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引き続き、Prof.Schütz ,"Skript Waldbau Ⅱ" より、間伐の効果などについて紹介します。
 
 <樹冠とその特徴>
 樹冠は、上部の光のあたる Lichtkrone(受光樹冠)と、下部の日の当らない Schattenkrone(下陰樹冠)に分けられ、Lichtkrone で主に光合成は行われ、下部では光合成は制限されてしまいます。
 また、夜間に最もたくさん呼吸を行うKronenkern(樹冠核)では光合成はあまり活発ではありません。したがって、この部分の広がりが大きければ、樹木としての空間占有、利用は効果的でなくなります。ブナはそのような傾向があります。逆に、長く、紡錘形の樹冠はより効果的に空間を占有しているといえます。
 Tanne(モミ)、 Fichte(トウヒ)、 Douglasie(ダグラスファ)のような針葉樹は細長い紡錘形で、上部のLichtkrone が樹冠長の2/3程になり、その部分は容積の50%を占めます。 ただし、森林社会階層の下位の樹木は樹冠の形が不格好になりがちで、Lichtkrone は樹冠長の約1/3、その体積は樹冠全体の30%位に、Kronenkern は容積の15%位になります。
 一方、広葉樹で陰樹のブナは樹冠が塊状で、広く丸く、Lichtkrone と、Schattenkroneの比は、トウヒとは逆になります。
 もちろん、樹冠の形は造林のプロセスにも影響を受け、間伐率の高い林分では、Lichtkrone と、 Schattenkrone の境のラインがより下部に来ます。
(Abb. 5.1 図5.1 は Burger, H , 1939: "Baumkrone und Zuwachs in zwei hiebsreifen Fichtenbestanden. Mitt schweiz. Anst.forstl.VersWes 21,1; 147-175." および、Badoux ,E., 1039: De l'influence de differents modes et degres declaicie dans les hetraies pures. Mitt schweiz Anst,fosrstl.Verswes 21,1:59-146" からの引用図です。Föhre は Kiefer松のことです。)
 
 また、間伐は樹幹の長さにも大きく影響します。
図5.23 Abb.5.23 は 「樹形特性への間伐効果 (樹高、 BHD、樹冠規模)」を表わしており、デンマーク、Gludsted間伐実験地での約70年生トウヒ林分の、異なる間伐強度の平均の樹木の樹高(Höhe)と、BHD(胸高直径)を示しています。
 横軸下の h:d の数値は Schlankheitsgrad des Mittelstammes(平均的樹幹の樹高・直径比)で、左側の小さく細いのが間伐強度が一番低く、右側のずんぐり大きいのが間伐強度が最も大きいものです。
 当たり前ですが、間伐をしていないと、70年生でもBHDが12〜13cm程度で樹高も低くて重心が高いので、雪害や風害を受けやすくなります。しっかり間伐をしたトウヒ林分はBHD胸高直径も2倍くらいに生長し、樹高もはるかに大きくなっていいる事がわかります。
(Bryndum, H. 1969: "A thinning experiment in Norway spruce in Gludsted plantation(Dan.). Det forstl. Forsogsvaesen i Danmark 32, 1 :5-155."からの引用図です。)
 
 このように間伐後の残存木の生長は、除間伐の数、種類、強度により、最新の育林措置では除間伐は残存木の成長支援だけでなく、Z-Baum のもたらす様々な効果やエコシステムへの良い影響も考慮に入れています。
 
 間伐効果の評価では、間伐の種類や強度の直接的、短期的な効果の比較だけでなく、色々な発達段階の林分の反応を考慮することも必要になります。林分のより効果的な取り扱いには、収穫レベル、品質安定性などの立地条件もさらなる大事な視点として、造林措置や林分の健全性を観察していくことも必要です。ひたすら観察を怠らないことです。
 
 最後に、ヨーロッパでの、十分な間伐による最終的な高価値木の生産データを紹介します。あくまでも一例です。
   樹種              最終高価値木本数                樹木間距離
   トウヒ             250 (本/ha)                     6.8m
   ブナ              150 (本/ha)                     8.8m
   カラマツ            130 (本/ha)                    9.4m
 
