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今回も森林政策、森林行政は後回しにして、ロッテンブルグ専門大学営林学科の講義の内容をトピックでお伝えします。 今回は Kern教授の 「Holzmesslehre(木材選別・計測概論)(原木の)」です。 ドイツでは州の各森林局、あるいは営林署の森林官が、州有林、団体林(自治体林、教会所有林など)、民有林すべての木材の伐採、販売、造林計画を指導し、州有林や団体林だけでなく、委託された民有林の木材についても、製材・製紙パルプ会社や木材輸出会社と直接、交渉し、販売契約を結びます。すでに実績のある相手とはほとんど、コンピューター上でやり取りしています。(ただし、家具用・ワイン樽用などの大口径の品質が微妙な原木については、森の中の森林局所有の広い木材置き場まで、買い取り業者が目聞きに来ます。) したがって、山の土場やポルターの原木は、森林局がコンピューター上で提示した情報を信用して、購入した業者が直接、土場で原木を引き取り、自分の会社まで運搬します。 日本のように、仲買の原木市場が農協みたいに間に入って、中間マージンを搾取し、消費者への最終の木材販売価格が高くなってしまうような、非合理的なことはやりません。日本の仲卸、仲買という独特のシステムは、今の情報化社会では残念ながら、生産者の販売価格を下げ、逆に、消費者の購入価格を上げてしまう、非合理な部分だけが残ってしまっています。日本の文化として残すべきなのでしょうか?? さて、ドイツ(現在はヨーロッパ全体で)では、そのため、木材販売について、規格化された、正確で細かい、かつ、一般的な木材の選別・計測基準が法律で定められています。 それが 「 Forst HKS 」(Die Handelsklasseensortierung für Rohholz mit ergänzenden Erläuterungen )と呼ばれるヨーロッパ基準です。日本の輸入木材を扱っている大手総合商社の担当者は知っているはずです。 Kern先生のこの講義は、この「HKS]について、 1.選別形態の目的(Ziel der Sortenbildung) 2.選別の原理(Prinzip der Sortenbildung) 3.原木の命名や長さ、品質、容積などの概念づけ(Grundbegriffe,Rundholzvolumen,Durchmesserなど) 4.原木販売の統一した枠組み(Rahmenvereinbarung Rohholazhandel) 5.販売容積の統一単位(Masseinheiten) 6.計測値からの取り扱い値、実際の販売値への変換係数(Umrechnungesfaktoren) 7.原木計測の具体的なマニュアル(Manuelle Vermessung Rundholz) 8.ポルターに積まれた原木の容積計測基準(Sektionsraummass) などなど、を扱います。 もし、詳しく知りたい人がいらっしゃれば、後日、書きますが、・・・。あくまでもヨーロッパ基準ですから、日本はアジアで、別の基準を作ってもよろしいんじゃないですかね〜。 ところで、この講義は、日本の大学の農学部林学科や県の林業大学校ではおそらく存在しない授業ではないでしょうか?(日本で営林学の講義を受けたことがないので勝手なことを言ってごめんなさい!) 理由は言うまでもなく、 1.日本では林業が成り立っていないから。 2.住宅建築用材や製紙パルプ用材、暖房・発電用木材(ペレット)など、日本で現在利用されている木材の6割以上が輸入外材で、用途別に計測選別する必要がないから。 3.伐採しても、取り敢えず玉切りして、大きさや品質に関係なく、原木市場に持ち込むだけだから。 日本では製材後の用材の品質や規格については細かい基準が設けられていますが、森林で切り出した原木を置く土場で、森林組合や林業事業者が自分で選別・計測して、製材業者や製紙パルプ工場に直接、流通販売することはほとんどないはずです。一部の、大きな森林組合(例えば、京都府の日吉町の森林組合)は、ベニヤ合板の製造会社へ直接、丸太を販売しているようですが、山の土場でどのような基準で選別・計測を行っておられるのかは存じ上げません。 もし、今後、日本林業を立て直して、林家が経営的に成り立つようなシステムを作るためには、 1.林道・作業道など林産業のインフラ整備、ただし、林野庁が作ったような無駄に大きなものは不要 (今までの国の政策では農業や都市住民のためのインフラ整備・公共事業ばかりでしたが) 2.森林組合の規模、取り扱い木材のロットの大幅な拡大 3.電力会社、パルプ製紙会社など大企業の国産、地域産材・チップ使用による経済的な地域貢献の義務付け 4.原木市場を通さない販売・流通システムのための木材選別・計測基準の制定と、基準を林業従事者に身に着けてもらうための教育整備 5.地方分権に伴う地産地消型の地域産業構造の転換 6.道州規模の第1次、第2次、第3次産業のトータルな協同型地域社会への転換 という風に全体を変えないといけないでしょう。 政権も変わったことだし、日本国民みんなで、21世紀・環境世紀型地域構想や町作りをやりましょう。 私の大学、金曜日は午後1時半で閉まるんです(半ドンですね〜)。昔の日本の土曜日です。 ってことで、今日はここまで。
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