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 書いている本人はさすがに、チョッと、飽きてきたかなという感じですが、ドイツで普通森林官(Forstwirt)になるための卒業実技試験問題の5回目?です。何回目か、わけわからなくなってきました。
 
 森林管理、景観保護分野から
〜〜〜〜〜〜
 <育苗場・・・・・うどん粉病(Mehltau)の対処 (90分)>
A、状況調書 
 市有林の育苗場でうどん粉病の被害のため生産目標に影響が出ている。
 
(措置) 別図で示された部分で、うどん粉病に対する薬剤散布を行わなければならない。
 
B、準備
 各種散布器具  、薬剤散布用作業着  、各種病害虫防除剤  、薬剤リスト  
 
C、課題
 1.この目的に最適な防除剤と、その作り方を選べ。
 2.自分の選択した方法を試験官に説明せよ。
 3.実際に散布を行え。
 4.器具を洗浄せよ。
 5.作業着はどのように洗浄しなければならないか。また、残液はどのように処分しなければならないか、記述せよ。
 6.散布の経費を計算せよ。
   ・森林官の時給      12ユーロ/時
   ・それに対する雑費    125%
   ・防除剤の経費      ラベルの記載事項から読み取れ(自分で探してみてね!)
 7.次の基準で、自分が行った防除処置を試験官に説明し、評価せよ。
   ・質
   ・労働安全
   ・環境保護
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うどん粉病(Echter Mehltau) についてはウイキペディア[ http://de.wikipedia.org/wiki/Echter_Mehltau ]をご参照ください。樹木の苗でも、特に育苗場のように同じ種類の苗がたくさん植えられていると、罹患するようです。例えば、ナラ類 Stieleiche (Quercus robur),Traubeneiche (Quercus petraea) あるいは、カエデ類 Spitz-Ahorn (Acer platanoides), Feld-Ahorn (Acer campestre)は乾燥すると、よそから飛んできて葉っぱに菌が付くようです。
 
 飽きてきたと言いながら、もう一問。 同じく、森林管理と景観保護分野から。
〜〜〜〜〜〜〜
 <混交成長の管理 (90分)>
A,(目的)  Eiche(ナラ)とKirsche(桜)のための混交成長の管理
  (措置)  Buche(ブナ)の剪定、除去によるナラの群生の確立
        Kirsche(さくら)の保護と枝打ち
        広範囲のしっかりした間伐
        好ましい順位は  Kirsche > Eiche > Ahorn   /  Esche(エシェ) > Buche
 
B,準備
   若木の措置のための作業道具
   マーキングテープ(青、白)
 
C,課題
  1.分担地の林況調書を作れ。 状況を把握して、試験用紙に記せ。
  2.与えられた分担地で、テープを巻け。
    青テープ : 保護される樹木/群
    白テープ : 除去、剪定される樹木
  3.自分の決定に至った理由を試験官に説明せよ。
  4.作業を行え。
  5.1(ha)当たりの措置の経費を計算せよ。
    ・森林官の時給      12ユーロ/時
    ・それに対する雑費    125%
6.次の視点で、自分の労働を評価せよ。
   1.林況に対する対応措置
   2.労働技術の目的に対する的確さ
   3.質的要求の達成度
   4.労働安全
 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 林野庁の森林林業再生プランが動き出して、九州宮崎県、広島県、高知県、静岡県と北海道の5つの選定地域で、ドイツ、オーストリアからフォレスターを招いてまず林道を作るための準備が始まっているようです。また、日本版フォレスター育成のための検討委員会などが話し合いを始めているようです。どれくらい革新的で実りのある話し合いがなされるのか?そして、実行までたどり着けるのか???
 
 4月初めに林野庁の企画課の人達やUFJの相川さんとお会いしたときに、「今回選定された現場の森林組合の人達は、これで補助金もらえるのか?とか、どーも、違う方向を向いている」とか、「根本的な最新の林業の知識が存在していない」というような話でした。大丈夫かな??
 
