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fpdの「映画スクラップ帖」 (名作に進路を取れ!)
★「9月1日から「はてな」ブログに移りました。https://fpd.hatenablog.com/

書庫▶洋画2010〜17年

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韓国映画「ハウスメイド」(原題:The Housemaid, 2010)を見た。
以前、未見の段階で一度記事にしたことがある。
 
この映画は、韓国の1960年の名作とされる映画「下女」(故キム・ギヨン監督)のリメイク作品。監督は海外でも評価の高いイム・サンス監督。R-15。

主演は、カンヌ国際映画祭主演女優賞に輝き、韓国で2010年を最も輝かせた女優
No.1に選ばれた「シークレット・サンシャイン」などのチョン・ドヨン。共演は「新しき世界」「タイフーン」など日本でも大人気のイ・ジョンジェ
 
一級の芸術品に彩られた豪華邸宅を舞台に金で何でも解決する人間と、人間のように扱われないことに怒りを覚えるメイドの確執を官能サスペンス仕立てで描いている。

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上流一家に仕えるためにやってきた無口で従順なメイド、ウニ。危うい魅力を持つウニが、一家の主から求められるままに関係を持って以来、次々と不可解な出来事が起こり始める。やがて、一家とメイドたちがそれぞれの人生を賭けた駆け引きの果てに迎えた、神や運命さえも予測できなかった衝撃的すぎる結末とは──?
 
【ストーリー】
決して裕福では無いウニチョン・ドヨンは、ある日住み込みのメイドの仕事の話しをもらう。彼女に会いに来たのは既にそこで長くメイドとして働いているビョンシクユン・ヨジョンという中年の女性で、ウニをスカウトしにきたのだ。

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金持ちの自宅のメイドということで戸惑ったが、ウニはその仕事を受けることにする。その邸宅は若い夫婦と一人娘ナミが暮らしていた。美しい妻のヘラは現在双子を妊娠中であり、かなりお腹が重そう

ウニに任されたのはこの家族の掃除や洗濯、食事に至までのすべててであり、ビョンシクに制服をもらうと仕事の流れを説明された。
 
風呂掃除をしていると主であるフン(イ・ジョンジェが仕事から帰宅し、知らずにドアを開ける。今まではベテランで中年のメイドしかいなかったこの家に、若くて溌剌としたウニがいることでフンの様子が少し変化したことをビョンシクは見逃さなかった。
 
ウニはビョンシクの厳しい指導の中、仕事に慣れていく。
子供好きなウニは、可愛く素直な主の一人娘のナミを大事に扱い、ナミもまた彼女に懐くようになっていく。

何でも物事を金銭で解決するこの邸宅の中で、ナミだけが純粋でウニをメイドとしてではなく人間として扱ってくれていた。
 
ある日、フンは皆が寝静まった屋敷の中で1人どこかへ向かう。それはメイドであるウニの部屋だった。ワインを持って突然訪れたフンに驚いた様子のウニだったが、明らかに自分を性の対象として見ているフンにウニもまんざらではない態度で接する。そして2人は誰にも言えぬ関係になってしまったのだった。
 
そのことにいち早く気がついたビョンシクは、さらにウニが妊娠初期であるということも気がついてしまう。

ビョンシクはフン夫婦のメイドとしてこの屋敷を守っていたが、ヘラの母親と内通していた。ビョンシクは、見張り役でフン夫婦のことや新しいメイドのことなどを逐一報告をしていたのだった。

ビョンシクヘラの母親にウニとフンのことを告げ口すると、母親激怒母親はすぐに屋敷に出向くと、ロビーの真ん中にあるシャンデリアに梯子をかけて掃除しているウニを狙った。
 
階段を降りた時にロボット掃除機があって、それにつまずいたりをして梯子を倒したのだった。梯子のてっぺんに座っていたウニは転げ落ち、頭を強打し、病院に運ばれたが幸いウニは軽い脳しんとうですんだ。

しかし母親とビョンシクが気になったのは妊娠のこと。偶然の流産を願ったが、それは叶わなかった。しかし病院の検査で妊娠が判明するだろうとふみ、中絶させようとする。同時にヘラにもウニとフンの関係が伝えられ、屋敷は不穏な空気に包まれ始めるのだった・・・
 
