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 現行の日本の「森林法」の記述では、(「森林法」で検索して実際にご覧いただくのが一番ですが)

「農水大臣は・・・。都道府県知事は・・・。市町村長は・・・。森林管理局は・・・。」

が、延々繰り返し出てくることは何度もご紹介しました。

 日本の「森林法」は、森の持つ効用の定義やその意義、持続的な森林管理の在り方、林業を支援するような林業政策とは、そもそも、無縁の存在です。

 この「森林法」は、その効力を発揮する対象が、役人であることを示し、また、その役人の仕事内容を定義し、そして、その仕事に関わる手引きを事細かく指示するものです。言ってみれば、「官僚の、官僚による、官僚のための法律」、それが、この法律です。「日本の法律とはこういうものなんだよ。」と、開き直られたら、それでおしまいですが・・・。
 


 しかし、官僚やお役人さん達が、「主権は在民にあらず。在官だ!」と、大きな態度でいられる時代は、残念ながら、そろそろ終わりが間近かになってきています。

 林業とは全然関係ないスーパー(観光)林道を森林を破壊して、作っちゃった緑資源機構は、さすがに、つぶされましたが、

 日本の森林や林業に直接関係しない研究をやっている大量の森林研究所の職員の雇用を正当化するために、「森林法」の中に、こっそり、上手に文言を入れてしまったこと、

 北海道の某森林管理局が、大雪山国立公園内の国有林を風倒木の処理だと称して、特に道路から直接見えにくい所を、大量に皆伐、不法伐採してしまったこと、(国有林分収林事業の大赤字の穴埋めのため)

 自然に近い状態の混交林に誘導すれば、十分に防止効果があったはずなのに、土砂の流出のある国有林の谷筋の砂防工事を大量に発注し続けた事



 政権が変わったら、今まで隠し通せたことも、洗いざらいすべて情報を出さざるを得なくなるでしょう。  さあ、大変だ!どうしよう!




 余計なことをつらつらと書いてしまいました。本題に戻りましょう。日本とドイツの森林法を比べながら、その構成や内容について述べてきました。ドイツの森林法第2章を紹介する前に、整理しておきたいことがあります。

 日本の場合、森林所有の形態は 国有林、自治体林、民有林の3種類です。ですが、所有者には3種類あっても、「 森 」は森であり、区別はありません。国であろうが、個人であろうが、森に対してやらなければいけないこと、持つべき認識は同じだということです。

 したがって、森の持つ機能や意味、専門的な知識に裏付けられたその持続的、合法的な管理、林業の支援、林産業の競争力の強化などについて この3種類の所有者に、当然、区別なく、同じ概念や理念が適用されるはずです。

 ですから、「森林法」にその概念や理念を記述する場合、「森林所有者は(の)・・・。」という書き出しで、国有林、自治体林、民有林のすべての所有者が、法の対象は自分なんだと認識することになります。


 ただし、地域性、広さや立地条件の違いにより、経営面、林業の振興面を考えた場合、施業規模で「森林法」上の規定を少し変えることは必要でしょう。それを、下位の各「州森林法」で詳細に規定していかなければなりません。



 ということで、まず、上位にあるドイツ連邦の 「国森林法」(Bundes Wald-Gesetz)の第2章を紹介します。
 まあ、とりあえず、眺めてもらいましょう。日本の「森林法」と見比べてもらえれば、besser です。

〜〜〜〜〜〜〜
  第2章 森林の維持

第5条 州法作成のための規定

 この章の規定は、州法作成のための大枠の規定である。州はこの法律の発効後、2年以内に、この章の法令に適切な損害賠償規定を含めた適切な規定を発令するか、あるいは、現行規定を適合するようにしなけらばならない。

第6,7章 削除 
第8条 省略


第9条 森林の維持

 (1)森林は州法に関わる権限を持つ官庁の許可でもってのみ、開墾や他の利用形態への転換が認められる。転換の申し込みについての決定の際には、権利、義務、そして、森林所有者の経済的な利害、ないしは、一般市民の要求を互いに考量しなければならない。森の維持が、公的な利害という点で勝っている場合は、特に、森が営林による生産や、基本的な意味での住民の保養のためとなるような自然の効能のために必要な場合は、許可は禁止されるべきである。

(2)(3)省略

第10条 植林 省略

第11条 森林の管理

 森はその目的法令の枠の中で合法的に、そして、持続的に管理されなければならない。州法によって、すべての森林所有者に対する、少なくとも、その義務が規定され、適切な時期に伐採された林地あるいは採光のために切り開かれた林分が、
1.再び植林され、あるいは、
2.自然の再生が不十分な場合には、樹木が補充されなければならない。・・・以下省略


第12条 保安林

(1)森は、それが公衆に対しての危険、重大な損害あるいは重大な危害の防御、防止のために必要な場合、特定の森に対する措置を行うため、あるいは、中止するため、保安林に指定される。特に、・・・有害な環境への影響、水や風による侵食、間伐、雨水の危険な流失や雪崩に対する保護のためにこれは重要とされる。・・・

(2)省略

(3)皆伐やそれと同等の採光のための伐採は保安林では州法上権限を持つ官庁の許可が必要となる。許可は、それが森の機能の維持のために必要な場合は賦課金が関係してくる。

(4)詳細は州が規定する。州はさらなる規定によって森林所有者に保安林での特定の措置を中止、あるいは、行うために義務を課することができる。


第13条 保養林

(1)森は、それが公共の福祉のために必要であれば、保養の目的のために林地を保護し、手入れをし、あるいは整えるために、保養林に指定することができる。

(2)詳細は州が規定する。州は以下に関して、特別な規定を発令することができる。

1.樹種やその広がりに沿った森の管理
2.森を訪れた人の保護のための狩猟の制限
3.森林所有者の義務、建築・建設や道路、ベンチ、避難小屋そして同様の設備の維持、あるいは、設置、そして、障害となる物の除去あるいは設置の義務付け
4.森の訪問者の行動


第14条 森林への立ち入り

(1)森への立ち入りは保養の目的のために承認される。自転車の通行、車椅子での通行や森の中での乗馬は道路や林道でのみ認められる。利用は自己の責任で行う。

(2)州は詳細を規定する。・・・以下省略


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「法律って、こういう風に書いてもいいんだ!」ということが分かってもらえれば、今日はこれで十分です。

 
記述の仕方が、「森は・・・。」「伐採は・・・。」「立ち入りは・・・。」「州は詳細を規定する。」
で、
 大臣や県知事、市町村長、森林管理局長の順に、どういう仕事をどうしろ、こうしろというのは、「ドイツ森林法」には登場しません。


 州森林法はこれに、いっぱい、肉付けしてあります。これは、量が多く書くのが大変なので〜・・・。


 なお、森林所有者(州有林、団体林、民有林(小規模の場合は見積程度でよい)みんな)に提出が命じられる「森林計画」の記載すべき内容の詳細は

 「州森林法施行のための政令」
(Landesverordnung zur Durchführung des Landeswaldgesetz)
 
 の中に別途指示があります。暇があればこれも紹介しますネ。  今日はこれでおしまい。

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