 その前に、民主党政権がガタガタで、夏の参院選挙前にも政権交代じゃないかという感じで、その民主党の主導のもとで林業再生プログラムを動かしている梶山審議官の国家戦略室そのものが存続できるのか?という困った状況ですねん!鳩山さんじゃなくて、岡田さんが総理になった方がいいんじゃないかな〜、とか、林業の人材育成などは、岐阜県の林産課とか、鹿児島大学の林学科とかで、さっさと、勝手にやってしまった方が手っ取り早いのではないか?などと思う今日この頃です。
 
今日はここまで。
 
さあ、今日も懲りずに 「ドイツ、林業職業訓練学校の卒業試験問題(筆記 90分)−木材収穫、林業技術ー」にチャレンジしてみましょう。
〜〜〜〜〜
状況: 昨年末 約25%が倒れた、木食い虫被害森林は、2007年の冬の暴風でもう一度強烈な被害を受けた。現在、すぐに処理しなければならない風倒木が約 240m3 ある。
 種類は トウヒ 60%、モミ 20% と、ブナ 20% となっている。全体の木材の平均胸高直径BHDは 52 cm、 平均の長さは32mである。
 
課題1. 危険性(15点)
 与えられた課題は、まず、措置を始める前に、同僚に状況を説明し、ここでいま直面している危険に対して準備することである。
 1.1 森林官が風倒木の収穫、処理、運搬を行う際、想定される5つの基本的な危険性を答えよ。
 1.2 上で答えた危険性に対する適切な予防手段と保護措置を述べよ。
 
課題2. 作業(20点)
 木材収穫は4人の森林官がチームを組み、後部に起重機が付いていて林業専用シュレッパーを装備した木材運搬車が1台用意されている。(参考までに、[ http://www.mueller-forsttechnik.de/downloads/fmjdfs01.pdf ] でモデルの車種の写真が見られます。)
 2.1 この状況で適切な作業方法を述べよ。
 2.2 様々な作業過程や相互の話し合いは、チーム内で、労働安全という基本の視点からなされなければならない。このためには作業前と作業中に守らなければならない手順とはどのようなものか、述べよ。
 2.3 林地にはまだ、倒れる可能性のある木がいくらかあり、その中には重心、重量の分布の不明なトウヒがある。これらの木に対して適切な伐倒技術を詳しく記述し、そのスケッチを作成せよ。
 
課題3. 保証(15点)
 大多数の林業事業体は保証という形で品質基準の保持に責任を負う。木材収穫や運搬の際、環境保護や扱いに関して気をつけなければならない、5つの必要な事柄を説明せよ。
 
課題4. 刈払機
 労働安全や経済性の理由から、天然更新の林地における混交成長の調整のため、刈払機がチェーンソーの代役として使われる。
 4.1 刈払機を導入するか、チェーンソーにするかの境目はどんな状況の時か、答えよ。
 4.2 刈払機での労働の際、両肩にかける背負い紐と左右のハンドルタイプのグリップつきの機械にする理由を述べよ。
 
課題5. 計算(30点)
 木材収穫に次のシュレッパーが導入される。
      A、林業用装備付き農業用シュレッパー  B、林業用装備、後部牽引機付ユニバーサルシュレッパー
        Jphn Deer(Unternehmer)                      WF-Trac1700(Regiemaschine)
新車購入価格  105,000ユーロ(1300万円)               240,000ユーロ(3千万円)
モーター性能        80 KW                 129 KW
通常使用時間    8000稼働時間                12000稼働時間
年間投入時間     800時間                    1500時間
補修経費率        60%                       75%
燃費            6 L/h(時)                   8 L/h
潤滑油費          0.5 L/h                        0.5L/h
雑費            100%                      145%
利率              6%                        6%
保守費用/月        50ユーロ                   50ユーロ
燃料費          1.03ユーロ/L                                1.03ユーロ/L
潤滑油費         2.70ユーロ/L                               2.70ユーロ/L
労賃            13.60ユーロ                 13.60ユーロ
 