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・・・
映画の冒頭で、庶民的な商店街が映し出され、一人の若い女性がビル飛び降り自殺するところから始まる。この時、スクーターに乗った女性ふたりが、飛び降り現場をやじうま的に見物する。そのうちのひとりが、本作の主人公ウニだった。子供を産みたかったウニが意識不明の時に、ヘラの母親の差し金で知人の看護婦によって中絶させられてしまい、その復讐劇かと思ったら、予想外の驚きの展開となった。
 
義母がウニの子供を勝手に中絶させたことに対して、フンは怒りをあらわにする。「ヘラ〈妻)が産んだ子供だけが俺の子か?」。ベテランのメイドは日本の女優に置き換えると吉行和子、主人公ウニは、時に池脇千鶴、時に深津絵里といった雰囲気(笑)。
 
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主な登場人物
ウニ(チョン・ドヨン)貧しいその日暮らしをしている女性で、突然金持ちの屋敷のメイドとして働くことになる。穏やかでのんびりした性格で子供好き。
ビョンシク(ユン・ヨジョン)長年屋敷にメイドとして務めているベテラン女性。家族からは時々「女史」と呼ばれる。屋敷のことはすべて把握している。冷酷に見えるが実は優しく、ウニを娘のように思って接し始める。
一家の若き主人フン(イ・ジョンジェ)
大富豪の御曹司で、外見は紳士。身ごもった美しい妻ヘラ(ソウ)と6歳の娘ナミがいながら、新しいメイドのウニと関係を持ち、妊娠させてしまう。全てを金で解決しようとする。グランドピアノで「ベートーベン」などのクラシックをひく。
ヘラ(ソウ)フンの若妻。双子を身ごもっている。夫の浮気には寛大だが、自己中心的。
■ヘラの母親(パク・チョン):ベテラン・メイドのビョンシクから、一家の情報をくまなく仕入れている。

                                                                予告編

 

下敷きとなった映画「下女」(1960)も見たくなった。
 
☆☆☆
  

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西暦79年の古代都市ポンペイヴェスヴィオ火山を題材にした「ポンペイ」(原題:
Pompeii, 2014)を見た。これまでに「ポンペイ最後の日」(1960)など何度も映画化されている

古代ローマ人の余暇地として栄えたポンペイは、現在のイタリア・ナポリ近郊。
そこでは奴隷などを戦わせる剣闘士(グラディエーター)の格闘が盛んだった。紀元(西暦)62年、ケルト騎馬民族の反乱が起こり、ケルト人の唯一の生き残りの子供マイロが17年後に成長して剣闘士になったところから物語が始まる。

「ポンペイ」は「バイオハザード」のポール・W・S・アンダーソン監督が奇抜な演出を控え、正統派のスペクタクル歴史ロマンを完成させた。ポンペイの歴史に名を借りた壮大なラブストーリーとも言える。

この映画では、クライマックスの火山の大噴火で人々が大混乱に陥るシーンに、全スケジュールの3分の2を費やし、作品完成まで6年を要したといわれる。

■簡単なストーリー:
イメージ 8ローマ人に一族を滅ぼされたケルト人騎馬族の生き残りで、奴隷となりグラディエーターとして成長したマイロは、ポンペイの有力者の娘カッシアと出会い、身分の差を乗り越え恋に落ちる。しかし、カッシアは、かつてマイロの家族を殺したローマの上院議員コルヴスに婚約を迫られていた。やがて自由の身になったマイロが街を離れようとした時、ヴェスヴィオ山が噴火。マイロは愛するカッシアを救うため、溶岩が迫りくる街へと舞い戻る。

・・・
紀元62年、ローマ帝国の支配に抵抗したケルト人はコルヴス率いるローマ軍に蹂躙され、少年マイロだけが生き残るが、彼は奴隷として売り飛ばされる。

十数年後の紀元79年、マイロ(キット・ハリントン)はロンディニウムで敵う者なしの剣闘士に成長していた。マイロの持ち主グラセウスは彼の実力に満足し、興行のために奴隷たちを引き連れてポンペイに向かう。