で、こんなきれいな森になります。
 
今日はここまで。
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<継続的分岐(Dauerzwiesel)か、一時的分岐(Vorübergehende Zwiesel)か>
 
 幼木、若木期に分岐した枝が、そのまま維持されて分岐して通直性のない、形態の悪い広葉樹に成長していくのか、それとも、片方が退化して通直性を持つようになるのかを、判断できることは重要になる。必ずしも初期の分岐が成木期まで続くとは限らない。
 
 Ningre,F ,1997: Une definition raisonnee de la fourche . Rev For. Fr .49:32-40 で、図2.14(Abb. 2.14)のように、短いほうの分岐枝が、長いほうの半分以上になる場合は、そのまま分岐生長するという報告がある。半分以下の場合は退化縮小して、長いほうが主幹として、通直生長することが多いようだが、よく説明されていない。これは、周囲の競合木の影響、林冠被覆による枝枯れ(落とし)効果の問題とも関連して、それらがある役割をはたしているようである。
 (図2.14) ブナの若木の分岐の色々な特徴と、分岐の明確な定義のためのその意味
 
 
 
<分岐生長傾向の広葉樹種における、樹形に関する光要因の影響>
 
 ブナの更新の際、ヨーロッパでは以前は、若木期に早期に半陰半陽の光環境でブナの若木の生長を促進していた。すなわち、高齢林木の傘下で、若木期まで成長させていた。これは、半陰光環境で成長したブナが、より良好な形態を示すという考えからきていた。
 
 以前にも引用した Kurth (1946) は完全に光が入る陽環境での育成に比べて、林冠被覆度(Deckungsgrad) 0.5〜0.7 の、中程度の林冠閉鎖は、ブナの若木では細かい枝張りの形成に効果的であり、屈曲成長する主幹軸の形成傾向も減少することを示している。
 しかし、他方、上方があまりにも強く、特に、あまりにも長く被覆、閉鎖されると、上方への単幹成長性の喪失、および、斜方成長(Schränger-WuchsやPlagiotrogen-Wuchs)につながるようである。
 
 半陰半陽の光環境では分岐生長にならない短枝(葉枝)形成につながるという事実が、このような光環境のブナの若木が良好なシャフト形態をしめすという考えの論拠とされている。
 
 それに対して、完全に光が入る陽環境のブナは、
 ①分岐主幹形態になりうる、生長する長枝をつくる。
そして、素質による異なる特徴があるために、しかし、樹木の一部では、
 ②ある、はっきりとした単幹成長性、主幹軸形成性を示す。
また、一方で
 ③弱い頂芽優勢性の樹木では、陽光環境が分岐形成の強い傾向を促す。
 
 一方、半陰光環境は、側枝形成の抑制、ないしは、良好な頂芽優勢性が確実な、長い Internodien の進行で質的に良好なシャフト形成を確立、促進する。
 
 
 
 これに対して最近の研究では、例えば、Dupre et al(1986), Morphologie et architecture des jeunes hetres (Fagus silvatica .L.). Influence du milieu variabilite genetique. Ann. Sci. forest. 43, 1:85-102. は形態と成長力の間の良好な妥協(わかりやすく言えば、光環境が悪いと上方成長するが、陽光環境では生長は良いが通直性が伴いにくい筈)は、完全な陽光環境の中で達成されるとの見解を示している。もし、遺伝的素質を抜きにしてシャフトの優良性を求めるのなら、素質の劣る樹木から良好なものを区別できなければならない。これが、実は、良好な光環境で高い成長を示すブナの若木に可能であると述べている。
 
 また、 Sagheb-Talebi(1996) は9年生のブナの若木の研究で、陽光環境で示すブナのシャフト形態について、単幹性(主幹成長性)ブナの中でも最良のものは、実は、完全な陽光環境の下で発現する、と報告している。
 