 5.1 A.とB.の両シュレッパーの稼働時間当たりの経費を比較せよ。
 5.2 次の場合について、1m3当たりの作業経費を計算せよ。
 A.では 200m3(針葉樹80%、広葉樹20%)の運搬に、35時間を要する。
 B.では同様の作業に、広葉樹に対しては1/4の時間で済み、針葉樹では1/2の時間で済む。
 
〜〜〜〜〜〜
林業機械シュレッパーについては [ http://www.valtra.de/extras/documents/Forst_08_2009.pdf ] から Valtraの機械を覗くことができます。
 試験だから林業専用と農業用を比較させていますが、ドイツの50ヘクタール程度の小規模森林所有者は農業と林業を兼業していることが多いので、比較するまでもなく、農業用機械に林業用装備をつけて作業しています。
 それでも、日本のように小型の建設工事用ブルドーザーの土台にハーベスターやフォワーダの先っぽだけを取り付けた機械を使って、谷側は盛り土してすぐ崩れそうな、狭くて危険極まりない作業道を走らせ、作業させるような恐ろしいことは、ドイツではあり得ません。丸太を組んで盛り土して固めたつもりなんでしょうが、それはあり得ませんよ!びっくりしました!日本はドイツの3倍もの雨量があるのですから、丸太の間の土は雨水にさらわれてすぐ流出してそんなところを大型機械で走ったら谷底に真っ逆さまですよ! 
 
もう少しこの試験問題を紹介すべきか、ドイツ造林学に戻るべきか?
 
今日はここまで。                             
 日本の大学のアカデミズムというのは、「学問の自由」を振りかざして「日本なんとか?学会」で研究、論文を発表することを第1義としていると思います。そこには、どのような人材を育成していくかという明確な方向性や戦術が欠如しているように思えます。林学科は存在しても、森林官を育てられない、地域の林産業に貢献しない、森林教育ができない、林業大学校や森林文化アカデミーと連携が取れない、卒業生を林産業界へ送り込む自信と意欲がない。
 でも、大学が変わらないと、林野庁が一生懸命、新しい森林・林業再生プランを作って変えようとしても、議論するための基礎データが存在しないし、新しい森林・林業のための背景となるべき造林や木材流通の理論や方法を提示できません。もっとも、大学の先生たちも何をどうすればいいのか全く分からない状態なのだと思いますが!
 
 で、例えば、「ドイツの森林官というのはどのようなシステムで育成されるのか?日本で同様な職業を作る際、どのような知識、経験が必要なのか?」ということも、たぶんご存じないと思って、この2回、職業訓練学校の卒業試験の問題を紹介しているわけです。
 
 ということで今日は、「木材収穫、林業技術」の卒業試験(筆記) (90分)を紹介します。
〜〜〜〜〜
状況説明: 市場の都合で、ブナの主伐木の伐採は10月に行われる。そのため、樹木は葉が生い茂った状態にある。また、林地には人の背丈を少し超えた位の天然更新のブナの幼木が存在する。
 
対象データ: 平坦地、胸高直径 55cm
 
課題1.(6点) 葉の生い茂った状態での伐倒の際、森林官にとって、6つの危険な点を述べよ。
 
課題2.(14点) 葉が茂った状態では、樹木の評価が重要となる。その「樹木の評価」のポイントを説明せよ。
 
課題3.(8点) 
 3.1 専門的にみて正しい伐倒とは、退避場所を確保することが必要である。対比、そして退避場所について注意すべき点を述べよ。
 3.2 退避の際の最善の段取りを記せ。
 
課題4.(4点) 上で述べた主伐木の伐採で規定通りに、すべての道を遮断する(進入禁止標識とテープなど) どのような場合、さらに監視員をおかなけらばならないか説明せよ。
 
課題5.(12点) ブナの幹には様々な不具合(欠陥)が知られている。
 5.1 次の1,2,3の写真(残念ながら載せられません)の不具合を答えよ。
 5.2 その発生原因を説明せよ。
 5.3 原木の等級選別はどうなるか。
 5.4 木材の利用の遅れがもたらす負の影響を述べよ。
 