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その途中、一行は裕福な商人の娘カッシア(エミリー・ブラウニング)の馬車と遭遇し、マイロは怪我をして苦しんでいる彼女の馬を殺し、苦しみから解放する。

カッシアは1年間ローマに滞在していたが、傲慢なローマ人たちに嫌気が差して故郷に戻ってきていた。
 
マイロはブドウ収穫祭のイベントである剣闘会に出場することになり、対戦相手にはポンペイ最強の剣闘士アティカスが選ばれた。アティカスもマイロと同じく被征服民族の出身で、マイロとの戦いに勝利した暁には自由の身を与えられることになっていた。

同じ頃、ローマの権力者で元老院議員のコルヴス(キーファー・サザーランド)がポンペイを訪れ、カッシアの父セヴェルス(ジャレッド・ハリス)と会談していた。セヴェルスはコルヴスを宴に招き、ポンペイ再建の資金を得るためにコルヴスに協力を求めたが、彼の目的はローマで出会ったカッシアを妻に迎えることだった。これは政略結婚だった。コルヴスの傲慢さを嫌うカッシアは彼の申し出を断る。

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イメージ 9宴には貴婦人たちの夜の相手をするためにマイロたちも呼ばれていたが、ヴェスヴィオ火山が噴火して、カッシアの馬が暴れ出す。

マイロはカッシアに頼まれて馬をなだめ、恋に落ちていた二人は馬に乗り逃亡する。しかし、二人はコルヴスの追手に追い付かれ、マイロは殺されそうになる。

カッシアの懇願でマイロは助かるが、コルヴスは剣闘会でマイロを殺すようにグラセウスに命令するのだが・・・。

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古代ローマ帝国時代の都市ポンペイの盛衰がダイナミックかつスペクタクルの映像で描かれる。足を頑丈な鎖でつながれながら相手を次々に斬り倒していくグラディエイター(剣闘士)のアクションを新鋭キット・ハリントンが熱演している

巨大なヴェスヴィオ火山の噴火でポンペイは埋没し、この時の犠牲者は2000人以上といわれるが、映画は、特殊効果(VFX)を駆使して大災害を再現している。
大津波の怖さ、恐怖の悲劇をまざまざと見せつる。

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主な出演者:
●マイロ:キット・ハリントン・・・ケルト人で5,6歳の頃、ローマに対するケルト騎馬民族の反乱で家族全てを失い、唯一奇跡的に助かり、ローマの奴隷となり、剣闘士として成長する。
●カッシア:エミリー・ブラウニング・・・裕福な商人の娘で、マイロに好意を抱くようになる。
●アウレリア :キャリー=アン・モス・・・ カッシアの母。
●アティカス:アドウェール・アキノエ=アグバエ・・・ 黒人で最も強い剣闘士として知られた。マイロと戦ったが、マイロに理解を示し、ともに戦うことになる。
●アリアドネ:ジェシカ・ルーカス・・・ カッシアの侍女
●セヴェルス: ジャレッド・ハリス・・・カッシアの父で裕福な商人。
●コルヴス:キーファー・サザーランド・・・ローマの権力者で元老議員。

                                                予告編

ポンペイを題材にした主な映画は以下のとおり。
■「ポンペイ最後の日(1926年、監督:カルミネ・ガローネアムレー
  ト・パレルミ
■「ポンペイ最後の日(1935年、監督:アーネスト・B・シュードサック
■「ポンペイ最後の日(1950年、監督:マルセル・レルビエパオロ・
  モッファ
■「ポンペイ最後の日(1959年、監督:マリオ・ボンナルド
■「マジック・ツリーハウス(2012年、監督:錦織博
■「ポンペイ(2014年、監督:ポール・W・S・アンダーソン
  
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危険なメソッド」(原題:A Dangerous Method2011)を見た。
「イースタン・プロミス」のデヴィッド・クローネンバーグ監督が、二人の偉大な心理学者ユングとフロイトの友情と決別の軌跡を、知られざる史実をベースに実在したある女性患者との関係に焦点を当ててミステリアスかつ官能的に描き出すヒューマン・ドラマ。ジャンルは、歴史・文芸映画か。
 
