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引き続き、ドイツ、ノルトライン−ベストファレン州における林地の整理の例を
Ulrich Pawig の ” Neue Strategien der Waldflurbereinigung ”から引用して、ご紹介します。
この州はドイツの中でも特に、相続のたびの所有森林の細分化、無秩序な分散が顕著にみられる地域です。持続可能な森林管理にとっては非常に不利な条件となります。多くの場合、これらの小規模な林地の森林資源を利用するには林地を整理することが必要になります。
区画を整理、統合することで森林資源の大口での集約、市場への安定した供給が可能になり、競争力も増すことになります。そして、長期的な伐採、搬出に有効な林道、作業道の開設も可能になります。
この林地の区画の整理、統合あるいは交換の際、林道開設の経費の前に、交換の際に必要な林分の計測、収益性などの評価を行う経費も勘案しなければなりません。
そして、区画整理、交換、統合をできるだけ簡単に、迅速に、経費をできるだけかけずに行うためには戦術を立てなければなりません。
ドイツでは土地整理法(Flurbereinigungsgesetz(FlurbG))に従って、林地の価値の評価を単純化するようです。
日本の「土地区画整理法」は元々はドイツのFlurbGを参考にしているはずですが、日本ではその対象は都市計画区域の土地であり、宅地や農地の整理がその発想の根本にあるようです。ドイツのFlurbGが森林の区画形質変更や整備もその対象にしているのとは、チト、違うようです。
ドイツではできるだけ短期間に林地の整理を行うためには、まず第一に、森林局や林業事業組合などと、扱えそうな森の領域を適切に選ぶ事から始まります。まあ、実際にはそこが一番難しと思いますが。
次に来るのが、ドイツの発想としては、新規に作る林道網をどのように整備するか、ということです。とにかく適切な林道網を作らなければ、ドイツでも、日本でも経営的にやっていけないのです。
ドイツでは区画整理よりも何よりも、より理想的な林道、作業道を設計、作設することが発想としては先に来るようです。日本のように細い急な山道をかき分け、かきわけして森にたどり着くのでは、すでに労働安全の面から不適切な労働環境であるということです。
図面上で設計したコースを現場で実際に伐開しながらトレースして確認していくようです。このお仕事はFlurbGにより、それを専門に担当するお役所のお仕事になります。
日本で農地の土地改良事業を県の農政課がきちんとやってくれるのと同じです。
まあ、そんな感じで、林道網が最小のコストで、理想的に効果的に測量、設計されたところで、どの林分はその林道や作業道によってどのくらいの評価をすべきか、交換、整理していく林分の評価見積もりをしていき、最終的に対象となる所有者に助言し、協議して林分の再構成をやっていくようです。
下に載せた図面だけをみると、ただきれいに土地の区画が整理された日本の農地の区画整理事業のように見えますが、この中には林道、作業道の効果的な設計、開設が重要なポイントとして隠れています。
今日はここまで。
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2013年01月22日
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