過去の投稿日別表示

[ リスト | 詳細 ]

全1ページ

[1]

 昨日、「Landschaftökologie(環境学)」「Bodenkunde(土壌学)」「Klimatologie(気候学)」のプレゼンテーション(Referat)が終わったので、今日は午前中からブログを書いてます。今朝は気温がー15℃位で、半端じゃない寒さの中を自転車で大学までやってきました。暖気運転は終わり。

 昨日まで何かと時間が足りなくて、ブログの内容も、とっ散らかして終わりにした感じですっきりしないので少し整理します。

 日本では、あの古めかしい「森林法」に決められている通り、国、林野庁が「全国森林計画」を定め、それに沿った形で各自治体の林政課などが「各自治体森林計画」を林野庁から降りてきたマニュアルにほぼ沿った形式で定め、その森林計画の文言によって認められるところの、林野庁が思いついた公共事業、非公共事業、補助金事業を各(林業)事業体が申請し、林野庁が認可してその予算が執行されることになります。上の官僚の権威や利権をしっかり守り、現場の森林の状況とは整合しなくても、国会で認められるようにもっともらしく政策を作って上手に政治家を操縦して、下の各自治体の林政課に指示を下し、現場はいつもそれに振り回されている感じです。

 要するに、どこを根本的に変えれば、何をすれば、今の林産業や森林の状況を救うことができるのかを、その根本から見直すことを、林野庁はひたすら避け続けている感じです。逃げ続けてひたすら組織防衛に終始しても、官僚機構の内部にさえいれば、責任を問われることもなければ、各事業、補助金事業を仲介する虎ノ門周辺の天下り先の林産業関係法人がたくさん用意されていて、自分の生活に困ることもないわけです。

 残念ながらそこでは、「学術性(Wissenschaftliche)」や「規範(Norm)」、「官僚政治の自浄(Bürokratie-abbau」、「Nachhaltigkeit(持続可能な環境づくり)」などは、官僚組織の優先順位の中では下位にも置かれず、捨てられているのです。




 一方、ドイツの森林行政のシステムは、基本、最上位に「学術性(Wissenschaftliche,Academie)」が来ます。何故かというと、これは、連邦政府Bundesministerium)や州政府(Landesministerium)の高級森林官・森林技官(Höherer-Dienst)、上級森林官・森林技官(Gehobene-Dienst)の昇進コース(Lauf-Bahn)が、日本と根本的に異なるからです。


[1]まず、連邦政府森林庁の構造から。


連邦政府自体はいわゆる、「小さな政府」で、連邦政府の森林庁は http://www.bmelv.de/cln_163/DE/Ministerium/ministerium_node.html から入って検索してもらえば

・Bundesministerium(ベルリンとボンに分かれている)の中の、

 ・Bundesministerium für Ernährung,Landwirtschaft und Verbraucherschutz(食料、農業、消費者保護省)の中の、

  ・Abteilung 5(第5区分):Ländlicher Raum,Agrarische Erzeugung,Forst- und Holzwirtschaft(農業関係、農業生産、林産業)の中に

   ・Unterabteilung 53(第53課):Forstwirtschaft,Holzwirtschaft,Jagd(林業、製材業、狩猟)があり、さらにその中が

    ・Referat531(531室):Forstpolitik,Jagd(森林政策、狩猟)
    ・ 532:Holzmarkt,holzabsatzförderung,Holzverwendung
           (木材市場、木材生産支援、木材利用)
    ・ 533:Waldbau,waldschutz,neuartige Waldschäden,Waldinvewnturen
           (造林、森林保護、新種の森林被害、林況)
    ・ 534:Nachhaltige Forstwirtschaft,internationale Walderhaltung
           (持続可能な林業、国際森林保全)
と、分かれています。各室の表札がその行政の内容ですが、省直轄で研究(Forschung und Innovation)もおこなわれています。



 省全体で現在、最上位の課題の一つが、<Nachhaltigkeit(持続可能な環境作り)>です。森林庁の関係では、

例えば、
・進行する森林の減少に対する対策、持続可能な営林などの国際的な発信(これは継続的に行われている仕事)

・Weltweit übermäßige Nutzung der Waldressorcen(irlegaler,unsachmäßiger)
「不法伐採木材、専門知識の欠如した伐採など、森林資源の世界中での過剰な利用」が、Ökonomie(経済),Ökologie(環境),Sozial(社会) に与える影響を、詳しく分析し、Bodenfruchtbarkeit(豊かな森林土壌)とArtenreichtum(豊かな生物種)を保護すべきであるということを、国際的な発信する仕事

などを受け持っています。



 また、もう一つの重要課題が、<Bürokratie-Abbau und bessere Rechtsetzung(官僚機構の解体・簡素化と適切な法の準備)>です。

 連邦森林庁では、現行の法規、規範、方向性が、意味のある、最適で必要なものであるかを検証し(日本の森林行政より50年進んでいるのにまだ、改善するつもりです。)、より高い基準を求めて、解体整理することをやっています。そのうたい文句が
<durch neue Rechtsvorschriften "keine neue unnötige Bürokratie" aufgebaut wird.>
 新しい法規で ”新しい、不必要な官僚機構ではないもの”を作り上げる。

これは、ドイツ連邦政府の部内だけでなく、EU連合内の官僚機構改革も含んでいます。そして、これは、勿論、国際協議や国内の行政にかかる経費と時間の問題からきています。(経費削減は、州政府内でも重要課題としてすでに、取り組まれてきました_このブログのずーと前のほうの、カイザースラウテルン森林局関連の記事に戻ってもらえれば、森林局の統合や管理面積の拡大などでこの話は登場しています)

(ですから、ドイツ森林環境行政の研究者のテーマは、すでに、「Normative power(規範の力)」から、「EU、欧州議会、自国政府の間のスマートな関係」の研究へと移っています。)


[2]続いて、官僚の身分や人事について

[3]そして、なぜ、学術性や規範が行政、政策の上位に来るのか?


そのあと、その学術性や規範のもとになる、ドイツ中の森林の現場にいる、Revier-Leiter(営林署上級森林官)の林況の把握の基礎になるBestandesbeschreibung(林況データ)の取り方などを、お伝えする予定です。 



ですが、これを読む人も疲れたでしょう。書いてる私も疲れたので、ここらでお昼にします。Mensa(学食)へ行きますので、続きは次回。

今日はここまで。

開く トラックバック(1)

全1ページ

[1]


よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト≪さとふる≫
実質2000円で好きなお礼品を選べる
毎日人気ランキング更新中!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事