出演はマイケル・ファスベンダー、ヴィゴ・モーテンセン、キーラ・ナイトレイ
1904年、チューリッヒ。若き精神科医ユングは、精神分析学の大家フロイトが提唱する“談話療法”を新たな患者ザビーナに実践し、彼女の心の奥底に眠る性的トラウマを突き止めて治療に成功する。

しかし二人はいつしか医者と患者の一線を越え、愛人関係に。
そんな中、一度は師弟のような友情を築いたフロイトとの間にも溝が生じ始めるユングだったが…。フロイトを演じたヴィゴ・モーテンセンゴールデン・グローブ賞の助演男優賞にノミネートされた。

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心の奥底に眠る感情をあぶり出す“言語連想テスト"やユングとフロイトが意見交換する“夢分析"シーンなど知的好奇心を刺激するエピソード数多く描かれている。
 
1993年のノンフィクション本A Most Dangerous Methodの舞台版であるThe Talking Cure(2002年)原作、その脚本家であるクリストファー・ハンプトン自らが脚色した。
 
クローネンバーグとヴィゴ・モーテンセンコラヒストリー・オブ・バイオレンス」「イースタン・プロミスに続いて3度目。
 
ストーリー
1904年。ロシア系ユダヤ人女性ザビーナ・シュピールラインキーラ・ナイトレイが、チューリッヒにある精神病院ブルクヘルツリ(チューリッヒ大学付属病院)へ重度のヒステリー患者として運び込まれた。
 
29歳のカール・グスタフ・ユングマイケル・ファスベンダーはこの病院で精神科医として働いていた。精神分析学の大家フロイトが提唱する“談話療法”に刺激を受けた彼は、受け持ち患者であるザビーナにその斬新な治療法を実践する。
 
間もなくユングは、ザビーナの幼少期の記憶を辿り、彼女が抱える性的トラウマの原因を突き止める。彼女の発病のきっかけは、幼少期に受けた父親からの折檻だった。その屈辱とマゾヒスティックな快感が彼女の中でせめぎ合い、彼女自身が自分を汚らわしい存在と位置付けていた。
 
更に、彼女の中には「ドイツ語を話す天使の声」が生まれ、本来そのような罰を受ける謂れはないのだと無意識に自己を守り始める。こうしてザビーナの精神は引き裂かれ、統合失調症と呼ばれるようになったのだ。
 
一方、ザビーナは非常に賢い女性だった。家は裕福で、厳格な父親が高い教育を受けさせていた。ザビーナは、ボーイフレンドを作る暇もなく勉学に励んできた。そこで、ユングと病院は彼女を単なる患者として扱うのを止め、医学の道を目指す彼女にユングの助手という役割を与え
 
助手としてのザビーナは、実に優秀だった。ユングが実験の為に自身の妻エマを装置に繋ぎ、次々に言葉を連想させていく。ザビーナの役目は機械が測定した肉体反応の記録だが、同時に彼女はエマの深層心理を鋭く分析していた。
 
妊婦のエマの妊娠や、出産によって失うだろう夫からの関心に対する不安を指摘するザビーナ。ユングは、彼女の洞察力や適応力に目を見張るものがった

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しかし、やがて医師と患者の一線を越えてしまった2人は、秘密の情事を重ねるようになり、ザビーナをめぐるユングの葛藤はフロイトとの友情にも亀裂を生じさせてゆく。ユングは貞淑な妻よりも遥かに魅惑的なザビーナとの“危険なメソッド”に囚われ、欲望と罪悪感の狭間で激しく揺れ動くのだった
 
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精神医学界の権威、ユングとフロイトに大きな影響を与えた一人の女性の物語で、冒頭で車の中で暴れている女性がキーラ・ナイトレイとは気がつかないほどだった。

イメージ 10イメージ 9実は統合失調症患者であり、顎を突き出し、まるでチンパンジーのように騒ぎたて、キーラ・ナイトレイがヒロインであるザビーナを怪演。ザビーナの精神的葛藤を体当たりで演じるキーラ・ナイトレイのこの身体表現が圧巻だった
 
