストで実現したミステリー・タッチの人間ドラマ。

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映画は、凄惨な殺人現場によって幕を開ける。
整然と家屋が立ち並ぶ、郊外の住宅地にある一軒家。そこには、2つの死体があり、食い散らかされた食べ物があり、凶器の包丁があった。そして、壁に血で描かれた“”という文字が画面いっぱいに映し出される。未解決状態の八王子で起きた尾木夫妻惨殺事件だ。

ある種の異常性を感じさせる凄惨な犯行現場。
一年後の夏。容疑者は逮捕されることなく、依然として逃走を続けている。
そんな折り、千葉、東京、沖縄の3か所に、容疑者と同年代で同じ背格好をした素性の知れない男が、それぞれ現れる。

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■千葉の漁協で働く洋平(渡辺謙)の前に現れ、漁協で働くようになる田代(松山ケンイチ)。
■東京で働くエリートサラリーマン優馬(妻夫木聡)が新宿のサウナで出会い、そのまま家に連れて帰ってしまった直人(綾野剛)。
■沖縄の離島に引っ越して来たばかりの泉(広瀬すず)が、誰も住んでないはずの無人島で遭遇した田中(森山未來)という男。

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衝動的な家出を繰り返し、東京に行っては身も心もボロボロになって千葉に戻って来る、洋平の娘・愛子(宮崎あおい)は、他人の噂話が大好きで、自分に好奇の目を向けて来る地元の人々のなかにあって、唯一自分の過去を問わず、自然体で向き合ってくれる田代に、いつしか思いを寄せてゆく。

虚飾にまみれた華やかな生活を送る一方、ホスピスに入院中の母親のことが気掛かりな優馬は、自分の見た目や職業に頓着することなく、ただ黙って傍にいてくれる直人の優しさに、不思議な安らぎを覚え始めてゆく。

そして、男にだらしない母のせいで何度も引っ越しを余儀なくされ、心の奥深くにやるせない孤独を抱えている泉は、自ら孤独であることを選び取り、たくましく生きている田中に、他の人とは異なる親しみを感じるのだった。

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これらの田代、直人、田中のいずれも素性の知れないこの3人のなかの誰が逃走中の容疑者なのか? 千葉、東京、沖縄・・・決して絡み合うことのない3つの物語を並行して描きながら、時折挿入されるニュース映像と、そこに映し出される犯人の写真、さらにはフラッシュバックする犯行時の様子が、それぞれの場所で生きる男たちへの疑惑を、次第に観る者のなかに募らせてゆく(HPより)。

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映画のタイトルの「怒り」というのは、誰かに対する怒りというよりも、関わった人物の素性がわからなかったことから、犯人かもしれないと疑い、信じることができなかった自分自身への怒りともとらえられる。

犯人捜しのミステリーというよりも、“人を信じることの困難さ”を描いた映画でもある。“信じることをためらう”という、人々の心模様をリアルに描き出している。

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李相日監督の「悪人」でも主役を演じた妻夫木聡は、ゲイの役を演じるために、ゲイバーなどが集中する新宿歌舞伎町2丁目に何度も通い、本物のゲイの人たちと共に生活をしたという熱の入れよう。李監督のあまりのしつこさは大変だったと「悪人」の時に妻夫木は語っていたはずだが、またしても監督にしごかれたようだ。

そういえば李監督の「許されざる者」に主演した渡辺謙も李監督の極寒地域での徹底ぶりに驚いていたというのを聞いたことがある。

綾野剛も、やくざのあんちゃん役などが多いが、今回は弱弱しそうなゲイの役で、妻夫木との絡みがあり、俳優というのは、仕事とはいえ、全裸になって・・・と、つくづくなんでもありで大変だ。

殺人事件の犯人は・・・が見どころでもあるが、意外な結末が待っていた、といえる。
親子を演じた渡辺謙宮崎あおいは、味わいがあった。渡辺謙の目の動きの演技や、苦悩ぶりなど静かに演じている。

イメージ 4宮崎あおいにしても妻夫木聡にしても、”慟哭”するシーンがあり、わざとらしさが見えない程度のぎりぎりセーフだったか(笑)。

妻夫木はよく映画で号泣する演技が多い。
「涙そうそう」「歌謡曲だよ、人生は」がそうだった。森山未來は、まさかの展開で驚かせた。広瀬すずも主要な役どころで、若手女優の1人で注目されているだけに存在感があった。

沖縄の米兵によるレイプ事件があったが、似たようなシーンが、この映画でもあり、問題視されていることをうかがわせる。どんちゃん騒ぎのパーティシーンがあったが、よく見るとゲイばかり集まっての異様なパーティだった。

