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前回載せた写真はドイツ、ノルトライン‐ヴェストファレン州の山の南西斜面の森です。相続のたびに細かく細分化され幅は数mしかないのに長さが100m位に分割されてしまっています。
 前回述べたように、ドイツ林業の現在の問題は民有林の森林資源の活用です。日本と違って森林簿が比較的正確で、上級森林官によってデータ管理されている分、楽です。それでも木材の利用という面ではある特定の所有者の林分だけの施業は無理ですから、日本と同じく多くの所有者の同意を得て集約する必要があります。
 ここでも日本と同様に所有者の意欲の低下、不在地主化、都市生活志向で集約の大変さがあります。また、ドイツでは森林作業道を作って効率的に搬出するのが普通ですから路網整備のための所有者の同意を得るのも大変です。
 ドイツの場合は路網整備でも、
 ・地形  ・地質  ・森林生態系  ・経済性  を考慮して開設します。
 ただし、日本が農業に対して過保護で多額の金をつぎ込んで圃場整備、農地の集約化や農道などのインフラ整備をこれでもか、これでもかとおこなっているように、ドイツでは政治、経済面でも社会の認知度という面でも林産業が強いので、日本の林野庁の制約だらけ、手かせ、足かせだらけの補助金と違って、上級森林官の細かい対応によって、他の所有者との調整から開設ルート作りまでしっかり相談に乗ってもらえて路網が整備されます。
 
 実はそれだけではなく、ドイツでは土地整理法に基づいて積極的な林地の交換、ある特定の個人の所有する分散した林地の集約化がほとんどの州で試みられています。
 それが前回載せた最後の写真です。― Wirkungen der Bodenordnung(林地整理の効果)―
所有林地の構造的な欠陥を改善することは
 
「木材利用のポテンシャルを高める」→「高い収益」(木材として、エネルギー資源として)→「高い競争力」
 
「木材生産の際の諸条件を改善する」→「人にやさしい労働条件の実現」
 
「利用しようとする場合の障害や争いを解決する」→「自然環境や林床をいたわる」→「保養機能を発揮する」
 
「自然災害に対して良好なマネジメントになる」
 
ということです。
 
今日はここまで。

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