・・・
心理学など全く詳しくないが、心理学三大巨匠といわれるフロイト、ユング、アドラーの3人名前だけは聞いたことがあるといった程度。
 
同じ時代を生きた3人は、力動精神医学を研究する精神科医であったということ学説に共通点も見られたが、フロイトの弟子であったユングも、共同研究者のアドラーも、フロイトが提唱した「無意識」の概念を継承しつつ、異なる考えを持って研究を進めていったという
 
3人の学説の違いは以下のとおり
フロイトの無意識論意識は氷山の一角」
ユングのタイプ論自分の性質を捉え、自己実現を試みる」
・アドラーの心理学「人は行動の理由を過去に求める」
 
わかったようなわからないような(笑)。
フロイトは、人間の行動にはすべて心理的な裏付けがあり、それは「無意識」だとした。我々の発言・行動の多くは、意識的でも、無意識の影響が大きいというもの。このフロイトの無意識の学説は、現在のカウンセリング技法に広く浸透しているという

この他にもフロイトは画期的な考えをいくつも提示しているといい、人間の無意識が顕著に現れる「夢」に着目。無意識は、自ら自覚できない性質のもの。フロイトは夢の分析で、無意識を探ることした。目が覚めた時に、リアルに感情が動くような体験をしたことがあるのではないかというものだ。
 
確かに無意識で見た夢が、何かしら現実と結びついているのではないかと思われることがある。なぜ、この夢を見たのかと考えることはある。すぐに夢の中身は忘れてしまうが…。

                                                  予告編

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主な登場人物(俳優):
イメージ 7ザビーナ・シュピールライン(キーラ・ナイトレイ
ロシア系ユダヤ人の女性。厳しい父親との関係(幼い頃折檻を受けていた)から統合失調症となり、入院する。良家の出身で、大学まで進学している才女。ユングとの出会いを通じ、精神病患者を救う分析医になりたいと強く願うようになる。
カール・グスタフ・ユング(マイケル・ファスベンダー
スイスのブルクヘルツリ精神病院に勤める精神科医。フロイトの学説に傾倒している。真面目で向上心が強く、研究熱心。プライベートでは、貞淑で財産もある妻との間に子を設けるが、研究対象だったザビーナの危うい魅力に惹かれていく。
ジークムント・フロイト(ヴィゴ・モーテンセン
精神分析学の権威。たくさんの弟子を抱え、自説にプライドを持ち、新しい意見に耳を傾ける事が難しくなっている。若く精力的なユングを後継者に指名するが、次第に非科学的になっていくユングの考え方が受け入れられない。
イメージ 8エマ・ユング(サラ・ガドン
ユングの妻。控え目で、夫の研究にも協力的な妻。妊娠で体形が崩れたり、第一子が女児だった事を気に病んだりするなど、神経質な面も。

やや理屈っぽく理解しづらいところもあるが、精神分析の分野で20世紀初頭の歴史上にいた有名な人物像の一端を知ることができたのは、見た価値がありそう。こうした人物がナチスの台頭でユダヤ人であったために、殺されたという厳しい現実も後で起こるという悲劇も待っていた。


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アウシュビッツ収容所でユダヤ人虐殺を行ったゾンダーコマンド(特別労務班)たちを描いたハンガリー映画サウルの息子」(2015)を見た。第88回アカデミー賞で外国語映画賞を受賞。また、ハンガリー映画としては史上初めてとなるゴールデングローブ賞外国語映画賞を受賞。
 
「すごい」「壮絶」「恐ろしい」…では表現できない”凄まじい”映画。
ハンガリーの自身がユダヤ系のネメシュ・ラースロー監督の長編デビュー作。
ルーリグ・ゲーザ主演。

・・・
第二次世界大戦の時にナチスドイツが行ったホロコースト(ユダヤ人に対する組織的大量虐殺)を扱っているが、ユダヤ人の絶滅のためにポーランドに作ったアウシュヴィッツ=ビルケナウ収容所が舞台

同じホロコースト映画では、「シンドラーのリスト」が有名で「シンドラー・・・」ではポーランド系ユダヤ人を自身が経営する軍需工場に必要な生産力だという名目で絶滅収容所送りを阻止し、その命を救った実話を描いていた
 