この監督の作品では「フラガール」(2006)はお気に入りだが「悪人」(2010)もまずまずだったが「怒り」は、タブーに切り込んだシーンもあり、後味もよくなく、好みという部類からは外れるかも。

追加:日本アカデミー賞で、妻夫木聡最優秀助演男優賞を受賞。

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君の名は。」(2016)を朝一番(9:00〜)で見た。MOVIXさいたまにて。
今朝は関東地方は大雨だった。合羽を着て、傘をさして自転車という不安定な要素もあったが、初志貫徹。おかげでズボン、靴はずぶぬれ。

映画は、3週連続で1位の興行成績だそうで、興行通信社による全国映画動員ランキングで、累計では9月10日、11日の時点で、早くも動員481万人、興収62億円を突破した。

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映画は、高校生が主人公のアニメか、ふん、と思ってみると、とんでもない映像のすばらしさディテールのすごさ!)に最初から最後まで、驚かされる。まるで実写を見ているような錯覚を覚える。

新宿東口の歌舞伎町入り口前にあるLABI(ヤマダ電機)などの新宿のビル群のあっと驚く緻密さ。田舎の風景、家の格子戸のガラガラという音と絵、中でも圧巻だったのは、部屋の中の殺伐としたなかに置かれたパソコン、キーボード、本、机、カレンダー、文房具などが実にリアル。特に、女性教師が、黒板に文字を書くシーンなどは、リアルそのもの。

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特に目を見張ったのは、スマホか。いかにも現代という印象で、2010年代を象徴するように、スマホの呼び出し音や、スマホの操作のシーンなどは、まさに本物感がある。

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ストーリーのほうは、男子高生と女子高生が、夢を見ている時だけの一定の時間だけ体が入れ替わってしまうことから起こる、まわりの友人たちとの違和感や、タイムスリップなどが描かれ、彗星の爆発で隕石が落ちて結果、田舎の村(岐阜の高山周辺)が消滅したり、非日常的なことが起こったり、やや複雑だが・・・。

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        ↑(ラストシーン)「あなた(君)の名前は?」とほぼ同時にいうシーン。

この映画は、最後には、そう来たかという結末だったが、途中の「あれ?」「なんだなんだ?」など、時系列が入れ替わるシーンがあるので、ややわかりにくいが、映像の驚異という点では、アニメの技術がすごいレベルに来ていることをうかがわせる。

ストーリー:
東京の新宿区若葉に暮らす男子高校生の立花瀧(たき:声:神木隆之介)は、ある朝、目を覚ますと飛騨(ひだ)の山奥にある糸守町の女子高生宮水三葉(みつは:声:上白石萌音)になっていた。そして、三葉は瀧の身体に。2人とも「奇妙な夢」だと思いながら、知らない誰かの一日を過ごす。

翌朝、無事に元の身体に戻った2人は、入れ替わったことを自覚しておらず、記憶もおぼろげになっていたが、周囲の人達の反応から、そしてその後もたびたび「入れ替わり」が起きたことによって、ただの夢ではなく実在の誰かと入れ替わっていることに気づく。

2人はスマホのメモを通してやりとりをし、入れ替わっている間のルールを決め、元の身体に戻ったあと困らないよう日記を残すことにした。

性別も暮らす環境もまったく異なる瀧と三葉の入れ替わりには困難も多々あったが、2人とも束の間の入れ替わりを楽しみながら、次第に打ち解けていった。

しかし、その入れ替わりは突然途絶えてしまう。瀧は風景のスケッチだけを頼りに飛騨に向かうが、たどり着いた糸守町は、3年前に隕石(彗星の破片)の衝突により消滅しており、三葉やその家族、友人も含む住民500人以上が死亡していたことが判明する。

瀧は以前三葉と入れ替わった際に参拝した、山上にある宮水神社の御神体へと向かい、もう一度入れ替わりが起きることを願いながら、3年前に奉納された三葉の口噛み酒を飲み下す。

再び(3年前、隕石落下前の)三葉の身体に入った瀧は、三葉の友人である勅使河原克彦、名取早耶香の2人とともに、住民を避難させるため、変電所を爆破して町一帯を停電させたうえで、町内放送を電波ジャックして避難を呼びかける作戦を画策するが、その計画の要である三葉の父(糸守町長)の説得に失敗してしまう。

瀧の身体に入った状態の三葉に会うため、瀧(身体は三葉)は御神体がある山を登る。生きている世界には3年の時間差がある2人だったが、なぜか互いの声だけは聞こえ、名前を呼んで互いの姿を探す。