課題6.(16点) 
 6.1 図(チェーンソー)(載せられません、あしからず)のシリンダー、燃料噴射部分(1〜7)の名称を答えよ。
 6.2 送油管の機構を説明せよ。
 
課題7.(30点)
 7.1 伐採で産出された原木量は 300 m3 である。その30%が、工業用材と、それと同等の選別となった。市場では比較計算に必要とされる様々な選別基準で売買される。
①燃料用材長     ②薪用材     ③工業用材長
 
林道上で次の価格が提示された。
①30ユーロ/m3    ② 5 ユーロ/Schütt m3 (1m3=2.5Schutt m3) ③35.25ユーロ/t atro  (1 t atro= 1.5 m3)
①〜③を比較計算し、森林所有者に最も有利な選別を決定せよ。
 
 7.2 上記の30%以外は市場価格で次のような選別になった。
 
 Sortiment                     Prozentanfall im Hieb                Festmeterpreis
   選別               伐採の割合               立米価格
Furnier家具              5%                250ユーロ
Güte B(建材)            30%                120ユーロ
Gute C(建材)            20%                 45ユーロ
Schwelle(土台用)          10%                 35ユーロ
Palette(型枠)              5%                 32ユーロ
 
伐採した 300m3 の総収益と、1m3当たりの平均の収益を計算せよ。
 
 7.3 葉なし、葉付きの収穫の比較
 より早い時期の伐採なら 10%多い収益が上がった。しかし、これには次の追加経費が加わる。
① 伐倒経費 12ユーロ/m3 が 5%高くなる。
② 加えて、 68ユーロ/時 で 3稼働時間が加わる。
③ その他の必要経費は 8ユーロ/m3 で同様にかかる。
 
葉なし、葉付き収穫の比較計算をし、 1 m3当たりの収穫収益を計算せよ。
〜〜〜〜〜〜
ロッテンブルグ専門大学営林学科やフライブルグ大学森林科学環境学部では、それぞれの講義がより詳しく時間をかけて行われ、それぞれの講義でゼメスター(半年)ごとに試験が行われています。職業訓練学校の場合は3年間で中間試験と卒業試験の2回だけとなります。それはそれでしんどいような気もしますが、実際は教わった内容が試験に出されますから、まじめに授業を受ければ大丈夫だと思いますが…。
 
試験問題からドイツの林産業に様子も見えてくるのではないかと思います。
 
今日はここまで。
 ドイツの一般森林官(Forstwirt)養成のための林業職業訓練学校の講義や実習内容を知るには、中間試験や卒業試験の内容を見てみるのが手っ取り早いと思うので、今日は4年前の卒業試験の筆記試験問題を紹介しましょう。[ http://www.forstbw.de ] で検索してもらうと、Landesforsten Badenwürttenbergバーデンビュルッテンベルグ州森林庁のホームページが出てきますので、その中で実際の入札価格の表が見れます。原木の品質基準は RVR の中で定義されています。このブログでもずっと以前に、紹介しています。
 
さて、そこで、チャレンジ!
 
一般森林官 職業訓練学校 卒業試験(筆記)  -- 専門知識 (木材収穫、林業技術) (90分) --
課題 1 (18点)
 バーデンビュルッテンベルグ州ではかなりの量の木材が入札で市場に出される。
1.1 価値の高い木材の入札の形式的な過程を記述せよ。
1.2 木材の買い手が入札場所で要求することを5つ記せ。
1.3 入札手法に関わる木材販売を評価せよ。
 
課題 2 (25点)
 入札のために L 6 級(ドイツの主伐木の品質基準の一つ)が用意されている。
 その木材は 3人労働体制のグループによって出された。
 原木置き場の収穫木材の在庫は、天然更新による物が増えつつある。
2.1 ナラの主伐木収穫のための的確な原木収穫手法を示せ。そして、伐倒から販売展示用原木置き場までの取り扱いの経過を説明せよ。
2.2 森の縁辺部の一部のナラはその状態の中で切り倒さなければならない。シュレッパーの能力を生かすための作業手法を記述せよ。
2.3 この伐採において犯しやすい危険なミスを記せ。それについては 伐倒、天然更新や体制に関して言及せよ。
 