 これらの報告は、ブナの若木の、陽光環境での育成という、今日的な考えを支えている。今日のこの育成方法は、良好な形態が若い時期に確認、選別できるというだけでなく、良い光環境が樹高成長や Buchenkrebs(Nectria ditissima) ブナがん?の回避にもつながっているようだ。
 
 
 
 と、言うことで、広葉樹(ブナ)の通直性の研究はヨーロッパでは古くから行われていて、でもしかし、複雑です。しかし、日本が今後、森林環境や土壌の保護、保全のため、あるいは、水源地として、また、市民の保養地としての役割のためなど森の持つ機能を十分生かした森林管理を目指すのなら、ブナなどの広葉樹の育成に取り組まなければならないし、高価値の大径材として、非皆伐、天然更新で無駄のない、持続的な生産システムを作り上げなければなりません。そのためにもこのような、シャフト形態の研究なども重要だと思います。
 
 広葉樹が混じると、夏はその緑がさわやかな風を感じさせてくれますし、秋には色鮮やかな紅葉が森の素晴らしい恵みを感じさせてくれます。
 スギだけ、ヒノキだけの死んだような緑色の塊には、山の厳しさや怖さだけしか感じられません。若者も含めてますます、人は遠ざかっていくだけです。このままでは、日本の伝統や文化、文化財も滅びていく一方です。
 
 
いろいろ言いたいことはいっぱいあるのですが、私もおまんまを食べるために今は日本で、高校の理科の先生として働いていますので、つい、ブログの更新をさぼりがちになってしまいます。流されずに精進せねば!
 
今日はここまで。
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 広葉樹では幹に分岐が起こると、通直性を損ね、高価値材の生産に支障になる。シャフトの形状を良好にするには、この分岐形成の原因を理解することは重要である。
 ・どのような分枝が主幹軸の歪み、分岐につながるのか?
 ・どのような状況で分岐が、逆に通直性につながっていくのか?
 
 <枝の2つのタイプ>
①Der traumatische Zwiesel(外的要因による分岐)
  ・・・食害、凍害や幼虫、さなぎの侵入による頂端芽の欠損のような外的要因から来る分岐
  例)die Eschen-MIniermotte(エシェ、穿孔蛾)・・・このような蛾は頂端芽に卵、幼虫を産みつける。
 
②Der physiologische Zwiesel(生理学的要因による分岐)
  ・・・頂芽優勢の弱まりと、それが側枝の均等な生長と結びつくことによる。
  例)ブナに生じる頂芽優勢の変化(かく乱)ないし、芽の位置の不明確な発生。これは、休眠中の頂端芽が頂芽優勢が弱いため、また、それがあまり効果的な芽鱗を作らないために、間欠生長の際に起こる。
 
 
 エシェとカエデに起こる外的要因性分岐に関しては、偶然による原因は当然予見できない。対生芽を持つ樹種では、頂端芽の欠損、凍害、幼虫による穿孔の後、2つの等価な若枝が同時に発達し、これは普通ある時期に片方が退化するようなことはないので、このことが、主幹軸の通直性のなさ(Dauer Zwiesel)につながる。
 
 通直性の欠損はなかなか予見できないので、樹木が約10m程度の主幹軸を持つまで待って、シャフトの側枝がなく、通直な極上木になりそうな将来木Z−Baumを選定することが妥当な方法である。
 
 
 また、側枝のない主幹につながる「主軸優勢(axiale Dominanz)」は、多くの要因の複合的効果と考えられ、この性質は遺伝的素質と環境要素の両方に依存すると考えれる。いずれにしても、大事なのは通直性が期待できる樹木なのかどうかを、できるだけ早期に知ることである。
 
 図2.13(Abb.2.13)は、
Bolvansky, M , 1980/81: "Einige Ursachen von Gabelung des Stammes bei jungen Buchenindividuen in der Wachstumsphase der Dickung(Tschech). Actadendrobiologica 3/4 ":199-245   
Kurth, A. , 1946: "Untersuchungen uber Aufbau und Qualitat von Buchendickungen. Mitt. Schweiz Anst.forstl.VersWes. 24, 2 " : 581-685
からの引用である。
 