お互い近くにいるのは分かっても、見ることも触れることもできない2人だったが、黄昏時が訪れると、入れ替わりが元に戻り、そして互いの姿が見えるようになって、初めて2人は直接会話することができた。

三葉は瀧から住民を助ける計画を引き継ぎ、山を下りる。
計画通りに町を停電させ、避難指示の放送を流すが、その電波ジャックも町の職員に見つかってしまい、避難は進まないまま、三葉は改めて町長である父の説得に向かう。

瀧が「入れ替わり」という不思議な出来事にあってから5年後、そして「奇跡的に住民が避難訓練をしており死者が出なかった」糸守への隕石衝突から8年後へと舞台は移る。

瀧も三葉も、入れ替わりのこともその相手の名前も忘れていたが、漠然と「誰かを探している」思いだけが残っており、ときおり町中でその相手の気配を感じることがあった。

さらに月日が流れたある日、並走する電車の車窓でお互いを見つけた2人は、それぞれ次の駅で降り、お互いの下車駅に向かって走り出す。ようやく住宅地の階段の上に三葉を見つけた瀧と、同時に瀧を見つけた三葉は、それぞれ歩み寄っていく。

すれ違ったところで瀧が話しかけ、2人とも互いに探していた相手だと分かって涙を流し、そして2人同時に名前を尋ねた。「君(あなた)の名は。」

それにしても、5,60年前の大ヒットメロドラマ「君の名は」とは、タイトルだけで、似て非なる作品だった!

日本におけるアニメ映画の興行ランキングを見ると1位の「千と千尋の神隠し」の301億円は別格としても、ジブリ・アニメ、外国アニメ(ピクサー、ディズニーなど)を含めても60億円突破は、歴代アニメの興収で、現時点で「20位圏内」に入ったことは確実のようだ。Top10に迫る勢いがある。ジブリ以外のアニメで100億円を突破したアニメはないので、どこまで肉薄するか見どころ。(追加:10月14日時点で145億円突破。邦画で6位。外国映画含めて12位。)

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愛の流刑地の鶴橋康夫監督最新作の「後妻業の女」(2016)を見た。MOVIXさいたまにて口八丁手八丁で、とにかくしぶとい強欲女を演じる大竹しのぶの圧倒する演技のすごさにくぎ付けとなった。映画はコメディであるとともに少子高齢化、老老介護などで社会問題化するシニア世代の孤立を浮き彫りにしている
 
金持ちの男の後妻に入り、全財産を奪う“後妻業の女”と彼女に翻弄される人々と人間のあくなき強欲をユーモアと皮肉たっぷりに描く人間ドラマ豊川悦司は「社会派新喜劇」しているという。
 
後妻業の女とグルになって人を騙す結婚相談所の所長を豊川悦司、ターゲットになる不動産王を笑福亭鶴瓶が演じるなど、実力派たちの演技が物語をより濃密なものにしている。

金持ちのシニア専門の結婚相談所というのは建前で、その実は、所長が参加者を装う仲間の小夜子という女を使って、次々に結婚詐欺をしていき、なかなか死なない老人は、所長が始末するという殺人も絡んでいる。
 
同じ手口で、何人かの老人が事故死しているが、亡くなった老人の娘が興信所の探偵を使って調査を進めるが、探偵(元刑事)は探偵で、これは結婚詐欺師をゆすれば金づるになるとみて、徹底調査した資料をちらつかせて、高く売りつけようとするなど、どれもこれも欲の皮は厚い。
 
果たして、後妻業の女と黒幕の所長の運命はいかに・・・。
(ネタバレになるのであとは書かない)。

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結婚相談所主催のパーティーで可愛らしく「趣味は読書と、夜空の星を眺めることです。」と毎回、自己紹介する武内小夜子(大竹しのぶ。その魅力に、男たちはイチコロになっている。その一人、耕造(津川雅彦)と小夜子は惹かれ合い、結婚する。
 
二人は幸せな結婚生活を送るはずだったが、2年後、耕造が亡くなる。
葬式の場で、小夜子は耕造の娘・朋美(尾野真千子)と尚子(長谷川京子)に遺言公正証書を突き付け、小夜子が全財産を相続する事実を言い渡す。

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納得のいかない朋美が調査すると、小夜子は後妻に入り財産を奪う“後妻業の女”であったことが発覚する。その背後には、結婚相談所の所長・柏木(豊川悦司)がいた。朋美は裏社会の探偵・本多(永瀬正敏)とともに、次々と“後妻業”を繰り返してきた小夜子と柏木を追及する。
 
一方小夜子は、次のターゲットである不動産王・舟山(笑福亭鶴瓶)を本気で愛してしまう・・・(MovieWalker)
 
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亡くなった耕造の二人の娘のうちの一人、朋美(尾野真千子は、父の再婚相手の
小夜子が気に入らなかった。財産目当てで、後妻業だとにらんで、ことあるごとに対立してきたが、居酒屋での口論と格闘は、本気モード全開の殴り合いの”女の戦い”がすさまじい。本気で相手を殴り、相手の尻を蹴り飛ばす!