課題 3 (17点)
 ナラの主伐原木を移動させる際、投入されたシュレッパーとその装備は大きな意味を持ってくる。
3.1 シュレッパーに関して、この収穫の取り扱いに関わる5つの異なる要求を列挙せよ。
3.2 水圧駆動、機能制御ザイル巻き上げ機の長所を説明せよ。
3.3 機能制御巻き上げ機についていなければならない4つの安全技術装備を記せ。
3.4 林業用ザイル巻き上げ機には次の検査合格表示がある。(FPA Gebrauchswert 01/03 Kwf)その検査基準を説明せよ。
 
課題 4 (15点)
4.1 入札に、350年生のナラの原木が出された。その材積は21mの長さで、18.88m3であった。このナラの原木の中央部の直径を計算せよ。
4.2 長さ11.50m、中央部直径1.08mの別のナラ原木に10,000ユーロ(130万円)の値がつけられた。
 4.2.1 1立米当たりの価格を計算せよ。
 4.2.2 直接販売では、ナラの主伐原木( L 6 級)は 平均 485ユーロ(約6万円)/立米 になる。入札による販売での立米価格の上昇を%で求めよ。
 
課題 5 (15点)
 主伐のために投入されるシュレッパーは、16%の付加価値税抜きで、約225,000ユーロ(2800万円弱)である。支払いの際、10%割引と、さらに3%値引きをしてもらった。
5.1 総購入価格を計算せよ。
5.2 総購入価格はクレジットで支払われた。利子が5.8%、半年後に償還された。利子を計算せよ。
 
 
大変ですねー!森林官になるのは!いろんなことを知っていなければいけないですね。
 
次回もまた、続きをやります。日本に帰国して働き始めたので仕事の合間にこそこそ、ドイツの資料のまとめをやっています。今後日本でどうしていくか、ボチボチ考えていきます。あわてません。どーせ、日本はドイツから50年遅れの、林産業後進国ですから。
 
今日はここまで。
 
 木というのは、成長して、それが主伐木として利用できるようになるのに80〜100年かかります。しかし、林業事業者は80年間、何も食べないわけにはいきませんから、持続的な経営が必要です。
 
 森には、木材生産のほかにも、CO2吸収、水源、洪水の防止、騒音吸収、保養・観光など色々な機能があります。いろいろな人達が関わり、その間の利害の調整が必要になります。
 
 さらに除伐・間伐して手入れをしなければ災害を引き起こしてしまう人工林と、自然のままで保護していくべき天然林があります。ですから、森のことを林産業の関係者だけでなく、一般の人達にも十分理解してもらわなければなりません。
 
 地域、立地条件、気象環境で、その地に適した樹種があります。一方で産業で必要とされる樹種があります。林産業に関わる人には森林・生態学的な知識のほかに林産加工学的、経営学的な知識も必要です。
 
 外国からの違法伐採木材はほとんど把握されることなく、あいかわらず日本の木材産業の現場に大量に入ってきています。その一方で地元の木を生かした伝統的な建築技術(日本文化)はほとんど失われてしまっています。日本のIdentitätアイデンティティーを踏まえた、世界に対する戦略も必要です。
 
などなどと、とにかく森林・林業を取り巻く環境は大変複雑で、森林・林業に関しては単純に、市場原理に任せておけば、何とかうまくいくようなものではありません。ですから、林野庁や各県の林政課・林務課が教育や法律を含めた全体のシステムをうまく作り上げていかなければならないわけです。ドイツの林産業が主要産業として成り立ち、森林・環境政策で常に世界をリードしているのはそれらのシステムが大変うまく出来上がっているからです。
 
 今日は、教育システムの中の、普通森林官(Forstwirt)を養成するドイツの職業訓練学校(15歳から18歳くらいで入学し、勉強2:仕事3の割合で月7万円位の報酬がもらえます)についてご紹介します。
 