 彼らは、最後の「Internodium」の長さ。すなわち、頂端芽と一番上の側芽の間の距離、が頂芽優勢を知るのに良い材料になるということを示した。これはのちに、多くの生理学的研究で確認されることになった。
 
 ブナ(Abb.2.13のタイプbとc)での、2個の頂端芽の形成は、短い Internodien の極端な形である。それは、特に、頂端芽が同じ大きさの場合、分岐の危険性が高くなることにつながる。
 
 Abb.2.13 の右a から 左c へ行くにしたがって、頂芽優勢(apikalen Dominanz) が減退しているブナの若木についての、様々な、芽の配置パターンを示す。これらは 「End-Intrernodien」の短さ(長さ)にしたがって示してある。
 
 
 
 さて、話は変わって、先週、岐阜県に足をのばし、、岐阜県庁の中村さん、藤下さんと、中原林業を訪問して日本で実習中のロッテンブルグ専門大学営林学科のHayo君に会ってきました。そしてHayo君が日本林業の研修、実習に入っている森を、中原社長直々に詳しく案内していただき、視察させてもらいました。自分の、(少ない)日本林業地の見聞の中で、林道(作業道)の施設の基本的な考え方、規格、伐採・収穫の方法・マネジメントなどは、日本の中ではおそらく、唯一、ドイツに近いものではないかと思います。それでも、まだまだ安全工学の面では、「これはドイツではあり得ないね〜!」と、Hayo君と、ドイツ語で(日本語じゃまずいから)驚嘆しあうような場所や場面、林業機械などもありました。
 日本の林業従事者には当たり前でしょうが、例えば、「地下足袋」、Hayo君も最初、これを勧められて森林調査に地下足袋をはいて行ったら、案の定、落石が足の甲に当たり、それ以来、ドイツから持参の頑丈な靴に変えたそうです。日本では何てことない、当り前の事かもしれませんが、すべての中でまず、安全を第一に考えるドイツ林業では「地下足袋」は絶対に、あり得ない装備です。
 それに、オシャレじゃない!それに林業という言葉も極めて、前近代的なイメージしか湧いてこない。これは中原さんとも意見が合いました。
 
 中原社長さんに驚いたのは、このブログで前回、紹介した「間欠律動生長」の現象を、所有林に植えた広葉樹でしっかり観察してその事実を知っておられたことです。いろんな面で鋭い観察力を持った方ですが、ブログに書いたばかりだったのでなおさら、びっくりしました。この現象は、針葉樹しか扱ったことのない、日本のほとんどの森林・林業関係者には未知の部分だと思います。
 
 機会があれば、またご紹介します。
 
今日はここまで。
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今日は、間欠律動生長の影響(Einfluss des rhythmischen Wachstums)について、再び Prof. Schutz の 「Skript Waldbau Ⅰ」 から紹介します。
 
 日本の針葉樹一辺倒の森を今後、針広混交林に誘導し、広葉樹についても大径高価値材として市場に供給していくとなると、ほっておいても通直な成長を見せる針葉樹と違い、育成、Z−Baum将来木の選定に日本の林業関係者の経験のない知識、技術が必要になります。
 
 以前に、分枝生長の形と、頂芽優勢については紹介しましたが、その組み合わせのみが樹形形成を完全に説明するものではなく、様々な枝の種類のような要因、ないしは、そのほかの現象によっても樹形の形成の仕方は違ってきます。ご存じのように、枝には2種類があります。
 一つは、葉っぱを広げて空間を占有する短枝(葉枝)Kurztriebe 、もう一つは、枝を上方に伸ばして樹高生長に関わる長枝Langtriebe です。
 
 日陰という環境要因は、短枝を長枝に対して、3:1の割合で効果的に発展させていきます。ところが、ブナは好日性で、もともと、長枝を4:1の割合で形成していく性質があります。すなわち、樹木というのは、良好に成長でき、ある一定量の光を受けられるように生長していきます。
 また、短枝、長枝の形成の前提条件は、芽を形成する際、葉基部の区別化の時間が関係します。それによって、異なる葉基部が出来上がります。そのために、短枝の芽には側芽基部ができず、そのような枝は分岐しないことになるようです。(Fontaine et al 1998 の論文で確かめてください)
 