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一方、同じ姉妹でも、こうも性格が違うのかと思う尚子(長谷川京子はおっとりしたタイプ。父親をさほど大事にしてこなかったことから再婚して、父が喜ぶ姿にやや安心感を覚え、現実を受け止め、それほど被害にあったとは思っていないのだ。
 
大竹しのぶは、16歳でのスクリーンデビュー作映画青春の門(筑豊篇)」(1973年)以来今日まで、女優一筋40年以上、第一線にあって女優のキャリアを積み上げ、日本のトップ女優の地位を築いてきた。この七変化、百面相のような様々な表情と圧倒する存在感はすごいの一言。あるときはしおらしく乙女のように、あるときは、たばこぷかぷかのあばずれのように。
 
豊川悦司も、金儲けに関して、「ずる賢い」といわれれば「ズルは取ってもらいたいね。賢いだけだ」ととにかく他人を利用することしか考えていない。探偵に、後妻業の黒幕であり、老人の殺人の証拠などを突きつけられると、一転して「500万円で資料を買い取りたい」といってくるが、探偵が、返事をしないと、金額を小出しに吊り上げて、3000万円まで、これが限界だといってくるのだ。
 
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今や日本社会では、65歳以上の一人暮らしは600万人以上と言われている。
その結果“熟年離婚”が急激に増加し、その反動で“熟年婚活”も増加し、“後妻業”が生まれる。そんなリアルな社会問題を、豪華なキャストが演じるどこか可笑しみのある登場人物たちが喜劇へと変える・・・というのがこの映画。
 
脇役陣も、一癖ある個性的な役者が勢ぞろい。
 武内 小夜子 - 大竹しのぶ
 柏木 亨 - 豊川悦司
 中瀬 朋美 - 尾野真千子
 西木 尚子 - 長谷川京子
 三好 繭美 - 水川あさみ
 岸上 博司 - 風間俊介
 瀬川 英子 - 余貴美子
 武内 香代 - ミムラ
 守屋 達朗 - 松尾諭
 山田 孫六 - 笑福亭鶴光
 杉村 理紗 - 樋井明日香
 奥本幸之助 - 梶原善
 元木日出夫 - 六平直政
 津村泰治 - 森本レオ
 武内宗治郎 - 伊武雅刀
 樫本長次郎 - 泉谷しげる
 桜田順 - 柄本明
 舟山 喜春 - 笑福亭鶴瓶
 中瀬 耕造 - 津川雅彦
 本多 芳則 - 永瀬正敏

気が早いが、大竹しのぶの日本アカデミー賞主演女優賞は「当確」か?。
映画はすべて関西弁だが、大竹しのぶの関西弁もすごいと評判。
何かの記事で「(関西弁を覚えたのは)元ダンナ(さんま)の影響?」という質問には「関係ない」と答えていたようだ(笑)。痛快エンターテイメントといった映画だ。行き過ぎた?エロティックな描写もある。見て損のない映画。
 
 予告編

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今年初めに劇場公開(初上映は、2015年10月の「東京国際映画祭」)された「俳優 亀岡拓次」を観た。映画のわき役専門俳優の不器用な片思いの恋を描いたハートフル・コメディ。主人公を演じるのは、安田顕

安田顕といえば、演劇ユニットTEAM NACSのメンバーで、最近では「龍三と七人の子分たち」のチンピラやくざや「ビリギャル」の嫌味な高校教師役など個性的で曲者役者的な風貌などで存在感を増している。映画での単独主演は初めてか。

安田顕が演じるのは、オファーがあればどんな役でも演じ、私生活では酒を楽しみとする主人公の慎ましい人生を、業界でありがちな出来事をちりばめながらつづっていく。

戌井昭人の小説を基に「ジャーマン+雨」などの横浜聡子が監督。
横浜監督の映画は、松山ケンイチ主演の「ウルトラミラクルストーリー」(2009)年以来6年ぶり。

地味だが魅力的な主人公のキャラクターと、ハートフルなストーリーに注目。
「ウルトラミラクル〜」にも出演していた麻生久美子が、居酒屋の若女将を演じているが、亀岡拓次が惹かれるように、自然体で久しぶりに?魅力的に映った。 

