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韓国初のロボットアニメとなった劇場用アニメーション『로보트 태권V(ロボットテコンV)』。
「テコンVは、マジンガーZのパクリ」などと未だに言ってる日本人が多い。『ROBOT TAE-KWON V LIMITED EDITION』(2002年11月14日リリース DVD3枚セット 販売元:BITWIN 価格:33,000ウォン:映像は、韓国国内にあるフィルムの保存状態は最悪だっため大幅なフィルムの補修を施し、画質が比較的良好な『VOLTAR THE INVINEIBLE』(アメリカに輸出された『ロボットテコンV』の英語吹き替えヴァージョン)等とも組み合わせて編集し、収録されているが、大小十数ヶ所以上がカットされている)を所有している私から見れば「アホか?」と言いたくなる。
確かに『テコンV』の生みの親である金青基(김청기:キム・チョンギ)監督自身もマジンガーZを模倣した点が多数見受けられることを認めているし、マジンガーZに似ている点があるが、まともに両作品を見れば、マジンガーZとは大きな違いがある。ただ1982年制作の『スーパーテコンV(슈퍼태권V)』であるならば、私はパクリ(剽窃)疑惑を否定しない。
では、マジンガーZとテコンVを比較してみよう。比較対象としたのは下記の通りである。尚、動画や効果音等の技術に関して言えば、テコンVは明らかに未熟な点等が多いため、観ただけで違いが分かる部分に絞って列記した。 ◆マジンガーZ
TVアニメ版(1972年12月3日〜1973年9月1日放映)
『マジンガーZ』(1973年3月17日公開)
『マジンガーZ対デビルマン』(1973年7月18日公開)
『マジンガーZ対ドクターヘル』(1974年3月16日公開)
『マジンガーZ対暗黒大将軍』(1974年7月25日公開)
OVA『マジンカイザー』第1話『激闘!ダブルマジンガー』(2001年9月25日リリース)
◆テコンV
『로보트 태권V(ロボット テコンV)』(1976年7月24日公開)
『로보트 태권V 2탄 우주작전(ロボット テコンV 2弾 宇宙作戦)』(1976年12月13日公開)
『로보트 태권V 3탄 수중특공대(ロボット テコンV 3弾 水中特攻隊)』(1977年7月20日公開)
『로보트 태권V와 황금날개의 대결(ロボット テコンVと黄金の翼の対決)』(1978年7月26日公開)
1976年の『ロボット テコンV』デジタル復元版(2007年1月18日公開)
1.本体 マジンガーZの主な諸元は身長18メートル、重量20トン、出力95万馬力(最終出力増強時。約70万キロワット)で、テコンVは身長39〜42メートル、重量3500トン、1時間当たりの出力は最大31,700キロワット(デジタル復元版での設定は全長56メートル、重量1400トン、出力895万キロワット)である。(マジンガーZはWikipedia日本語版、テコンVはWikipedia韓国語版より引用) マジンガーZはホバーパイルダー(ジェットパイルダー)が本体の頭部と連結するだけで本体の操作が可能であるのに対して、テコンVは遠隔操作機チェビ(제비)号が本体の頭部に格納され、シールドを閉じてから本体の操作が行われる。
▼テコンVのチェビ号
▼テコンV本体とチェビ号のドッキング直前の様子
ホバーパイルダー(ジェットパイルダー)は単座式なのに対し、チェビ号は複座式(横並びに2席)となっている。 マジンガーZは本体と脚(太ももから下)は分離できないが、テコンVは本体と脚は分離が可能である。
外観や塗装がマジンガーZとよく似ているが、外形は全く違う。特にテコンVの頭部は朝鮮王朝時代の冑(かぶと)をモチーフにしたものと思われるデザインとなっている。 2.搭乗者
マジンガーZは兜甲児のみであるのに対し、テコンVはキム・フン(김훈)とユン・ヨンヒ(윤영희)が搭乗する。テコンV本体内部にも操縦席があり、テコンV本体とチェビ号は分離が可能で、フンがテコンV本体を操縦、ヨンヒがチェビ号を操縦して二手に分かれての攻撃等も可能である。 ▼テコンVの搭乗者であるキム・フン(左)とユン・ヨンヒ(右)
3.武器
マジンガーZには光子力ビーム・ロケットパンチ・ブレストファイヤー・ルストハリケーン・ドリルミサイル等様々な武器を装備している。 テコンVもレーザービームやミサイル(手の甲に装備)等を装備しているが、韓国の伝統武術であるテコンドー(태권도)の技が可能であるため、装備武器はあまり使われず、テコンドーの技を使った直接攻撃(肉弾戦)が多用されている。テコンVのテコンドーのレヴェルは3段(テコンドーの段級位制は1品〜4品の4段階と、初段〜10段の10段階の計14段階で、初心者は1品から始まる)である。これはテコンドー3段の有段者の動きを取り入れたためである。ちなみにテコンVは、2007年2月28日に国技院(テコンドーを統括する国際競技団体)から名誉4段の称号が与えられた。 また格闘技を使う巨大ロボットという設定は、少林寺拳法を取り入れた1978年制作の「闘将ダイモス」まで現れなかった。 4.飛行 マジンガーZはジェットスクランダーを装着しないと飛行できないが、テコンVは飛行装置が装備されており、自力飛行が可能である。 5.敵 マジンガーZの敵である地下帝国のDr.ヘル、テコンVの敵であるカープ博士。ともに科学者であるが、Dr.ヘルは古代ミケーネの遺跡に残されていたロボット技術を悪用して世界征服を狙うのに対し、カープ博士は背が低く、さいかち頭であることにコンプレックスを持ち、国際科学者会議で笑われ者にされたことをきっかけに自分の持つ技能を悪用して世界征服を企むという違いがある。 また、カープ博士と、フンの父親であるキム博士とはつながり(ライバル関係)があるが、Dr.ヘルと兜甲児の父親である兜剣造博士とはつながりが無い。Dr.ヘルとつながっているのは兜甲児の祖父である兜十蔵博士で、Dr.ヘルと兜十蔵博士は古代遺跡の調査チームのメンバーだった。 6.ギャクメーカー マジンガーZではボスが操縦するロボット『ボスロボット(ボスボロット)』、テコンVでは『カントンロボ(깡똥 로봇)』が登場する。ボスロボットは弓弦之助教授の3人の助手によって作られたのに対し、カントンロボはフンの弟チョリ(철이)が家の中にあるヤカン・バケツ・だるまストーブといった金属製品を材料に造ったものだが、チョリ自身が装着し、カントンロボと名乗っている。 そして、パクリならば、マジンガーZの原作者である永井豪さんやアニメーション制作の東映アニメーション(マジンガーZ放映当時は東映動画)が何らかのアクションを起こしているはずであり、2010年8月7日の日本での劇場(シアターN渋谷他)公開、2011年1月12日にキングレコードからDVDリリースに関しても何らかのアクションがあってもおかしくないのだが、現時点ではこれといったアクションを起こしたという報道等は見当たらない。 また、Wikipedia日本語版の「テコンV」の項目内「影響されたと思われるデザインの一例」で挙げられているものは、全て1982年制作の『スーパーテコンV(슈퍼태권V)』に登場したものである。 1976年から1978年までに公開されたテコンVに関して言えば、『マジンガーZに触発されて、マジンガーZをモデルに制作された』と言えるが、『マジンガーZを剽窃した』とまでは言えないというのが私の見解である。
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2013年09月20日
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