 さて、主幹形態の成立の理解のためには、伸長生長の間欠(律動)性(あるいは周期性)をよく観察することが必要です。生長の間欠性、周期性の現象は、新芽形成の際、休眠中の頂端芽が伸長生長期にはいった後の生長開始後の、短くて強い、かつ、連続的で新しい生長推進力を生み出す能力、機動力になります。
 
 頂端芽にとっては、休眠期の終わりがさらなる新しい伸長生長の推進力になります。(・・・周期性枝Proleptische Triebe) 立地条件の良い若い樹木では3〜4回のそのような伸長生長が起こりえると考えられています。
 
 そもそも、間欠性は植生がずっと変わらない熱帯地域での木本類の生長コントロールに必要な能力と考えられています。しかし、これは、コナラ類でも大変強く見られるようです。ドイツのミズナラStiel-Eiche では、Trauben-Eiche よりも頻繁にみられるようです。また、これは、ブナ、エシェのような他の樹種にも、そして、トウヒ、松、ダグラスファなどの大方の針葉樹種にも素質としてはあるようですが、ある樹種のすべての個体に間欠性があるわけでもなく、また、毎年あるわけでもなく、温度や湿度、栄養条件が適当な場合に限られるようです。ブナの若木については、間欠性は遺伝学的な性質と相関するという報告もあります。また、ブナの若木の3分の1が間欠性を示すとの報告もあります。一方、ポプラのように間欠性を示さない樹種は連続的な伸長生長をします。
 
 図2.12(Abb 2.12)は、Crabbe . J (1987) 「Aspects paticuliers de la morphogenese caulinaire des vegetanx ligneux et introduction a leur etude quantative 」 Bruxelles : IRSIA  116p. からの引用です。
a) 基本モデル Akrotonie : 頂端芽優勢 と 間欠生長 芽結びついている。
b)分枝(幹)生長 : 頂端芽優勢の喪失したもの
c)Syllepsis  : 間欠成長性の喪失したもの
d)Plagiotropie : 機構的な形状の抵抗力の喪失したもの
e)Basitonie  
 
 シャフト形態の獲得は、主幹分岐形態、間欠生長 と 頂端芽優勢 が結びついて起こる複雑な現象である。 
 
 間欠生長は複雑で、基本的には生理学に基づいた現象と考えられます。その際には、「頂端芽優勢」が第1位となります。フランスの生理学者はこの能力を芽の中の芽鱗の進化と関連付けています。しかし、細根による栄養素の摂取や養分のような別の要因との関連、さらにまた、光環境もまた、間欠性に関係するようです。
 
 
 日本でこの研究があるのかは、すいません、存じ上げません。悪しからず。
 
次回は、分岐形成、広葉樹ではどんな若木が通直性を持つのか、の予見、について紹介します。
 
あす、あさっては、ちょいと、岐阜県に行ってまいります。ロッテンブルグ専門大学営林学科の Hayo君が、日本で実習中で、久し振りに会えるのが楽しみです。
 
今日はここまで。
間欠生長の話の前に、今回の尖閣諸島問題などでの国やメディアの戦略について一言。
 
 最近の日本人の若者は海外に留学していても日本人同士で群れていて、あえて現地の人達と戦うようなことはないと思いますが、私は2年間ドイツで暮らしていたときは何もかも完全に一人でやってましたから、迷惑や不利益をこうむらないためには派手に喧嘩することもありました。フライブルグ大学で勉強していたとき、8ヶ月間プロテスタント系財団の経営する民間学生寮にいました。そこには近隣の別の専門大学のドイツ人学生が生活してましたが、彼らは仲間を呼んで毎日コンピューターゲームをやったり、パーティをやったりで、ろくに勉強もしてませんでした。台所のゴミ箱は大量のゴミ、生ごみ、食べ残し、汚した食器は洗えない、で「これが環境都市フライブルグなのか?」と首をかしげざるを得ないありさまでした。契約書に細かく規定されているルールを破って夜遅くまで騒いでいたことが何度もあり、私は激しく怒鳴りつけて怒ったことがありました。そのドイツ人たちは、なんとか自分の正当性を主張しようと、翌朝私に掛け合ってきましたが、「君たちはルールを破っている」と、突っぱねました。
 