・・・
俳優の亀岡拓次(安田顕)は37歳の独身。次から次へと現場を渡り歩いては小さな役をこつこつと演じていき、スタッフからの信頼は厚い。

彼に回ってくるのは主役ではなく脇役ばかりではあるものの、極力、不平不満を口に出さず、撮影現場と酒場を行き来する地味な毎日を過ごしていた。

ある夜、ロケのために訪れた長野県諏訪市で立ち寄った居酒屋「ムロタ」で若女将の室田安曇(あずみ)(麻生久美子)に恋をしてしまう。しかし亀岡は撮影のため都内から地方まで方々に飛ぶ上に、初めての舞台の仕事が入り劇団「陽光座」の稽古場にも通う日々。

そんな中、極秘来日した世界のアラン・スペッソ監督の新作オーディションを受けるというチャンスが舞い込み、亀岡は憧れの監督の前で懸命に熱演する。

ある時、脇役仲間の宇野(宇野祥平)に恋をしているかふと尋ねたところ、てっきり自分と同じく独り身だと思っていた彼が結婚していたことを知り、亀岡の心に火が付いた。亀岡は花束を手に安曇のいる「ムロタ」に向かってバイクを走らせる――。
(MovieWalker)。

・・・
映画の冒頭は、逃げる男が銃に撃たれて死ぬシーンが現われるが、やや不自然に感じたら、映画の撮影のシーンだった。

監督によると「死に方がくどい」と演じた俳優に伝えられ、”カメタク”に見本を見せてもらえ、ということになり、カメタクこと亀岡拓次が呼び出され、同じシーンを撮り直す。銃で撃たれたカメタクは、下手な細工はせずに、後ろにばたんと倒れて息を引き取る。監督の声が響くーー”それ!”。

舞台は変わって、カラオケのスナック。
中年男がマイクを握って「私、祈ってます」を歌うなか、亀岡に携帯に電話が入る。
女性マネジャーからで「週末は長野。来週は東京。舞台のオファーが来ているがカメちゃんは舞台はやらないのよね。断っておく」というと、亀岡は、「やります」という返事。マネジャーは、「飲みすぎないでね。詳細は、”しらふ”の時に知らせるから」で、
タイトル「俳優 亀岡拓次」となる。

ここまでは、たっふぃーさんのブログでの言葉を借りれば、「つかみはOK」の出だしだったのだが・・・。中盤、外国からの監督が出てきたり、アメリカの宇宙飛行士の夫が浮気をしたとかで、妻が車を飛ばして、スパナを持って夫を殺しに行く、というニュースが入ったり、それらは何らかの関係も出てくるのだが、わき道にそれたりして、やや散漫な印象の映画となってしまったのが残念。

最後の砂漠を歩くシーンは、これから進むべき方向を暗示するような作りだったが、今一つピンと来なかった。

・・・
居酒屋の若女将の安曇(麻生久美子)は、3歳の男の子がいるが別居していて、出戻りで実家の居酒屋で仕事をしていることがわかるが、安曇から「また(夫と)やり直そうと思っている」と聞かされた亀岡拓次は、思いを伝える前に、儚い片思いの恋が終わりを告げたことを知る。

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居酒屋のカウンター越しにかわす会話のやり取りが味わいがあっていい。
(「駅STATION」の高倉健と倍賞千恵子の雰囲気までは行かないが)安曇(あずみ)が「お仕事は?」と聞いきたので、亀岡は「ボーリング場の球を売っています。」ととっさにうそをつく。

地元では人気という「寒天」がサービスで出される。
次に店に行った時には、「亀岡さんから聞いたという映画関係者が来たけど、俳優だったのね。すっかり演技にだまされた」という安曇。今回店を訪ねてきたのは「安曇さんに会うために来た」という亀岡だが「それも演技でしょう」と思われてしまう。

そんなたわいない会話だったが、ほんわかとして心が通じ合うような雰囲気があった。タコぶつと寒天がうまそうだった。

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                  こんな妄想シーンもあった。
・・・
脇役陣が豪華。舞台劇の大物女優役として三田佳子、大御所監督役として山崎努などが出演。ほかに、染谷将太、新井浩文、宇野翔平、杉田かおるなど。シリアスからコメディまで何でもこなす麻生久美子を見るだけでも価値ありの1本(笑)。

  予告編

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