「サウルの息子」が描いているのは、ホロコーストでは、実際にどのような大量虐殺が行われていたのかを内側から描いているところが驚きだ。
 
ユダヤ人の虐殺を手助けしていたのがユダヤ人のゾンダーコマンド(ドイツ語で「特殊部隊」→特別労務班)たちで、その中の一人が主人公のサウルだった。

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ユダヤ人の殺戮にドイツ・ナチスが自分の手を汚さずに、ユダヤ人にさせていたというところが恐ろしいところ。ホロコーストの大量虐殺というのは、極秘裡にすすめられていたナチスの作戦で、万一その事実が明るみに出た時にも、非難をされずに済むようにしていたようだ。
 
ゾンダーコマンドになると、ガス室行きは免れるが、やがてゾンダーコマンド自身も最終的に抹殺されるといううわさが広まっていく。当然、生き延びるために脱走を図ろうという動きも出てくる。

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             「何をしようとていた」と問い詰められるサウル。

ナチスは、ゾンダーコマンドの中に「カポ」というユダヤ人の監視役を一部のユダヤ人に負わせていて、脱走・反抗など不穏な動きを阻止しようとしていた。
 
多くのユダヤ人にとっては「カポ」というのは裏切り者のわけで、ゾンダーコマンド同士の会話は極端に少なく、細心の注意が払われていたのだった。
 
映画は、ヨーロッパ各地からユダヤ人が「強制労働」の”名目”で、列車で運び込まれてくる。待ち受けるゾンダーコマンドがユダヤ人(作業着の背中に赤い文字で「X」の印がある)である。

ゾンダーコマンドたちが「作業前に消毒のシャワーを浴びるから、全員(男も女も子供も)裸になって衣類をハンガー、フックに掛けてシャワー室に入るように」と促す。
 
一旦全員がシャワー室に入ると、衣類はゾンダーコマンドによってまとめられる。
もう二度と着ることがないからだ。列車で運ばれたユダヤ人の一つのグループ全員がシャワー室にはいると、入口は鍵で閉ざされる。すると、中から絶叫、悲鳴が数分間聞こえるがやがて静かになる。

その間、ゾンダーコマンドは、ハンガーの衣類を取り外し、金目のものをすべて取り出し、箱にまとめて、ナチス隊員に渡すのだった。貴金属などを隠し持とうとすると、その場で軍曹に射殺されるのだ。
 
列車が到着するたびにこれが繰り返されるが、シャワー室の死体の山を処理するのもゾンダーコマンドの役割で、次々に運び出し大きないれものに放り込む。まさに「モノ」扱いだった。

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軍曹やその部下たちの命令が響く。
 
「早く”部品”を処理しろ!」(ユダヤ人一人が一個ということだ、と言うセリフもある)
「部品を燃やせ!」
 
字幕は出ないが、ドイツ語で”Schneller!(シュネラー:急げ)Schneller(シュネラー:急げ)!””Arbeite!(アルバイテ:働け!)” ”Weiter!(ヴァイター:もっと)”・・・など怒号が続く。
 
軍曹が部下に「あと何人処理が残っている?」と聞くと部下は「千人です」と答えると、「夜にはその3倍になるぞ」だった。
 
この映画は、画面がほとんど正方形に近い。
縦1に対して横が1.3の昔のスタンダードサイズ。画面には、主人公がアップで映るシーンが多く、背景はほとんどがピンボケの画面になっている。このピンボケの効果というのか、大量の裸の死体などがピンボケで登場するのでかえってリアル。
 
イメージ 4この映画のタイトル、サウルの息子というのは、サウルがシャワー室の中で、まだ息をしている少年を発見。その少年は、ナチスにより口を抑えられ息を引き取るが、解剖されるということになる。サウルはこれは自分の息子であると主張し、焼却せずに埋葬したいと解剖担当の医師に申し出るのだ。それは命懸けの行為だった。
 
医師はその”息子”を庇うと自分のいのちの危険があるので、1日だけ隠しておくという条件で受け入れる。ただし、その「代わり」は用意しておくようにというのだ。「部品」処理の報告の数が一致しないと問題になるからだ。
 
