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空しかった・・・。
というのがこの本を読み終わってからの正直な感想。
ストーリーは主人公の妻と娘が交通事故に巻き込まれ、幸い娘の命は助かったが、その意識は妻のものだった、というもの。
はじめはいきなりシリアスな場面なので真面目に考えてしまったが、娘の体に妻の意識があると
わかった所からややコメディ調に。
そのコメディ調のほのぼのさにある種好感を持ったが、性描写が出てくるといきなり現実に引き戻されたようでやや興ざめ。心情を描写するのは確かに重要だが、ここまで細かく書かなくてもよかったような気がする。
そして最後のオチ。これはいくらなんでも残酷なのでは?と思うような結末だった。
たぶん、これは「妻」側の視点と「夫」側の視点によって賛否両論に分かれる思う。
「妻」側にとっては寛容的で愛情深い夫を持てて幸せな気持ちになるかもしれないが、「夫」側に
してみたらその寛容さにつけこんで浮気をし、体は娘という特殊な条件によって夫が別れる事もできないというある種の「拷問」にかけられたようなもの。さらにこんな結末ではやりきれなさすぎる。
むしろ「秘密」なんてものがなかった方が単純に「いい話」で終わってよかったと思う。
最後の方で藤崎という同じ事故で双子を亡くした年配の話が事故で家族を亡くした心情をうまく
表し、それが伏線にもなっていい結末になると思っていただけに本当に残念だった。
東野作品はいつも「いい意味」で裏切られていたが、今回は本当に裏切られた気分だ。
※追記
これを「夫婦愛をテーマにした小説」ではなくて「ミステリー小説」と考えたらこれはありなのかも
しれない。
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