ドイツ各州に最低一か所、バイエルンやバーデンビュルッテンベルグ州には3か所、設置されています。日本でいえば、北部九州3県で一か所、岐阜・愛知2県で一か所位と考えてください。対象地域が広すぎると、森林施業措置で教える方も、学ぶ方も困ってしまいます。
 
 授業の内容は、たとえば、BW州MattenhofのAusbildungsschuleの場合
1.Mensch und Arbeit 人と労働
2.Begrundung und Verjüngung von Waldbeständen 森の基盤と更新
3.Pflege von Waldbeständen 森林の育成
4.Wald und Naturschutz− Lebensgemeinschaft Wald 森林と自然保護ー共生としての森
5.Ernten und Verwenden von ForsterzeugnisseーFällen und Nutzen 収穫と利用
6.Waldbauliche Grundlagen 造林学的基礎
7.Schützen von Waldbeständen 林況保護
8.Datenverarbeitung データ加工、解析
 
これらは、<Verordnung uber die Berufsausbildung zum Forstwirt/zur Forestwirtin> という法規のなかで
 
第4節 教育すべき内容(簡潔に要約すると)
1.事業体について(組織、教育、労働・賃金・社会法、労働安全、環境保護など)
2.労働計画、経営評価など
3.森林管理、狩猟
4.自然・景観保護など
5.収穫、選別、計測、運搬など
6.機械による林業技術
 
に従って計画的に行われることになっています。そして、中間試験、卒業試験が実技と筆記の両方で行われます。試験時間も、
1.森林経営・景観保護分野  120分、
2.収穫、林業技術        120分
3.経済、社会関係分野      60分
などと細かく決められています。点数の比重も 実技が筆記の2倍、筆記が口述の2倍とされています。
 
試験の一例を紹介します。
<Praktische Abschlussprufung実技卒業試験> 90分
--Waldwirtschaft und Landschaftspflege森林管理と景観保護--
Waldort : Gemeindewald Neuried ,Distrikt 1 、Abt.10 b
Alter :  15 -20 Jahre齢林
Standort:  Hohenlage位置、高度  150m u.NN  ,
             Niederschlag雨量:  650mm  ,
             Jahrestemperatur平均気温 : Ca.10 ℃ 
             Boden土壌: Gute Nahrstoff und Wasserversorgung栄養豊かで水辺に近い
 
Ziele目的   : Bestandespflege gemäß Pflegerichtlinie Eiche;適切な育林方法に沿ったナラの育林措置
           Beginn der Dimensionierungsphase;方向性を決定する初期の段階
 
Massnahmen措置 : Z-Baumzahl将来木を 70 Stuck本/ha
                   Eingriffsstarke 1-2 Bedranger je Z-Baum.将来木ごとに1−2本の競争木
                  Eingriff an der Südseite eher vorsichtiger wegen Wasserreisergefahr.
         水があがる危険のため、南面の処置
                  Eichen---Z-Baume, welche die gewunschte astfreie Schaftlange von mind.8m
         少なくとも8mまで施業予定の将来木を枝打ち
                  nicht ganz erreicht haben,werden geastet
Verfubare Arbeitsmittel:  Werkzeug zur Jungbestandspfleg 若木育林の道具
                                Markierungsbänder(Blau,Weiss)青と白のテープ
課題:1.受けもった林地の林況調書をつくれ。その状況を評価し、処方を示せ。
    2.Z−Baumは 青で、除伐木は白のテープで示せ。
    3.その決定理由を説明せよ。
    4.施業せよ。
    5.ha当たりの処置の経費を見積もれ。森林官の時間給:12ユーロ/時、 雑費がそれに対し125%
    6.次の視点から自分の仕事を評価せよ。
      ・課題に対する自分の対応
      ・労働技術の的確さ
      ・質的要求に対するする満足度
      ・労働安全性
 
これはひとつの例です。さあ、どんなもんでしょう?
 
次回、また続きを紹介します。
 
今日はここまで。
 
 
 

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