ゾンダーコマンドの中には、「死者(子供)のために、生存者を犠牲にするのか」といった葛藤の声も聞こえた。ある仲間は「お前には子供はいない」と諭すのだが、サウルは、子供を運び出し、埋葬することができるのか。そして、ゾンダーコマンドのなかに、死者を弔うダビを探し出すため奔走するのだが・・・。
 
・・・
ゾンダーコマンドたちは、「紙は見つかったか?」「ない」という会話がある。紙やペンの所持は禁止されていた。記録に残されるからだった。しかし、戦後、アウシュビッツに関わったナチス親衛隊は、ゾンダーコマンドの残した記録によって裁かれることになったという。
 
映画の中で、カメラでドイツ兵に見つからないように記録として撮影する光景がある。カメラは配線管のなかに隠された。

サウルは、ほかの場所で働かされている妻に3分間だけ面会の機会が与えられる。監視役にはドイツのナチスの女隊員が監視。「接触は一切ダメ」と目を光らせるシーンもすごい。近くでちょっとした揉め事が起きて監視員が場所を離れるが、そのスキに妻が何かをサウルに手渡す。そして、わずかに握手を交わすのだが、会話は一切ない。このあたりもスリリングで命懸けだ。

監督は、観客があたかも主人公サウルの目になって、その光景を見ているような撮り方をしているようだ。まさにアウシュビッツの生々しさを体験しているような錯覚に陥る映画だった。ホロコーストの現実がいやでも頭に残る映画ではある。


イメージ 8この映画は、重苦しさがあり、見るには”相当の覚悟勇気が必要だ。好奇心が優って見てくれる人がいたら幸い。

すごい映画であることには変わらないが・・・。

※この映画を見るきっかけになったのは、先日記事にした映画評論家の町山智浩さんの文庫「最前線の映画を読む」で「サウルの息子」について詳細な解説があり興味が湧き、レンタル店「ゲオ」で借りて見た次第。

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悪い女」(原題:The Slut, 2011)というイスラエルとドイツ合作の映画を見た。
宣伝文句は「女の歪んだ性と切ない姿を描いた衝撃の官能ドラマ」だが、平凡だった。田舎の村に住むセックス依存症の女を描いたエロティックドラマ・・・ということだが、登場人物はみな素朴で真面目。一人の女をめぐる男同士の争いもなく、嫉妬はあるもののドロドロ劇には程遠い。

原題のSlutは、ふしだらな女、だらしのない女、痴女といった意味。
タイトルから面白そうで見たが、やや退屈で、なんども中断して、やっと最後まで見た(劇場未公開で、DVD発売あり)。Gyaoで配信中。

・・・
イスラエルの小さな村に住むタマル(イーシャイ・ゴーランは、2人の娘を持つ美しいシングルマザー。家族には一匹のワンコもいた。孤立した生活から逃れるため、タマルは村中の男たちとセックスをして、その交換に、修理屋には自転車を修理して持ったり、頼みごとをして、他人との繋がりを確認していた。

そんな中、死んだ母親の財産を整理するために、村に帰郷してきた獣医のシャイ。彼はタマルと出会い、一目で恋に落ちてしまい、二人はすぐに恋人同士になるが・・・。
 
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独身のときにはそれで問題なかった生活も、タマルにいざ恋人ができると徐々に村の男たちの彼女に対する見る目が変わっていく。

男たちは、いままでは、タマルは都合のいい女であったが、ひとりの男に独占されたことに嫉妬を抱き、またその視線で感じるタマルは村で徐々に生きづらくなっていくのだった。

恋人のシャイは真面目な獣医で、タマルに変わって娘の面倒をよく見てくれるなど、理想のパートナー。二人の女の子供たちもシャイになついていた。

しかしタマルは、一人の男に縛られることに耐えられなくなり、シャイと同棲生活を始めても、隠れて他の男のところに行ってはセックスに溺れる日々から逃れられないのだった。
 
男を手玉に取る”悪女”ではないが、タイトル通り、ふしだらな女であり「悪い女」だった。

監督・脚本・出演は、ハガル・ベン=アシャー 。 
主演は、イーシャイ・ゴーラン。

★★
 

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