 原則、外国人は自分が間違っていても謝りません。そういう場合、間違った行為を正確に指摘して「あなたが間違っているんです。」ということを何度でも繰り返して、わからせなければなりません。ひいてしまったり、うやむやで済まそうとすると、ずーっと、不利益をこうむることになります。西洋人や中国人たちにとっては、自分の行為を謝ったり、自制することには何の価値も与えません。どうすれば自分の利益になるかを突き詰める事にこそ、一番に価値を見出します。彼らは常日頃から、何が利益、国益なのかという戦略的な発想をしているということです。
 
 ドイツ社会は文盲も多く、日常生活がドイツ語ではなく、トルコ語、アラビア語、ロシア語など外国語の人は非常に多い、移民社会です。新聞はFrankfurter allgemein,でも Badische Zeitungでもどれも分厚くて、記事は出筆者が自分の考えを趣味のようにだらだらと書くのが一般的です。それを読みこなせるのはドイツ社会の1割の高学歴者だけです。テレビのニュースは夕方5時、8時、11時に簡単に事実を伝えるだけで、日本のような1時間物のニュース番組で下手な解説者があーだ、こーだと、私見を無責任に述べるようなものはありません。自然に情報統制ができてしまっています。外国の戦略的な報道に自国民や政府が振り回されるようなことはありません。
 
 国政や対外国政策を動かすのはメディアではありません。あくまでもベルリンの連邦中央政府です。ドイツの中央政府の仕事は地方に補助金をばらまいて自分たちの権益や天下り先を確保することではありません。内政は各州の州政府がやることです。連邦中央政府の仕事はあくまでも、対外国の国家戦略です。
 
 木材の値段でも、ドイツより国外の木材の方が値段は当然安いです。企業の利益を優先すれば、住宅建築会社のためには外材を輸入する方が良いでしょうが、連邦全体のあらゆる企業集団の利益を考えれば、少し高くても国内材を回す方が結果的には国益につながります。関税を引き上げることなく外材を減らして国内材を利用し、外材はあくまでも国内材の不足分の補完的役割とする国家戦略を、業界団体の代表者で構成される各種委員会(以前にいくつか紹介しました)に理解させることが、連邦政府の役割なのです。そのために、違法木材に関するプロパガンダや合法木材の認証制度の導入、地球温暖化や環境保護と結びつけた国内森林の持続可能な利用、整備の広報と専門的な研究の推進が行われてきているわけです。
 
 ところが、日本の場合、思慮の足りないメディアが報道の自由とばかりに、中国などの外国の戦略的な報道を垂れ流して自分で自分の国の政府を不安定にしてしまってます。国家戦略のない日本のメディアが日本を近い将来滅ぼすことにもなります。
 
 戦略として、自国の正しさを主張し、他国に対して、外国人に対してプロパガンダを行うことはヨーロッパでは当たり前です。今回の尖閣諸島の件では、民主党の人達や沖縄地方検察庁の人達は日本(とアメリカ)以外の国で生活をしたことがないのかな〜、と思ってしまいます。2年前、ドイツのマンハイムの語学学校で勉強していたとき、イスラエル人の学生は平気で各教室を回ってイスラエルの正当性のプロパガンダを行っていました。(同じクラスで勉強していたベイルート出身の男の子に、何故か、私は、「あなたは日本のスパイじゃないの?」と、言われたことがあります。私はヨーロッパの人間にとってそんなに不気味な存在か?)
 
やっと涼しくなったのでそろそろ造林学を再開しましょう。
 
今日はここまで。

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